【改訂版】異世界転移で宇宙戦争~僕の専用艦は艦隊旗艦とは名ばかりの単艦行動(ぼっち)だった~

北京犬(英)

文字の大きさ
20 / 199
修行編

018 修行編18 鉱物採取

しおりを挟む
 昨日のフリー回収による艦の成長は無かった。
前回前々回の回収クエストでは、デブリ回収で手にした鉱石や装甲板屑で艦の全長が10mずつ伸びていたのだが……。
どうやら回収量やデブリの質によっては艦体伸長は起きないようだ。
今日は昨日みつけた小惑星を削って装甲板の原材料となる鉱石採取を行う予定だ。

 小惑星は長径約500mのジャガイモ形で推定体積0.02立方km。
非破壊探査で得た小惑星内部の情報によると中心が純度の高い鉱物の塊らしい。
本当に中心まで鉱物の塊ならば埋蔵量は推定40万tもある。
重力の強さからもコアが巨大な重金属の塊であることは間違いないだろう。
僕はてっきり鉱石から金属を抽出する必要があると思っていたのに丸々インゴットらしい。
破損した特殊鋼装甲板ならリサイクルで1tあたり1,000Gで売れる。
この鉱物は合金ではないだろうから原材料と考えて1/10の値段だとしても4千万Gか。
とらたぬで笑いが込み上げてくる。
良いものを見つけた。


◇◇◇◇◆


 僕は意気揚々と昨日のフリー回収宙域でみつけた小惑星へ鉱物採取にやって来た。
この小惑星から鉱物を得るには外側に集まった岩石を剥がしてコアとなっている鉱物を取り出す必要がある。
そこでドリルの出番ですよ。
小惑星の周囲に穴を開けまくって割り、アボカドの種ようにコアを取り出そう。
よし、地道な作業だががんばろう。

 僕は作業腕の右腕にドリルを接続すると小惑星に穴を開け始めた。
周囲にはフリー回収で集まった回収屋さんの作業艇がいる。
デブリをバラ撒いたら怒られてしまう。
僕は専用艦の停滞フィールドを広げてドリルが出す削りカスを捕まえるように配慮した。
ドリルは順調に穴を開けていく。
だが、小惑星に比べて穴の深さが浅すぎる。
小惑星は横幅でも200mはある。
ドリルで開けられる穴の深さはたかだか5mぐらいだ。
拙い。腕が短すぎてコアまで届かないぞ。
せっかくお宝が目の前にあるのに手に入れることが出来ない。
これは拙い。早く何とかしないと採取登録が解除されてしまう。
僕は慌ててネットショップを検索した。

 採掘用で検索すると小惑星を割るための装備が表示された。
主流は爆薬らしい。
小惑星に穴を開け、そこに爆薬をセットし爆破。その爆発力で小惑星を割る。
これは小惑星を小さく割って鉱石を採取するための方法のようだ。
僕が使うなら小惑星をぐるっと一周する穴を開けて、そこへ爆薬をセット。
その爆薬を同時に起爆して小惑星を割るという感じだろうか。
だが、この手は使えない。
爆破の時に出るデブリが周囲の回収屋さんの迷惑になる。
安全な場所まで小惑星を動かそうにも、相手が巨大すぎて僕の専用艦じゃ動かせるわけもない。
それに爆薬はお金がかかりすぎる。これは無理だ。

 次に表示されたのはミサイル。当然却下。
次は昔からある楔を打って割る方法。
これは小さな岩石には有効だが小惑星相手はどうかと思う。
そして最後に表示されたのが対艦刀。
これでぶった斬れということか。
もしかして一番現実的なのはこれか?
しかし昨日回収したデブリの売上では予算が足りないぞ。
15cm粒子ビーム砲を売って対艦刀を買うか……。
とりあえず他店の出物を検索してみるか。


◇◇◇◆◇


 対艦刀を手に入れた。
また即日現地配達をしてくれるマッコイ商会にお世話になってしまった。
15cm粒子ビーム砲は担保になった。
小惑星から鉱物を採取して売り、現金を手に入れられれば手放さなくて良いが、ダメなら現物を差し出さなければならない。
期限は明日まで。一部でいいから、なんとしてでも鉱物を手に入れたい。

 対艦刀の装備には艦にちょっとした改修が必要だった。
対艦刀の柄頭つかがしらを艦体に接続する必要があるのだ。
そこを支点として対艦刀を展開し、腕でつかを支える形が対艦刀を持つ基本姿勢になる。
その時、対艦刀は刃を前方に向け艦から横に張り出す形となる。
このまま対象物の横を飛び抜ければ対艦刀でぶった斬ることが出来るというわけだ。
さすがマッコイ商会。簡単に改修をしてくれた。
だがエネルギースロットが足りないので15cm粒子ビーム砲へのエネルギーを切った。
とりあえず採取中は使わない装備だからね。

