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修行編
004 修行編4 初心者講習2 総評
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「演習終了だ。諸君、CICを出て集合!」
僕達は演習を終えると、シイナ様に促され講習室の座席へと移動する。
すると目の前の壁が白から黒に変色する。
その前の空間に仮想スクリーンが表示された。
このスクリーンは目の前に浮かんでいるのではなく、ナノマシンにより脳内に視覚イメージが投影さるという仕組みだそうだ。
そのため背景の白い壁が仮想スクリーンのVR映像を透過して重なるのを防ぐ措置で黒くしているようだ。
仮想スクリーンの映像は、模擬戦を行った演習空間だろう。
宇宙空間が白く透けるのは何か違うからね。
「これから演習の総評を行う。
今ここに映っているのは演習のプレイバック映像だ。
この映像を売ることでギャラを稼ぐというのがSFOの建前だ。
実際にこのような演習映像が地球でオンデマンド配信され収入が発生する。
お小遣い稼ぎになるから恥をかかないように励むといい」
シイナ様の言葉に男子チームが視線を逸らす。
今回の演習では散々だったからね。
「それでは、チーム毎に見ていこう。まず、男子チーム」
シイナ様の言葉で仮想スクリーンの映像がオオイのアバター視線になる。
「このアバター表示は、4パターンに切り替えることが出来る。
”アバターを目の前に表示”、”アバター視線”、”艦を目の前に表示”、”艦橋視線”だ。
デフォルトは”アバターを目の前に表示”だ。
好みで設定しておけば、以後はその設定がデフォルトになる」
シイナ様がアバター表示のモードを切り替えていく。
”艦を目の前に表示”で止める。
「艦表示の場合は同型艦の区別がつかないので、パーソナルカラーを指定することで識別可能にしている。
今回は、こちらで適当に配色しておいた。オオイが青、フォレストが緑、キリが白、タンポポが黄、アヤメが紫、アキラが赤だ」
艦でも表示出来るとは知らなかったな。
目の前には青、緑、白の艦が映っている。
視線を向けると▼のカーソルが出て名前が出る。
「では、男子チームのプレイを見ていこう」
演習が始まると、オオイ艦が呼び寄せる形で、フォレスト艦とキリ艦が近付いていく。
しばらくして、急にキリ艦が高速で離れて行く。
ここでシーナ様が一時停止。
「まず他の二人と作戦を決めようという姿勢は良い。
だが、いきなりリーダー面で反感を買うのはいただけないな。
私は通信内容も把握しているが、酷かったぞ」
どうやら男子チームは初期段階で仲間割れをしていたようだ。
それでキリさんの連携が無かったんだな。
オオイ艦がその場の岩塊に隠れる。
シイナ様はフォレスト艦に視点を移し、フォレスト艦が岩塊に隠れて待ちぶせる所まで映像を進める。
「オオイとフォレストが連携を考えた位置取りをしたのは合格点だ」
シイナ様がオオイとフォレストを褒め、フォレスト突撃シーンまで映像を進める。
フォレストの全方位通信が響き渡り皆の笑いを誘う。
「ミスは誰にでもある。
全方位通信をしなくてもレーダーに捉えられているから結果はそう変わらないだろう。
だが、叫ぶのに夢中で初撃がワンテンポ遅れたのが致命的だ」
再生再開。前方の女子チーム3艦が急速回頭し、射線を確保する。
僕の撃ったミサイルとビームがフォレスト艦に向かう。
フォレスト艦はミサイル迎撃をしながらのビーム回避中にタンポポ艦のレールガンの精密射撃をくらい航行不能判定。
「これが逆にフォレスト艦がミサイルを撃った方だったらと考えろ。
敵艦隊を混乱させ、オオイ艦の襲撃が優位になったかもしれないぞ。
獲物を目の前にして舌舐めずりは三流のすることだ。
お前の行動で仲間まで危機に陥ることになった。
もう一度、この無様な姿を見ておけ」
そう言うと、シイナ様は”アバター表示R18モード”で撃墜シーンを再生する。
哀れ、フォレストのアバターはレールガンの直撃で装甲を剥がされ、パン一半裸になって行った。
映像が消える。全裸は勘弁してやったようだ。
何この設定。女性がこんな映像を配信されたら、例えアバターでもセクハラでしょ。
「ちなみに、この”アバター表示R18モード”はプレイヤー双方の合意が無ければ表示不能だ。
R18映像目的に女性を騙そうとする連中もいるから気をつけるように」
「教官! 僕は合意してません!」
フォレストが泣きの抗議をする。
「安心しろ。この映像は世界配信されない」
「ここだけでも止めて!」
フォレストはorzの姿勢で打ち拉がれた。
「続けよう」
シイナ様がアバター表示のモードを”艦を目の前に表示”に戻す。
再生再開。オオイ艦がタイミングを測って岩塊を左にして飛び出していく。
「ここっ!」
映像が一時停止する。
「左に岩塊があるんだから、左の防御が必要か? なぜ盾を左に持つ!」
映像が進められる。
岩塊から出るオオイ艦に向かってアヤメ艦が突っ込んで来ている。
盾で艦体をほぼ覆っていて、隙間からビーム砲を乱射して来る。
オオイ艦は慌てて左の盾を前に出すが、右舷にビームを食らっている。
それを防ごうと盾を前に出すことで視界が妨げられる。
そこへ全方位からミサイルが接近、回避機動をランダムでとりレーザーで迎撃するも、死角に入ったミサイルが直撃、撃沈判定。
「問題点は作戦に溺れて防御を怠ったことだ。
右で盾を持つなり、防御姿勢で岩塊から出るなりすればいいものを、それを怠った。
敵艦が慌てている隙を突いたつもりが頭を取られていた。
自分の作戦を過信し酔いすぎた結果だ」
シイナ様の厳しい言葉に項垂れるオオイさんだった。
「だが、初期の作戦通りに、もう一艦が別の角度から突入していれば、もっとマシな結果が得られていたかもしれない。そこは褒めておこう」
その言葉にオオイさんも復活したようだ。
映像再開。シイナ様が視点をキリ艦に変える。
キリ艦は前後左右上下の6方位の前方だけが空いた岩塊にスッポリと嵌まっている。
それから、前方をずーっと監視している。
どうやら完全なスナイパータイプ。
その監視映像がタイムオーバーまで続いて終了。
「プレイスタイルがあるのは、わかる。
オオイとフォレストが囮になって、敵を目の前に誘導してくれれば勝機があったかもしれない。
だが、今回の装備で超長距離射撃は無理だろう、
もうちょっとチームプレイを考えるように」
男子チームの敗因は全員のスタンドプレイ。
SFCでは個々に戦っていたから艦隊運用という概念を持っていなかった。
チームプレイの大切さがよく分かる反面教師的なプレイだった。
「続いて女子チーム」
シイナ様がタンポポのアバターを”アバター視線”モードに切り替えて表示させる。
タンポポの視線は演習開始と同時に動き出し周辺警戒をしている。
「ここ、よく見て。彼女がしたのは岩塊位置の把握と要監視設定ね」
アバター視界の岩塊映像に要注意マーカーが付いていく。
通信アイコンが点滅して僕の顔が表示される。
続いてアヤメの顔が表示されて艦隊内秘匿通信網が形成される。
「フォレスト、せめてこれを使うように」
シイナ様の小言にオオイさんとキリさんがうんうんと頷く。
映像に戻る。
アバターによる打ち合わせの映像が流れる。
アバターだと実際に顔を合わせて打ち合わせしているように見える。
「アキラが得意分野を報告させて役割分担を決めたのは良かったな。
まさかの指揮担当とは、個人技で競うSFCでは珍しい選択だな」
そこを突っ込まれると困るんですけど。
タンポポ艦は単縦陣を組むため僕の艦の後ろにつく。
対艦レーダーの要監視対象が後方重点に切り替えられる。
「艦隊という一つの集団を形成したことで役割が変わる。
タンポポの役割は殿としての後方監視になるわけだ。
その基本を忘れていない模範的な行動で褒めるところだな」
しばらく探索行動。そして対艦レーダーの警告と共にフォレストの全方位通信。
目の前のアキラ艦からミサイルが発射される。
通信画面内で僕が回頭指示。(口パクで内容は入っていない)
回頭する3艦。と同時にタンポポ艦はレールガンを起動、照準をフォレスト艦に向ける。
左後方にフォレスト艦を捉えロックオン。
長距離射撃モードでフォレスト艦が拡大表示される。
照準環がフォレスト艦の右舷に収束する。
ミサイルがフォレスト艦に接近すると同時にアキラ艦からビーム攻撃。
ミサイルの速度とビームの速度を合わせた同時着弾のタイミングだ。
焦るフォレスト艦、ビーム防御で左腕の盾が左舷に集中し右舷を晒すことに。
すかさずタンポポ艦がレールガンを発射。発射。発射!10連射!
