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出逢い
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まるで掃き溜めのようなそこに、人が横たわっていた。死体はあらかた野犬に食われてしまったから、今ここに倒れている子供はきっとまだ生きているのだろう。さっきまで掴んでいたと思われる棒も近くに落ちている。
これで何時間野犬と戦ったのだろうか。傷だらけのその体はあまりにも小さすぎた。
「テール、来てちょうだい」
私の呼び掛けに応じてすぐさま白い魔犬が飛び出してきた。
「あたりの野犬を追い払いながら、お父様のとこにいるお医者様を呼んできて」
そう言うと魔犬は風のように走り去っていく。
私は馬から降りると、倒れた子どもの脈をとる。だいぶ弱ってきていた。仕方がないと、私は子どもの手を両手でぎゅっと握ると神聖力を流し込む。子どもの体が光りだし、みるみるうちに傷が癒えていく。あらかた治ったところで私は手を離しその場に座りこんだ。身体中から汗が吹きでている。
「10歳のこの体で神聖力は無茶だったかしら、体が動かないわ」
私は未だ動かない子どもの肩に、身につけていたマントをかける。
「ごめんね、私のせいで」
風が吹き木々の隙間から月光が揺らいでいた。
「フェル!フェルソワン!」
しばらくして大きな声を上げてお父様の馬車が駆け寄ってきた。そばにはテールもいる。
「お父様、彼が唯一の生き残りのようですね」
彼を指さす私に父様は自身のマントをかけた。「また神聖力を使ったのだな、その体では寿命を縮めると何度言えば」
「そんなことより、彼の手当をお願いします」
待ってましたと言わんばかりに馬車から降りた医者は倒れた子どもの診察をし始める。
「伝染病にかかってますね、お薬をのませます。けがはほとんど治癒しているようです」
医者の言葉に胸を撫で下ろす。
「この伝染病もきちんとした生活ができていれば死ぬことも無く、薬さえあれば治る病気なのに、魔族はこうやって死んでいくしかないのかしら」
「それでも、私たちにはこんなチンケなことしか出来んよ、聖女様の教えだからな。魔族に気を許してはいけないと」
「そう、ですね……」
冬も間近のこの時期の夜風はやけに冷えるようで、お父様は早々に馬車に戻った。
薬を飲まされだいぶ顔色の良くなった彼の髪に触れそっと撫でる。
「ごめんなさい、」
「お嬢様のせいではございません」
医者が言う。私は手をとめずにその漆黒の髪を撫で続ける。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
これで何時間野犬と戦ったのだろうか。傷だらけのその体はあまりにも小さすぎた。
「テール、来てちょうだい」
私の呼び掛けに応じてすぐさま白い魔犬が飛び出してきた。
「あたりの野犬を追い払いながら、お父様のとこにいるお医者様を呼んできて」
そう言うと魔犬は風のように走り去っていく。
私は馬から降りると、倒れた子どもの脈をとる。だいぶ弱ってきていた。仕方がないと、私は子どもの手を両手でぎゅっと握ると神聖力を流し込む。子どもの体が光りだし、みるみるうちに傷が癒えていく。あらかた治ったところで私は手を離しその場に座りこんだ。身体中から汗が吹きでている。
「10歳のこの体で神聖力は無茶だったかしら、体が動かないわ」
私は未だ動かない子どもの肩に、身につけていたマントをかける。
「ごめんね、私のせいで」
風が吹き木々の隙間から月光が揺らいでいた。
「フェル!フェルソワン!」
しばらくして大きな声を上げてお父様の馬車が駆け寄ってきた。そばにはテールもいる。
「お父様、彼が唯一の生き残りのようですね」
彼を指さす私に父様は自身のマントをかけた。「また神聖力を使ったのだな、その体では寿命を縮めると何度言えば」
「そんなことより、彼の手当をお願いします」
待ってましたと言わんばかりに馬車から降りた医者は倒れた子どもの診察をし始める。
「伝染病にかかってますね、お薬をのませます。けがはほとんど治癒しているようです」
医者の言葉に胸を撫で下ろす。
「この伝染病もきちんとした生活ができていれば死ぬことも無く、薬さえあれば治る病気なのに、魔族はこうやって死んでいくしかないのかしら」
「それでも、私たちにはこんなチンケなことしか出来んよ、聖女様の教えだからな。魔族に気を許してはいけないと」
「そう、ですね……」
冬も間近のこの時期の夜風はやけに冷えるようで、お父様は早々に馬車に戻った。
薬を飲まされだいぶ顔色の良くなった彼の髪に触れそっと撫でる。
「ごめんなさい、」
「お嬢様のせいではございません」
医者が言う。私は手をとめずにその漆黒の髪を撫で続ける。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
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