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13,炎
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火事の原因は気の狂った母親による無理心中だ。私が14で涼奈が5つの時だった。
出会った時からあの女は気に食わなかった。
私が覚えているお母さんの顔は病気で参ってしまって青白く生気も化粧っ気もない、それでいてすごく暖かい笑顔だったから、この女の真逆のケバい顔も取り繕った笑顔も気に食わなかった。猫なで声で父さんに取り入ろうとする女を見た時、私は一生こいつを母とは認められないと感じた。
お父さんはお母さんが死んだあと目に見えて元気が無くなっていた。この女には腹が立つがこいつと出会ってからお父さんはすごく元気になったと思う。
けれど私のことは気に食わないようでお父さんのいない所ではよくこき使う。偉そうに命令して、自分はテレビの前で菓子を貪る。
女は夜職で不定期に働きに出かけ安定しない給料でブランド物を買い漁る。それでも足りずお父さんのクレジットカードを勝手に使っているのを見た。お父さんはそこそこ稼いでいるし、お母さんが死んで暫く働けなくなった時も2人で暮らせるだけの貯蓄があった。再婚してから買った新しい家もなかなかに大きい。
心配なのはあの女がお父さんのお金目的では無いかということだった。その心配も妹が生まれたことで飛んでいった。
可愛らしいその赤ちゃんに女は私の名前の1文字違いの涼奈と付けた。それなりに家族の自覚があるのかと安心した。
しかしその安心もつかの間産後女の機嫌は悪くなる一方だった。よく分からないことでキレ散らかしヒスを起こした。仕事もとうとうやめてしまい、あのころの美しさはどこへやら随分みすぼらしくやつれた。
そして赤ちゃんが大きくなり言葉を話すまでになった頃、女は家に火をつけた。視界いっぱいの真っ赤な炎。灰になっていく思い出。身体が燃えてしまうほどの暑さ。今際の父の言葉。泣き止まない涼奈。
それは梅の花がさきはじめた春先の、静かな静かな夜の事だった。
出会った時からあの女は気に食わなかった。
私が覚えているお母さんの顔は病気で参ってしまって青白く生気も化粧っ気もない、それでいてすごく暖かい笑顔だったから、この女の真逆のケバい顔も取り繕った笑顔も気に食わなかった。猫なで声で父さんに取り入ろうとする女を見た時、私は一生こいつを母とは認められないと感じた。
お父さんはお母さんが死んだあと目に見えて元気が無くなっていた。この女には腹が立つがこいつと出会ってからお父さんはすごく元気になったと思う。
けれど私のことは気に食わないようでお父さんのいない所ではよくこき使う。偉そうに命令して、自分はテレビの前で菓子を貪る。
女は夜職で不定期に働きに出かけ安定しない給料でブランド物を買い漁る。それでも足りずお父さんのクレジットカードを勝手に使っているのを見た。お父さんはそこそこ稼いでいるし、お母さんが死んで暫く働けなくなった時も2人で暮らせるだけの貯蓄があった。再婚してから買った新しい家もなかなかに大きい。
心配なのはあの女がお父さんのお金目的では無いかということだった。その心配も妹が生まれたことで飛んでいった。
可愛らしいその赤ちゃんに女は私の名前の1文字違いの涼奈と付けた。それなりに家族の自覚があるのかと安心した。
しかしその安心もつかの間産後女の機嫌は悪くなる一方だった。よく分からないことでキレ散らかしヒスを起こした。仕事もとうとうやめてしまい、あのころの美しさはどこへやら随分みすぼらしくやつれた。
そして赤ちゃんが大きくなり言葉を話すまでになった頃、女は家に火をつけた。視界いっぱいの真っ赤な炎。灰になっていく思い出。身体が燃えてしまうほどの暑さ。今際の父の言葉。泣き止まない涼奈。
それは梅の花がさきはじめた春先の、静かな静かな夜の事だった。
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