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第三章
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「あっフウ、おかえり」
ちょうど話の区切りを見計らったように、馬車の中にフウが飛び込んできた。嬉しそうな鳴き声をあげながら、私の肩に乗り、体を擦り付けている。
「はは、甘えてるね」
グリネアが面白そうにフウを見つめる。
「今回は長かったから……お疲れ様」
私はフウの頭を撫でてやると、より興奮した様子で鳴き声をあげる。フウにはアルクへ手紙を届けてもらった。お父様の領地から飛んでもらって、半島近くの街まで行き、そこからアルクを探すという大変な仕事をしてもらった。結構な時間がかかった所と甘え方を見ると、大変だったらしい。
「手紙見せてね」
私はさっそく、フウの足についている手紙を取る。開いてみてみると、アルクからだった。ちゃんと届いたらしい。誰かを経由しているかもしれないけど。前にアルクに手紙を届けてもらった時と今回のノクリーアに手紙を届けてもらった時の様に。しかも、今回の方はお父様を経由したとノクリーアに聞いた。この子のせいでバレていたという事だ。私はつい苦笑してしまう。
「どうしました?」
私の苦笑を見て、マークが声をかけてきた。
「何でもないわ、アルクは街で待ってるって」
「そうですか」
「これで一つ解決ね……本当に先が長いわ」
私は一息つきながらそう言う。今回の事は突然現れた問題だったから、進んだという感覚にはならない。
「でも、オオミミズはすでに半島に到着していますし、土の再生は進んでいますよ」
マークが慰めるように優しく言った。私は頷く。足踏みなんかしていない。今回の事だって、アンデットは放っておけない問題だったんだし、ちゃんと進んだと思おう。
※
何日か後の昼過ぎ頃、私達は街へ到着して、アルクに合流する。
「どうも、アルクだ、あんたが聖魔法の使い手か」
「はい、はじめまして、ノクリーアです」
合流してさっそく、アルクはノクリーアに目をつけて、握手を求める。ノクリーアも笑顔でそれに応じる。
「すぐに聖魔法の使い手が見つかってよかったよ、さっそくあの山のアンデットを消し去って、アレを探そう」
中断していた宝さがしを再開できるとあってか、アルクの目は輝いていた。早く行きたいという感じで、今にも走り出しそうだ。そんな状態でも、毒結晶を街中ではアレと呼ぶ当たり、冷静さはちゃんと残っているらしい。
私達は半島に移動する為に動き出す。すでにアルクがいろいろ用意してくれているおかげで、買い出しをする必要もない。
「さぁ、帰るわよ」
もうあの場所は帰る場所だ。だからこそ私はその言葉がふさわしいと思う。みんなも笑顔でそれに頷いた。
ちょうど話の区切りを見計らったように、馬車の中にフウが飛び込んできた。嬉しそうな鳴き声をあげながら、私の肩に乗り、体を擦り付けている。
「はは、甘えてるね」
グリネアが面白そうにフウを見つめる。
「今回は長かったから……お疲れ様」
私はフウの頭を撫でてやると、より興奮した様子で鳴き声をあげる。フウにはアルクへ手紙を届けてもらった。お父様の領地から飛んでもらって、半島近くの街まで行き、そこからアルクを探すという大変な仕事をしてもらった。結構な時間がかかった所と甘え方を見ると、大変だったらしい。
「手紙見せてね」
私はさっそく、フウの足についている手紙を取る。開いてみてみると、アルクからだった。ちゃんと届いたらしい。誰かを経由しているかもしれないけど。前にアルクに手紙を届けてもらった時と今回のノクリーアに手紙を届けてもらった時の様に。しかも、今回の方はお父様を経由したとノクリーアに聞いた。この子のせいでバレていたという事だ。私はつい苦笑してしまう。
「どうしました?」
私の苦笑を見て、マークが声をかけてきた。
「何でもないわ、アルクは街で待ってるって」
「そうですか」
「これで一つ解決ね……本当に先が長いわ」
私は一息つきながらそう言う。今回の事は突然現れた問題だったから、進んだという感覚にはならない。
「でも、オオミミズはすでに半島に到着していますし、土の再生は進んでいますよ」
マークが慰めるように優しく言った。私は頷く。足踏みなんかしていない。今回の事だって、アンデットは放っておけない問題だったんだし、ちゃんと進んだと思おう。
※
何日か後の昼過ぎ頃、私達は街へ到着して、アルクに合流する。
「どうも、アルクだ、あんたが聖魔法の使い手か」
「はい、はじめまして、ノクリーアです」
合流してさっそく、アルクはノクリーアに目をつけて、握手を求める。ノクリーアも笑顔でそれに応じる。
「すぐに聖魔法の使い手が見つかってよかったよ、さっそくあの山のアンデットを消し去って、アレを探そう」
中断していた宝さがしを再開できるとあってか、アルクの目は輝いていた。早く行きたいという感じで、今にも走り出しそうだ。そんな状態でも、毒結晶を街中ではアレと呼ぶ当たり、冷静さはちゃんと残っているらしい。
私達は半島に移動する為に動き出す。すでにアルクがいろいろ用意してくれているおかげで、買い出しをする必要もない。
「さぁ、帰るわよ」
もうあの場所は帰る場所だ。だからこそ私はその言葉がふさわしいと思う。みんなも笑顔でそれに頷いた。
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