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第1章

第4話 さよならりっくん

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俺達は神社の裏に集合した。
そして、昨日のお札の貼ってある木に向かった。
「確かここだったよな…。」
俺はけんたに確かめた。
「あぁ…。」
「ちょっと!こんな虫の多いところ嫌!!」
みくが文句を言い出した。
けんたが昨日と同様に木に触れた。
その瞬間、意識を失った。

「なんなのここ!すごい!」
目を覚ましたみくがはしゃいでいた。
「皆さん大丈夫ですか?」
りっくんが心配してきた。
「きゃー!りっくん優しいね!」
みくがはしゃいでいた。
俺は辺りを見渡した。
相変わらず周りは気に囲まれていえ出口などなかった。
だが、昨日と違う点がひとつあった。
不法投棄物の置いてある奥の方に小さな木のトンネルがあった。
けんたが確かめに行った。トンネルを抜けた先は行き止まりになっていたが、そこにはりんごの木がなっていた。
「後で取りに行こうな。」
俺はそういい、今日もまた秘密基地作りを始めた。

今日は屋根を作ることにした。
「そういえば俺、釘持ってきたんだ。これで壁を頑丈に固定しようぜ。」
けんたはそう言うと、釘を出して石を金槌代わりにして打ち始めた。
今までは植物のつるなどで補強していたがあまりにも不十分だったので助かった。
こうしてけんたのおかげもあり、屋根は1時間くらいで完成した。
「みんな、中に入ってみようぜ。」
けんたはそういうと、一目散に入って行った。
小さいツリーハウスではあったが子供4人はギリギリ入れた。
「次はお菓子持ってこようぜ!」
けんたはお菓子を食べることしか考えてないようだ。
「秘密基地、せっかく作ったんだから合言葉きめないか?」
俺は提案した。
「いいねぇ!」
けんたが賛同した。
「合言葉なら、山!川!とかどうかな?」 
りっくんが提案した。
「いいね!さすがりっくん!それにしよ!しよ!きまり!」
みくが激しく賛同したため、山と川になってしまった。
「なぁ、さっきのりんご取りに行かねーか?」
けんたがよだれを垂らしている。
「おう、いこいこ。」
「だが、狭いからふたりが限界だな」
けんたは指を2本立てて俺たちに見せつけた。
「けんた、そんなに行きたいならお前が行っていいよw」
「お!まじ?ありがとな!」
けんたはよろこんだ。
「けんたくんがいくなら、しゅうくんが一緒に行った方がいいと思うー!みく、りっくんとお留守番してるからー!」
みくはりっくんと二人っきりになりたくて俺を勧めてきた。
こうして俺とけんたはリンゴを取りに行くことになった。

俺とけんたは木のトンネルに入った。
「なあ、この木のトンネル、全部りんごの木なんじゃねーの?」
俺はそう思いけんたにきいた。
「そうかもしれねーな!」
けんたは、りんごを収穫する気満々だったためご機嫌だった。
そして、りんごの木まできた俺たちは木に登り、りんごを収穫した。

「シャリッ!むしゃむしゃ。ゴックン。はぁーうめぇ!」
「あ?てんめぇ!先に食ってんじゃねーよ。」
けんたはりんごを既に食べていた。
「早くみんなのところ戻るぞ。」
こうして俺達はりんごを持って秘密基地に戻った。

秘密基地のハシゴを登ろうとした瞬間上から悲鳴が聞こえた。
「いやぁぁぁぁぁぁあ!!」
たちまち、鈍い音がした。
後ろを振り返るとそこにはみくが横たわっていた。
「お、おい!大丈夫か?」
けんたは心配した。
みくは上から落ちてきた。
「みんな!どうしよう。みくちゃん、足を滑らせて…」
りっくんが急いで上からおりてきた。
その瞬間、昨日の光景がフラッシュバックした。
そして俺は気絶した。


今日もまた、一睡もできないままけんたと学校に行った。
「な、なあ。俺昨日気絶したよな?あの後どうして元に…。」
俺はけんたに昨日のことを聞いた。
「それが、俺も気絶してよく分からねんだ。」
けんたも不思議そうにした。
「みくはどうなったんだ?まさか…」
俺は急に不安になった。
「大丈夫だろ。りっくんも学校に戻っていたんだ。きっとみくだって。」
けんたは無理やり笑顔を作った。
「そ、そうだよな!早く行こうぜ」
こうして俺達は急いで学校へ向かった。
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