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修行編
012 修行編12 レベルアップ
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明日の初心者講習が自分の専用艦による模擬戦だと告げられ僕は困ってしまった。
僕の専用艦は艦隊指揮を取るための装備だけは極上だが、武装がレーザーのみしかない。
最悪なのは反応炉が最低ランクのためエネルギースロットに空きがない。
つまり中古でビーム砲を買えたとしてもエネルギーをまわせないので使う事が出来ないのだ。
やらなければならないのは反応炉の性能向上だが、反応炉は基幹装備のためめちゃくちゃ値が張る。
最終手段はなんらかの装備を分離してエネルギースロットを空けることだが……。
現在の僕の専用艦の諸元は以下。
『AKIRA』
艦種 艦隊旗艦
艦体 全長30m 作業艇型 2腕 **格納庫 (ロック)
主機 熱核反応炉G型(6) 高速推進機G型
兵装 主砲 なし
副砲 なし
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 なし
防御 特殊鋼装甲板
停滞フィールド(バリヤー)G型
電子兵装 電脳S型 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型
空きエネルギースロット 0
状態 良好?
反応炉と推進機が無ければ動くことも出来ないので外すのは論外。
近接防御でレーザーも外せない。
唯一の防御手段の停滞フィールドも外せない。むしろ強化したいぐらいだ。
電脳も無理。レーダーも無理。通信機も無理。
となると戦術兵器統合制御システムしかないな。
これを分離してビーム砲を搭載しよう。
僕は自宅に帰ると意を決して専用艦格納庫へ降りて行った。
「なんだこれは?」
格納庫の前室に降り、その窓から専用艦を見た僕は目を疑った。
「専用艦が大きくなっている?」
僕は慌ててパイロットスーツに着替えると専用艦のCICに乗り込んだ。
パイロットシートに座ると僕の脳がナノマシンを介して電脳と繋がる。
「ステータス・ログは見れるのかな?」
僕がそう呟くと電脳のアバターが表示され、会話モードで説明を始めた。
そんなことが出来るんだ……。さすがS型。
『本艦がレベルアップしました』
『艦の全長が10m伸び40mになりました』
『特殊鋼装甲板が耐ビームコーティング特殊鋼装甲板になりました』
『長砲身5cmレールガンが装備されました』
『盾を装備しました』
レベルアップ後の諸元は以下。
『AKIRA』
艦種 艦隊旗艦
艦体 全長40m 作業艇型 2腕 **格納庫 (ロック)
主機 熱核反応炉G型(6) 高速推進機G型
兵装 主砲 長砲身5cmレールガン単装1基1門 通常弾 20/100 特殊弾 05/20
副砲 なし
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 なし
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板(盾G型相当)
耐実体弾耐ビーム盾G型 1
停滞フィールド(バリヤー)G型
電子兵装 電脳S型 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型
空きエネルギースロット -6
状態 良好?
空きエネルギースロット -6って何ですか?
特殊弾も何?
なんでこんなに強化されてるの?
僕は胸騒ぎがした。何かヤバイことが起こってそうだ。
「電脳、僕は回収クエストを1回しかしていないはずだけど、このレベルアップのための資材は何処から持って来たの?」
『その回収クエストで回収したデブリが元になっています』
あー。やっちゃったな。
撃墜権付きのデブリを勝手に艦のレベルアップに使ったということだよね?
装甲板のデブリはtあたり1,000Gだったかな?
専用艦の全長が10mも増えたとすると何tになるんだ?
