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アイドル編
024 アイドル編1 面接
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方針は決まった。
実戦ではSFO運営に回収物を奪われて稼げないので、仮想戦闘の賞金で稼ぐ。
僕の専用艦の主砲は豆鉄砲の5cmレールガンなので僚艦の攻撃力が頼りだ。
あ、15cm粒子ビーム砲は衝突の衝撃で使用不能になってしまった。
安かったから何らかの不具合を内在していたのかもしれない。
それが衝突の衝撃で顕在化したということなのかも。
とりあえず艦隊を組めば、艦隊模擬戦のトーナメントに出場できる。その賞金を手に入れよう。
つまり、艦隊を組まなければ先がないということなんだな。
借金? 返すのに命を賭けなければならないなら、利子が増えないんだから放っておけばいい。
どうせ獲物は安値で取り上げられるわけだし。
初心者講習のみんなは所属する艦隊が決まっていると言っていたので、彼らをあてにすることも出来ない。
なんでもSFCの頃の知り合いと組むんだそうだ。
僕は姉貴の複垢を利用したからSFCのゲーム経験が一切ない。
だからそういった知り合いが1人もいない。
これ、ちょっと拙くないか?!
僕はギルドに向かう。
ここで各種RPクエストを受注したり、艦隊同士の仮想空間での模擬戦であるVPのカードを組んだりする。
一方的に喧嘩を吹っ掛けられて不利な戦いにならないように、対戦には必ずギルドが間に入ることになっている。
そこらへんは家庭用ゲーム内と同じ仕様なんだそうだ。
僕は艦隊メンバーの募集がないかギルド掲示板を見に行く。
ギルドに着いて、建物の中を見回すが、ギルド掲示板なんて無かった。
パーティーメンバー募集の基本なのに、いったいどうなっているんだろう?
僕はそれを尋ねるために空いている受付に向かった。
「こんにちは。パーティじゃなくて艦隊メンバーの募集ってどこで調べればいいの?」
「はい。こんにちは。腕輪でメンバー募集の電子掲示板にアクセス出来ますよ。
そこでエントリーシートに記入して面接することになってます」
「もしかして、クエスト用の電子掲示板もあったりするの?」
「はい。ギルドに来ていただかなくてもクエストを受けられます」
ギルドの受付嬢さんは不思議そうな顔をしながらも親切に教えてくれた。
そんな仕組みが有ったのか……。
うかつだった。VPとか高度に電子化されてるのに、他が書類仕事の訳がなかった。
「……ありがとう」
僕はどうやら無駄足をしていたようだ。
とりあえず、ギルドを出て転移ポート前の広場に行く。
ベンチに座って腕輪を操作し、メンバー募集掲示板を開く。
掲示板は目の前の仮想スクリーンにIR表示されている。
初心者艦隊からベテラン艦隊まで、募集要項が並んでいる。
ベテラン艦隊の募集要項をIRアイコンをタップして開く。
さすがベテラン艦隊、仮想戦闘の成績で足切りがあった。
ようするに他の艦隊で実績のあった人の移籍しか受け付けないということだね。
他をあたろう。
中堅どころの募集は艦種指定がガチガチにしてあった。
誰か抜けた人がいて、その艦種を募集しているということだろう。
当然、艦隊旗艦なんて艦種を募集しているわけがない。
他をあたろう。
初心者艦隊の募集要項をタップする。
経験不問、初心者歓迎。そりゃ君達も初心者だからそうだよね。
エントリー画面が出る。
画面に従い仮想キーボードを操作して入力していく。
艦種指定でその他(艦隊旗艦)を入力。
主砲の項目で5cmレールガンを選択。
とたんに画面に文字が浮かぶ。
『慎重に選考を重ねました結果、まことに残念ながら今回についてはご期待に添えない結果となりました』
うん。僕の専用艦みたいな低武装の艦は不要ってことらしい。
同じようなことが何件もあった後、僕は普通の募集は諦めた。
狙うは特殊な条件、エキスパートの募集だ。
しばらく探すと、一つだけ合致する募集があった。
『通信担当、広域通信機B型以上の方募集』
僕の専用艦は広域通信機S型だ。なんとかなるかもしれない。
