父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

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家出編

038 カナタ、商業ギルドに登録する

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 この国では、商人として商売を始めるためには、商業ギルドに登録するのが普通だった。
個人として商品を仕入れ、それを冒険者ギルドなり商業ギルドに売るだけならば登録の必要はない。
しかし、それを不特定多数に売るとなると、商業ギルドの管轄となった。
商業ギルドは、商人が貴族と揉めたり商人同士の商売絡みのトラブルの仲裁や、他国から商品を仕入れ問屋的な役割をして小売りに卸したりといった業務を行っている。
登録しなければその恩恵は受けられない。
登録をしなければ違法で捕まるということではないため、それでも良いという者も居なくはないが、店舗を借りるなどの際に未登録者は敬遠されやすい。
信用という意味でも商業ギルドに登録していた方が活動しやすいのは間違いない。
税制面でも未登録者は税率が高いうえ監査が厳しくなるため、商業ギルドに登録して商業ギルドを通して納税した方が得で楽が出来た。
なので、商売をするなら商業ギルドに登録するのが当たり前、いやしなければならないという認識となっていた。

 カナタたちは冒険者ギルドを出ると、そのまま隣の商業ギルドへとやって来た。
作りは冒険者ギルドとほとんど同じで、受付カウンターには何人もの受付嬢が座っていて、そのカウンター毎に列が出来ているという感じだ。
違う点があるとすれば、奥にパーティションで区切られた商談スペースと個室が設けられているぐらいだろうか。
カウンターは仕入れと買い上げ、それに相談登録窓口となっていた。
カナタたちは相談登録窓口に並ぶことになった。

「次の方、どうぞ?」

 並んでから暫くして、カナタたちの順番が来た。
受付嬢は、カナタたち――7歳児にしか見えない少年と年端のいかない美少女3人――を見て、この子たちが何の用事なのかと首を傾げた。

「商人の登録と店舗の不動産を紹介して欲しいんだけど」

 不思議な集団の中で、一番年下と思われるカナタが前に出て話しはじめたので、受付嬢は戸惑った。

「これ、紹介状」

 さらにカナタが提出したのが、冒険者ギルドのギルドマスターであるライナーの紹介状であることに固まる受付嬢。
しばらく硬直したあと、受付嬢は我に返り職務を全うしようと努力する。

「失礼しました。商人登録と売り店舗の紹介ですね?」
 
「はい」

「それでは、こちらに記入をお願いします」

 受付嬢が商人登録用紙をカナタに渡し、記入を促す。
カナタは、さっさと必要項目を埋めると受付嬢に用紙を戻した。

「常設店舗での商いですと、B級登録が必要になります。
供託金として金貨30枚のお支払いになりいますが、よろしいですか?」

 商人の登録は、露店のE級、屋台のD級、行商のC級、常設店舗のB級、都市間貿易のA級、国家間貿易のS級に分かれていた。
通常は下の階級から下積みのように上がっていくのだが、カナタは最初から常設店舗を持つつもりだったので、B級登録が必要だった。
しかし、どの階級からでも登録出来るからと分不相応な上級に登録をされても困るため、上なら上の経済力があるはずと、上に行けば行くほど多大な供託金を要求されることになっていた。
まあ、それだけのサポートを受けることが出来るので無駄ではないし、廃行時には返還されることになっている。

「はい。これ」

「お預かりします」

 カナタが【お財布】から金貨30枚を簡単に出すと、受付嬢はこれ以上驚くのはやめようと固く心に誓った。
カナタたちが子供の飯事で来ているわけではなく、本気で商売をするつもりだと理解したからだ。
冒険者ギルドのギルドマスターの紹介状もあり、カナタたちは何者なのだろうと思いつつ登録処理を進めた。

「お待たせしました。これがB級商人の登録証になります。
店舗の良く見えるところにこれを提示してください。
無くしますと、再発行に銀貨5枚必要ですので、お気をつけください」

 登録証には登録番号が記入されていた。
この登録番号は固有で、他には存在しない。
これが偽造された場合、番号からその持ち主が即わかるという仕組みとなっていた。
まあ、魔法的な処理のされた登録証なので、そうそう偽造はされないのだが。

「それじゃ、店舗を土地付きで買いたいので、紹介してください」

「かしこまりました。立地条件や広さ、ご予算はいかほどでしょうか?」

「予算は7000万DG。広さは間口5mぐらい。
住居兼店舗で、立地は冒険者と一般客が来やすい場所でお願いします」

 しばらくして、受付嬢さんが条件に合う物件を資料の中から選び出した。
受付嬢さんがリストアップしたお店は4軒あった。
だが、この時カナタは、自分が出した条件に問題があったことに気付いていなかった。
予算7000万DGは、この街の相場では豪邸が買える金額だったのだ。
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