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エキセントリック・メイドドリーム
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私は西の塔から、城に戻ってきた。
「やぁ、首尾はどうだね?」
待ち構えていた様に、ひょっこり現れたアリーンが声をかけてくる。どうしていつも、私の居場所がわかるのか。今回は仕事と関係ないから、ローテーションから判断できないのに。まぁどうせ聞いても愛だの言って、はぐらかされるだけだから聞かないけど。
私は立ち止まって、成果を自信満々に伝える。
「とりあえず、アンデスト様は犯人ではない」
「ほほぅ、どうしてだね? 理由を聞かせておくれよ」
アリーンは挑戦的な笑みを浮かべている。私はそれに、勝ち誇った笑みを浮かべながら答えてやった。
「王様が亡くなった刻限は寝ていたらしいよ、それだけじゃない……ある話をして感じたけど、アンデスト様は犯人ではないと思う」
涙の件は、私とアンデストだけの秘密だから話さない。
「それだけで、決めつけるのかね?」
呆れたように、アリーンがそう問いかけてくる。私は少しムキになりながら返した。
「それだけって、秘密だから言えないけど、アンデスト様の態度は犯人ではありえない」
納得していないらしいアリーンが、反論の言葉を捲し立てる。
「寝ていたのを誰かが確認したのかね? 使用人が就寝時に居たのかね? 態度にしてもそうだ、何があったのかわからないが、演技の可能性だって十分にある、すべてを手に入れるためにそれくらいするかもしれない」
あれで今頃ほくそ笑んでいたら、私は人間不信で立ち直れなくなる。それくらい印象的には犯人ではない。そうは言っても、私の願望に近いという事は認めざる負えない。
「常に演技をしているベルなら、その可能性は考えるべきだね?」
「うぐぐぐぐ」
私は唸る。自分だって玉の輿を狙って、演技をして過ごしてきた。人は利益の為なら、嘘をついて演技をする。その事は自分が一番わかっている。
アリーンが勝ち誇った笑みを浮かべて、口を開いた。
「やはり、僕が一番安全ではないかね?」
こいつ。絶対どこかで、盾か囮に使ってやる。私は密かに誓いめいた物を立てながら、口を開いた。
「まだ! 犯人捜しは始まったばかりだから!」
「いつまで頑張れるか、楽しみだよ……君はいつか僕を選ぶ」
嬉しそうにそう言うアリーンを無視して、私は歩き始める。とりあえずこいつは選ばないと、今決めた。後ろからアリーンの声が聞こえてきたけど無視だ。
しばらく怒りに任せて歩いていたけど、それが冷めると私はため息をつくしかなかった。冷静に考えれば、アリーンの言っていたのは確かな事。私の希望的観測を抜きにしたら、アンデストが犯人ではないとは言い切れない。確実な証拠がないのだ。
「はぁ……」
もう一度ついたため息に反応する様に、声が聞こえてくる。
「あっ、ベルちゃん、ため息なんてついてどうしたの?」
「やぁ、首尾はどうだね?」
待ち構えていた様に、ひょっこり現れたアリーンが声をかけてくる。どうしていつも、私の居場所がわかるのか。今回は仕事と関係ないから、ローテーションから判断できないのに。まぁどうせ聞いても愛だの言って、はぐらかされるだけだから聞かないけど。
私は立ち止まって、成果を自信満々に伝える。
「とりあえず、アンデスト様は犯人ではない」
「ほほぅ、どうしてだね? 理由を聞かせておくれよ」
アリーンは挑戦的な笑みを浮かべている。私はそれに、勝ち誇った笑みを浮かべながら答えてやった。
「王様が亡くなった刻限は寝ていたらしいよ、それだけじゃない……ある話をして感じたけど、アンデスト様は犯人ではないと思う」
涙の件は、私とアンデストだけの秘密だから話さない。
「それだけで、決めつけるのかね?」
呆れたように、アリーンがそう問いかけてくる。私は少しムキになりながら返した。
「それだけって、秘密だから言えないけど、アンデスト様の態度は犯人ではありえない」
納得していないらしいアリーンが、反論の言葉を捲し立てる。
「寝ていたのを誰かが確認したのかね? 使用人が就寝時に居たのかね? 態度にしてもそうだ、何があったのかわからないが、演技の可能性だって十分にある、すべてを手に入れるためにそれくらいするかもしれない」
あれで今頃ほくそ笑んでいたら、私は人間不信で立ち直れなくなる。それくらい印象的には犯人ではない。そうは言っても、私の願望に近いという事は認めざる負えない。
「常に演技をしているベルなら、その可能性は考えるべきだね?」
「うぐぐぐぐ」
私は唸る。自分だって玉の輿を狙って、演技をして過ごしてきた。人は利益の為なら、嘘をついて演技をする。その事は自分が一番わかっている。
アリーンが勝ち誇った笑みを浮かべて、口を開いた。
「やはり、僕が一番安全ではないかね?」
こいつ。絶対どこかで、盾か囮に使ってやる。私は密かに誓いめいた物を立てながら、口を開いた。
「まだ! 犯人捜しは始まったばかりだから!」
「いつまで頑張れるか、楽しみだよ……君はいつか僕を選ぶ」
嬉しそうにそう言うアリーンを無視して、私は歩き始める。とりあえずこいつは選ばないと、今決めた。後ろからアリーンの声が聞こえてきたけど無視だ。
しばらく怒りに任せて歩いていたけど、それが冷めると私はため息をつくしかなかった。冷静に考えれば、アリーンの言っていたのは確かな事。私の希望的観測を抜きにしたら、アンデストが犯人ではないとは言い切れない。確実な証拠がないのだ。
「はぁ……」
もう一度ついたため息に反応する様に、声が聞こえてくる。
「あっ、ベルちゃん、ため息なんてついてどうしたの?」
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