僕は早速エントリー画面を開いた。
エントリーシート入力で広域通信機S型所持を選ぶ。
最後まで入力が完了し顔写真を要求される。
腕輪のカメラ機能で撮影し添付する。
『面接をしますので、明日10時に商業区D-9-301にお越しください』
どうやらエントリーシートの入力が一次試験の書類選考という位置付けらしい。
僕はやっと面接に漕ぎ着けることが出来た。
◇◇◇◇◆
翌日9時50分。面接会場に指定された商業区D-9-301にやって来た。
会場に行くと係員の女性が待っていてエントリーシートをめくる。
「GNアキラさんですね? これをお持ちください」
エントリーナンバー6番を貰った。
意外なことに専門職の募集でありながら応募者が殺到しているようだ。
僕は係員の女性に促されるまま面接会場の控室に入った。
その会場にはかなりの数の女性が集まっていた。
何やら気合を入れて化粧を直している。
場違いな気がしたが、そのまま面接を待つ。
「エントリーナンバー1番から5番の方、面接室にご案内いたします」
しばらくすると係員の女性の案内で女性達が面接室へ移動していった。
僕の前のナンバーの5人だ。
しばらくすると、その5人の女性が戻ってきた。
そのまま荷物を持って帰っていく。
特に面接内容のお喋りもしていなかった。
「エントリーナンバー6番から10番の方、面接室にご案内いたします」
係の女性の声に僕を含め5人が立ち上がり、面接室へ移動。
室内に入り面接官と対峙する。
「やあ、こんにちは。僕がこの事務所の社長の神澤だ。よろしく」
浅黒い顔のいかにも業界人という雰囲気の30代男性だった。
そのまま神澤社長に促され、自己紹介をすることになった。
エントリーナンバー6番の僕からだ。
「エントリーナンバー6番のGNアキラです。(広域通信機S型で)声質と声を届けるのには自信があります」
神澤社長と目が合い見つめ合う。
「以上か?」
「以上です」
(何か問題でも?)と目で訴える。
「わかった次」
隣の女性が立つ。
(え? 立つの?)
「エントリーナンバー7番、GNサラです。歌います」
(え? 歌うの?)
サラさんは某アイドルのヒット曲をアカペラで歌った。
「ありがとうございました」
サラさんがお辞儀をして席に座る。
(何か違う気がする……)
他の3人も歌を歌ったりダンスを披露していた。
(えーと、艦隊メンバーの面接ってこんなことしないといけないのか?)
「次にウォーキングテストをする。そこからあそこまで歩いてくれ」
神澤社長が部屋の隅から隅まで歩くように指示する。
僕はとりあえず立って普通に歩く。
他の人達はなぜかモデル歩きをしている。
(やっぱり、何か違うような気がする……)
「6番の方、声 (うた)に自信があるようですが、どういった感じですか?」
「はい、僕は(広域通信機S型という)最上級の能力を持っています」
「具体的に言うと?」
「はい、声を(通信機で)クリアな音質で遠くへ広く伝える事ができます」
「ほう、素晴らしい能力をお持ちなんですね。実演してみてくれませんか?」
「え? 機材が無いと出来ません」
「(生演奏が無いと歌えないというのか!)わかりました」
神澤社長が何かをエントリーシートに記入している。
この質疑応答の後、残りの面接時間中ずっと放置された。
神澤社長は僕を通り越して他の女性達に質問していた。
僕は不採用を確信した。
「それでは、今日はこれで終わりです。合否は後日腕輪にメールでお伝えします」
「「「「「ありがとうございました」」」」」
僕達は退室した。
僕は慌ててエントリーナンバー7番のサラさんを捕まえて質問をぶつけた。
「失礼ですが、この面接は何の面接だったんですか?」
「アイドルユニットのメンバー募集ですわ。なんでもSFOでプロゲーマーアイドルの艦隊を作るんですって」
「なんだってーーーーーーーーーーー!」
僕は違う面接会場に紛れ込んだようだ。
まあ、どうせ不採用だからいいんだけど。
(はあ……。艦隊どうやって組もうかな……)
翌日、メールが届いた。
『おめでとうございます。あなたは二次試験に合格しました』
何の冗談なんだろう?
