おっぱい星人がやってきた

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色々興味のある宇佐美さん

 そこで、宇佐美がニヤッと意地の悪い笑顔を見せた。俺の中に嫌な予感が走る。

「触って欲しいん? 小野」

 直球で来おったな。

「……欲しくないよ」
「そんな、欲しそうな顔で言われても説得力ないで」
「そんな顔してへん」
「ええよ、触ったるわ」
「は?? いや、ちょっ、あかんでっ、宇佐美っ」

 俺が万歳状態のまま急いで起き上がろうとすると、宇佐美が俺に背中を向けて腰辺りに乗ってきた。がっちりとホールドされて、身動きとれへん。

 俺は必死で宇佐美を説得に入った。

「やめえっ、宇佐美っ。お前、おっぱいだけが目的ちゃうんかいっ」
「おっぱい好きやけど。ちょお、小野のここも興味あんねん」
「はあ?? 何言うてんねん」
ってんのなん、見たことないし」
「そんなん、見ても得せえへんって!」

 その間にも、宇佐美はさっさとベルトを外して、俺のジーンズのボタンも外すと、ジッパーを下げてきた。

 ちょっ、ほんま、勘弁してくれっ。

 顔が恥ずかしさで一気に赤くなる。宇佐美が両手でぐっと俺のジーンズをずらした。下着が露わになっとるのが分かる。その下着に宇佐美の手がかかった。それを下げられた途端、勢いよく俺のアソコが、外の世界へ飛び出してきた。

「……けっこうデカいな、お前の」

 宇佐美の視線をアソコに痛いほど感じた。

「もう……やめぇや……」
「感度もええの?」
「え? 何? あっ、ちょっ、あんっ」

 宇佐美がなんの遠慮もなしに、俺のアソコをぐっと握りおった。我慢し続けとった俺のアソコがその刺激に驚いたのは無理もあらへん。一瞬、宇佐美の動きが止まった。後ろ向きやから表情までは分からへん。やけど、俺のつい出てもうた声に反応したんは分かった。

「宇佐美………?」

 突然、宇佐美が右手を上下に動かし始めた。俺は堪らず声を上げる。

「うわっ、あっ、やっ……ちょっ、宇佐美っ、やぁ、ん」
「……エロい声」
「やめっ、ほんまにっ、あっ、あっ」

 もう何がなんやら。羞恥心と快感と宇佐美に対する怒りと色んな感情がごちゃ混ぜになっとる。

「うわ、小野、ビンビンやな、ほんまに」
「やっ、あっ、んんっ」

 なんとか理性を保とうと足をバタバタしたりして誤魔化そうとするが、そんなん、こんな状態になったら効果があるわけない。

「……小野の……なんか出てきたで」

 そりゃ、出るよ。先走りぐらい。こんなけ手で扱かれとったら。

 そこで、またもや宇佐美の動きがピタリと止まった。ますます悪い予感がする。宇佐美が前屈みになるのを見て、悟った。

 やばいっ。

「宇佐美っ!! それは、あかんって!! あっ」

 体中になんとも言えへん快感が走った。

「ああっ、あっ、やっ、あっ」

 宇佐美の口の中は温かくて、舌の動きはエロくて、衝撃的なことに今まで経験したどのフェラよりも感じてもうた。俺の声は、お隣に聞こえるんちゃうかぐらい、大きく、卑猥になっとった。それくらい、気持ちよかった。

 やけど。

 こんなんあかん。

 俺の辛うじて残っている理性が叫ぶ。

 いくら気持ちよくても。宇佐美とはしたらあかん。男なんは百歩譲ってええとしても。宇佐美は同期の一人で。これからずっと、付き合うていかなあかん仕事仲間で。

 一度こんなんしてもうたら。今までそれなりに創り上げとった距離感が壊れてまう。

 それに。

 このまま、どんどん進んだら。

 俺、どうなってまうんやろ。

 そう思うたら。突然、恐怖みたいな感情が湧き上がった。その得体の知れへん感情に強く突き動かされる。

「あかんっ!!」

 俺は両腕を思いきっり宇佐美の背中に振り下ろした。

「いったぁ!!」

 宇佐美が動きを止めたその隙に、全身に力を込めて体を捻った。上に乗っとった宇佐美が、うわっ、と言いながらソファにから落ちた。

 急いで起き上がると、Tシャツを手首から取り外し、下着とジーンズを履き直した。

「いったいわぁ……」

 宇佐美が不機嫌そうに呟いて起き上がった。

「いきなり何すんねんっ」
「それはこっちの台詞やろっ。お前こそ、男の俺に何してんねんっ」
「小野やって欲しがってたやん」
「欲しがってない」
「しとったって」
「してへん」
「…………」

 じっと探るように宇佐美に見つめられて、居心地が悪い。やけど、ここで流されたらあかん。

「なあ」
「……なんやねん」
「……嫌なん? 俺に触られるの」
「…………」

 すぐに言葉が出えへんかった。何が正解か、何を求められてんのか、よう分からへんかった。

 やけど。『嫌やないよ』と答えたら、元の木阿弥ちゃうか。せっかく己の欲を振り切って、宇佐美を止めたんやから。

 それが嘘でも。今、言える答えは一つしかあらへん。

「……嫌や」

 たっぷり間を置いて放った俺の一言は、言葉の重み以上に重く響いたような気がした。

 宇佐美が、分かりやすく不機嫌になった。ちゅーか。傷ついたんが分かった。

「……そうなんや」

 ぼそっと呟いて立ち上がる。床に置きっぱなしになっとった鞄を持つと、そのままリビングを出ていった。

 帰るわ。そう小さく言い残して。

 罪悪感と、後悔と、切なさにも似た感情が俺を支配する。

 宇佐美を追いかけたい衝動に駆られるが、それをぐっと堪えた。微かに聞こえる玄関の閉まる音を、為す術もなく聞きながら。

 それから。おっぱい星人は俺の家を訪れることはなくなった。
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