【改訂版】異世界転移で宇宙戦争~僕の専用艦は艦隊旗艦とは名ばかりの単艦行動(ぼっち)だった~

北京犬(英)

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遠征編

144 遠征編9 レベルアップ

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「それでは、僕はこのへんでおいとませていただ……」

「待て」

 敵も殲滅し脅威の去ったし、話も終わったっぽいので帰ろうとする僕を皇帝が止めた。

「お前は帝都常駐だ。
これから敵ニアヒュームの襲来が活発化するだろう。
襲撃はまだまだ終わっていない。
お前は貴重な戦力になる。存分にここで働いてもらおう」

「いや、住むところもありませんし!」

 必死に抵抗する僕。

「娘をやるからには屋敷ぐらい用意する。
おい! 適当なところをみつくろっておけ!」

 皇帝の命令で家令と思われる人達が動き出す。
僕は帝都に住むことになりそうだ。なんとかしなければ。

「領地の運営や家臣への采配もあるんですよ? 常駐は困ります!」

「ふむ。なら領地替えしてこっちに呼ぶか」

 ああ、この人そういう無茶を言う人だったわ。
ますます信長っぽい。

「それも困ります!
領地に愛着だってあるんです。
わかりました単身赴任しますよorz」

 僕に拒否権は無かった。
カイル第1皇子がそっと僕の肩に手を置いて同情の目を向ける。
よかった、カイル第1皇子わだかまりが出来て関係が拗れなくて。


◇  ◇  ◇  ◇  ◆



 領地に連絡をとるために次元通信を行おうと格納庫に向かうと、僕の専用艦が繭に包まれていた。
融合フィールドだとすると、何を取り込んだのだろうか?
まさかニアヒューム? 逆に乗っ取られそうで怖いわ!
僕が慌てていると融合フィールドが解かれ融合が終了した。
こんなことって僕が見ていない間によくあったのだろうか?
何にしても電脳の情報をチェックだ。

 僕は専用艦のCICに乗り込むとパイロットシートに座った。
僕の脳と艦の電脳が繋がる。システムチェック。違和感がないか調べる。クリア。
ログチェック。いったい何があったのか調べると、どうやらレベルアップのようだ。
今までレベルアップは、僕が見ていない間にいつのまにかしていて、後で気づいくということばかりだった。
まさか融合フィールドを展開するほどの事だとは思っていなかった。
今回のレベルアップで備わった能力は2つ。
まずは次元レーダーS型。次元跳躍ワープの予兆や痕跡を追うことが出来るらしい。
そして次元跳躍ワープ加速装置アクセラレーター
次元跳躍ワープ距離と速度が飛躍的に向上する。
もしかして、僕の主星系と簡単に行き来出来るんじゃ?

 僕は次元格納庫からダミー艦を格納庫に出す。
居なくなったことがバレないようにと布団の中に枕を入れてこっそり外出するようなものだ。
そしてそのまま専用艦をエリュシオン星系に向け次元跳躍ワープさせる。
一瞬でエリュシオン星系に次元跳躍ワープアウトする。
まるで瞬間移動レベルだ。
続けてアノイ星系へ。これも一瞬だった。
クールタイムも若干短くなっている。
僕はアノイ要塞の格納庫に専用艦を入れると、久しぶりに事務所へと向かった。

「ただいまー」

「お帰りなさーい旦那様♡ 早かったねー」

「……おかえり♡」

 事務所に行くと紗綾さーや美優みゆがたまたま居て迎えてくれた。
2人が思いっきり抱きついてくる。
もしかして、まだ偽装嫁を続けているのだろうか?
拙い。そういえば彼女達に言わなければならないことがあったんだ。

紗綾さーや美優みゆ、あと綾姫あやめに言わなければならないことがある」

「なーに?」「……」「何よ」

 僕の雰囲気を察して3人が身構える。

「ごめん。活躍しすぎて嫁を取らされることになった!」

「「「えーーー! またーーーーー!!!」」」

「皇帝陛下の姫で断れなかった。
でも3人とは偽装結婚だから大丈夫だよね?」

 その時、空気が凍った。僕はその殺気に背中に冷たい汗が流れた。

紗綾さーやは本気だってずっと言ってたよね?」

晶羅あきら、死ぬ?」

「私は、どっちでもいいけど……。
みんなが本気なら私もそっちで」

 紗綾さーや美優みゆの殺気が凄い。
綾姫あやめは頬を赤らめつつ便乗するらしい。

「皇帝陛下の姫だから正妻にしないとならない。
それでもいいか?」

「今でも嫁は6人もいるんだし、一夫多妻は上級貴族の嗜みでしょ?
紗綾さーやは気にしないぞ」

美優みゆも」

「私は晶羅あきらと一緒なら嫁が何人いてもいいよ♡」

 そうだった。獣人嫁ーずにも話をしないと。
事務所と僕の自宅は直ぐ側だから、呼ぶと獣人嫁ーずが直ぐに事務所に到着する。

「「「旦那様、お帰りなさいませ。ご無事で何よりです」」」

「やあ、みんな。今帰ったよ。ちょっと話があるんだが……」

 僕は皇帝の姫を娶る事情を話した。

「「「それは、おめでとうございます」」」

「え?」

「「「え?」」」

「嫌じゃないの?」

「皇帝陛下の姫を娶るというのは武人として大変名誉なことです。
その旦那様の嫁としてわたくしも大変光栄に思います」

わたしもです」

「あたいもだよ。まさに武の誉れってやつだぞ」

 どうやら貴族家の娘としては誉高いことらしい。
まさかの嫁6人全員が歓迎してくれるという奇跡だった。

「ところで、皇帝陛下の姫さまとはどのような方なんですか?」

 綾姫あやめの質問に僕は言葉に詰まった。
肝心な事をすっかり忘れていたからだ。

「まだ姫と会ったこと無かった!!」

「「「「「「えーー!」」」」」」

「これから帝都で一緒に住むことになってるんだけど、まだ顔合わせもしてない」

「旦那様、帝都に住むとはどういうことですか?」

 キャリーが耳聡く気付いた。
あ、そういえばこれも伝えて無かったか。

「ああ、皇帝からの命令で僕は帝都に常駐することになった」

「「「「「「聞いてないよ!!」」」」」」

 ダチョウか!

「付いていくんだからね」

 紗綾さーやが有無を言わせず帯同を申し出る。

「いや、まだ住居も決まってないから一緒に住める場所かどうかもわからないから」

「でも護衛は必要だろ? あたいなら最適だぞ」

 ジェーンも護衛として来るという。

「とりあえず専用艦がレベルアップして次元跳躍ワープが進化したから頻繁に帰って来れる。それで我慢してくれ」

「「むう」」

「じゃあ、黙って抜けだして来たから今日はこれで……」

「「「こらー! 逃げるなー!!」」」

「……」

 僕は逃げるように帝都に向かった。
格納庫内に次元跳躍ワープアウトするとダミー艦を次元格納庫に収納する。

「さて、これからどうしようか」

 僕が専用艦を降りようとすると、パイロットシートの後ろで何かが動いた。

「だ、誰?」

「バレた? いやー美優みゆちゃんが忍び込む所を見ちゃってさ」

「え? 美優みゆが?」

 そこには美優みゆを背中に隠したジェーンの姿があった。

「付いて来ちゃたのか……」

「ん……」「てへ」

 ジェーンは護衛で誤魔化せるけど、身長が小さくて一見子供に見える美優みゆはどうしようか。
2人とも身ひとつで来ているから僕がどうにかしないとならない。
戻るか?
いや、常駐を命令されているのに、これ以上中座出来ないぞ。
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