レールガンも動くようなものなら値段が付いているだろ。
それを横領した形じゃないか……。
「それって撃墜権付きデブリの横領じゃないか?」
僕は意を決して電脳に問い質した。
『大丈夫です。艦体伸長と盾作成に使った鉱物は小惑星由来のものです。
レールガンはギルドがゴミとして焼却許可を出していたものからの再生になります。
ギルドに提出したコンテナは、それらを自動識別して格納し不正が出来ない仕組みになっています。
むしろコンテナが不要と判断したデブリの個人使用は全く問題ありません』
「じゃあ、なんでゴミ扱いのダイヤモンドがコンテナに入っていたんだ?」
『それは初心者にゴミだと認識させるための通過儀礼ですね。
毎回地球に持ち帰ろうとする人が出るので注意することになっているのです』
うわー。恥ずかしい。初心者のお約束をやらかしてたのね。
「ところで特殊弾って何?」
『その情報の公開にはロックが掛かっています』
「**格納庫というのもロックになってるね?」
『はい。その情報の公開にもロックが掛かっています』
「空きエネルギースロット -6とは?」
『……現在の状態で本艦の運行は何の支障もありません』
「つまり全装備が問題なく使えるということ?」
『はい』
「ビーム砲追加しても大丈夫?」
『……問題ありません』
「前から変だと思っていたけど、熱核反応炉G型の能力を超えてるよね?」
『……それが-表示の原因ですね……』
「なんで超えられるの?」
『禁則事故に触れるためお答え出来ません』
なんか機密情報に触れてしまったようだ。
納得出来ないけど納得しておこう。
とりあえずビーム砲の追加が可能だということだから、決勝進出賞金5万Gと手持ちの1万Gを合わせて6万Gあるからそれで中古を見繕おう。
「検索指示。20cm粒子ビーム砲単装1基1門、4万G以下で中古店全店舗の在庫を検索。安い順に表示しろ」
『該当なし』
「え? 初心者講習では在庫が表示されたのに?」
『それは講習用のダミーデータですね。2万G程度で育成強化出来るような値段設定にしてあるのでしょう。
金額を上げるかジャンク店の状態の良い物を修理して使うことを提案します』
そういや回収したビーム砲の粒子加速器が1万Gで売れたんだった。
部品1つで1万Gしているのに現物が4万Gで売ってるわけないか。
「それなら同条件で金額を6万Gに上げてみて」
『1件該当しました。表示します』
【20cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 ストレイ製 6万G ドンキー砲店】
なんだろう……この驚安の殿堂感は……。
しかしここで6万G全て使ってしまうと他を強化出来なくなるな。
「検索指示。15cm粒子ビーム砲単装1基1門、5万G以下で中古店全店舗の在庫を検索。安い順に表示しろ」
『10件該当しました。全て表示しますか?』
「いや、安い方から5件で」
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 ストレイ製 4万G ドンキー砲店】
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 ストレイ製 4万5千G ジェームス商会】
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 ストレイ製 4万6千G ロバート砲店】
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 分離品 ストレイ製 4万9千G 個人出品】
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 リベリオン製 5万G ドンキー砲店】
ドンキー安いな。
でも、どうせ買うならやっぱり20cm粒子ビーム砲がいいな。
これから回収クエストに行けば2万Gぐらい稼げるかな?
そうだ。ジャンクで目ぼしいのは無いかな?
面倒なんで電脳のお薦めを聞いてみるか。
「電脳、ジャンクでお薦めのビーム砲ある?」
『1件該当しました。私がお薦めするのはこれです。是非ともご購入を』
【***粒子ビーム砲単装1基1門 ジャンク品 ???製 4万G マッコイ商会】
また伏せ字か……。もしかしてレア装備なのか?
