2 / 4
スペース2
しおりを挟む
裕太は、一日の仕事を終え、会社を出ると、すぐにTwitterのアプリに通知が出てないかをチェックする。
(大丈夫。白い鳥の横に赤い数字はない)
裕太は、気になるアカウントがツイートすると通知がくるよう設定しているのだ。
もちろん、裕太のツイートにリプライやイイネがついても通知はくるが、Twitterでもボッチな裕太のアカウント自体に通知がくることはあまりなかった。
サッとアプリを開いて、気になるアカウントをチェック。大丈夫。ツイートは朝の「おはようございます」から、追加はなし。スペース予告もない。いや彼女は何時からスペースです。と予約を設定することはない。ただたまにツイートで、「今日スペースどうしよ?」と書かれてるぐらいだ(そういう日は、スペースが行われる確率が高い)。
彼女のTwitterのアイコンはクマさんのぬいぐるみの写真。アカウント名は「saki♡」。もちろん本名か適当につけたアカウント名なのかもわからない。
だが、声はいい。
とてもいい。
少しだけ甘やかな若い女性の声。
新緑が似合う声だ。ぜひピクニックに一緒に行きたい。
横でこの声の持ち主に話してもらえたら、最高に癒される。
だが残念なことに、「saki♡」はスペースを録音してはくれない。録音機能を使ってツイートに残していてくれたら、何度でも聞くのに。
「saki♡」の話す内容は、今日飲んだスタバの新作が美味しかったとか、そんなたわいもない雑談だ。
だからリスナーも一桁しか集まらない。
ただの雑談だから残さないのだろう。
理屈はわかる。でもこちらは同じ話でもいいのだ。何度でも聞きたい。
「saki♡」のスペースはまさに一期一会。
聞き逃したら、その日のスペースで何を話されたか、永遠にわからない。
「saki♡」は芸能人でもYouTuberでもないし、個人で音声配信なんかもやってない。ただの日本のどこかにいる一般の女性だ。
暇つぶしに、Twitterで今日の出来事や自分の趣味をちょっと話しているだけ。リスナーを増やそうとか考えていないから、媚びることもないし、何か誇張して話すこともない。声も作ったものではなく、自然体だ。素朴な彼女本来の声。
本当にスタバで友達と話すような、生産的でない話をTwitterのスペースで話している。
そこがいい。
配信者ではないから、どこにもアーカイブがない。供給が少ないからこそ、裕太は「saki♡」の声に執着していた。
(ああ、「saki♡」の声がもっと聞きたい)
(大丈夫。白い鳥の横に赤い数字はない)
裕太は、気になるアカウントがツイートすると通知がくるよう設定しているのだ。
もちろん、裕太のツイートにリプライやイイネがついても通知はくるが、Twitterでもボッチな裕太のアカウント自体に通知がくることはあまりなかった。
サッとアプリを開いて、気になるアカウントをチェック。大丈夫。ツイートは朝の「おはようございます」から、追加はなし。スペース予告もない。いや彼女は何時からスペースです。と予約を設定することはない。ただたまにツイートで、「今日スペースどうしよ?」と書かれてるぐらいだ(そういう日は、スペースが行われる確率が高い)。
彼女のTwitterのアイコンはクマさんのぬいぐるみの写真。アカウント名は「saki♡」。もちろん本名か適当につけたアカウント名なのかもわからない。
だが、声はいい。
とてもいい。
少しだけ甘やかな若い女性の声。
新緑が似合う声だ。ぜひピクニックに一緒に行きたい。
横でこの声の持ち主に話してもらえたら、最高に癒される。
だが残念なことに、「saki♡」はスペースを録音してはくれない。録音機能を使ってツイートに残していてくれたら、何度でも聞くのに。
「saki♡」の話す内容は、今日飲んだスタバの新作が美味しかったとか、そんなたわいもない雑談だ。
だからリスナーも一桁しか集まらない。
ただの雑談だから残さないのだろう。
理屈はわかる。でもこちらは同じ話でもいいのだ。何度でも聞きたい。
「saki♡」のスペースはまさに一期一会。
聞き逃したら、その日のスペースで何を話されたか、永遠にわからない。
「saki♡」は芸能人でもYouTuberでもないし、個人で音声配信なんかもやってない。ただの日本のどこかにいる一般の女性だ。
暇つぶしに、Twitterで今日の出来事や自分の趣味をちょっと話しているだけ。リスナーを増やそうとか考えていないから、媚びることもないし、何か誇張して話すこともない。声も作ったものではなく、自然体だ。素朴な彼女本来の声。
本当にスタバで友達と話すような、生産的でない話をTwitterのスペースで話している。
そこがいい。
配信者ではないから、どこにもアーカイブがない。供給が少ないからこそ、裕太は「saki♡」の声に執着していた。
(ああ、「saki♡」の声がもっと聞きたい)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
真実の愛の祝福
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
皇太子フェルナンドは自らの恋人を苛める婚約者ティアラリーゼに辟易していた。
だが彼と彼女は、女神より『真実の愛の祝福』を賜っていた。
それでも強硬に婚約解消を願った彼は……。
カクヨム、小説家になろうにも掲載。
筆者は体調不良なことも多く、コメントなどを受け取らない設定にしております。
どうぞよろしくお願いいたします。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる