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修行編
006 修行編6 初心者講習3 射撃訓練
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初心者講習2日目。
僕らは今日も講習室に集まっている。
「はい、傾聴! 今日は射撃訓練だ。各種武器の説明と射撃実習を行う。
初日の模擬戦を見る限り必要無さそうだが、得意としない武器を経験してみることも必要だろう。
また特殊宙域における射撃も経験してもらうから、今回はそっちをメインと考えてくれ」
シイナ様による今日の講習は射撃実習のようだ。
「ここでの宇宙艦の武装は、レーザー、ビーム、レールガン、ミサイルが一般的だ。
これらを擬似空間で擬似実射してもらう。
ゲームとは感覚が違うところもあるので、既に知っているからと疎かにせず体験してもらいたい」
確かに人によって主兵装と考える武器が違うからね。
タンポポのようにレールガンで狙撃とか、アヤメのように接近してビームで連射とかプレイスタイルがあるからね。
それ以外の武器をあまり使ったことが無かったり、ゲームとは違う実際の宇宙艦の癖のようなものは体験した方がいいかもね。
「特殊宙域は主に次の3種類がある。
重力場異常宙域、次元異常宙域、亜空間宙域の3つだ。
重力場異常宙域は、超重量惑星や重力兵器、及び次元跳躍門の運行により重力異常が発生し歪んだ空間のことだ。
次元異常宙域は、次元跳躍門周辺や空間断層の通常空間露出面により異常が発生し歪んだ空間のことだ。
亜空間宙域は次元跳躍門の内部のことで今回は省略する。
詳しくは上級者講習を受けるように」
「今回の演習は各種武装の擬似実射と特殊宙域による対応方法も体験してもらう。
では総員仮想シミュレーターに入れ!」
全員が模擬CICに入り、コクピットに座る。
目の前に仮想スクリーンが開き、演習用の狙撃艦が艦橋視線モードで表示される。
今回の演習用艦船の諸元は以下。
『NPC艦SN-B型』
艦種 狙撃艦
艦体 全長200m 巡洋艦型 1腕
主機 熱核反応炉D型(9) 高速推進機F型
兵装 主砲 長砲身20cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 20cm粒子ビーム砲単装1基1門
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 E型標準1基1門 最大弾数2
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(バリヤー)D型
電子兵装 電脳D型 対艦レーダーB型(射撃補正装置付き) 通信機D型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
狙撃特化の狙撃艦仕様。長砲身長射程のレールガンで長距離狙撃することのみを目的とした艦種だろう。
たしかタンポポやキリさんの得意戦術に特化した艦だ。
『はい、みんな乗ったな』
シイナ様から通信が入る。
『この狙撃艦は射撃補正装置付きのレールガンを装備して、敵艦を遥か彼方から撃破するのが目的の艦だ。
ただし演習用にレールガンの性能を落としビーム砲とミサイルを装備している。
みんなの目の前には横腹に的の描かれた標的艦が配置してある。
その的を撃ちぬくのが今回の演習だ。
まずはビーム砲の射撃演習から行う。
兵装をビーム砲にセレクトしろ』
頭でビーム砲を意識すると仮想スクリーン右横のアバターの右腕にビーム砲のグラフィックが換装されて表示される。
艦橋から見下ろした目の前の映像は上甲板にあるビーム砲塔が砲身を標的艦に向けたところだ。
目の前には照準の〔 〕と◯が表示される。
レーダーと連動した白い〔 〕が標的艦の位置を大まかに捉えて動いている。
そこに視線に合わせると〔 〕の位置を微調整出来る。
僕は標的艦横腹の的の中心を狙う。
『ロックオンすると照準が固定される』
ロックオンをイメージすると視線の先の〔 〕の色が赤に変わる。
と同時に◯が〔 〕に合わさり〔◯〕という状態になる。
ロックオンした標的に砲身が向いたということだ。
この状態は標的艦と自艦が急激な機動をしない限り外れない。
『よし、動きながら4連射だ!』
シイナ様の命令でビーム砲の連射を意識する。
すると標的艦と自艦の相対位置が変化しているのにも関わらず、ビーム砲の光条が照準に合わせて同じ場所に突き刺さっていった。
ビームは粒子を加速する発射準備のため連射の間隔が数秒発生する。
それでも同じ箇所に命中した。大した追随性能だ。
だが標的艦の命中箇所は装甲が色を変えただけで破壊には至らなかった。
『あれが耐ビームコーティング特殊装甲板だ。命中してもビームのエネルギーを散らしてしまう。
破壊するには同じ箇所にビームを連続で命中させ続けるか、相手の耐えられない大口径ビームを撃ち込むかだ。
実戦では相手も盾を使ってくる。盾も同じ素材の装甲板だ。つまり盾の使用は装甲板が2枚重なっているのと同じということだ』
僕らは実際の宇宙艦がいかに頑丈であるかを実感した。
『まあ、仮想空間の映像だが、ほぼ現実と同じだ。
ビームは光速で飛んで来る。回避するためには敵艦の発射の兆候を見逃すな。
ビームは発射のために粒子を加速する前兆現象で砲口が発光する。
その発光を見たら避けろ。発射までのタイムラグで助かるはずだ』
そうだった。リアルすぎて忘れていたけど、これ仮想空間の演習だった。
しかし光速のビームを避けろとはシイナ様も無茶を言う。
一撃でやられない、そのための耐ビームコーティングでしょ?
『次、レールガンをセレクト』
シイナ様がそう言うと標的艦が遠ざかっていく。
『ビーム砲は中距離兵器だ。エネルギーが拡散減衰するので長距離では威力が落ちてしまう。
そこで長距離の敵を撃ちぬくのがレールガンだ。
レールガンは実体弾なので宇宙空間では何も障害物が無ければ発射時の速度のまま遠距離まで到達する。
弾体が電磁加速のためビームより遅いのが欠点だが、ビームのように発光しないので見えないという怖さがある。
それでは射撃補正装置を起動、レールガン射撃態勢をとれ!』
仮想スクリーン右横のアバターの右腕がレールガンに換装される。
レールガンの砲塔は艦底にあるので見えないが、僚艦達がレールガンをスタンバイしているのを見て自艦の様子を把握した。
正面にはサブスクリーンが開き、標的艦の望遠映像が表示される。
映像には射線が表示されていて、何処に当たるのかが容易に予測できる。
その射線を右腕を動かし微調整する。
『射線が標的と重なったら撃て!』
僕は発射をイメージする。
するとズシンと自艦が揺れる衝撃のあと、標的艦の的にレールガンの弾体が命中した。
揺れは発射の衝撃だったようだ。
隣のアヤメ艦を見るとレールが紫電を纏い光がレールに添って移動すると弾体がもの凄い速度で飛んで行った。
飛んで行った先では弾体は発光していないので、自分が撃たれた時はどう見極めればいいのか不安になる。
まあ、ビームと違って光速じゃないから、距離さえあればレーダーが捕捉すれば回避なりの対処が出来るだろう。
『命中時に標的艦の側で発光現象があっただろう?
あれが停滞フィールド、所謂実体弾バリヤーだ。
停滞フィールドの強さによるが、遅い物体は捕まえ、中速の物体は弾き、高速の物体は速度を落とすが通してしまう。
この停滞フィールドを抜ければ敵艦に命中し被害を与えることが出来る。
今回は標的艦の停滞フィールドの性能が低かったので被害を与える事ができたようだ』
なるほど、停滞フィールドを強化すれば実体弾をわざわざ避けなくても被害を受けないで済むんだ。
そしてレールガンは敵艦の停滞フィールドを上回る性能を用意する。
うん。これはまるで地球で過去にあった巨大戦艦建艦競争の時みたいだな。
『よし次はミサイルの実射演習をしようか』
シイナ様の合図で標的艦が接近して来る。
『兵装にミサイルをセレクト、ビーム砲同様のロックオンをしたら撃て。
ミサイルは撃ちっ放しだ。それで終わり。簡単だ』
じゃあ、なんで撃たせるのよ?
『実戦で後生大事にミサイルを温存するやつが多くてな。撃ったことがないやつが結構いるんだ。
だから撃ち慣れてもらうのも訓練の一つなのだ』
また心を読まれた!
殺し屋の視線が来る前にミサイル演習と行こう。
ミサイルをセレクトすると仮想スクリーン右横のアバターは太ももに装備されたミサイルランチャーを構えた。
目の前には〔 〕の照準が出る。
視線で標的艦を目視してロックオン。
発射をイメージするとミサイルが放たれ、回避起動を描きながら標的艦に当たった。
めちゃくちゃ簡単だ。
というか、初日の演習で何の予備知識もなく撃ちまくった。
『ミサイルは当たれば敵艦に大きな被害を与えられる。
だが、防御レーザーで簡単に迎撃されてしまうものでもある。
撃つなら敵艦が対処不可能な量で飽和攻撃が基本だが、そこまでコストをかけるメリットもない。
他の攻撃手段との併用による牽制目的の使用が多くなるだろう』
『そんなことはない!』
このシイナ様の意見にオオイさんが食って掛かっていた。
オオイさんってミサイル重視の人なのかな?
シイナ様は相手にしていないようだが……。
『次はレーザーだ。レーザーは対デブリの防御兵器としての活用が基本だが、ミサイル迎撃という重要な役割もある。
マルチロックオンの自動迎撃で動かしておけば充分に機能してくれる。
今もミサイルの爆発によって生じたデブリを自動迎撃してくれているだろう?』
本当だ。〔 〕で囲われたデブリが次々にレーザーに焼かれて消滅していく。
レーザーを自分で制御する必要は無いかもしれない。
この時の僕は、まさか自分の主兵装がレーザーになるとは思っていなかった。
『基本的な射撃演習はこれで終了だ。
次に特殊宙域におけるレールガンでの長距離射撃を体験してもらう』
次の瞬間、破壊された標的艦がまっさらの状態に戻り距離を取り始めた。
仮想現実のおかげで誰も被害を受けていないということだな。
この仮想空間で模擬戦をする限りは命に関わる事はないってことだ。
『標的艦との間のこの空間は重力場異常宙域だ。
レールガン起動、何の対策もなしに撃った弾がどうなるのかも経験だ。
とりあえず直接照準で撃ってみろ』
僕らは標的艦を狙ってレールガンを発射する。
レールガンを発射したズシンとした反動が来る。
仮想スクリーンが俯瞰モードになって弾丸の軌道を表示する。
全員外れた。
僕の撃った弾は重力場の影響で右に大きく曲がった。
『みんな外れたな? 気にするな。これが重力場異常宙域だ。
戦場では重力兵器の影響で重力場に異常があるなんてザラだ。
また次元跳躍門周辺では重力異常と次元異常が複合して起きやすい。気をつけろ。
さらに重力兵器がリアルタイムで使用されれば同じ条件での射撃など二度と無いと思え。
よし、次は射撃補正装置を使用しての射撃だ。みんな射撃補正装置を起動しろ」
射撃補正装置の起動を思考すると目の前に1枚サブスクリーンが重なる。
そこには重力場の位置と影響が図示されていて、弾の射線が曲がりくねって表示される。
『ゴルフゲームのパッティングのイメージだな』
オオイ氏が呟く。確かにそんな感じだ。
レールガンの砲身を少し動かすと射線も大きく動く。
この射線が当たるパターンを発見すれば良いのだろう。
あくまでも予測コースなんだろうけど。
僕は、慎重に射線を見極めるとレールガンを撃つ。
僕の弾は標的艦を掠った。
予測は予測。当てるにはトライ&エラーでやるしかないのかもしれない。
小手先で砲身を動かすのをやめ、自艦のポジションも変えて撃ってみる。
僕は4発目でやっと当たった。
1位はキリさんで2発目には当てていた。
2位はタンポポ。3発目。
次いで僕とアヤメが4発目で命中。
フォレストは当たらなかった。
オオイ氏は何か文句を言っていたようだけど割愛。
『今のは動かない的だったが、実戦では敵艦は動いているものだ。
次は動いている的を撃ってみろ』
標的艦が動くと弾道予測も変化しまくり難易度が急上昇した。
これはキリさんとタンポポしか当てられなかった。
SFCで狙撃特化していた経験が生きた形だ。
フォレストは突撃すれば当てられると豪語していた。
それは長距離射撃じゃないし敵艦も反撃して当ててくるんだけどな。
続けて次元異常宙域も経験して、今日の演習は終了した。
次元異常宙域は弾体が逆走して来たり消えた弾体が後ろから来たりと危険極まりない宙域だった。
次元の乱れは恐ろしい。
僕らは今日も講習室に集まっている。
「はい、傾聴! 今日は射撃訓練だ。各種武器の説明と射撃実習を行う。
初日の模擬戦を見る限り必要無さそうだが、得意としない武器を経験してみることも必要だろう。
また特殊宙域における射撃も経験してもらうから、今回はそっちをメインと考えてくれ」
シイナ様による今日の講習は射撃実習のようだ。
「ここでの宇宙艦の武装は、レーザー、ビーム、レールガン、ミサイルが一般的だ。
これらを擬似空間で擬似実射してもらう。