20cm粒子ビーム砲とこれなら10万Gで4万G稼がないと。
15cm粒子ビーム砲とこれなら8万Gで2万Gで済むか。
とりあえず回収クエストを受注して来るか。
回収クエストで現物を回収出来れば撃墜権分払った残りの5割で買うのと同じだし。
「よし武器を拾いに行こう!」
僕は意気揚々とギルドに向かった。
◇◇◇◇◆
回収クエストを終え、僕は新たに3万Gを手にしていた。
残念なことに期待していた武器のデブリは回収出来なかった。
予算の関係でドンキー砲店の15cm粒子ビーム砲4万Gとマッコイ商会の謎ビーム砲4万Gを購入した。
そして懸架型のF型標準ミサイル発射装置2基を5千Gで購入し搭載した。
これを融合して明日に備える。
艦の周囲に融合する装備を配置し、タイマーをセットしてCICを出て前室に戻る。
『融合開始10秒前。……5、4、3、2、1、融合開始』
電脳のカウントダウンが終わると僕の専用艦を融合フィールドの輝く繭が覆っていく。
これで明日には融合が完了しているはずだ。期待しているぞ。
◇◇◇◆◇
翌朝。融合が成功し、新たな装備を搭載した専用艦が目の前にあった。
デジャブと共に……。
「大きくなってる?」
僕は慌ててパイロットスーツに着替えると専用艦のCICに乗り込んだ。
パイロットシートに座ると僕の脳がナノマシンを介して電脳と繋がる。
「ステータス・ログ!」
『本艦がレベルアップしました』
『艦の全長が10m伸び50mになりました』
『融合が成功しました。15cm粒子ビーム砲が使用可能です』
『融合が成功しました。***粒子ビーム砲が待機状態です。***粒子の補給が必要です』
『融合が成功しました。F型標準ミサイル懸架装置が使用可能です』
レベルアップ後の諸元は以下。
『AKIRA』
艦種 艦隊旗艦
艦体 全長50m 作業艇型 2腕 **格納庫 (ロック)
主機 熱核反応炉G型(6) 高速推進機G型
兵装 主砲 長砲身5cmレールガン単装1基1門 通常弾 20/100 特殊弾 05/20
***粒子ビーム砲単装1基1門 (待機中)
副砲 15cm粒子ビーム砲単装1基1門
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 F型標準懸架式2基 最大弾数2
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板(盾G型相当)
耐実体弾耐ビーム盾G型 1
停滞フィールド(バリヤー)G型
電子兵装 電脳S型 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型
空きエネルギースロット -8
状態 ***粒子ビーム砲使用不能
どうやら融合が成功し、さらにレベルアップしたようだ。
おそらく昨日採取したデブリを材料にしたのだろう。
***粒子ビーム砲は***粒子を補給する必要があるようだ。
***粒子という謎粒子を手に入れれば使うことが出来るようになるだろう。
無理だな。
相変わらず空きエネルギースロット数は-8とバグっている。
それでも使える不思議。見なかったことにしよう。
今日の講習は各自の専用艦CICから電脳空間にアクセスして行うことになっていた。
僕はそのままCICで初心者講習6日目の開始を待った。
僕の専用艦は艦隊指揮を取るための装備だけは極上だが、武装がレーザーのみしかない。
最悪なのは反応炉が最低ランクのためエネルギースロットに空きがない。
つまり中古でビーム砲を買えたとしてもエネルギーをまわせないので使う事が出来ないのだ。
やらなければならないのは反応炉の性能向上だが、反応炉は基幹装備のためめちゃくちゃ値が張る。
最終手段はなんらかの装備を分離してエネルギースロットを空けることだが……。
現在の僕の専用艦の諸元は以下。
『AKIRA』
艦種 艦隊旗艦
艦体 全長30m 作業艇型 2腕 **格納庫 (ロック)
主機 熱核反応炉G型(6) 高速推進機G型
兵装 主砲 なし
副砲 なし
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 なし
防御 特殊鋼装甲板
停滞フィールド(バリヤー)G型
電子兵装 電脳S型 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型
空きエネルギースロット 0
状態 良好?
反応炉と推進機が無ければ動くことも出来ないので外すのは論外。
近接防御でレーザーも外せない。
唯一の防御手段の停滞フィールドも外せない。むしろ強化したいぐらいだ。
電脳も無理。レーダーも無理。通信機も無理。
となると戦術兵器統合制御システムしかないな。
これを分離してビーム砲を搭載しよう。
僕は自宅に帰ると意を決して専用艦格納庫へ降りて行った。
「なんだこれは?」
格納庫の前室に降り、その窓から専用艦を見た僕は目を疑った。
「専用艦が大きくなっている?」
僕は慌ててパイロットスーツに着替えると専用艦のCICに乗り込んだ。
パイロットシートに座ると僕の脳がナノマシンを介して電脳と繋がる。
「ステータス・ログは見れるのかな?」
僕がそう呟くと電脳のアバターが表示され、会話モードで説明を始めた。
そんなことが出来るんだ……。さすがS型。
『本艦がレベルアップしました』
『艦の全長が10m伸び40mになりました』
『特殊鋼装甲板が耐ビームコーティング特殊鋼装甲板になりました』
『長砲身5cmレールガンが装備されました』
『盾を装備しました』
レベルアップ後の諸元は以下。
『AKIRA』
艦種 艦隊旗艦
艦体 全長40m 作業艇型 2腕 **格納庫 (ロック)
主機 熱核反応炉G型(6) 高速推進機G型
兵装 主砲 長砲身5cmレールガン単装1基1門 通常弾 20/100 特殊弾 05/20
副砲 なし
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 なし
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板(盾G型相当)
耐実体弾耐ビーム盾G型 1
停滞フィールド(バリヤー)G型
電子兵装 電脳S型 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型
空きエネルギースロット -6
状態 良好?