実戦ではSFO運営に回収物を奪われて稼げないので、仮想戦闘の賞金で稼ぐ。
僕の専用艦の主砲は豆鉄砲の5cmレールガンなので僚艦の攻撃力が頼りだ。
あ、15cm粒子ビーム砲は衝突の衝撃で使用不能になってしまった。
安かったから何らかの不具合を内在していたのかもしれない。
それが衝突の衝撃で顕在化したということなのかも。
とりあえず艦隊を組めば、艦隊模擬戦のトーナメントに出場できる。その賞金を手に入れよう。
つまり、艦隊を組まなければ先がないということなんだな。
借金? 返すのに命を賭けなければならないなら、利子が増えないんだから放っておけばいい。
どうせ獲物は安値で取り上げられるわけだし。
初心者講習のみんなは所属する艦隊が決まっていると言っていたので、彼らをあてにすることも出来ない。
なんでもSFCの頃の知り合いと組むんだそうだ。
僕は姉貴の複垢を利用したからSFCのゲーム経験が一切ない。
だからそういった知り合いが1人もいない。
これ、ちょっと拙くないか?!
僕はギルドに向かう。
ここで各種RPクエストを受注したり、艦隊同士の仮想空間での模擬戦であるVPのカードを組んだりする。
一方的に喧嘩を吹っ掛けられて不利な戦いにならないように、対戦には必ずギルドが間に入ることになっている。
そこらへんは家庭用ゲーム内と同じ仕様なんだそうだ。
僕は艦隊メンバーの募集がないかギルド掲示板を見に行く。
ギルドに着いて、建物の中を見回すが、ギルド掲示板なんて無かった。
パーティーメンバー募集の基本なのに、いったいどうなっているんだろう?
僕はそれを尋ねるために空いている受付に向かった。
「こんにちは。パーティじゃなくて艦隊メンバーの募集ってどこで調べればいいの?」
「はい。こんにちは。腕輪でメンバー募集の電子掲示板にアクセス出来ますよ。
そこでエントリーシートに記入して面接することになってます」
「もしかして、クエスト用の電子掲示板もあったりするの?」
「はい。ギルドに来ていただかなくてもクエストを受けられます」
ギルドの受付嬢さんは不思議そうな顔をしながらも親切に教えてくれた。
そんな仕組みが有ったのか……。
うかつだった。VPとか高度に電子化されてるのに、他が書類仕事の訳がなかった。
「……ありがとう」
僕はどうやら無駄足をしていたようだ。
とりあえず、ギルドを出て転移ポート前の広場に行く。
ベンチに座って腕輪を操作し、メンバー募集掲示板を開く。
掲示板は目の前の仮想スクリーンにIR表示されている。
初心者艦隊からベテラン艦隊まで、募集要項が並んでいる。
ベテラン艦隊の募集要項をIRアイコンをタップして開く。
さすがベテラン艦隊、仮想戦闘の成績で足切りがあった。
ようするに他の艦隊で実績のあった人の移籍しか受け付けないということだね。
他をあたろう。
中堅どころの募集は艦種指定がガチガチにしてあった。
誰か抜けた人がいて、その艦種を募集しているということだろう。
当然、艦隊旗艦なんて艦種を募集しているわけがない。
他をあたろう。
初心者艦隊の募集要項をタップする。
経験不問、初心者歓迎。そりゃ君達も初心者だからそうだよね。
エントリー画面が出る。
画面に従い仮想キーボードを操作して入力していく。
艦種指定でその他(艦隊旗艦)を入力。
主砲の項目で5cmレールガンを選択。
とたんに画面に文字が浮かぶ。
『慎重に選考を重ねました結果、まことに残念ながら今回についてはご期待に添えない結果となりました』
うん。僕の専用艦みたいな低武装の艦は不要ってことらしい。
同じようなことが何件もあった後、僕は普通の募集は諦めた。
狙うは特殊な条件、エキスパートの募集だ。
しばらく探すと、一つだけ合致する募集があった。
『通信担当、広域通信機B型以上の方募集』
僕の専用艦は広域通信機S型だ。なんとかなるかもしれない。
僕は早速エントリー画面を開いた。
エントリーシート入力で広域通信機S型所持を選ぶ。
