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領主編
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アノイ要塞の盗聴防止機能付き極秘会議室に陣取っている僕ら第6皇子領幹部達は、仮想スクリーンに映った尋問室内の映像に困惑していた。
先ほど緊急侵入警報が出て敵艦隊が侵入して来た。
たまたま傭兵さんが最新鋭艦の慣熟航行で出撃していたために交戦し、そのまま撃墜拿捕となった。
その敵艦隊が全て有人艦であり、パイロットが捕虜となったのだ。
だが、そのパイロットたちの異常性に僕らは頭を抱えることになっていた。
話は少し時間が戻る。
「で、その捕虜が誘拐された地球人だってことなんだね?」
「それが半分正解で半分不正解なんです」
尋問を担当した犬族の士官が当惑の表情で答える。
僕はその理解不能な答えに犬族の士官に先を促す。
「登録DNAによると、彼はSFO初代チャンピオンのキース・オブライエンのはずなんです」
「なら本人なんだろ?」
何を馬鹿なことをと一笑に付そうとしたハンター。
「百聞は一見に如かず。ご覧ください」
会議室内の壁に仮想スクリーンが開き、4部屋ある尋問室の全ての映像が分割して表示されていた。
「バカな!」
僕らの目に、尋問室の2人の男の顔が映った。
「まさか」
そこには内装の違いから明らかに別の尋問室なのに、同じ顔の男が映っていた。
「はい、隣の彼もDNAはキース・オブライエンなんです」
「は? 双子だったのか?」
その時、僕はその言葉の意味を正確に理解できていなかった。
双子なら名前が同じわけがない。だがDNAも名前も同じ存在、そんなものを想像出来てなかった。
「いえ、おそらく彼らは体細胞クローンです」
「それはまたデリケートな所を……」
僕と姉貴や楓は受精卵分割にDNAデザインを施した三つ子だけど、彼らは受精卵のDNAを体細胞のDNAと入れ替えて造られたクローンだった。
彼らは別人格として育てられたわけではなく、本人のコピーとして造られていた。
生命倫理的には同じく眉を顰められる存在かもしれないけど、体細胞クローンはそれに増して工業製品的な側面を拭い切れない。
いや、むしろ僕達の方がデザイナーズ・チルドレンだから、地球では弄られた人工感で忌避される存在かもしれない。
だが帝国ではDNAを弄ることに関しては、そこまで忌避感はないようだ。
皇帝の血を色濃く残すため、肉体的に衰えたDNAに強い因子を入れるため、獣人も人体強化の遺伝子実験の産物だ。
実験体という差別はあるが、DNAを弄られてるという差別は帝国には無い。
「つまり彼らは優秀な宇宙艦航宙士として量産されたということでしょう」
「帝国でこれは許されていることなの?」
「まさか、最も忌避されるべき蛮行です。人を人として扱ってませんから」
僕は地球人奪還事業の行末に頭を抱えた。
「これは本人とどうやって区別すればいいんだ?
本人を返しますってクローンを返されたらどうすればいいんだ……」
「彼らはたまたま記憶のコピーが不完全なため個体の判別が可能ですが、巧妙に造られたクローンなら判別は無理でしょう。
ですが、それは莫大な費用がかかる行為です。そこまでする価値が本人にあるのかということですね」
確かに。キースみたいにクローンを利用すればいいだけなら本人は返しても不都合じゃない。
問題は姉貴か。皇帝の因子を持つ女性というのは、そこまでする価値がある存在と言えるだろう。
「やっかいな事だな……。で、他の2人は?」
「彼女と彼女がSFO2代目チャンピオンのエマ・キャンベルのクローンです。
もう1人も彼女のクローンでしたが戦傷で亡くなりました」
「この組み合わせは、どう見てもケイン元皇子のターゲットになって誘拐された人物だね」
「彼らのDNAが狙われたということですね」
それは航宙士としてなのか、専用艦の特殊装備の設計図としてなのか。
いや、彼らの乗艦がGバレット装備だったのは姉貴のDNAによる艦の強化だろう。
姉貴という新たな利用価値の高いDNAを得るまでは、おそらく戦力強化で利用され、装備での利用価値が無くなると優秀な航宙士として身体を利用されたのか。
人の命をこのように軽く扱う奴らを許すわけにはいかないな。
「彼らの処遇はどうしたらいいんだろうか。
地球人として地球に帰すわけにもいかない。
敵側に戻すわけにもいかない」
「そこなんですが、彼らを縛っていたのは洗脳のようなのです」
「ブレインハックか! つまり洗脳さえ解ければ、此方側の戦力になると?」
「彼らは実質4歳ぐらいなわけで教育次第でしょう」
「外観は大人にされてしまってるのに中身が4歳か……」
「はい。戦闘技術だけ移植された他はまんま子供です」
「それなら、どうして外観年齢を本人に近付けたんだろう?