空きエネルギースロット -6って何ですか?
特殊弾も何?
なんでこんなに強化されてるの?
僕は胸騒ぎがした。何かヤバイことが起こってそうだ。
「電脳、僕は回収クエストを1回しかしていないはずだけど、このレベルアップのための資材は何処から持って来たの?」
『その回収クエストで回収したデブリが元になっています』
あー。やっちゃったな。
撃墜権付きのデブリを勝手に艦のレベルアップに使ったということだよね?
装甲板のデブリはtあたり1,000Gだったかな?
専用艦の全長が10mも増えたとすると何tになるんだ?
レールガンも動くようなものなら値段が付いているだろ。
それを横領した形じゃないか……。
「それって撃墜権付きデブリの横領じゃないか?」
僕は意を決して電脳に問い質した。
『大丈夫です。艦体伸長と盾作成に使った鉱物は小惑星由来のものです。
レールガンはギルドがゴミとして焼却許可を出していたものからの再生になります。
ギルドに提出したコンテナは、それらを自動識別して格納し不正が出来ない仕組みになっています。
むしろコンテナが不要と判断したデブリの個人使用は全く問題ありません』
「じゃあ、なんでゴミ扱いのダイヤモンドがコンテナに入っていたんだ?」
『それは初心者にゴミだと認識させるための通過儀礼ですね。
毎回地球に持ち帰ろうとする人が出るので注意することになっているのです』
うわー。恥ずかしい。初心者のお約束をやらかしてたのね。
「ところで特殊弾って何?」
『その情報の公開にはロックが掛かっています』
「**格納庫というのもロックになってるね?」
『はい。その情報の公開にもロックが掛かっています』
「空きエネルギースロット -6とは?」
『……現在の状態で本艦の運行は何の支障もありません』
「つまり全装備が問題なく使えるということ?」
『はい』
「ビーム砲追加しても大丈夫?」
『……問題ありません』
「前から変だと思っていたけど、熱核反応炉G型の能力を超えてるよね?」
『……それが-表示の原因ですね……』
「なんで超えられるの?」
『禁則事故に触れるためお答え出来ません』
なんか機密情報に触れてしまったようだ。
納得出来ないけど納得しておこう。
とりあえずビーム砲の追加が可能だということだから、決勝進出賞金5万Gと手持ちの1万Gを合わせて6万Gあるからそれで中古を見繕おう。
「検索指示。20cm粒子ビーム砲単装1基1門、4万G以下で中古店全店舗の在庫を検索。安い順に表示しろ」
『該当なし』
「え? 初心者講習では在庫が表示されたのに?」
『それは講習用のダミーデータですね。2万G程度で育成強化出来るような値段設定にしてあるのでしょう。
金額を上げるかジャンク店の状態の良い物を修理して使うことを提案します』
そういや回収したビーム砲の粒子加速器が1万Gで売れたんだった。
部品1つで1万Gしているのに現物が4万Gで売ってるわけないか。
「それなら同条件で金額を6万Gに上げてみて」
『1件該当しました。表示します』
【20cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 ストレイ製 6万G ドンキー砲店】
なんだろう……この驚安の殿堂感は……。
しかしここで6万G全て使ってしまうと他を強化出来なくなるな。
「検索指示。15cm粒子ビーム砲単装1基1門、5万G以下で中古店全店舗の在庫を検索。安い順に表示しろ」
『10件該当しました。全て表示しますか?』
「いや、安い方から5件で」
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 ストレイ製 4万G ドンキー砲店】
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 ストレイ製 4万5千G ジェームス商会】
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 ストレイ製 4万6千G ロバート砲店】
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 分離品 ストレイ製 4万9千G 個人出品】
【15cm粒子ビーム砲単装1基1門 回収品 リベリオン製 5万G ドンキー砲店】
ドンキー安いな。
でも、どうせ買うならやっぱり20cm粒子ビーム砲がいいな。
これから回収クエストに行けば2万Gぐらい稼げるかな?