フォレスト艦の停滞フィールドが抵抗するも崩壊。
複数の直撃弾がフォレスト艦の装甲を剥いでアバターはパン一に……。
自主規制が入ってブラックアウト。
「見た!?」とフォレスト。
華麗にスルーするタンポポ。
何を見たかは言わないでおこう。
シイナ様がスルーして話しだす。
「実に良い。教科書のような連携攻撃だ。
打ち合わせで個人の特技を把握し、活かした結果だな」
シイナ様が映像を進め、アヤメ艦に視点を変える。
そして”アバターを目の前に表示”モードから”艦を目の前に表示”モードに切り替える。
さらに、視点変更でアヤメ艦を正面から見る視点にする。
「この盾の使い方に注目!
艦体を隠し、武器の前方視界を確保した完璧な姿勢だ。
先頭で突撃する役目なら身につけておくべき攻守を兼ね備えた姿勢よ」
シイナ様は視点を”アバターを目の前に表示”モードに戻し、映像を進める。
僕からの通信でアヤメ艦の進路が変わり、一つの岩塊へ向かう。
アヤメ艦は岩塊の周囲を重点警戒。
オオイ艦が岩塊の左側から飛び出すのを認識すると、アヤメ艦は突撃しビームを乱れ打ちする。
そして全艦ミサイル発射。オオイ艦は合計9発のミサイルを迎撃しきれずに撃沈判定。
「アヤメ自身の特性を活かした見事な突撃だった。
これも盾を上手く使ったからこそだ。満点だな」
続けて視点をアキラ艦に切り替える。
アキラが通信を送ると全艦が緊急回頭して離脱をはかる。
後のキリ艦索敵映像は省略。
「艦隊内秘匿通信の通信内容は映像に残らないが、教官である私は通信内容を聞いていた。
アキラ、オオイ艦撃沈後に全艦に回避運動を取らせただろ。
あれはキリ艦の攻撃を想定してのことか?」
「そうだよ。あそこが一番危ないところだと思ってたからね」
「ふむ。指揮担当とは本当だったんだな。
だが、一つだけ言っておこう。
今回のお前の指揮は神の視点だったから出来たことだ」
「神の視点?」
「そうだ。神の視点だ。
お前は演習だから敵の数、敵の能力を予め知っていた。
だから、今回のような作戦指揮が出来たのだ。
演習だからこそ知り得た情報。実戦では知り得ないその情報を持つということが神の視点になるのだ。
もし実戦だったならば、敵の伏兵はもっと多かったかもしれない。
同型艦でも改装で攻撃力や弱点が違っていたかもしれない。
それでも対処出来ていたか? そこが今後の課題だな。
まあ、現時点では上出来だ」
褒められたのか、貶されたのかよくわからなかった。
だが、課題として心に留めておくべきことだった。
「情報を得て準備した者が勝つ!」で合ってる?
