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ガチャ屋開業編
045 カナタ、焦る
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カナタは今日1日目の売り上げにショックを受けた。
16万3800DG、これが今日1日の売り上げだった。
「そうだよな。ここの冒険者の懐事情はミスリルの剣に手が届かないぐらいだったんだ……」
このグラスヒルの冒険者には270万DGのミスリルの剣は買えないと、カナタ自身もわかっていたことだった。
つまり、金貨――10万DG――を何枚も出すような商品が簡単に売れるわけがなかった。
売れたのは銀貨3~10枚――3千~1万DG――程度の商品ばかり。
わかっていたはずなのに、完全に客層を見誤っていた。
「今日、必死にアイテムを売っても金貨2枚を超えないか……。
客は沢山来てくれて商品を買ってくれたのに、この程度とは……」
一日16万DGという売り上げはこの界隈のお店では良い方だ。
それにハズレオーブの買取は順調だった。
冒険者が、そこで手にした臨時収入で商品を買うという流れも完璧だった。
だが、1900万DGを1週間で手にするには、忙しかった割りには売り上げが少なすぎた。
1週間で1900万DGを手に入れるためには、1日272万DG平均で稼がないとならない。
となると1つ金貨1枚以上の品が27は売れていなければ目標は達成できない。
盗賊からの戦利品の売却益でいくらか補填できるとしても、このままでは期限に間に合わない。
カナタは予想を下回る売り上げに大いに焦った。
「やっぱり単価の高いものを売ってお金を稼がないと無理だ。
となると冒険者ギルドか商業ギルドに売り込める高価なアイテムを手に入れる必要があるな。
ああ、それならハズレオーブを100連ガチャまで溜めて引けば良かった!」
需要のあるHNアイテムを引くため、ハズレオーブを片っ端から再装填して引いてしまったのが失敗だった。
冒険者が持ち込んだハズレオーブは平均1人10個程度だった。
それをその都度ガチャに再装填して引いていたので、100連ガチャの恩恵が得られなかったのだ。
100連ガチャになるまで溜めてから引けば、100個毎にSRが1個は出たはずだった。
SRアイテムなら売値は金貨10枚以上だろう。
今日1日でハズレオーブを50人以上から600個は仕入れることが出来た。
SR6個を無駄にしたということだった。
「ああ、もったいない」
カナタは、今日のやり方を反省し、今後はハズレオーブを溜め込むことを誓った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カナタたちは、ウッドランド子爵家別邸に帰って来た。
お店が直るまでは相変わらず居候させてもらっている。
カナタは夕食をサーナリアと一緒にとらせてもらっているのだが、彼女はカナタの奴隷たちをカナタと一緒に客人として持て成していた。
身分に厳しい貴族社会では珍しいことだった。
「また増えてる……」
サーナリアが何か言っていたようだが気のせいだろう。
「あなたたちも客人として席についてくださいな。
カナタ様の従者なのでしょう?
気になさらないで良ろしくてよ」
戸惑うカリナとユキノにサーナリアは席に着き一緒に食事をするように促した。
サーナリアはカナタが奴隷を普通に仲間として扱っていることを知っていた。
レグザスによるとカナタは盗賊から奴隷を手に入れて直ぐ解放しようとしたのだと言う。
しかし彼女たちを保護下におくためには奴隷のままの方が安心だということで渋々奴隷契約をした。
サーナリアは、そんな彼女たちに遠慮をさせればカナタがここを出て行ってしまうかもという不安から、彼女たちを奴隷として扱わないことにしたのだ。
「サーナリア様、お気遣い感謝します」
カナタもその気持ちが有難くて礼を言った。
しばし食事を楽しみ、食後の紅茶を啜る雑談タイムとなった。
「それでは、1900万DGを稼がなければならないということですの?」
カナタはお店の売り上げが少なかったこと、なぜ急に仮設店舗を開いたのかという話題から、話の流れで1週間で1900万DGを稼がなければならないことを話していた。
「この街の冒険者は、金貨10枚もする商品は買ってくれないんですよ。
それが10個売れても足りないっていうのに……。
次は冒険者ギルドか商業ギルドに高額アイテムを売ろうかと思ってます」
カナタがそう言うと、サーナリアはしばし考えた後に口を開いた。
「冒険者ギルドも商業ギルドもそうそう高額なアイテムを買う予算があるわけではないでしょう。
そこはオークションで売った方が、相手もお金を持っているので都合が良いのでは?」
サーナリアが言うには、このグラスヒルでは植物系魔物からたまに高額なポーションがドロップすることがあるそうで、それを手に入れるためのオークションが度々開かれているらしい。
そのオークションで大金を手に入れた冒険者は、そのお金を手に他の街に行ってしまうのだとか。
それがこの街に金貨10枚もする商品を買う冒険者が居ない理由だった。
一攫千金を手にしたらもうこの街には用はない。
そんな街がグラスヒルだった。
「最近は、購入者たちがついでに持ち寄った商品がオークションに出品されるのです。
そのおかげで珍品オークションとしても賑わい始めているのですわ」
カナタは【ロッカー】の肥やしになっている聖剣ストームスレイヴのことが頭に浮かんだ。
「なるほどー。(あれを買えるほどの商人がいればいいんだけど、争いの元だって言うしな)」
「カナタ様は興味が御有りのようですわね?