そうだ。ジャンクで目ぼしいのは無いかな?
面倒なんで電脳のお薦めを聞いてみるか。
「電脳、ジャンクでお薦めのビーム砲ある?」
『1件該当しました。私がお薦めするのはこれです。是非ともご購入を』
【***粒子ビーム砲単装1基1門 ジャンク品 ???製 4万G マッコイ商会】
また伏せ字か……。もしかしてレア装備なのか?
20cm粒子ビーム砲とこれなら10万Gで4万G稼がないと。
15cm粒子ビーム砲とこれなら8万Gで2万Gで済むか。
とりあえず回収クエストを受注して来るか。
回収クエストで現物を回収出来れば撃墜権分払った残りの5割で買うのと同じだし。
「よし武器を拾いに行こう!」
僕は意気揚々とギルドに向かった。
◇◇◇◇◆
回収クエストを終え、僕は新たに3万Gを手にしていた。
残念なことに期待していた武器のデブリは回収出来なかった。
予算の関係でドンキー砲店の15cm粒子ビーム砲4万Gとマッコイ商会の謎ビーム砲4万Gを購入した。
そして懸架型のF型標準ミサイル発射装置2基を5千Gで購入し搭載した。
これを融合して明日に備える。
艦の周囲に融合する装備を配置し、タイマーをセットしてCICを出て前室に戻る。
『融合開始10秒前。……5、4、3、2、1、融合開始』
電脳のカウントダウンが終わると僕の専用艦を融合フィールドの輝く繭が覆っていく。
これで明日には融合が完了しているはずだ。期待しているぞ。
◇◇◇◆◇
翌朝。融合が成功し、新たな装備を搭載した専用艦が目の前にあった。
デジャブと共に……。
「大きくなってる?」
僕は慌ててパイロットスーツに着替えると専用艦のCICに乗り込んだ。
パイロットシートに座ると僕の脳がナノマシンを介して電脳と繋がる。
「ステータス・ログ!」
『本艦がレベルアップしました』
『艦の全長が10m伸び50mになりました』
『融合が成功しました。15cm粒子ビーム砲が使用可能です』
『融合が成功しました。***粒子ビーム砲が待機状態です。***粒子の補給が必要です』
『融合が成功しました。F型標準ミサイル懸架装置が使用可能です』
レベルアップ後の諸元は以下。
『AKIRA』
艦種 艦隊旗艦
艦体 全長50m 作業艇型 2腕 **格納庫 (ロック)
主機 熱核反応炉G型(6) 高速推進機G型
兵装 主砲 長砲身5cmレールガン単装1基1門 通常弾 20/100 特殊弾 05/20
***粒子ビーム砲単装1基1門 (待機中)
副砲 15cm粒子ビーム砲単装1基1門
対宙砲 10cmレーザー単装4基4門
ミサイル発射管 F型標準懸架式2基 最大弾数2
防御 耐ビームコーティング特殊鋼装甲板(盾G型相当)
耐実体弾耐ビーム盾G型 1
停滞フィールド(バリヤー)G型
電子兵装 電脳S型 対艦レーダーS型 広域通信機S型 戦術兵器統合制御システムS型
空きエネルギースロット -8
状態 ***粒子ビーム砲使用不能
どうやら融合が成功し、さらにレベルアップしたようだ。
おそらく昨日採取したデブリを材料にしたのだろう。
***粒子ビーム砲は***粒子を補給する必要があるようだ。
***粒子という謎粒子を手に入れれば使うことが出来るようになるだろう。
無理だな。
相変わらず空きエネルギースロット数は-8とバグっている。
それでも使える不思議。見なかったことにしよう。
今日の講習は各自の専用艦CICから電脳空間にアクセスして行うことになっていた。
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