父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

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家出編

033 カナタ、居候する

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 レグザスに連れられて行った先は、貴族街のお屋敷だった。
ここグラスヒルは、サーナリアの生家であるウッドランド子爵家の領土だ。
領主のお屋敷ならば、その一等地にあるのは当たり前だろう。
グラスヒルは領都であるウッドランドの遥か北にあり、王都方面との貿易の要となる都市だった。
なので田舎町でありながら、領主の立派な別館が存在していたのだ。

 レグザスは顔パスなのだろう、門番に誰何されることもなくお屋敷の門を荷馬車で通過する。
カナタたちは、その便乗で何も言われることがなかった。
もしかするとサーナリアからカナタたちが来ることの通達があったのかもしれない。
人数が2人増えていることも、盗賊の拠点制圧に行ったのだから想定済みだったとも考えられる。

 レグザスはカナタたちを玄関に降ろすと荷馬車をそのまま厩舎にまで持って行ってしまった。
放置され所在無げにしているカナタの前で、荘厳な造りの重厚な玄関扉が観音開きで開いていった。
その先には真ん中に初老の黒服の家令と思われる男、その左右にはメイドたち数十名がずらりと並んでこうべを垂れていた。

「カナタ様、いらっしゃいませ。
ウッドランド子爵家グラスヒルの当館を任せられております、セベスと申します。
ここをカナタ様のご実家と思って何なりとお申し付けください」

「え、そんな……」

 カナタがその歓迎に戸惑うと、セベスは慇懃に礼をする。

「これは我が主からの厳命にて、カナタ様は何も気にする必要はございません。
お疲れでしょう。ささ、こちらへ」

 セベスに促されカナタは応接室へと通された。
カナタの実家ファーランド家は伯爵家でウッドランド家は子爵家。
爵位ではカナタの家の方が上だが、経済状況はウッドランド家の方が遥かに上だった。
それもカナタの闘病に使われた金のせいだったので、カナタは罪悪感を覚えてしまった。

(僕のせいで、うちは貧乏だったんだな……。
こんな人数のメイド初めて見た)

 ジェフリーに言われ続けた「お荷物」という言葉を思いだし、胸がチクりとするカナタだった。


 カナタが応接室に通されると、そこにはサーナリアが待っていた。

「カナタ様、お待ちしておりましたわ。
ご無事で何よりです」

 そう言うとサーナリアは自分の隣にカナタを誘導し座らせた。
サーナリアはしっかりカナタの左腕に腕をからませていた。
ニクは、そのままカナタの後ろに立った。
ルルとララが、どして良いのかわからずに戸惑っていたところ、メイドたちが手を引いてどこかへ連れて行った。
2人が奴隷用の貫頭衣姿だったので別室となったのだろうか。
そのすぐ後、レグザスが応接室に入って来たのだが、カナタに対するサーナリアの態度に一瞬戸惑い、そのまま表情を戻すとサーナリアの対面に座った。

「簡単に報告すると盗賊団はカナタたちの活躍で壊滅した」

 レグザスがサーナリアに向けて本当に簡単に報告した。
するとサーナリアは笑顔をパっと咲かせると先にも増してカナタの腕に抱き着いて来る。

「盗賊の討伐、おめでとうございます♡
そして、私たちの馬車をお救い下さり感謝しております」

「あ、はい」

 カナタは女性からこのようにすり寄られるのは、奴隷のルルとララの過剰スキンシップだけだったので、戸惑ってしまっていた。

「つきましては、お礼の件もあり父と面会していただきたく、しばらくこちらに滞在していただきたく存じます」

 この時、ウッドランド家ではカナタを婿として引き込もうという計画が持ち上がっていたことは、カナタの知らぬことだった。
これもサーナリアがカナタに一目惚れをしたことと、ファーランド家が英雄の家系で玉の輿であるということ、まさに貴族的な思惑も含まれた良くある話であった。

「わかりました。
それでは、どこかに家でも借りようかと……」

「それはなりません。
この街への滞在中は、当家に泊まっていただきます。
そうでなければ当家が恥をかきます」

「あ、はい」

 なし崩し的にカナタはウッドランド家の居候になることになった。


 メイドに案内されて自室として与えられた部屋にカナタはやって来た。
そこは寝室が複数あるまさにスィートルームだった。
日本人的な感覚だと館の中に館があるようなものだ。
部屋に入るとルルとララがワンピースに着替えさせられてリビングルームにいた。
どうやら風呂に入れられて着替えさせられたようだ。
【クリーン】をかけたとはいえ、ルルとララをずっと貫頭衣のまま連れまわしていたのは少し拙かったかと反省したカナタだった。

