フェイク

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七年間

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「あっ……はっ……」

 体が熱い。汗がじんわりと全身を覆う。四つん這いになって、顔を枕に押し付けながら、両手でシーツを握り締める。

 七尾の動きに合わせて体がリズミカルに揺れる度に、痺れたような感覚に襲われて、思わず声が出る。

 七尾の唇がそっと背中に触れた。ちゅっ、と軽く吸われて、明石の体がピクリと震えた。

「んんっ」
「明石は背中が弱いんだな」

 凄え、締まる。笑みを含んだ声音で七尾の言葉が降ってくる。それに答える余裕は、明石にはない。

 散々と七尾に触れられて、体がふわふわしている。意識も朦朧もうろうとしていた。

 もう三回、七尾と交わっている。

 一回目はとても優しく抱かれた。体の隅々を検体されるかのように、見られ、触れられ、舐められた。

 時間をかけて明石を愛撫した後、ようやく一つになれた。

 経験がないわけではなかったのに、初めてセックスをするみたいに恥ずかしかった。

 男とはしたことがないと言っていた七尾の方が落ち着いていて、本当に経験がないのかと疑ったほどだ。

 二回目は激しかった。シャワーの中で、最初から深いキスをして、その勢いで正面からすぐに繋がった。本能のままに交わった。

 求めて求められて、獣みたいな声を上げて、無我夢中のままいつの間にか絶頂に達していた。

 そして今。優しさと激しさのちょうど狭間のような。お互いをじっくりと感じて、その感触を楽しむような。そんなセックスをしている。

 セックスは随分と久しぶりだったので少し不安もあったが、七尾に抱き締められてキスを交わした瞬間、そんな感情は見事に飛び去った。

 不安など感じていられないほどに、七尾が欲しかった。

 七年間も秘めてきた恋心は、一度放たれると抑制が効かなくなった。それは七尾も同じだったようだ。

 二人は、溜めに溜めた欲望をひたすら満たした。

 お互いあんなに距離を取って、話す度に気まずくなっていたのに。それが信じられないぐらいに、隙間に何も入る余地がないくらいきつく抱き締め合った。

「明石、そろそろイく」
「あっ……俺も……」

 今夜、何度も味わった絶頂の波がまたじわじわと押し寄せてきた。七尾が抽送を速めて、腰を激しく打ち付けてきた。

「あっ、んっ、んっ、あっ、ああっ、イっ……」

 ああっ、と掠れた声が飛び出たと同時に、明石の中で痺れるような快感が巡る。腰がびくびくと波打った。

 その直後、七尾も小さくうめき声を上げて、明石の中で果てた。

 七尾が繋がったまま、後ろから明石を軽く抱き締めた。

「……ありがとう」
 そう呟かれて、明石は顔を振り向かせた。
「七尾?」
「勇気出して、会いに来てくれてありがとう」
「……うん」

 明石を抱き締めていた腕を緩めて、七尾がそっと繋がりを断った。明石は体勢を立て直すと、汗まみれの体を気にもせず、七尾の胸に顔を埋めた。そして、しばらく七尾の心音に耳を傾けた。
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