ゲームとは感覚が違うところもあるので、既に知っているからと疎かにせず体験してもらいたい」
確かに人によって主兵装と考える武器が違うからね。
タンポポのようにレールガンで狙撃とか、アヤメのように接近してビームで連射とかプレイスタイルがあるからね。
それ以外の武器をあまり使ったことが無かったり、ゲームとは違う実際の宇宙艦の癖のようなものは体験した方がいいかもね。
「特殊宙域は主に次の3種類がある。
重力場異常宙域、次元異常宙域、亜空間宙域の3つだ。
重力場異常宙域は、超重量惑星や重力兵器、及び次元跳躍門の運行により重力異常が発生し歪んだ空間のことだ。
次元異常宙域は、次元跳躍門周辺や空間断層の通常空間露出面により異常が発生し歪んだ空間のことだ。
亜空間宙域は次元跳躍門の内部のことで今回は省略する。
詳しくは上級者講習を受けるように」
「今回の演習は各種武装の擬似実射と特殊宙域による対応方法も体験してもらう。
では総員仮想シミュレーターに入れ!」
全員が模擬CICに入り、コクピットに座る。
目の前に仮想スクリーンが開き、演習用の狙撃艦が艦橋視線モードで表示される。
今回の演習用艦船の諸元は以下。
『NPC艦SN-B型』
艦種 狙撃艦
艦体 全長200m 巡洋艦型 1腕
主機 熱核反応炉D型(9) 高速推進機F型
兵装 主砲 長砲身20cmレールガン単装1基1門 通常弾 80/80
副砲 20cm粒子ビーム砲単装1基1門
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 E型標準1基1門 最大弾数2
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板
耐実体弾耐ビーム盾E型 1
停滞フィールド(バリヤー)D型
電子兵装 電脳D型 対艦レーダーB型(射撃補正装置付き) 通信機D型
空きエネルギースロット 0
状態 良好
狙撃特化の狙撃艦仕様。長砲身長射程のレールガンで長距離狙撃することのみを目的とした艦種だろう。
たしかタンポポやキリさんの得意戦術に特化した艦だ。
『はい、みんな乗ったな』
シイナ様から通信が入る。
『この狙撃艦は射撃補正装置付きのレールガンを装備して、敵艦を遥か彼方から撃破するのが目的の艦だ。
ただし演習用にレールガンの性能を落としビーム砲とミサイルを装備している。
みんなの目の前には横腹に的の描かれた標的艦が配置してある。
その的を撃ちぬくのが今回の演習だ。
まずはビーム砲の射撃演習から行う。
兵装をビーム砲にセレクトしろ』
頭でビーム砲を意識すると仮想スクリーン右横のアバターの右腕にビーム砲のグラフィックが換装されて表示される。
艦橋から見下ろした目の前の映像は上甲板にあるビーム砲塔が砲身を標的艦に向けたところだ。
目の前には照準の〔 〕と◯が表示される。
レーダーと連動した白い〔 〕が標的艦の位置を大まかに捉えて動いている。
そこに視線に合わせると〔 〕の位置を微調整出来る。
僕は標的艦横腹の的の中心を狙う。
『ロックオンすると照準が固定される』
ロックオンをイメージすると視線の先の〔 〕の色が赤に変わる。
と同時に◯が〔 〕に合わさり〔◯〕という状態になる。
ロックオンした標的に砲身が向いたということだ。
この状態は標的艦と自艦が急激な機動をしない限り外れない。
『よし、動きながら4連射だ!』
シイナ様の命令でビーム砲の連射を意識する。
すると標的艦と自艦の相対位置が変化しているのにも関わらず、ビーム砲の光条が照準に合わせて同じ場所に突き刺さっていった。
ビームは粒子を加速する発射準備のため連射の間隔が数秒発生する。
それでも同じ箇所に命中した。大した追随性能だ。
だが標的艦の命中箇所は装甲が色を変えただけで破壊には至らなかった。
『あれが耐ビームコーティング特殊装甲板だ。命中してもビームのエネルギーを散らしてしまう。
破壊するには同じ箇所にビームを連続で命中させ続けるか、相手の耐えられない大口径ビームを撃ち込むかだ。
実戦では相手も盾を使ってくる。盾も同じ素材の装甲板だ。つまり盾の使用は装甲板が2枚重なっているのと同じということだ』
僕らは実際の宇宙艦がいかに頑丈であるかを実感した。
『まあ、仮想空間の映像だが、ほぼ現実と同じだ。
ビームは光速で飛んで来る。回避するためには敵艦の発射の兆候を見逃すな。
ビームは発射のために粒子を加速する前兆現象で砲口が発光する。
その発光を見たら避けろ。発射までのタイムラグで助かるはずだ』
そうだった。リアルすぎて忘れていたけど、これ仮想空間の演習だった。
しかし光速のビームを避けろとはシイナ様も無茶を言う。
一撃でやられない、そのための耐ビームコーティングでしょ?
