一基当千ゴーレムライダー ~十年かけても動かせないので自分で操縦します~

葵東

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第十一章 戦争終結

国土と国民は取り返すも

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 その日の午後、フローレンティーナ女王の執務室に主だった者が集められた。
 早馬でフェルームから届いた「ルークスの聴聞」報告書の写しが女王の他宰相、元帥、騎士団長、王宮精霊士室長、王宮工房長らに配られる。
 聴聞は王立精霊士学園で行われたが、軍事機密もあるのでプルデンス参謀長が聞き取り、ゴーレムの専門家である教員一名のみが同席を許された。
「その教師は信頼できるのですか?」
 ネゴティース宰相が懸念を示す。
「王宮工房の元研究員です。国家機密の巣窟にいた人物ですから間違いありません」
 と王宮精霊士室長インヴィディア卿が請け合った。
「信頼できぬ人物を、参謀長ともあろう者が同席させる事はありません」
 とヴェトス元帥も補足する。

 報告書の中身は、ゴーレムの名がイノリである事から始まり、その開発についてが第一章だった。
 オムとウンディーネで等身大を作り、グラン・シルフも協力して七倍級に至る。
 随所に元研究員教師の補足が入っており「通常の契約精霊ではここまで望めない」と強調してある。
 契約者に指示されたから動くのではなく、契約者の望みを叶える為に精霊が知恵を絞り、技術を高めているのだと。
「つまりそれだけ、ルークス・レークタは精霊との関係が極めて良好ゆえでございます」
 インヴィディア卿が言う。
 搭乗型ゴーレムという斬新な考え、それを実現する為の工夫。そのどれも「精霊の献身」があって成立するので「模倣するには、まず精霊との関係を見直す事が必要」と教師は結んでいる。
「つまり、量産は不可能か……」
 ヴェトス元帥は残念そうに首を振ると、初老の太った老人トゥトゥム王宮工房長が言う。
「搭乗する、との考えは使えましょう。工房のゴーレム班に検討させます」

 第二章はヴィラム村近郊で西からの侵攻を撃退した経緯である。
 未完成のゴーレム単基で向かう際、搭乗する事を思いついた段が淡々と書かれてある。
「戦闘前に恐怖を感じた」との表記にフローレンティーナの胸が痛んだ。
 こちらの攻撃が弱いこと、敵の攻撃は当たり損ねでも大ダメージになることなど、非力で脆弱なイノリの弱点が赤裸々に綴られてある。
「ゴーレムとしての強みが殆ど無いのか」
 イノリの活躍を見ているだけに、ヴェトス元帥には意外だった。
 そして鎧を捨てイノリを走らせ、敵本陣を竜巻で包囲した。
「グラン・シルフはここまでできるのですか?」
 フローレンティーナの問いかけにインヴィディア卿は首を横に振った。
「この少年はグラン・シルフとは別に、シルフ数十とも契約しております。故に、使える風の力は他の大精霊契約者を凌駕しております」
 ルークスが精霊使いとして破格であると、一同は理解した。

 第三章がソロス川での決戦である。
 新兵器火炎槍の説明、一回ずつ松明によって加熱時間が必要な欠点、そして魂を得たサラマンダーにより、その欠点が無くなったときの連続攻撃――。
「魂を得たと?」
 そこにフローレンティーナは引っかかった。彼女の知識では「精霊は人間に恋をしたときに魂を得る」とあるからだ。
「この報告書には抜けておりますが」とインヴィディア卿が説明する。「ゴーレムを構成する三体の精霊、グラン・シルフ、ウンディーネ、オムもまた魂を持っております。それ故の献身にございます」
 女王の心中にチリチリ燃える炎が灯った。
 四体の精霊、しかも全て女性がルークスに恋をしているのだ。
「そうした精霊との関係は、簡単には真似出来ないでしょうね」
「お言葉どおりでございます」
 フローレンティーナの言葉を、インヴィディア卿は額面どおりに受けたようだ。
 女王がルークスを知っているなど夢にも思わないから。
 フィデリタス騎士団長は「ノームによる自律行動は事前の動きで予期できる」との記述に注目した。
「搭乗型ゴーレムで人間がその場その場で指示できれば、敵に優勢になれますな」
 ヴェトス元帥はその指摘に同意した。
「ただし――」
 と間を置く。
「一人のゴーレムコマンダーが複数を操る集団戦法を、見直すことになりましょう」
 それは父親が確立した技術を、息子の新技術が塗り替えることを意味する。
「もっとも、搭乗型ゴーレムの量産ができたらの話ですが」

