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第一章 第二の覇道、見出したり
第5話 仕事
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「では次に仕事の斡旋を行うのですが……既に現場で活躍するアイリス騎士団の方々とお知り合いのようですので、先輩冒険者から教わった方が早いでしょうか」
「そうだな。案内しようジェイ殿」
オリビアが受付嬢の提案に乗り、案内役を買ってでた。
「ではお願いする」
「ああ。……既に確認していたようだが、ここにありとあらゆる依頼が届く。ペットの捜索だったり薬草の採集だったり、安全なものもあれば、報酬は弾むがその分危険が伴う討伐依頼や護衛任務などもある」
ギルド内を見たところ、中学生かそこらの年齢に見える冒険者もいる。彼らがやるようなお手伝いタスクをやるほどジェイは弱くはなかった。
「ジェイ殿は第三級のモンスターも倒せる実力の持ち主だが、ルールで冒険者は十級から始めることになっている。そして受けられるのは自分の級よりも一つ上までだ。だからジェイ殿はあの一番端の十級と九級の依頼から好きなものを選んでくれ」
「面倒なシステムだな……」
「そう言うな。命知らずの馬鹿が報酬に釣られて危険な依頼を受けるのを防いでいるんだ」
ギルドもただ中抜きをしている訳ではないということだ。
適切な人間に適切な依頼を受け渡す。それも立派な仕事であり、取りまとめる役割は社会全体の利益になる。
「それでも毎年何人も死ぬんですわ。貴方もどうかお気を付けて。まずは危険な討伐依頼ではなく、採集系がよろしいかと。この辺の地理にも疎いのでしょう?」
「ああ。ではそうするか。……このマリッジフラワーの採集というのはどうだ」
依頼内容は、恋人に贈る花束を作るためマリッジフラワー二十本が欲しいというものだった。
「簡単でいいと思います……。まずは仕事の流れを慣れるつもりでこれにしましょう……。近くに群生地があるので行きましょうか」
それからジェイはまた三人の案内でコンフリクトの森に行き、綺麗な琥珀色をした芳醇な香りを放つ花を二十本集めて街に戻ってきた。
「本当にこんな簡単な依頼が仕事なのか……」
「確かに、今回は何とも出会わなかった。運が良かったんだ。……だが次もこうとは行かないぞ。採取している途中でモンスターに襲われる危険もある。道中で盗賊に出会う可能性もある。一人では困難も多い」
だからギルドで受付嬢はメンバーが増えることを前提とした話し方をしていたのだと、ジェイは理解した。
現に目の前にいるアイリス騎士団も前・中・後衛と、バランスのいいチームで運用されている。
この世界では街を一歩出たらそこは既に戦場なのだ。国家によって保証された安全の存在しない世界は、むしろジェイにとっては庭のようなものだった。
「俺も仲間を探した方がいいのか」
「そうですわね。……ああ、申し訳ないですけど、私たちはお仲間にはなれませんわ。あくまでも騎士団としての形でやっておりますので、部外者の方はお断りしてるんですの」
ソフィアにキッパリと断られてしまったジェイは、うっすらと生えてきた顎髭を撫でながら、どうしたらいいか思い悩んでいた。
この世界にツテも頼れる知り合いもない。一からチームを作り上げる大変さは彼も良く分かっていた。
「絶対に裏切らない人間が複数人欲しいな」
かつてのヴァルカンでは、ジェイが戦場で追い詰めた敵兵を直々にヘッドハンティングしていた。
それだけでなく、諸事情により部隊を追われた元軍人などの居場所として間口を広げ、とにかく使える人材を集めた。
だが文化的背景も何から何まで違うこの世界で、同じやり方が通用するとも思えなかった。
「心配なら奴隷を買うという選択肢もあるぞ。まあ個人的にはオススメしないがな」
「そんなものがあるのか」
「ああ。奴隷に刻まれる契約の紋章は主人に対して危害を加えることが出来なくなる魔法……というより呪いだな。強制的に従わせることが出来るから、当然裏切る心配もなくなる」
二十一世紀では到底考えられないような倫理観のシステムであった。しかし、気の弱そうなミサキでさえもうんうん頷いて、それが当たり前であると、全く悪びれる様子もない。
気は進まないが、今のジェイにとって最良の提案であることに変わりはなかった。
「今日はもう遅いです……。一晩よく考える時間はあります……。それに奴隷はそれなりの値段なので……一朝一夕では買えませんよ……」
ミサキの指摘は尤もなものだった。