最後まで入力が完了し顔写真を要求される。
腕輪のカメラ機能で撮影し添付する。
『面接をしますので、明日10時に商業区D-9-301にお越しください』
どうやらエントリーシートの入力が一次試験の書類選考という位置付けらしい。
僕はやっと面接に漕ぎ着けることが出来た。
◇◇◇◇◆
翌日9時50分。面接会場に指定された商業区D-9-301にやって来た。
会場に行くと係員の女性が待っていてエントリーシートをめくる。
「GNアキラさんですね? これをお持ちください」
エントリーナンバー6番を貰った。
意外なことに専門職の募集でありながら応募者が殺到しているようだ。
僕は係員の女性に促されるまま面接会場の控室に入った。
その会場にはかなりの数の女性が集まっていた。
何やら気合を入れて化粧を直している。
場違いな気がしたが、そのまま面接を待つ。
「エントリーナンバー1番から5番の方、面接室にご案内いたします」
しばらくすると係員の女性の案内で女性達が面接室へ移動していった。
僕の前のナンバーの5人だ。
しばらくすると、その5人の女性が戻ってきた。
そのまま荷物を持って帰っていく。
特に面接内容のお喋りもしていなかった。
「エントリーナンバー6番から10番の方、面接室にご案内いたします」
係の女性の声に僕を含め5人が立ち上がり、面接室へ移動。
室内に入り面接官と対峙する。
「やあ、こんにちは。僕がこの事務所の社長の神澤だ。よろしく」
浅黒い顔のいかにも業界人という雰囲気の30代男性だった。
そのまま神澤社長に促され、自己紹介をすることになった。
エントリーナンバー6番の僕からだ。
「エントリーナンバー6番のGNアキラです。(広域通信機S型で)声質と声を届けるのには自信があります」
神澤社長と目が合い見つめ合う。
「以上か?」
「以上です」
(何か問題でも?)と目で訴える。
「わかった次」
隣の女性が立つ。
(え? 立つの?)
「エントリーナンバー7番、GNサラです。歌います」
(え? 歌うの?)
サラさんは某アイドルのヒット曲をアカペラで歌った。
「ありがとうございました」
サラさんがお辞儀をして席に座る。
(何か違う気がする……)
他の3人も歌を歌ったりダンスを披露していた。
(えーと、艦隊メンバーの面接ってこんなことしないといけないのか?)
「次にウォーキングテストをする。そこからあそこまで歩いてくれ」
神澤社長が部屋の隅から隅まで歩くように指示する。
僕はとりあえず立って普通に歩く。
他の人達はなぜかモデル歩きをしている。
(やっぱり、何か違うような気がする……)
「6番の方、声 (うた)に自信があるようですが、どういった感じですか?」
「はい、僕は(広域通信機S型という)最上級の能力を持っています」
「具体的に言うと?」
「はい、声を(通信機で)クリアな音質で遠くへ広く伝える事ができます」
「ほう、素晴らしい能力をお持ちなんですね。実演してみてくれませんか?」
「え? 機材が無いと出来ません」
「(生演奏が無いと歌えないというのか!)わかりました」
神澤社長が何かをエントリーシートに記入している。
この質疑応答の後、残りの面接時間中ずっと放置された。
神澤社長は僕を通り越して他の女性達に質問していた。
僕は不採用を確信した。
「それでは、今日はこれで終わりです。合否は後日腕輪にメールでお伝えします」
「「「「「ありがとうございました」」」」」
僕達は退室した。
僕は慌ててエントリーナンバー7番のサラさんを捕まえて質問をぶつけた。
「失礼ですが、この面接は何の面接だったんですか?」
「アイドルユニットのメンバー募集ですわ。なんでもSFOでプロゲーマーアイドルの艦隊を作るんですって」
「なんだってーーーーーーーーーーー!」
僕は違う面接会場に紛れ込んだようだ。
まあ、どうせ不採用だからいいんだけど。
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