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第三章 覇道、歩む仲間
第35話 目的
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「ウァァァァ!!!」
「ふっ! やるな娘!」
ジェイが腹を抱え動けなくなっている様子を見て、アインは怒りのままにナイフを振るった。
その刃先はルーイッヒの頬を掠め、彼の頬に横一文字の朱を刻んだ。
「危ないジェイ……!」
「ツヴァイ!」
防護魔法を解いた魔導師は容赦なくジェイへ火炎魔法を放った。
咄嗟にジェイを庇ったツヴァイは身体強化魔法で防御するも、一流の魔導師の魔法をモロに食らったツヴァイは一撃で戦闘不能へ追い込まれた。
「ゼクス! アイツらに撃たせるな!」
森の中から軽機関銃の威圧射撃を受け、王立魔法師団の面々はそちらへの対処のため防護魔法で再び身を固めた。
その間にもアインとルーイッヒは熾烈な近接戦闘を繰り広げている。
「ああ! 社長! ツヴァイ! ──どうしましょうどうしましょう!!!」
「俺は大丈夫だズィーベン! ツヴァイを後送しろ!」
ジェイは口に溜まった血を吐き捨て、何とか立ち上がった。
霞む視界の中、彼はAR15のエイムをルーイッヒに合わせたが、二人は身体強化魔法によって目にも止まらぬ速さで近接戦闘しており、誤射の危険がありとても撃てるような状況ではなかった。
「クソ……! どうすれば……!」
アインとルーイッヒでは経験も体格も違いすぎた。
だがルーイッヒはあくまでも「尋問」を行っているため、本気でアインを殺そうとはしていなかった。彼が腰に提げた短剣を抜いていれば、アインは既に死んでいたであろう。
「──! そうか腰の……!」
ジェイは腰のポシェットをまさぐり、あるものを取り出した。
「フラッシュバン!」
その声を聞いたヴァルカンメンバーは一斉に目を閉じ顔を伏せる。その一方でルーイッヒはジェイの大声を警戒しそちらへ視線を向けた。
その瞬間、フラッシュバン・グレネードが炸裂する。
「アァァァ!?」
開けた日中の野外ではその効果は薄れるとはいえ、至近距離でその閃光とけたたましい爆裂音を受けたルーイッヒは一時的に視力と聴力を失った。
その隙を逃さず、ジェイとアインはルーイッヒへ拳を叩き込む。
「グッ……!」
攻撃を受け、やっと状況が掴めたルーイッヒは直感のみで追撃を躱し、即座に魔導師たちの元へ飛び退いた。
「諸君! 撤退だ!」
「逃がすか!」
ジェイはアンダーバレル式のグレネードランチャーを放つ。しかしグレネードは着弾した防護魔法の表面で爆発し、その内部への加害はなかった。
「どうすりゃいいんだよ……!」
打つ手なし。そう諦めようと思ったその時だった。
「……頭を下げて」
その声にジェイは咄嗟に伏せた。
次の瞬間、荷馬車の荷台からダキュン! という轟音と共に幌が捲り上がり一筋の光が一直線に敵の一団へ飛んでいった。
「ドライ! フィーア!」
荷台で休んでいた彼女たちは騒ぎを聞いて起き、ずっと様子を伺っていたのだ。
バレッタM82の12.7mm×99mm弾は防護魔法を打ち砕き、ルーイッヒの首から上を吹き飛ばした。
「た、隊長!」
「防護魔法が破られただと!?」
「左端、反撃しようとしているよお姉ちゃん」
「うん」
ドライはセミオートで大口径弾を撃ち続け、次々と魔導師たちを薙ぎ倒していく。
「次、右だよお姉ちゃん」
「うん」
カランカランカランと荷馬車から空薬莢がこぼれ落ちるほどの弾薬を撃ち尽くした頃には、検問を敷いていた兵士は魔導師含め全員が死に絶えていた。
「終わった、のか……?」
荷馬車の後ろへ隠れていたタイヴァーが出て来る。
「ああ……。助かったぞドライ、フィーア……」
ジェイはマガジンを抜き、薬室を空にしてセーフティを掛けた。
「はあ……。後始末をして休憩だ……。死体はとりあえず下の崖に投げ捨てろ。せっかくだから馬は貰っておこうか。負傷したものは手当を優先していい。……悪いがタイヴァーも手伝ってくれるか」
「お、おう! それぐらいは俺にもやらせてくれ!」
かくして、ジェイたち一行はなんとかこの危機を乗り越えた。
しかし、今回初めて負傷者を出し、危うく全滅の恐れすらあるほど追い込まれたのも事実だった。
「やはり帰還したら組織を見直す必要があるな……。こんな経験は二度と御免だ……!」
ジェイは口を冷たい水でゆすぎ、そう吐き捨てる。
「そしてタイヴァー!」
「へ、へい!」