 最後がリスティア国王拿捕である。
 敵のグラン・シルフ使いを捕まえに、ゴーレムを破壊する程の荒れ狂う濁流を渡った。しかも浮かんで。
「ゴーレムが浮くだと!?」
 トゥトゥム王宮工房長にインヴィディア卿が説明する。
「このゴーレムは空気で膨らませた水です。鎧を着てなお水より軽いので浮きます」
 対岸で敵兵に投降を呼びかけ、イノリを走らせている間に寝ていたら、いつの間にか国境を越えていた。気付いたのは、昔の国境に達したとき。
 さらに進んで、大王都ケファレイオの外壁を跳び越え――
「ゴーレムが壁を跳び越えた!?」
 王宮工房長が目を剥いた。
 大王城の城壁を乗り越えた段は、首を振っている。
 イノリは一般のゴーレムでは不可能な動きができるが、ゴーレムを知っているほど常識を覆された時の驚きは大きくなる。
 目的であるグラン・シルフ使いは自害したが、グラン・シルフがラファールと確認。
 その際「邪魔だからどけようと」掴んだ男が、王冠を被っている事に気付いた。
 突然女王が笑いだした。うつむいて肩を震わせる。
 何か凶兆が起きたのでは、と臣下たちは不安に陥った。
 しかし臣下の心配は杞憂で、フローレンティーナは明るく笑い声をあげた。
 両親の仇である敵国王を捕らえたのだから、どのような展開や心の動きがあるかと身構えていたら、肩透かしを食らってしまった。そのギャップがおかしくなったのである。
「彼の目には王冠も映らないのですね。邪魔だからと掴んだら敵の国王だったなんて。あの虚栄心の塊に『取るに足らない扱いをされた』と教えてあげましょうか」
 笑いつつ言い終え、やっと横隔膜が落ち着いた。
「両親の仇を、その手で掴むまで気付かないなんて。しかも生け捕りにするとは」
 なぜ殺さなかった?
「彼が私憤で仇討ちしなかった事は賞賛に値します」
 その理由は報告書にあった。
 精霊に「敵の国王のことは、パトリアの女王に相談すべき」と進言されたからだ。
 そして彼は相談どころか身柄を渡したのだ。ならば応えよう、と女王は思った。
「彼はアラゾニキをどうしたいか、言っていないのですか?」
 報告書には何もない。
「何か希望があれば、可能な限り応えましょう。我が国の仇でもある暴君を捕まえただけでなく、歯の根が合わぬほどの恐怖を与えた功績に報いるのに、規定の恩賞だけでは不十分と思います」
 昔なら身代金は捕まえた者の財産である。他国と交渉できる貴族が戦争の主体だったからだ。今は捕虜は国が管理し、捕らえた者にはその活躍に応じて恩賞が配分される。身代金と交換した場合は、その額の一割である。
 ルークスは単身で捕まえたので、一割をそっくり一人でもらえる。
「正規兵でもないのに規定の恩賞を与えたうえに、恐怖を与えた事も追加ですか?」
 宰相が不満そうに言う。
「無論です。かの暴君の面目を潰したのですよ? 私の気分が晴れたように、国民も喜ぶでしょう。それを功績に入れずしてどうします?」
「しかし彼は、色々と無礼な行為もしております」
 思い当たる節があるので、フローレンティーナは先回りする。
「西での働きについて、私の使いを無視した件ですか?」
「御意。陛下のご厚情を無視したのですぞ」
「報告書をよく読みなさい。彼は疲れて帰路は眠っていました。使いと会った事実さえ記載されていません。ならば応対は精霊が行ったのでしょう」
「精霊の行いは契約者の責任です」
「恐怖を圧して命がけで敵と戦い疲れた者の、眠りを妨げるような無礼を働いて、どのように感謝が伝わるのです? 精霊が何と言ったかは知りませんが、なぜ彼が目覚めるまで待たなかったのです? 責任があるとしたら、それは使命を果たさず帰ってきた者と、そのような人物を選んだ者にこそあるはずです」
 形勢が不利なので宰相は話題を転じた。
「昨晩もアラゾニキを引き渡すや帰ってしまいました」
「先程元帥も申していましたね。リスティア大王都まで往復などしたら『疲労困憊で大の大人でも倒れてしまう』と。その前に彼はソロス川で戦っているのですよ? 貴方は疲労困憊するまで身を粉にして働いた経験が無いのですか? ああ、だから先程も眠りを妨げてまで感謝を伝える行為を異常と思わないのですね。国の為に疲れるまで働いた者には安らかな休息を与えなさい。用事はその後で結構です」
 宰相を叱っているうちに、自分の中のわだかまりも溶けてゆくのを感じた。
 ルークスは心身を削って戦ってくれたのだ。
 会いたいなどと子供じみた感情ですねては、彼の献身に顔向けできないではないか。
「ルークス・レークタは、戦争の勝利に最大の貢献をしました。その働きは史上類例を見ないほどに鮮烈かつ多大。彼なくして我が国の勝利はありませんでした。よって、我が国は最大の褒賞をもって応えます」
 君主の決は下り、ルークスは戦勝祝いの祝賀で最大の功労者として顕彰される事になった。