まさか元々は他の利用を考えていた?」
謎は深まるばかりだった。
で、全員が困惑顔になっていたわけだ。
「そうだ。楓も5歳だったんだ。
真・帝国の技術なら、もっとまともに教育出来るかもしれない」
彼らは真・帝国に託そう。
自分で自分の将来を選択できるようになるまで戦場からは離してやりたい。
それに真・帝国の技術なら実年齢まで身体を戻せるかもしれない。
それにしても傭兵さん達強いな。
SFOチャンピオンを軽くひねり潰すなんて……。
彼らがVPに出ていたSFOランカー間違いなしだね。
先ほど緊急侵入警報が出て敵艦隊が侵入して来た。
たまたま傭兵さんが最新鋭艦の慣熟航行で出撃していたために交戦し、そのまま撃墜拿捕となった。
その敵艦隊が全て有人艦であり、パイロットが捕虜となったのだ。
だが、そのパイロットたちの異常性に僕らは頭を抱えることになっていた。
話は少し時間が戻る。
「で、その捕虜が誘拐された地球人だってことなんだね?」
「それが半分正解で半分不正解なんです」
尋問を担当した犬族の士官が当惑の表情で答える。
僕はその理解不能な答えに犬族の士官に先を促す。
「登録DNAによると、彼はSFO初代チャンピオンのキース・オブライエンのはずなんです」
「なら本人なんだろ?」
何を馬鹿なことをと一笑に付そうとしたハンター。
「百聞は一見に如かず。ご覧ください」
会議室内の壁に仮想スクリーンが開き、4部屋ある尋問室の全ての映像が分割して表示されていた。
「バカな!」
僕らの目に、尋問室の2人の男の顔が映った。
「まさか」
そこには内装の違いから明らかに別の尋問室なのに、同じ顔の男が映っていた。
「はい、隣の彼もDNAはキース・オブライエンなんです」
「は? 双子だったのか?」
その時、僕はその言葉の意味を正確に理解できていなかった。
双子なら名前が同じわけがない。だがDNAも名前も同じ存在、そんなものを想像出来てなかった。
「いえ、おそらく彼らは体細胞クローンです」
「それはまたデリケートな所を……」
僕と姉貴や楓は受精卵分割にDNAデザインを施した三つ子だけど、彼らは受精卵のDNAを体細胞のDNAと入れ替えて造られたクローンだった。
彼らは別人格として育てられたわけではなく、本人のコピーとして造られていた。
生命倫理的には同じく眉を顰められる存在かもしれないけど、体細胞クローンはそれに増して工業製品的な側面を拭い切れない。
いや、むしろ僕達の方がデザイナーズ・チルドレンだから、地球では弄られた人工感で忌避される存在かもしれない。
だが帝国ではDNAを弄ることに関しては、そこまで忌避感はないようだ。
皇帝の血を色濃く残すため、肉体的に衰えたDNAに強い因子を入れるため、獣人も人体強化の遺伝子実験の産物だ。
実験体という差別はあるが、DNAを弄られてるという差別は帝国には無い。
「つまり彼らは優秀な宇宙艦航宙士として量産されたということでしょう」
「帝国でこれは許されていることなの?」
「まさか、最も忌避されるべき蛮行です。人を人として扱ってませんから」
僕は地球人奪還事業の行末に頭を抱えた。
「これは本人とどうやって区別すればいいんだ?
本人を返しますってクローンを返されたらどうすればいいんだ……」
「彼らはたまたま記憶のコピーが不完全なため個体の判別が可能ですが、巧妙に造られたクローンなら判別は無理でしょう。
ですが、それは莫大な費用がかかる行為です。そこまでする価値が本人にあるのかということですね」
確かに。キースみたいにクローンを利用すればいいだけなら本人は返しても不都合じゃない。
問題は姉貴か。皇帝の因子を持つ女性というのは、そこまでする価値がある存在と言えるだろう。
「やっかいな事だな……。で、他の2人は?」
「彼女と彼女がSFO2代目チャンピオンのエマ・キャンベルのクローンです。
もう1人も彼女のクローンでしたが戦傷で亡くなりました」
「この組み合わせは、どう見てもケイン元皇子のターゲットになって誘拐された人物だね」
「彼らのDNAが狙われたということですね」
それは航宙士としてなのか、専用艦の特殊装備の設計図としてなのか。
いや、彼らの乗艦がGバレット装備だったのは姉貴のDNAによる艦の強化だろう。
姉貴という新たな利用価値の高いDNAを得るまでは、おそらく戦力強化で利用され、装備での利用価値が無くなると優秀な航宙士として身体を利用されたのか。
人の命をこのように軽く扱う奴らを許すわけにはいかないな。
「彼らの処遇はどうしたらいいんだろうか。
地球人として地球に帰すわけにもいかない。
敵側に戻すわけにもいかない」
「そこなんですが、彼らを縛っていたのは洗脳のようなのです」
「ブレインハックか! つまり洗脳さえ解ければ、此方側の戦力になると?」
「彼らは実質4歳ぐらいなわけで教育次第でしょう」
「外観は大人にされてしまってるのに中身が4歳か……」
「はい。戦闘技術だけ移植された他はまんま子供です」
「それなら、どうして外観年齢を本人に近付けたんだろう?
まさか元々は他の利用を考えていた?」
謎は深まるばかりだった。
で、全員が困惑顔になっていたわけだ。
「そうだ。楓も5歳だったんだ。
真・帝国の技術なら、もっとまともに教育出来るかもしれない」
彼らは真・帝国に託そう。
自分で自分の将来を選択できるようになるまで戦場からは離してやりたい。
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