『次、レールガンをセレクト』
シイナ様がそう言うと標的艦が遠ざかっていく。
『ビーム砲は中距離兵器だ。エネルギーが拡散減衰するので長距離では威力が落ちてしまう。
そこで長距離の敵を撃ちぬくのがレールガンだ。
レールガンは実体弾なので宇宙空間では何も障害物が無ければ発射時の速度のまま遠距離まで到達する。
弾体が電磁加速のためビームより遅いのが欠点だが、ビームのように発光しないので見えないという怖さがある。
それでは射撃補正装置を起動、レールガン射撃態勢をとれ!』
仮想スクリーン右横のアバターの右腕がレールガンに換装される。
レールガンの砲塔は艦底にあるので見えないが、僚艦達がレールガンをスタンバイしているのを見て自艦の様子を把握した。
正面にはサブスクリーンが開き、標的艦の望遠映像が表示される。
映像には射線が表示されていて、何処に当たるのかが容易に予測できる。
その射線を右腕を動かし微調整する。
『射線が標的と重なったら撃て!』
僕は発射をイメージする。
するとズシンと自艦が揺れる衝撃のあと、標的艦の的にレールガンの弾体が命中した。
揺れは発射の衝撃だったようだ。
隣のアヤメ艦を見るとレールが紫電を纏い光がレールに添って移動すると弾体がもの凄い速度で飛んで行った。
飛んで行った先では弾体は発光していないので、自分が撃たれた時はどう見極めればいいのか不安になる。
まあ、ビームと違って光速じゃないから、距離さえあればレーダーが捕捉すれば回避なりの対処が出来るだろう。
『命中時に標的艦の側で発光現象があっただろう?
あれが停滞フィールド、所謂実体弾バリヤーだ。
停滞フィールドの強さによるが、遅い物体は捕まえ、中速の物体は弾き、高速の物体は速度を落とすが通してしまう。
この停滞フィールドを抜ければ敵艦に命中し被害を与えることが出来る。
今回は標的艦の停滞フィールドの性能が低かったので被害を与える事ができたようだ』
なるほど、停滞フィールドを強化すれば実体弾をわざわざ避けなくても被害を受けないで済むんだ。
そしてレールガンは敵艦の停滞フィールドを上回る性能を用意する。
うん。これはまるで地球で過去にあった巨大戦艦建艦競争の時みたいだな。
『よし次はミサイルの実射演習をしようか』
シイナ様の合図で標的艦が接近して来る。
『兵装にミサイルをセレクト、ビーム砲同様のロックオンをしたら撃て。
ミサイルは撃ちっ放しだ。それで終わり。簡単だ』
じゃあ、なんで撃たせるのよ?
『実戦で後生大事にミサイルを温存するやつが多くてな。撃ったことがないやつが結構いるんだ。
だから撃ち慣れてもらうのも訓練の一つなのだ』
また心を読まれた!
