60 / 204
ガチャ屋開業編
060 カナタ、出張する
しおりを挟む
カナタは早速【転移】魔法の実験をすることにした。
カナタの転移のイメージは目の前のドアを開けると向こう側に転移先があるという感じだった。
これは【ロッカー】の入り口から次元の海へと潜り、その先の出口を見つけて、そこに【ロッカー】の蓋を出す。
この【ロッカー】に閉じ込められた時の脱出プロセスとほとんど同じ過程を、カナタは転移としてイメージしていた。
今回は、明確に【転移】魔法として使用するために、【ロッカー】の蓋を等身大のドアに見立てていた。
「【転移】!」
カナタはリビングから庭の真ん中をイメージすると【転移】魔法を使用した。
すると目の前にドアが現れ、そのドアを開くとその先が草刈りの終わった庭となっていた。
カナタはドアを潜ると、その勢いでそのままドアを閉めた。
するとドアは消えて無くなり、カナタは庭の中心に立っていた。
「成功だ!」
その声に実験を見守っていたララとヨーコが玄関を出て庭に駆け付けた。
「本当だ! ドアが消えたと思ったら、外でカナタの声がした!」
「うん。庭に出て来たらカナタが見えた。一瞬だったよ」
ララがカナタの身体をぺたぺた触って、何の影響もないことを確かめている。
「痛い所とか、気持ち悪いところはない?」
ヨーコも心配そうに訊いてくる。
この世界では、【転移】が使える者など宮廷魔術師の最高位クラスに数人しか確認されていない。
いや、【転移】が使えるから最高位クラスに上り詰めることが出来たと言っても過言ではない。
それほど珍しく、難しいと言われているのが【転移】魔法なのだ。
目の前で【転移】を使用したカナタをララもヨーコも尊敬の眼差しで見つめていた。
カナタはステータスを見ると魔力の減り具合を確かめた。
【転移】1回の魔力量を確認したかったのだ。
すると、なんと目の前で魔力が最大値まで回復するところを目撃してしまった。
あまりに短距離だったこと、カナタの魔力回復量が尋常じゃなかったせいで、あっという間に魔力が回復してしまったのだ。
「これじゃ、いくら魔力を使ったかわからない。
安全確認ぐらいにしかならなかった……」
魔力量は距離を延ばせば確認出来る、しかし、それはグリーンバレーへと転移した時でもいいかとカナタは思った。
それより気になるのは人数制限の方だ。
定員オーバーするとどうなるのか?
騎獣などはカウントされるのか?
カナタはそっちの方が重要だと思っていた。
「よし、次は3人で【転移】出来るか実験だ」
カナタがそう言うと、ララは脱兎の如く逃げ出した。
ララは【転移】が怖いのだ。
ヨーコはこの後、グリーンバレーまで同行しなければならないので、覚悟を決めた様子だった。
「シフォン来てくれ。よしよし。いくよ【転移】!」
仕方ないので、カナタは庭を走り回っていたシフォンを捕まえると、リビングを目標に【転移】を唱えた。
ドアを開けるとその先にはリビングの中が見える。
そこに慌てて逃げ帰ったララが正面に飛び込んで来ていた。
どうやらドアは人がいないところに実体化しているようだ。
カナタはシフォンを抱いてヨーコを連れてドアを潜った。
【転移】は成功し、ドアは消えた。
カナタの知らないはずの知識が「どこ〇もドアだ」と訴えているがカナタは気にしないことにした。
次にニクを捕まえて3人と1匹という定員オーバーの状態で【転移】を使ったところ、なぜか【転移】出来てしまった。
不思議に思ったカナタはニクに代えてサキを連れて【転移】を使ったところ、最後の1人つまりサキがドアを潜る前にドアが消えてしまった。
これは最後をシフォンにしても同じだった。つまりサキとシフォンは共に1人(1匹)とカウントされているということ。
どうやらニクだけが1人とカウントされていないようだ。
ニクが愛砢人形であって人ではないからなのだろうか?
まあ、ここはもう1人連れていけるということで、得をしたと思っておこうとカナタは自分を納得させた。
カナタはお店の留守をララ、ルル、カリナに、その護衛をユキノ、サキ、レナに任せた。
今回のグリーンバレー出張は、滞在4日の予定でカナタ、ニク、ヨーコ、シフォンで行くことにした。
「それじゃあ、行ってくるよ。
お店の方は任せたよ」
「任せて」
ララが皆を代表して答える。
キキョウも並んでいたが、彼女も手伝うつもりなのだろうか?