ジェイにとっては奴隷よりも何よりも、住む場所や食べる場所の確保が第一である。
「ギルドに戻って報酬を受け取ったら夕食にしよう。難しい話はそれからだ」
「そうだな。案内しようジェイ殿」
オリビアが受付嬢の提案に乗り、案内役を買ってでた。
「ではお願いする」
「ああ。……既に確認していたようだが、ここにありとあらゆる依頼が届く。ペットの捜索だったり薬草の採集だったり、安全なものもあれば、報酬は弾むがその分危険が伴う討伐依頼や護衛任務などもある」
ギルド内を見たところ、中学生かそこらの年齢に見える冒険者もいる。彼らがやるようなお手伝いタスクをやるほどジェイは弱くはなかった。
「ジェイ殿は第三級のモンスターも倒せる実力の持ち主だが、ルールで冒険者は十級から始めることになっている。そして受けられるのは自分の級よりも一つ上までだ。だからジェイ殿はあの一番端の十級と九級の依頼から好きなものを選んでくれ」
「面倒なシステムだな……」
「そう言うな。命知らずの馬鹿が報酬に釣られて危険な依頼を受けるのを防いでいるんだ」
ギルドもただ中抜きをしている訳ではないということだ。
適切な人間に適切な依頼を受け渡す。それも立派な仕事であり、取りまとめる役割は社会全体の利益になる。
「それでも毎年何人も死ぬんですわ。貴方もどうかお気を付けて。まずは危険な討伐依頼ではなく、採集系がよろしいかと。この辺の地理にも疎いのでしょう?」
「ああ。ではそうするか。……このマリッジフラワーの採集というのはどうだ」
依頼内容は、恋人に贈る花束を作るためマリッジフラワー二十本が欲しいというものだった。
「簡単でいいと思います……。まずは仕事の流れを慣れるつもりでこれにしましょう……。近くに群生地があるので行きましょうか」
それからジェイはまた三人の案内でコンフリクトの森に行き、綺麗な琥珀色をした芳醇な香りを放つ花を二十本集めて街に戻ってきた。
「本当にこんな簡単な依頼が仕事なのか……」
「確かに、今回は何とも出会わなかった。運が良かったんだ。……だが次もこうとは行かないぞ。採取している途中でモンスターに襲われる危険もある。道中で盗賊に出会う可能性もある。一人では困難も多い」
だからギルドで受付嬢はメンバーが増えることを前提とした話し方をしていたのだと、ジェイは理解した。
現に目の前にいるアイリス騎士団も前・中・後衛と、バランスのいいチームで運用されている。
この世界では街を一歩出たらそこは既に戦場なのだ。国家によって保証された安全の存在しない世界は、むしろジェイにとっては庭のようなものだった。
「俺も仲間を探した方がいいのか」
「そうですわね。……ああ、申し訳ないですけど、私たちはお仲間にはなれませんわ。あくまでも騎士団としての形でやっておりますので、部外者の方はお断りしてるんですの」
ソフィアにキッパリと断られてしまったジェイは、うっすらと生えてきた顎髭を撫でながら、どうしたらいいか思い悩んでいた。
この世界にツテも頼れる知り合いもない。一からチームを作り上げる大変さは彼も良く分かっていた。
「絶対に裏切らない人間が複数人欲しいな」
かつてのヴァルカンでは、ジェイが戦場で追い詰めた敵兵を直々にヘッドハンティングしていた。
それだけでなく、諸事情により部隊を追われた元軍人などの居場所として間口を広げ、とにかく使える人材を集めた。
だが文化的背景も何から何まで違うこの世界で、同じやり方が通用するとも思えなかった。
「心配なら奴隷を買うという選択肢もあるぞ。まあ個人的にはオススメしないがな」
「そんなものがあるのか」
「ああ。奴隷に刻まれる契約の紋章は主人に対して危害を加えることが出来なくなる魔法……というより呪いだな。強制的に従わせることが出来るから、当然裏切る心配もなくなる」
二十一世紀では到底考えられないような倫理観のシステムであった。しかし、気の弱そうなミサキでさえもうんうん頷いて、それが当たり前であると、全く悪びれる様子もない。
気は進まないが、今のジェイにとって最良の提案であることに変わりはなかった。
「今日はもう遅いです……。一晩よく考える時間はあります……。それに奴隷はそれなりの値段なので……一朝一夕では買えませんよ……」
ミサキの指摘は尤もなものだった。
ジェイにとっては奴隷よりも何よりも、住む場所や食べる場所の確保が第一である。
「ギルドに戻って報酬を受け取ったら夕食にしよう。難しい話はそれからだ」
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