死の商人、異世界にて暗躍す〜裏切られた武器商人は奴隷少女と銃器の力で成り上がる〜

駄作ハル

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第七章 覇道、世界を統べる

第83話 エスタマイル

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「──社長、お早い到着ですね」

 エスタマイルの街に入ると、既に街の中で戦闘していたスパイ要員の社員がジェイを迎え入れた。

 民間軍事会社ヴァルカンの経済基盤となっていたエスタマイルには、街の各地にヴァルカン関連施設がある。
 それに伴い大量の社員が活動していたことで、この短時間にもかかわらず既に街の掌握がかなり進んでいた。

「まあな。それで、オフィジェンたちはどこにいる」

「兵舎に立てこもっているものと見られます。エスタマイル軍内の内通者に何かやらせますか」

「ケリは俺がつける。適当に暴れてから兵舎を脱出するように伝えろ」

「は!」

 ジェイが社員と話している間にアインたち後続も到着した。

「よし。まずは街中の敵兵を掃討してから兵舎の方へ向かう。我が社の施設に被害が出る前に終わらせるぞ」

「はい」

 街中の至る所で銃撃戦が起きていた。
 しかし銃撃戦と言っても銃を使っているのはヴァルカンの社員だけであり、エスタマイルの兵士はせいぜい弓で応戦するか、果敢にも剣での接近戦に挑む程度の抵抗しか出来ていない。
 当然そのような攻撃ではUZIやAK-47で武装する社員に対抗出来るはずもなく、あえなく散っていった。

「……向こうに憲兵が固まっているな」

「逃がさないようにまずは──」

 アインの言葉を遮るように、重たい銃撃音が鳴り響く。

「ちょっとツヴァイ!」

「……あれはウチの倉庫だ。……武器でも探しに来たんだろう。……早くやるべきだ」

 ツヴァイは命令もないままお構い無しに射撃を続ける。
 アインはジェイの指示に従わないツヴァイに憤慨しているが、ジェイは「やれやれ」とだけ呟き射撃位置についた。

「アイン、やれ」

「了解しました!」

 ジェイから命令が下ったアインは駆け出し、ジェイとツヴァイの中距離狙撃に恐怖して逃げ出した憲兵の背中を追いかける。

「うううクソぉぉぉ!」

 果敢にも盾を構えて突撃する憲兵がいたが、アインは構わずMP5を連射。

「抜けない……? 私たちと戦うことを見越してた……?」

 分厚い鉄板で作られた特注の盾。貫通力の低い9mm弾は全弾弾くか防がれた。
 すかさずアインは魔装を使おうとしたが、この後の戦いを考え魔力をセーブすることにした彼女は前も見ずに突っ込んでくる憲兵の盾を蹴り上げ、無防備になった胴体に残りの弾を全て撃ち込んだ。

「ああああ!!!」

 アインがマガジンを交換している隙を狙い、路地裏に隠れていた憲兵が剣を振りかぶり背後から切り掛る。

「どうして奇襲するときに叫ぶの?」

 アインはノールックでUMPコンパクトを二発発射。
 腹を抑えて勢いが止まった憲兵を、遠くからツヴァイが頭を撃ち抜いた。

「──よしもういい! ここは他の社員に任せて兵舎に向かう!」







 兵舎にはエスタマイルの中でも優秀な兵士が集められているらしく、魔法使いもそれなりの数が揃っており社員たちも手こずっていた。

「お待ちしておりました社長!」

「戦況は?」

「現在兵舎を完全に包囲しております! 内部の協力者は全て脱出済み。後は攻略だけですが、防護魔法で固められてしまい、幹部社員でもやり切れていません!」

 ジェイが周囲に目をやると、魔装AK-47を使い必死に射撃するも防護魔法と兵舎の頑丈な壁に阻まれ、魔力切れで息を切らす社員が続出していた。

「こちらからは下手に近づけず、かといって向こうの魔法も届く距離にない……。そんなところか」

「も、申し訳ございません社長! どうかナンバーズの方々のお力を……!」

 アイン(1)からノイン(9)までのジェイ直属の幹部は、いつしか社員からナンバーズと呼ばれるようになっていた。

「いや構わない。早く終わらせよう。──フィーア! 見えているか!」

『うん。兵舎から1.8km南南東にある監視塔にいるよ』

「兵舎の最上階、バルコニーから魔法を撃っている魔法使い、あれが恐らく一番強い! ……ドライ、当てられるな?」

『うん。もちろん』

「……やれ」

 次の瞬間、一筋の光が兵舎を貫いた。
 その光は防護魔法も兵舎の壁も関係なく突き進み、遥か彼方へと消えていった。

「よし。こちらで少しずつ魔法使いを減らす。徐々に包囲を狭めろ」

 スコープも無く造りも甘さが残るAK-47と、ジェイのAR15や大口径弾を使うツヴァイのAK-308では射程が違いすぎた。

 反撃に魔法を撃とうと顔を出した魔法使いから順に頭を撃ち抜かれ、徐々に防護魔法の壁が薄くなる。
 例え建造物にカバーを取ったとしても、問答無用で12.7mm魔装弾が全てを貫く。

 次第に反撃をしようとする敵兵はいなくなり、兵舎にはヴァルカン陣営による絶え間ない威嚇射撃が浴びせられるだけになった。

「さ、流石です社長!」

「ふん。さあ、突入するぞ!」
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