冗談です。
「艦隊として機能すればより強くなれる。
その一端は体験できたことと思う。
よし、今日はここまで。
明日は特殊フィールドでの演習だ。
同じ時間にここで待つ!」
「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」
みんなにシイナ様を教官として敬う気持ちが生まれたようだ。
僕達は演習を終えると、シイナ様に促され講習室の座席へと移動する。
すると目の前の壁が白から黒に変色する。
その前の空間に仮想スクリーンが表示された。
このスクリーンは目の前に浮かんでいるのではなく、ナノマシンにより脳内に視覚イメージが投影さるという仕組みだそうだ。
そのため背景の白い壁が仮想スクリーンのVR映像を透過して重なるのを防ぐ措置で黒くしているようだ。
仮想スクリーンの映像は、模擬戦を行った演習空間だろう。
宇宙空間が白く透けるのは何か違うからね。
「これから演習の総評を行う。
今ここに映っているのは演習のプレイバック映像だ。
この映像を売ることでギャラを稼ぐというのがSFOの建前だ。
実際にこのような演習映像が地球でオンデマンド配信され収入が発生する。
お小遣い稼ぎになるから恥をかかないように励むといい」
シイナ様の言葉に男子チームが視線を逸らす。
今回の演習では散々だったからね。
「それでは、チーム毎に見ていこう。まず、男子チーム」
シイナ様の言葉で仮想スクリーンの映像がオオイのアバター視線になる。
「このアバター表示は、4パターンに切り替えることが出来る。
”アバターを目の前に表示”、”アバター視線”、”艦を目の前に表示”、”艦橋視線”だ。
デフォルトは”アバターを目の前に表示”だ。
好みで設定しておけば、以後はその設定がデフォルトになる」
シイナ様がアバター表示のモードを切り替えていく。
”艦を目の前に表示”で止める。
「艦表示の場合は同型艦の区別がつかないので、パーソナルカラーを指定することで識別可能にしている。
今回は、こちらで適当に配色しておいた。オオイが青、フォレストが緑、キリが白、タンポポが黄、アヤメが紫、アキラが赤だ」
艦でも表示出来るとは知らなかったな。
目の前には青、緑、白の艦が映っている。
視線を向けると▼のカーソルが出て名前が出る。
「では、男子チームのプレイを見ていこう」
演習が始まると、オオイ艦が呼び寄せる形で、フォレスト艦とキリ艦が近付いていく。
しばらくして、急にキリ艦が高速で離れて行く。
ここでシーナ様が一時停止。
「まず他の二人と作戦を決めようという姿勢は良い。
だが、いきなりリーダー面で反感を買うのはいただけないな。
私は通信内容も把握しているが、酷かったぞ」
どうやら男子チームは初期段階で仲間割れをしていたようだ。
それでキリさんの連携が無かったんだな。
オオイ艦がその場の岩塊に隠れる。
シイナ様はフォレスト艦に視点を移し、フォレスト艦が岩塊に隠れて待ちぶせる所まで映像を進める。
「オオイとフォレストが連携を考えた位置取りをしたのは合格点だ」
シイナ様がオオイとフォレストを褒め、フォレスト突撃シーンまで映像を進める。
フォレストの全方位通信が響き渡り皆の笑いを誘う。
「ミスは誰にでもある。
全方位通信をしなくてもレーダーに捉えられているから結果はそう変わらないだろう。
だが、叫ぶのに夢中で初撃がワンテンポ遅れたのが致命的だ」
再生再開。前方の女子チーム3艦が急速回頭し、射線を確保する。
僕の撃ったミサイルとビームがフォレスト艦に向かう。
フォレスト艦はミサイル迎撃をしながらのビーム回避中にタンポポ艦のレールガンの精密射撃をくらい航行不能判定。
「これが逆にフォレスト艦がミサイルを撃った方だったらと考えろ。
敵艦隊を混乱させ、オオイ艦の襲撃が優位になったかもしれないぞ。
獲物を目の前にして舌舐めずりは三流のすることだ。
お前の行動で仲間まで危機に陥ることになった。
もう一度、この無様な姿を見ておけ」
そう言うと、シイナ様は”アバター表示R18モード”で撃墜シーンを再生する。
哀れ、フォレストのアバターはレールガンの直撃で装甲を剥がされ、パン一半裸になって行った。
映像が消える。全裸は勘弁してやったようだ。
何この設定。女性がこんな映像を配信されたら、例えアバターでもセクハラでしょ。