それならば出品者として登録させましょうか?
たしか3日後に開催予定のはずですわ」
「え?」
サーナリアの何やら含む言い方にカナタは引っかかった。
「うふふ。このオークションの主催者はウッドランド子爵家でしてよ」
ウッドランド子爵家の財力の秘密はそれだった。
オークションの主催者は出品者から売り上げの1割を出品料として受け取る。
扱う商品が高額になればなるほど主催者は儲かる仕組みだ。
「是非お願いします。(SRアイテムを20個ほど手に入れて売ろう)」
カナタは某聖剣という危険物をなるべく表に出さずに済まそうと思った。
前回はハズレオーブ447個でSRアイテムが8個とURが1個出た。
ハズレオーブが1000個手に入ればSRアイテムが16個ぐらい出るかもしれない。
そして500連いや1000連ガチャ特典が加われば、URが複数出る可能性もある。
サーナリアが言うにはオークションは3日後に開催だ。
今日だけでハズレオーブが600個手に入った。
3日間ギリギリ集めて1000個、集められないことはないとカナタは思っていた。
16万3800DG、これが今日1日の売り上げだった。
「そうだよな。ここの冒険者の懐事情はミスリルの剣に手が届かないぐらいだったんだ……」
このグラスヒルの冒険者には270万DGのミスリルの剣は買えないと、カナタ自身もわかっていたことだった。
つまり、金貨――10万DG――を何枚も出すような商品が簡単に売れるわけがなかった。
売れたのは銀貨3~10枚――3千~1万DG――程度の商品ばかり。
わかっていたはずなのに、完全に客層を見誤っていた。
「今日、必死にアイテムを売っても金貨2枚を超えないか……。
客は沢山来てくれて商品を買ってくれたのに、この程度とは……」
一日16万DGという売り上げはこの界隈のお店では良い方だ。
それにハズレオーブの買取は順調だった。
冒険者が、そこで手にした臨時収入で商品を買うという流れも完璧だった。
だが、1900万DGを1週間で手にするには、忙しかった割りには売り上げが少なすぎた。
1週間で1900万DGを手に入れるためには、1日272万DG平均で稼がないとならない。
となると1つ金貨1枚以上の品が27は売れていなければ目標は達成できない。
盗賊からの戦利品の売却益でいくらか補填できるとしても、このままでは期限に間に合わない。
カナタは予想を下回る売り上げに大いに焦った。
「やっぱり単価の高いものを売ってお金を稼がないと無理だ。
となると冒険者ギルドか商業ギルドに売り込める高価なアイテムを手に入れる必要があるな。
ああ、それならハズレオーブを100連ガチャまで溜めて引けば良かった!」
需要のあるHNアイテムを引くため、ハズレオーブを片っ端から再装填して引いてしまったのが失敗だった。
冒険者が持ち込んだハズレオーブは平均1人10個程度だった。
それをその都度ガチャに再装填して引いていたので、100連ガチャの恩恵が得られなかったのだ。
100連ガチャになるまで溜めてから引けば、100個毎にSRが1個は出たはずだった。
SRアイテムなら売値は金貨10枚以上だろう。
今日1日でハズレオーブを50人以上から600個は仕入れることが出来た。
SR6個を無駄にしたということだった。
「ああ、もったいない」
カナタは、今日のやり方を反省し、今後はハズレオーブを溜め込むことを誓った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カナタたちは、ウッドランド子爵家別邸に帰って来た。
お店が直るまでは相変わらず居候させてもらっている。
カナタは夕食をサーナリアと一緒にとらせてもらっているのだが、彼女はカナタの奴隷たちをカナタと一緒に客人として持て成していた。
身分に厳しい貴族社会では珍しいことだった。
「また増えてる……」
サーナリアが何か言っていたようだが気のせいだろう。
「あなたたちも客人として席についてくださいな。
カナタ様の従者なのでしょう?