「こんなリスクを犯す仕事とは聞いていなかったぞ! いい加減荷物と行き先を教えてもらおうか!」
「あ、ああ……。分かったよ……」
「ふっ! やるな娘!」
ジェイが腹を抱え動けなくなっている様子を見て、アインは怒りのままにナイフを振るった。
その刃先はルーイッヒの頬を掠め、彼の頬に横一文字の朱を刻んだ。
「危ないジェイ……!」
「ツヴァイ!」
防護魔法を解いた魔導師は容赦なくジェイへ火炎魔法を放った。
咄嗟にジェイを庇ったツヴァイは身体強化魔法で防御するも、一流の魔導師の魔法をモロに食らったツヴァイは一撃で戦闘不能へ追い込まれた。
「ゼクス! アイツらに撃たせるな!」
森の中から軽機関銃の威圧射撃を受け、王立魔法師団の面々はそちらへの対処のため防護魔法で再び身を固めた。
その間にもアインとルーイッヒは熾烈な近接戦闘を繰り広げている。
「ああ! 社長! ツヴァイ! ──どうしましょうどうしましょう!!!」
「俺は大丈夫だズィーベン! ツヴァイを後送しろ!」
ジェイは口に溜まった血を吐き捨て、何とか立ち上がった。
霞む視界の中、彼はAR15のエイムをルーイッヒに合わせたが、二人は身体強化魔法によって目にも止まらぬ速さで近接戦闘しており、誤射の危険がありとても撃てるような状況ではなかった。
「クソ……! どうすれば……!」
アインとルーイッヒでは経験も体格も違いすぎた。
だがルーイッヒはあくまでも「尋問」を行っているため、本気でアインを殺そうとはしていなかった。彼が腰に提げた短剣を抜いていれば、アインは既に死んでいたであろう。
「──! そうか腰の……!」
ジェイは腰のポシェットをまさぐり、あるものを取り出した。
「フラッシュバン!」
その声を聞いたヴァルカンメンバーは一斉に目を閉じ顔を伏せる。その一方でルーイッヒはジェイの大声を警戒しそちらへ視線を向けた。
その瞬間、フラッシュバン・グレネードが炸裂する。
「アァァァ!?」
開けた日中の野外ではその効果は薄れるとはいえ、至近距離でその閃光とけたたましい爆裂音を受けたルーイッヒは一時的に視力と聴力を失った。
その隙を逃さず、ジェイとアインはルーイッヒへ拳を叩き込む。
「グッ……!」
攻撃を受け、やっと状況が掴めたルーイッヒは直感のみで追撃を躱し、即座に魔導師たちの元へ飛び退いた。
「諸君! 撤退だ!」
「逃がすか!」
ジェイはアンダーバレル式のグレネードランチャーを放つ。しかしグレネードは着弾した防護魔法の表面で爆発し、その内部への加害はなかった。
「どうすりゃいいんだよ……!」
打つ手なし。そう諦めようと思ったその時だった。
「……頭を下げて」
その声にジェイは咄嗟に伏せた。
次の瞬間、荷馬車の荷台からダキュン! という轟音と共に幌が捲り上がり一筋の光が一直線に敵の一団へ飛んでいった。
「ドライ! フィーア!」
荷台で休んでいた彼女たちは騒ぎを聞いて起き、ずっと様子を伺っていたのだ。
バレッタM82の12.7mm×99mm弾は防護魔法を打ち砕き、ルーイッヒの首から上を吹き飛ばした。
「た、隊長!」
「防護魔法が破られただと!?」
「左端、反撃しようとしているよお姉ちゃん」
「うん」
ドライはセミオートで大口径弾を撃ち続け、次々と魔導師たちを薙ぎ倒していく。
「次、右だよお姉ちゃん」
「うん」
カランカランカランと荷馬車から空薬莢がこぼれ落ちるほどの弾薬を撃ち尽くした頃には、検問を敷いていた兵士は魔導師含め全員が死に絶えていた。
「終わった、のか……?」
荷馬車の後ろへ隠れていたタイヴァーが出て来る。
「ああ……。助かったぞドライ、フィーア……」
ジェイはマガジンを抜き、薬室を空にしてセーフティを掛けた。
「はあ……。後始末をして休憩だ……。死体はとりあえず下の崖に投げ捨てろ。せっかくだから馬は貰っておこうか。負傷したものは手当を優先していい。……悪いがタイヴァーも手伝ってくれるか」
「お、おう! それぐらいは俺にもやらせてくれ!」
かくして、ジェイたち一行はなんとかこの危機を乗り越えた。
しかし、今回初めて負傷者を出し、危うく全滅の恐れすらあるほど追い込まれたのも事実だった。
「やはり帰還したら組織を見直す必要があるな……。こんな経験は二度と御免だ……!」
ジェイは口を冷たい水でゆすぎ、そう吐き捨てる。
「そしてタイヴァー!」
「へ、へい!」
「こんなリスクを犯す仕事とは聞いていなかったぞ! いい加減荷物と行き先を教えてもらおうか!」
「あ、ああ……。分かったよ……」
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