「ちなみに、この”アバター表示R18モード”はプレイヤー双方の合意が無ければ表示不能だ。
R18映像目的に女性を騙そうとする連中もいるから気をつけるように」
「教官! 僕は合意してません!」
フォレストが泣きの抗議をする。
「安心しろ。この映像は世界配信されない」
「ここだけでも止めて!」
フォレストはorzの姿勢で打ち拉がれた。
「続けよう」
シイナ様がアバター表示のモードを”艦を目の前に表示”に戻す。
再生再開。オオイ艦がタイミングを測って岩塊を左にして飛び出していく。
「ここっ!」
映像が一時停止する。
「左に岩塊があるんだから、左の防御が必要か? なぜ盾を左に持つ!」
映像が進められる。
岩塊から出るオオイ艦に向かってアヤメ艦が突っ込んで来ている。
盾で艦体をほぼ覆っていて、隙間からビーム砲を乱射して来る。
オオイ艦は慌てて左の盾を前に出すが、右舷にビームを食らっている。
それを防ごうと盾を前に出すことで視界が妨げられる。
そこへ全方位からミサイルが接近、回避機動をランダムでとりレーザーで迎撃するも、死角に入ったミサイルが直撃、撃沈判定。
「問題点は作戦に溺れて防御を怠ったことだ。
右で盾を持つなり、防御姿勢で岩塊から出るなりすればいいものを、それを怠った。
敵艦が慌てている隙を突いたつもりが頭を取られていた。
自分の作戦を過信し酔いすぎた結果だ」
シイナ様の厳しい言葉に項垂れるオオイさんだった。
「だが、初期の作戦通りに、もう一艦が別の角度から突入していれば、もっとマシな結果が得られていたかもしれない。そこは褒めておこう」
その言葉にオオイさんも復活したようだ。
映像再開。シイナ様が視点をキリ艦に変える。
キリ艦は前後左右上下の6方位の前方だけが空いた岩塊にスッポリと嵌まっている。
それから、前方をずーっと監視している。
どうやら完全なスナイパータイプ。
その監視映像がタイムオーバーまで続いて終了。
「プレイスタイルがあるのは、わかる。
オオイとフォレストが囮になって、敵を目の前に誘導してくれれば勝機があったかもしれない。
だが、今回の装備で超長距離射撃は無理だろう、
もうちょっとチームプレイを考えるように」
男子チームの敗因は全員のスタンドプレイ。
SFCでは個々に戦っていたから艦隊運用という概念を持っていなかった。
チームプレイの大切さがよく分かる反面教師的なプレイだった。
「続いて女子チーム」
シイナ様がタンポポのアバターを”アバター視線”モードに切り替えて表示させる。
タンポポの視線は演習開始と同時に動き出し周辺警戒をしている。
「ここ、よく見て。彼女がしたのは岩塊位置の把握と要監視設定ね」
アバター視界の岩塊映像に要注意マーカーが付いていく。
通信アイコンが点滅して僕の顔が表示される。
続いてアヤメの顔が表示されて艦隊内秘匿通信網が形成される。
「フォレスト、せめてこれを使うように」
シイナ様の小言にオオイさんとキリさんがうんうんと頷く。
映像に戻る。
アバターによる打ち合わせの映像が流れる。
アバターだと実際に顔を合わせて打ち合わせしているように見える。
「アキラが得意分野を報告させて役割分担を決めたのは良かったな。
まさかの指揮担当とは、個人技で競うSFCでは珍しい選択だな」
そこを突っ込まれると困るんですけど。
タンポポ艦は単縦陣を組むため僕の艦の後ろにつく。
対艦レーダーの要監視対象が後方重点に切り替えられる。
「艦隊という一つの集団を形成したことで役割が変わる。
タンポポの役割は殿としての後方監視になるわけだ。
その基本を忘れていない模範的な行動で褒めるところだな」
しばらく探索行動。そして対艦レーダーの警告と共にフォレストの全方位通信。
目の前のアキラ艦からミサイルが発射される。
通信画面内で僕が回頭指示。(口パクで内容は入っていない)
回頭する3艦。と同時にタンポポ艦はレールガンを起動、照準をフォレスト艦に向ける。
左後方にフォレスト艦を捉えロックオン。
長距離射撃モードでフォレスト艦が拡大表示される。
照準環がフォレスト艦の右舷に収束する。
ミサイルがフォレスト艦に接近すると同時にアキラ艦からビーム攻撃。
ミサイルの速度とビームの速度を合わせた同時着弾のタイミングだ。
焦るフォレスト艦、ビーム防御で左腕の盾が左舷に集中し右舷を晒すことに。
すかさずタンポポ艦がレールガンを発射。発射。発射!10連射!