殺し屋の視線が来る前にミサイル演習と行こう。
ミサイルをセレクトすると仮想スクリーン右横のアバターは太ももに装備されたミサイルランチャーを構えた。
目の前には〔 〕の照準が出る。
視線で標的艦を目視してロックオン。
発射をイメージするとミサイルが放たれ、回避起動を描きながら標的艦に当たった。
めちゃくちゃ簡単だ。
というか、初日の演習で何の予備知識もなく撃ちまくった。
『ミサイルは当たれば敵艦に大きな被害を与えられる。
だが、防御レーザーで簡単に迎撃されてしまうものでもある。
撃つなら敵艦が対処不可能な量で飽和攻撃が基本だが、そこまでコストをかけるメリットもない。
他の攻撃手段との併用による牽制目的の使用が多くなるだろう』
『そんなことはない!』
このシイナ様の意見にオオイさんが食って掛かっていた。
オオイさんってミサイル重視の人なのかな?
シイナ様は相手にしていないようだが……。
『次はレーザーだ。レーザーは対デブリの防御兵器としての活用が基本だが、ミサイル迎撃という重要な役割もある。
マルチロックオンの自動迎撃で動かしておけば充分に機能してくれる。
今もミサイルの爆発によって生じたデブリを自動迎撃してくれているだろう?』
本当だ。〔 〕で囲われたデブリが次々にレーザーに焼かれて消滅していく。
レーザーを自分で制御する必要は無いかもしれない。
この時の僕は、まさか自分の主兵装がレーザーになるとは思っていなかった。
『基本的な射撃演習はこれで終了だ。
次に特殊宙域におけるレールガンでの長距離射撃を体験してもらう』
次の瞬間、破壊された標的艦がまっさらの状態に戻り距離を取り始めた。
仮想現実のおかげで誰も被害を受けていないということだな。
この仮想空間で模擬戦をする限りは命に関わる事はないってことだ。
『標的艦との間のこの空間は重力場異常宙域だ。
レールガン起動、何の対策もなしに撃った弾がどうなるのかも経験だ。
とりあえず直接照準で撃ってみろ』
僕らは標的艦を狙ってレールガンを発射する。
レールガンを発射したズシンとした反動が来る。
仮想スクリーンが俯瞰モードになって弾丸の軌道を表示する。
全員外れた。
僕の撃った弾は重力場の影響で右に大きく曲がった。
『みんな外れたな? 気にするな。これが重力場異常宙域だ。
戦場では重力兵器の影響で重力場に異常があるなんてザラだ。
また次元跳躍門周辺では重力異常と次元異常が複合して起きやすい。気をつけろ。
さらに重力兵器がリアルタイムで使用されれば同じ条件での射撃など二度と無いと思え。
よし、次は射撃補正装置を使用しての射撃だ。みんな射撃補正装置を起動しろ」
射撃補正装置の起動を思考すると目の前に1枚サブスクリーンが重なる。
そこには重力場の位置と影響が図示されていて、弾の射線が曲がりくねって表示される。
『ゴルフゲームのパッティングのイメージだな』
オオイ氏が呟く。確かにそんな感じだ。
レールガンの砲身を少し動かすと射線も大きく動く。
この射線が当たるパターンを発見すれば良いのだろう。
あくまでも予測コースなんだろうけど。
僕は、慎重に射線を見極めるとレールガンを撃つ。
僕の弾は標的艦を掠った。
予測は予測。当てるにはトライ&エラーでやるしかないのかもしれない。
小手先で砲身を動かすのをやめ、自艦のポジションも変えて撃ってみる。
僕は4発目でやっと当たった。
1位はキリさんで2発目には当てていた。
2位はタンポポ。3発目。
次いで僕とアヤメが4発目で命中。
フォレストは当たらなかった。
オオイ氏は何か文句を言っていたようだけど割愛。
『今のは動かない的だったが、実戦では敵艦は動いているものだ。
次は動いている的を撃ってみろ』
標的艦が動くと弾道予測も変化しまくり難易度が急上昇した。
これはキリさんとタンポポしか当てられなかった。
SFCで狙撃特化していた経験が生きた形だ。
フォレストは突撃すれば当てられると豪語していた。
それは長距離射撃じゃないし敵艦も反撃して当ててくるんだけどな。
続けて次元異常宙域も経験して、今日の演習は終了した。
次元異常宙域は弾体が逆走して来たり消えた弾体が後ろから来たりと危険極まりない宙域だった。
次元の乱れは恐ろしい。
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彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
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オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
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剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
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今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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