父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

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家出編

008 カナタ、携帯ガチャ機に課金する

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 【ロッカー】に閉じ込められたカナタは冷静だった。
スキル実験の途中だったこともあったのかもしれないが、パニックになるよりも、この状況の考察が先に立ったのである。

「【ロッカー】は生き物を入れられるのか!
もし時間停止があったら、その場で死んでいたかもしれない。
時間停止がないおかげで生き物が生きたままなのは助かった。
しかし、どうやって出ればいいんだろう?」

 そうなのだ、閉まった出入り口は消えてしまい、カナタは時空間に漂う1立方mの箱の中から出る事が出来なくなっていたのだ。
【ロッカー】の中は壁がボヤっと光っていて、閉じ込められたカナタは最低限の視界を確保出来ていた。

「これは困ったぞ。まず食料と水が無い。
このままでは餓死してしまう。
せっかく生き返ったのに、こんな死に様は嫌だな」

 カナタは脱出方法を考えるより先に生きる手段を模索した。
まずポケットの中。おやつの時間に入れたクッキーが2枚入っていた。
次にお財布。スキル【お財布】の中身は2万3千5百DG。
女神様が封印した1億DGは使えるのだろうか?

「1億DGは封印されたままか……」

 外に出ることの無かったカナタは、多田野信が手に入れたお金DGしか持っていなかった。
寝たきりで屋敷から出たことの無かったカナタに、お金など無用だったからだ。
しかも、この時空のはざまでは、お金があっても使うお店が無い。

「いや、僕には【携帯ガチャ機】がある!
課金すればアイテムガチャが引けるはずだ!」

 この世界でガチャを引くのには2通りの方法がある。
1つは魔物を倒すことでガチャが引かれオーブがドロップされる。
それを開く行為がガチャとなる。
もう1つは教会に設置してあるガチャ機に課金して引く方法だ。
カナタはGRゴッドレアスキルの【携帯ガチャ機】を持っている。
つまり課金すればその場でガチャが引けるはずなのだ。

「アイテムガチャで食料をゲットだ!
ん? ゲットって何だ?」

 またカナタはの影響を受けた。

「だけど、呪いの余波でハズレる可能性があるな……。
いや、父様と離れている今がチャンスのはずだ!」

 カナタは父アラタが王都に行っている今こそ、ガチャを引くチャンスだと思っていた。
カナタが持つ仮説、『父アラタとの距離が呪いの強さに影響する』を実証する絶好の機会だった。

 アイテムガチャは1000DGの課金で1回引くことが出来た。
しかも10連ガチャを引くと1つだけレアリティがHNハイノーマル確定になるという。
そして【携帯ガチャ機】の特殊効果は、全てのオーブがレアリティ1UPだ。
つまりHNが1UPしてレアが1つ確定となるはずだった。
カナタは1万DG課金して【携帯ガチャ機】のアイテム10連ガチャを引くことにした。

 【携帯ガチャ機】の表面にあるタッチパネルでアイテム10連を選ぶ。
そして支払いのアイコンに【お財布】と念じて手を置くと1万DGが支払われる。
これでアイテム10連ガチャを引く準備が整った。
カナタはダイヤルに手をかけると右に回しガチャを引いた。
ちなみにアイテムガチャはハズレでスカの何も出ないということはない。
ハズレ扱いはタワシになる。創造神様によると様式美だそうだ。

ノーマルの携帯食料と水来い!」

ガチャガチャ ガガガガコン キン!

 アイテム10連ガチャを引いたエフェクトで【携帯ガチャ機】が光る。
赤い光が瞬く。銅色と銀色の光も見える。
どうやら、RとSRが当たっているようだ。
『開く』はオート設定のため、そのまま空中に詳細が表示される。

HNアイテム ハイポーション×2
HNアイテム マジックポーション×3
Rアイテム 鋼の剣+2
HNアイテム オーク肉(ロース)
HNアイテム テント
HNアイテム オーク肉(バラ)
SRアイテム 魔鋼の槍
HNアイテム 美味しい携帯食料×4
Rアイテム 皮の鎧+1
HNアイテム 美味しい水(1リットル水筒)×5

「何これ……」

 カナタが驚くのも当然だ。
今までカナタは呪いの影響でガチャはハズレしか引いてこなかった。
本来ならばタワシ一択。
今回もNの中でもハズレよりちょい当たりの携帯食料と水が出ることを期待してガチャを引いたのだ。
それなのに最低でもHNとか夢のようだった。

 だが、食料系が美味しい携帯食料×4と美味しい水×5、それにオーク肉のみ。
オーク肉は生だ。当然調理器具なんて持ってないし、この空間で火を起こすことも出来ない。
本来なら喜ぶはずのRアイテムとSRアイテムも武器防具という想定外。
最悪な状況になったら、ハイポーションとマジックポーションを水代わりに飲むしかない。

「テントなんて、この中で広げられないよね?」

 それらは、ただただ1立方mの生活空間を狭めるだけだった。
これらのアイテムがオート設定のために、その場で開かれ実体化していたのだ。
テントは個人で持ち運ぶためにコンパクトに畳まれていた。
しかし、皮の鎧なんてそのままその形で空間を圧迫していた。

「もう1回10連ガチャなんて空間的に出来そうもないな。
それにしてもどうして?」

 カナタは呪いに何かあったと見て自らのステータスを確認する。

「ステータス!」


名前 :カナタ=ミル=ファーランド

種族 :人間 年齢:11才 性別:男

職業 :魔術師 (勇者)女神の加護により隠蔽中

レベル:5

体力 :300/300(100,000)呪いにより低下中

魔力 :50,000/50,000(1,000,000)呪いにより低下中

幸運 :47(+47+100(ガチャバカ一代補正分))呪いにより低下中

状態 :成長不良 (呪いの余波)

Nスキル:お財布 生活魔法 図鑑Lv.2 MAPLv.2 ロッカーLv.1

HNスキル:魔力操作Lv.2

Rスキル:身体強化Lv.2

SRスキル:時空魔法Lv.2(5)呪いにより低下

URスキル:魔力探知Lv.2

LRスキル:

GRスキル:携帯ガチャ機

称号:ガチャバカ一代 (勇者)女神の加護により隠蔽中

加護:女神ソフィアの加護(小)

取得魔法:

装備:

所持品:ハイポーション×2
    マジックポーション×3
    鋼の剣+2
    オーク肉(ロース)
    テント
    オーク肉(バラ)
    魔鋼の槍
    美味しい携帯食料×4
    皮の鎧+1
    美味しい水(1リットル水筒)×5

所持金:1万3千5百DG(1億1万3千5百DG)女神の加護により隠蔽中


 なんと呪いの影響が弱まってHPが300になっていた。
これは時空によりカナタと父アラタの間が隔てられたからなのだろう。
しかも幸運の数値が-3から47に上昇している。
この幸運が【携帯ガチャ機】の結果を好転させたのだろう。
これだけの幸運値ならば脱出の道も開けるかもしれない。
カナタは携帯食料4つと水筒が5本でどうにかなる間に脱出するべく方法を模索するのだった。
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