フォレスト艦の停滞フィールドが抵抗するも崩壊。
複数の直撃弾がフォレスト艦の装甲を剥いでアバターはパン一に……。
自主規制が入ってブラックアウト。
「見た!?」とフォレスト。
華麗にスルーするタンポポ。
何を見たかは言わないでおこう。
シイナ様がスルーして話しだす。
「実に良い。教科書のような連携攻撃だ。
打ち合わせで個人の特技を把握し、活かした結果だな」
シイナ様が映像を進め、アヤメ艦に視点を変える。
そして”アバターを目の前に表示”モードから”艦を目の前に表示”モードに切り替える。
さらに、視点変更でアヤメ艦を正面から見る視点にする。
「この盾の使い方に注目!
艦体を隠し、武器の前方視界を確保した完璧な姿勢だ。
先頭で突撃する役目なら身につけておくべき攻守を兼ね備えた姿勢よ」
シイナ様は視点を”アバターを目の前に表示”モードに戻し、映像を進める。
僕からの通信でアヤメ艦の進路が変わり、一つの岩塊へ向かう。
アヤメ艦は岩塊の周囲を重点警戒。
オオイ艦が岩塊の左側から飛び出すのを認識すると、アヤメ艦は突撃しビームを乱れ打ちする。
そして全艦ミサイル発射。オオイ艦は合計9発のミサイルを迎撃しきれずに撃沈判定。
「アヤメ自身の特性を活かした見事な突撃だった。
これも盾を上手く使ったからこそだ。満点だな」
続けて視点をアキラ艦に切り替える。
アキラが通信を送ると全艦が緊急回頭して離脱をはかる。
後のキリ艦索敵映像は省略。
「艦隊内秘匿通信の通信内容は映像に残らないが、教官である私は通信内容を聞いていた。
アキラ、オオイ艦撃沈後に全艦に回避運動を取らせただろ。
あれはキリ艦の攻撃を想定してのことか?」
「そうだよ。あそこが一番危ないところだと思ってたからね」
「ふむ。指揮担当とは本当だったんだな。
だが、一つだけ言っておこう。
今回のお前の指揮は神の視点だったから出来たことだ」
「神の視点?」
「そうだ。神の視点だ。
お前は演習だから敵の数、敵の能力を予め知っていた。
だから、今回のような作戦指揮が出来たのだ。
演習だからこそ知り得た情報。実戦では知り得ないその情報を持つということが神の視点になるのだ。
もし実戦だったならば、敵の伏兵はもっと多かったかもしれない。
同型艦でも改装で攻撃力や弱点が違っていたかもしれない。
それでも対処出来ていたか? そこが今後の課題だな。
まあ、現時点では上出来だ」
褒められたのか、貶されたのかよくわからなかった。
だが、課題として心に留めておくべきことだった。
「情報を得て準備した者が勝つ!」で合ってる?
冗談です。
「艦隊として機能すればより強くなれる。
その一端は体験できたことと思う。
よし、今日はここまで。
明日は特殊フィールドでの演習だ。
同じ時間にここで待つ!」
「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」
みんなにシイナ様を教官として敬う気持ちが生まれたようだ。
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失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
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