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遠征編
137 遠征編2 帝都宇宙港
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帝都のハブ次元跳躍門の丸い境界面が波打ち、大艦隊が星系に侵入して来た。
管制官より通達のあった第1皇子の艦隊だろう。その数4万艦。
白地に金の装飾の付いた一際目立つ3km級超大型戦艦が第1皇子の専用艦だろう。
僕は単艦で来たことと、小さな巡洋艦の艦体を持つ何の装飾もされていない自分の専用艦に、ちょっと引け目を感じてしまった。
完全にやっちまった感がある。
帝国の天敵と戦うために来たのに「その装備で大丈夫なのか?」ってやつだ。
『やあ、君が噂のルーキー第6皇子アキラか。僕は第1皇子カイルだ。
カイルと呼んでくれ。よろしく』
突然の第1皇子からの直接通信に僕は焦らずにはいられなかった。
しかも音声のみではない顔を映したヴィジュアル通信だ。
第1皇子は金髪碧眼のこれぞ皇子様というイケメンで、柔らかい物腰で穏やかな話し方をしていた。
『第6皇子アキラです。地球人奪還にご協力いただきありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします』
『地球人誘拐は僕も帝国の一員として謝らないといけない。あれはあってはならないことだ。すまなかった』
仮装スクリーン内のカイルが頭を下げる。
『そんな! 頭を上げてください』
『今後も地球人奪還にはいくらでも協力するよ』
カイルは頭を上げると満面の笑みで協力を約束する。
『助かります』
すごく人間の出来た人だ。これが皇帝の器なんだろうな。
まあ僕はプリンスの裏の顔を見抜けなかったわけだが……。
少なくとも今のところカイルからは善意しか受け取っていない。
『ところで、アキラはなんで上洛したんだい?
召集期限には間に合わなかったはずだろ?』
あれか。僕は知らなかったんだけど、召集期限に間に合わないことを理由に断って良いという仕来たりだったんだそうだ。
それなのに僕は必死になって知恵を絞って間に合わせてしまった。
『それが、僕は仕来たりを良く知らなかったもので、なんとか間に合うルートを必死に探してここにやって来ました。
なので随伴艦もなく単艦でやって来ることになってしまいお恥ずかしい限りです』
『あはは、面白いな君は。この無理難題に降参せずに間に合わせたのは君が始めてだと思うよ』
カイルは心底面白いと思っているのか腹を抱えて笑っている。
『間に合っても戦力にならなければマイナス評価でしょ?』
『またまた。そうでもないんだろう?』
カイルは表情を引き締めて一瞬真面目な顔をし僕を見つめたが直ぐ笑顔に戻った。
第1皇子ともなると僕の情報を既に持っているのかもしれない。
例えば次元格納庫の秘密とか。
『この後、皇帝陛下に謁見するんだろ? 僕と一緒に行こう』
僕はカイルの専用艦を隣に第1皇子派遣艦隊4万艦に囲まれながら帝都の宇宙港に向かった。
カイルの専用艦は3km級の超大型戦艦だった。
僕の専用艦250mの12倍も全長がある。つまり体積は12の3乗倍あるということ。
この超大型戦艦が隣に居ると僕の専用艦は巨大ザメにくっつくコバンザメのようだ。
しかもカイルの専用艦は優美な装飾付き。
格差が激しすぎて端から見ると僕の専用艦は内火艇にしか見えないかもしれない。
僕が圧倒的な格差に打ち拉がれているうちに僕らは帝都宇宙港に到着した。
そこは帝国本星の衛星軌道に浮かぶ宮殿施設だった。
手前には宇宙艦を駐機させる駐機スポットを持つ宇宙港エリアがあり、そこには数万の艦が駐機出来るだけの敷地があった。
その宇宙港エリアの後ろに文字通りの城郭が聳え綺羅びやかな輝きを放っていた。
第1皇子派遣艦隊の艦が左右に分かれて離れる。
僕とカイルはそのまま宇宙港奥の特別エリアに向かう。