「「ご主人様、どう?」」

 ルルとララがくるっと一周まわってワンピース姿を見せつけて来た。
ルルとララは双子でそっくり同じ顔をしているが、髪の色がピンクと青で違っている。
目の色は逆に青とピンクだ。ルルがピンク髪で青目、ララが青髪にピンク目だ。
ララは左目の下に泣き黒子があるのでそこでも区別がつく。
身長はカナタよりも高い150cmぐらい、2人とも肩ぐらいまでの髪の長さだった。
カナタが後で知ったことだが年齢は15歳だそうだ。
その彼女たちが髪と同じ系統の薄い色のワンピースを着てはしゃいでいる。

「いいね。可愛いよ」

 ルルとララはカナタが可愛いと言ってくれたので素直に顔を綻ばせていた。
それを見て後でもっと服を買ってあげようと思う11歳のカナタだった。
たぶん多田野信の知識に影響を受けてオヤジ化しているのだろう。


 自室という作業場を得たことで、カナタはガチャを引くことにした。
さすがに携帯ガチャ機を使うところは他人には見せられないと思っているのだ。

 カナタは、父親から離れたことで呪いの効果が薄れ、今のステータスはあのハズレ祭りの時よりも1段上がっていた。
ステータスはこんな感じ。


名前 :カナタ=ミル=ファーランド

種族 :人間 年齢:11才 性別:男

職業 :魔術師 (勇者)女神の加護により隠蔽中

レベル:7

体力 :240↑/240↑(100,000)呪いにより低下中

魔力 :40,800↑/40,800↑(1,000,000)呪いにより低下中

幸運 :52↑(+67↑+100(ガチャバカ一代補正分))呪いにより低下中

状態 :成長不良 (呪いの余波)

Nスキル:お財布 生活魔法 図鑑Lv.3 MAPLv.4 ロッカーLv.3

HNスキル:魔力操作Lv.3 火魔法Lv.1 遠見Lv.1 風魔法Lv.1

Rスキル:身体強化Lv.2 俊足Lv.1

SRスキル:時空魔法Lv.4(7)呪いにより低下

URスキル:魔力探知Lv.3

LRスキル:

GRスキル:携帯ガチャ機

称号:ガチャバカ一代 (勇者)女神の加護により隠蔽中

加護:女神ソフィアの加護(小)

取得魔法:転移Lv.1 ファイアボールLv.1 ファイアウォールLv.1 回復(微小)
     麻痺Lv.1 ウォーターボールLv.1(使用不能)

装備: 皮の鎧(小)
    鋼の剣+2

所持品:テント
    2人用テント
    鉄のナイフ
    魔導コンロ
    魔石ランプ
    高級キャンプセット一式
    高級調理セット一式
    バスタオル×10
    フェイスタオル×10
    石鹸×4
    オーク肉(ロース)
    美味しい水(水筒×5 樽5リットル)
    水(水筒×5 樽10リットル×4)
    携帯食料×24
    焼き肉のたれ
    ハズレオーブ×447

    以下整理中

所持金:3757万6千3百DG(1億3757万6千3百DG)女神の加護により隠蔽中


 呪いが弱まったことによりステータスが上昇している。
幸運値が50を超えているので、ガチャも良い結果になるだろう。
所持品は食糧関係を購入したり、野営に必要な装備を増やしたり、野営で消費したりで増減している。
さらに盗賊のお宝を手にしたことで、お金と所持品が増えた。
盗賊はDGを硬貨でため込んでいたので【お財布】に合算することで簡単に総額が出た。
所持品の方の詳しいことは後で整理しないとわからなかった。
それをズラズラと表示するわけにもいかないので、今後は特別な所持品のみの表示に留めることになると思う。


 カナタは携帯ガチャ機を出すとハズレオーブ447個を装填した。

『100連ガチャ4回、10連ガチャ4回、通常ガチャを7回引くことが出来ます。
ガチャを連続で引きますか? YES/NO』

「YESで」

 カナタはついに当たりが確定しているガチャを引くことになった。
これでいくら儲かるのか、ガチャ屋の店舗を借りられるかもしれないと思いながらガチャのダイヤルを回した。
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