「よし、これで小惑星を斬り刻んで鉱物を採取するぞ!」

 僕は対艦刀を展開した専用艦で小惑星を斬り刻み始めた。
対艦刀は刃渡り30m。
小惑星の周囲をぐるっと一周して切れ目を入れた。
いける。
とりあえず今日は鉱物の一部を持ち帰って15cm粒子ビーム砲の担保を外すことを目標にしよう。
一部を集中して削って、鉱物を持ち帰ろう。
僕はセンサーを使って岩板の薄そうな場所を選ぶと集中的に斬りまくった。
マンゴーの切り方のようにさいの目切りにした岩石を格納庫に入れていく。
切り離されたらデブリ化するのでその前に処分するためだ。
そしてついに目的のコアの一部が見えた。

「よし。コアだ。5m✕5m✕2mぐらい持って帰ろう。
これで採取登録が取り消されることは無くなる」

 僕は鉱物採取を成功させるとステーションに帰投した。
ギルドの荷揚げ埠頭にコンテナを預けギルド受付に向かう。

「こんにちは。鉱物採取で預けた鉱物を買い取って欲しいんだけど」

「こんにちは」

 受付嬢さんが挨拶を返すと共に目の前の端末で腕輪からデータを吸い上げ個人確認をする。

「アキラ様ですね。鉱物1,000tの荷受を確認しました。
鑑定結果は……特殊鋼装甲板ですね。サイズが規格外のため1tあたり2,000Gで買い取ります」

「え? 特殊鋼装甲板? 小惑星から採取したのに?」

「なんででしょうね……」

 僕が疑問をぶつけると受付嬢さんも不思議がっていた。
まさか中身は敵艦の残骸だったのかな?
とりあえずマッコイ商会への担保を解消しないと。
僕は鉱物を売ることにした。

「とりあえず買い取りでお願いします」

「はい。1t2,000Gなので1,000tで2百万G。ギルド税1割を差し引いて180万Gの振込ですね」

 受付嬢さんが端末を操作するとピロンと電子音がして僕の腕輪に入金があった。
まさかの180万Gゲットですよ。
さっそくマッコイ商会に支払いをして15cm粒子ビーム砲の担保を外した。
たしか推定埋蔵量40万tじゃなかった?
税引き前で8億Gですか?
これって他のクエストをこなすより実入りが良くないか?
僕は笑いが止まらなかった。
専用艦が非力でも関係なかったわ。
僕はすっかり調子に乗っていた。
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

異世界きたのに、冒険者試験で詰みました。

アセチルサリチルさん
ファンタジー
【追放もざまぁも無双もない。あるのは借金と酒と笑いのみ!】 お父さん。お母さん。 あなたたちの可愛い息子は―― 異世界で、冒険者になれませんでした。 冒険者ギルドでのステータス鑑定。 結果は「普通」でも、 固有スキルは字面最強の《時間停止》 ……なのに。 筆記試験ではギルド創設以来の最低点。 そのまま養成所送りで学費は借金三十万。 異世界初日で、多重債務者です。 ……なめてんのか、異世界。 ここで俺たちパーティのイカれたメンバーを紹介するぜ! ケモミミ用スキルが初日で無駄になったバカ、タクヤ。 魔力制御が全くできない厄病神のバカ、リーシャ。 実は厨二病で呪い装備しか愛せないバカ、オルファ。 そして――スキルで時間を止めても動けないお茶目な俺、ユウヤ。 うーん! 前途多難! これは―― 最強でも無双でもない。 理不尽な世界で、借金と酒と事故にまみれながら、 なんだかんだで生き延びていく話。 追放? ざまぁ? 成り上がり? そんなものはございません。 あるのは、 愛すべバカどもが織りなすハートフルな冒険譚のみ。 そんな異世界ギャグファンタジーがここに開幕!

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

現代ダンジョンの苦情係 〜元クレーム処理担当の俺、魔物の言葉がわかるので菓子折り一つで世界を救う〜

ぱすた屋さん
ファンタジー
「その咆哮は、騒音公害に当たります」 現代日本に出現した『ダンジョン』と、そこから溢れ出す魔物たち。 人々が英雄(Sランク探索者)の活躍に熱狂する一方で、組織の闇に葬られた部署があった。 ――ダンジョン管理ギルド・苦情係。 そこへ左遷されてきたのは、前職で数万件のクレームを捌き倒した伝説のカスタマーセンター職員・久我良平(くが りょうへい)。 彼にとって、新宿に降臨した災害級ドラゴンは「騒音を撒き散らす困ったお客様」であり、聖女の奇跡は「同意なきサービスの押し付け(強売)」に過ぎない。 「力」でねじ伏せる英雄たちが敗北する中、久我は「正論」と「どら焼き」と「完璧な事務手続き」を武器に、魔物たちの切実な悲鳴(クレーム)をハックしていく。 一癖も二癖もある仲間と共に、久我はギルド上層部の腐敗や外資系企業の傲慢な介入を次々と「不備」として処理していく。 これは、組織の鎖を断ち切った一人の事務屋が、人間と魔物の間に「新しい契約」を紡ぎ、世界を再起動させるまでの物語。 「――さて。予約外の終焉(ラグナロク)ですか? 承知しました。まずは、スケジュールの調整から始めましょう」

処理中です...