そこは皇族専用駐機スポットらしく、超大型戦艦を駐機させられる大きさの駐機スポットがいくつもあった。
カイルの超大型戦艦を誘導するレーザービーコンが発せられる。
超大型戦艦はその誘導に従い降下していく。
続いて僕の専用艦にもレーザービーコンによる誘導がなされる。
3kmの超大型戦艦の駐機を想定した駐機スポットの真ん中に250mの巡洋艦が降りる。
なんか晒し者になってる気がする。
僕らが駐機すると透明なドームがせり出してきて駐機スポットを覆う。
ドームに空気が充填されると床から桟橋がせり上がってくる。
しかし、幅が合わなくて戻って行った。
皇族の艦だから数km級を想定しているということなのだろう。
「艦が小さくて悪かったな!」
僕はあまりにも大きな格差に被害妄想気味になっていた。
結局桟橋は諦めてタラップ車が用意され横付けした。
うん。間違いなく晒し者になってる。
僕はパイロットスーツ背中のランドセル上部の突起からヘルメットを出して装着するとコクピットから出る準備をした。
外で作業をしてる人も宇宙服姿だし、気密漏れ対策は必要だろう。
一応専用艦のハッチのランプはグリーン。開けても問題ないサインだ。一思いにハッチを開ける。
何事も無く開き、ハッチ下に用意されたタラップで降りる。
駐機スポットの重力は微弱なようで、このハッチの高さなら飛び降りても大丈夫そうだ。
まあせっかくのタラップなので歩いて降りていった。
そのまま作業用の出入口ハッチまで行って中に入った。
ヘルメットを取って背中に収納し、案内に従ってカイルが待つ場所へと階段を登る。
作業通路なのでエレベーターなど無い。
カイルは一部始終を見ていたようで気の毒そうに笑っていた。
この後僕は皇帝に謁見となるのだが、正式な礼服なんて持っていない。
困っているとカイルが用意してくれた。やっぱり良い人っぽい。
「みんな礼服はここに置きっぱなしだからね。サイズが合わなくなって着なくなった礼服なんていくらでもある。
もちろんクリーニング済みだし管理も行き届いているから問題ないはずだよ。あ、それケインのかも」
「えっ!」
僕は焦る。宿敵の礼服を借りるなんて拙いでしょ。
「冗談だよ。あいつはまだ謁見の栄誉を賜ってない。もう一生ないけどね」
それは冗談が過ぎると思います。さらっと口にした重い話も勘弁して下さい。
僕は第1皇子に遊ばれていた。
管制官より通達のあった第1皇子の艦隊だろう。その数4万艦。
白地に金の装飾の付いた一際目立つ3km級超大型戦艦が第1皇子の専用艦だろう。
僕は単艦で来たことと、小さな巡洋艦の艦体を持つ何の装飾もされていない自分の専用艦に、ちょっと引け目を感じてしまった。
完全にやっちまった感がある。
帝国の天敵と戦うために来たのに「その装備で大丈夫なのか?」ってやつだ。
『やあ、君が噂のルーキー第6皇子アキラか。僕は第1皇子カイルだ。
カイルと呼んでくれ。よろしく』
突然の第1皇子からの直接通信に僕は焦らずにはいられなかった。
しかも音声のみではない顔を映したヴィジュアル通信だ。
第1皇子は金髪碧眼のこれぞ皇子様というイケメンで、柔らかい物腰で穏やかな話し方をしていた。
『第6皇子アキラです。地球人奪還にご協力いただきありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします』
『地球人誘拐は僕も帝国の一員として謝らないといけない。あれはあってはならないことだ。すまなかった』
仮装スクリーン内のカイルが頭を下げる。
『そんな! 頭を上げてください』
『今後も地球人奪還にはいくらでも協力するよ』
カイルは頭を上げると満面の笑みで協力を約束する。
『助かります』
すごく人間の出来た人だ。これが皇帝の器なんだろうな。
まあ僕はプリンスの裏の顔を見抜けなかったわけだが……。
少なくとも今のところカイルからは善意しか受け取っていない。
『ところで、アキラはなんで上洛したんだい?
