天使のお言葉を賜るには

 裕太はツイ廃の日々を謳歌していた。  
 好きなアカウントの声を、Twitterの音声交流機能で聞くためだ。その天使のような声に魅了されたのだ。
 もちろんその声の主はどこの誰ともわからない。アカウント名しか知らない女性の声を聞くために、裕太は仕事以外の、全ての時間をTwitterに費やしていた。
 しかし彼女のアカウントは炎上ののち、沈黙した。文字のツイートすらない。裕太の生活から天使の声は失われた。
 意気消沈していたある日。「すみません」道で軽くぶつかり謝った相手から、確かに彼女の声が聞こえた。
 これはストーカー一歩手前の裕太が、理想の声の主とどうにか会話するまでの青春グラフィティ。
24h.ポイント 0pt
0
小説 184,587 位 / 184,587件 ライト文芸 7,547 位 / 7,547件