                   א

 アラゾニキ四世が締結した講和条約を、リスティア大王国は拒否した。
 幼いアウトマータ王太子を大王に即位させ、アラゾニキ四世を見捨てたのだ。
 予期された事態なので、パトリア王国はゴーレム三十基を含む解放軍三千をかつての領土に送り込んだ。
 これをリスティア軍は迎撃するどころか、旧パトリア領土から撤退していった。
 各地で起きた民衆蜂起でそれどころではないのだ。
 解放軍にはリスティア軍から離反したパトリア人七百名がおり、自分の郷里に部隊を案内すると同時に、民衆の不安を鎮める働きをした。
 ちなみにルークスが投降させた残り九千三百のリスティア将兵は、部隊ごとではなく郷里ごとにまとめて、バラバラに帰還させた。その結果、多くがリスティア軍ではなく蜂起した民衆に合流した。
 二日後、パトリア解放軍はかつての国境テルミナス川に到達した。
 女王フローレンティーナの名で領土返還がなされたと宣言する。
 これに対してリスティア大王国は新大王名で抗議だけはした。

 プルデンス参謀長はこう言う。
「元の領土でさえ治められないので、旧パトリア領を切り捨てましたね。しかし講和条約を認めると、民衆蜂起の原因たるアラゾニキ四世が帰ってきてしまう。リスティア現政府は、我が国の手で始末させたいのでしょう」
 そう言われてフローレンティーナ女王も納得してしまうくらい、リスティアの民も新政府も、アラゾニキ四世には冷淡だった。
 そうした事情は当人に教えてやった。お陰でアラゾニキは鬱々として、現実逃避するようになった。
 そんな「侵略者の惨めな姿」に国民も大喜びし、国中で戦勝気分が盛り上がった。
 宿敵アラゾニキ四世を捕らえたルークス・レークタの名は否応なく高まってゆく。

 パトリアによる領土奪還の直後、リスティア大王国に「治安維持の協力」名目でマルヴァド軍が進駐した。
 パトリア王国に対しては「和平の仲介」と二枚舌で言い訳する。
 リスティアとの密約の証拠隠滅が目的である事は明々白々だったが、大陸東部最強の国と争う力はパトリア王国には無い。
 使者がしたり顔で言った「賠償金を貴国に代わって取り立てる」との空約束を、信じた振りをして耐えるしかなかった。
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