召集期限には間に合わなかったはずだろ?』
あれか。僕は知らなかったんだけど、召集期限に間に合わないことを理由に断って良いという仕来たりだったんだそうだ。
それなのに僕は必死になって知恵を絞って間に合わせてしまった。
『それが、僕は仕来たりを良く知らなかったもので、なんとか間に合うルートを必死に探してここにやって来ました。
なので随伴艦もなく単艦でやって来ることになってしまいお恥ずかしい限りです』
『あはは、面白いな君は。この無理難題に降参せずに間に合わせたのは君が始めてだと思うよ』
カイルは心底面白いと思っているのか腹を抱えて笑っている。
『間に合っても戦力にならなければマイナス評価でしょ?』
『またまた。そうでもないんだろう?』
カイルは表情を引き締めて一瞬真面目な顔をし僕を見つめたが直ぐ笑顔に戻った。
第1皇子ともなると僕の情報を既に持っているのかもしれない。
例えば次元格納庫の秘密とか。
『この後、皇帝陛下に謁見するんだろ? 僕と一緒に行こう』
僕はカイルの専用艦を隣に第1皇子派遣艦隊4万艦に囲まれながら帝都の宇宙港に向かった。
カイルの専用艦は3km級の超大型戦艦だった。
僕の専用艦250mの12倍も全長がある。つまり体積は12の3乗倍あるということ。
この超大型戦艦が隣に居ると僕の専用艦は巨大ザメにくっつくコバンザメのようだ。
しかもカイルの専用艦は優美な装飾付き。
格差が激しすぎて端から見ると僕の専用艦は内火艇にしか見えないかもしれない。
僕が圧倒的な格差に打ち拉がれているうちに僕らは帝都宇宙港に到着した。
そこは帝国本星の衛星軌道に浮かぶ宮殿施設だった。
手前には宇宙艦を駐機させる駐機スポットを持つ宇宙港エリアがあり、そこには数万の艦が駐機出来るだけの敷地があった。
その宇宙港エリアの後ろに文字通りの城郭が聳え綺羅びやかな輝きを放っていた。
第1皇子派遣艦隊の艦が左右に分かれて離れる。
僕とカイルはそのまま宇宙港奥の特別エリアに向かう。
そこは皇族専用駐機スポットらしく、超大型戦艦を駐機させられる大きさの駐機スポットがいくつもあった。
カイルの超大型戦艦を誘導するレーザービーコンが発せられる。
超大型戦艦はその誘導に従い降下していく。
続いて僕の専用艦にもレーザービーコンによる誘導がなされる。
3kmの超大型戦艦の駐機を想定した駐機スポットの真ん中に250mの巡洋艦が降りる。
なんか晒し者になってる気がする。
僕らが駐機すると透明なドームがせり出してきて駐機スポットを覆う。
ドームに空気が充填されると床から桟橋がせり上がってくる。
しかし、幅が合わなくて戻って行った。
皇族の艦だから数km級を想定しているということなのだろう。
「艦が小さくて悪かったな!」
僕はあまりにも大きな格差に被害妄想気味になっていた。
結局桟橋は諦めてタラップ車が用意され横付けした。
うん。間違いなく晒し者になってる。
僕はパイロットスーツ背中のランドセル上部の突起からヘルメットを出して装着するとコクピットから出る準備をした。
外で作業をしてる人も宇宙服姿だし、気密漏れ対策は必要だろう。
一応専用艦のハッチのランプはグリーン。開けても問題ないサインだ。一思いにハッチを開ける。
何事も無く開き、ハッチ下に用意されたタラップで降りる。
駐機スポットの重力は微弱なようで、このハッチの高さなら飛び降りても大丈夫そうだ。
まあせっかくのタラップなので歩いて降りていった。
そのまま作業用の出入口ハッチまで行って中に入った。
ヘルメットを取って背中に収納し、案内に従ってカイルが待つ場所へと階段を登る。
作業通路なのでエレベーターなど無い。
カイルは一部始終を見ていたようで気の毒そうに笑っていた。
この後僕は皇帝に謁見となるのだが、正式な礼服なんて持っていない。
困っているとカイルが用意してくれた。やっぱり良い人っぽい。
「みんな礼服はここに置きっぱなしだからね。サイズが合わなくなって着なくなった礼服なんていくらでもある。
もちろんクリーニング済みだし管理も行き届いているから問題ないはずだよ。あ、それケインのかも」
「えっ!」
僕は焦る。宿敵の礼服を借りるなんて拙いでしょ。
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