気になさらないで良ろしくてよ」
戸惑うカリナとユキノにサーナリアは席に着き一緒に食事をするように促した。
サーナリアはカナタが奴隷を普通に仲間として扱っていることを知っていた。
レグザスによるとカナタは盗賊から奴隷を手に入れて直ぐ解放しようとしたのだと言う。
しかし彼女たちを保護下におくためには奴隷のままの方が安心だということで渋々奴隷契約をした。
サーナリアは、そんな彼女たちに遠慮をさせればカナタがここを出て行ってしまうかもという不安から、彼女たちを奴隷として扱わないことにしたのだ。
「サーナリア様、お気遣い感謝します」
カナタもその気持ちが有難くて礼を言った。
しばし食事を楽しみ、食後の紅茶を啜る雑談タイムとなった。
「それでは、1900万DGを稼がなければならないということですの?」
カナタはお店の売り上げが少なかったこと、なぜ急に仮設店舗を開いたのかという話題から、話の流れで1週間で1900万DGを稼がなければならないことを話していた。
「この街の冒険者は、金貨10枚もする商品は買ってくれないんですよ。
それが10個売れても足りないっていうのに……。
次は冒険者ギルドか商業ギルドに高額アイテムを売ろうかと思ってます」
カナタがそう言うと、サーナリアはしばし考えた後に口を開いた。
「冒険者ギルドも商業ギルドもそうそう高額なアイテムを買う予算があるわけではないでしょう。
そこはオークションで売った方が、相手もお金を持っているので都合が良いのでは?」
サーナリアが言うには、このグラスヒルでは植物系魔物からたまに高額なポーションがドロップすることがあるそうで、それを手に入れるためのオークションが度々開かれているらしい。
そのオークションで大金を手に入れた冒険者は、そのお金を手に他の街に行ってしまうのだとか。
それがこの街に金貨10枚もする商品を買う冒険者が居ない理由だった。
一攫千金を手にしたらもうこの街には用はない。
そんな街がグラスヒルだった。
「最近は、購入者たちがついでに持ち寄った商品がオークションに出品されるのです。
そのおかげで珍品オークションとしても賑わい始めているのですわ」
カナタは【ロッカー】の肥やしになっている聖剣ストームスレイヴのことが頭に浮かんだ。
「なるほどー。(あれを買えるほどの商人がいればいいんだけど、争いの元だって言うしな)」
「カナタ様は興味が御有りのようですわね?
それならば出品者として登録させましょうか?
たしか3日後に開催予定のはずですわ」
「え?」
サーナリアの何やら含む言い方にカナタは引っかかった。
「うふふ。このオークションの主催者はウッドランド子爵家でしてよ」
ウッドランド子爵家の財力の秘密はそれだった。
オークションの主催者は出品者から売り上げの1割を出品料として受け取る。
扱う商品が高額になればなるほど主催者は儲かる仕組みだ。
「是非お願いします。(SRアイテムを20個ほど手に入れて売ろう)」
カナタは某聖剣という危険物をなるべく表に出さずに済まそうと思った。
前回はハズレオーブ447個でSRアイテムが8個とURが1個出た。
ハズレオーブが1000個手に入ればSRアイテムが16個ぐらい出るかもしれない。
そして500連いや1000連ガチャ特典が加われば、URが複数出る可能性もある。
サーナリアが言うにはオークションは3日後に開催だ。
今日だけでハズレオーブが600個手に入った。
3日間ギリギリ集めて1000個、集められないことはないとカナタは思っていた。
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