カナタは気にしつつもグリーンバレーに向けて【転移】を使用した。
「【転移】!」
カナタが目の前のドアを開けると、グリーンバレー郊外の街道脇に繋がっていた。
さすがにカナタも街中にいきなり転移するのは拙いと思っていたのだ。
ドアの向こう側には幸い人影は無かった。
カナタは2人と1匹を連れてドアを潜った。
「よし。転移成功。誰にも見られてないね?」
「はい。マスター」
「そこがこの転移の面倒なところね」
「わん」
各々感想を口にしつつ、グリーンバレーへの4日の旅程が一瞬で終わったことに安堵した。
このまま少し街道を進めばグリーンバレーの南門に出るはずだった。
「街中のどこかに拠点を確保して、その部屋の中へ転移するようにした方がいいかもね」
今後の課題にしようとカナタは思うのだった。
「あんな屋敷は要らないんだからね?」
カナタがまた大金を継ぎ込まないようにと小言を言いつつ、ヨーコは付いて来て正解だったと内心思っていた。
カナタの転移のイメージは目の前のドアを開けると向こう側に転移先があるという感じだった。
これは【ロッカー】の入り口から次元の海へと潜り、その先の出口を見つけて、そこに【ロッカー】の蓋を出す。
この【ロッカー】に閉じ込められた時の脱出プロセスとほとんど同じ過程を、カナタは転移としてイメージしていた。
今回は、明確に【転移】魔法として使用するために、【ロッカー】の蓋を等身大のドアに見立てていた。
「【転移】!」
カナタはリビングから庭の真ん中をイメージすると【転移】魔法を使用した。
すると目の前にドアが現れ、そのドアを開くとその先が草刈りの終わった庭となっていた。
カナタはドアを潜ると、その勢いでそのままドアを閉めた。
するとドアは消えて無くなり、カナタは庭の中心に立っていた。
「成功だ!」
その声に実験を見守っていたララとヨーコが玄関を出て庭に駆け付けた。
「本当だ! ドアが消えたと思ったら、外でカナタの声がした!」
「うん。庭に出て来たらカナタが見えた。一瞬だったよ」
ララがカナタの身体をぺたぺた触って、何の影響もないことを確かめている。
「痛い所とか、気持ち悪いところはない?」
ヨーコも心配そうに訊いてくる。
この世界では、【転移】が使える者など宮廷魔術師の最高位クラスに数人しか確認されていない。
いや、【転移】が使えるから最高位クラスに上り詰めることが出来たと言っても過言ではない。
それほど珍しく、難しいと言われているのが【転移】魔法なのだ。
目の前で【転移】を使用したカナタをララもヨーコも尊敬の眼差しで見つめていた。
カナタはステータスを見ると魔力の減り具合を確かめた。
【転移】1回の魔力量を確認したかったのだ。
すると、なんと目の前で魔力が最大値まで回復するところを目撃してしまった。
あまりに短距離だったこと、カナタの魔力回復量が尋常じゃなかったせいで、あっという間に魔力が回復してしまったのだ。
「これじゃ、いくら魔力を使ったかわからない。
安全確認ぐらいにしかならなかった……」
魔力量は距離を延ばせば確認出来る、しかし、それはグリーンバレーへと転移した時でもいいかとカナタは思った。
それより気になるのは人数制限の方だ。
定員オーバーするとどうなるのか?
騎獣などはカウントされるのか?
カナタはそっちの方が重要だと思っていた。
「よし、次は3人で【転移】出来るか実験だ」
カナタがそう言うと、ララは脱兎の如く逃げ出した。
ララは【転移】が怖いのだ。
ヨーコはこの後、グリーンバレーまで同行しなければならないので、覚悟を決めた様子だった。
「シフォン来てくれ。よしよし。いくよ【転移】!」
仕方ないので、カナタは庭を走り回っていたシフォンを捕まえると、リビングを目標に【転移】を唱えた。
ドアを開けるとその先にはリビングの中が見える。
そこに慌てて逃げ帰ったララが正面に飛び込んで来ていた。
どうやらドアは人がいないところに実体化しているようだ。
カナタはシフォンを抱いてヨーコを連れてドアを潜った。
【転移】は成功し、ドアは消えた。
カナタの知らないはずの知識が「どこ〇もドアだ」と訴えているがカナタは気にしないことにした。
次にニクを捕まえて3人と1匹という定員オーバーの状態で【転移】を使ったところ、なぜか【転移】出来てしまった。
不思議に思ったカナタはニクに代えてサキを連れて【転移】を使ったところ、最後の1人つまりサキがドアを潜る前にドアが消えてしまった。
これは最後をシフォンにしても同じだった。つまりサキとシフォンは共に1人(1匹)とカウントされているということ。
どうやらニクだけが1人とカウントされていないようだ。
ニクが愛砢人形であって人ではないからなのだろうか?
まあ、ここはもう1人連れていけるということで、得をしたと思っておこうとカナタは自分を納得させた。
カナタはお店の留守をララ、ルル、カリナに、その護衛をユキノ、サキ、レナに任せた。
今回のグリーンバレー出張は、滞在4日の予定でカナタ、ニク、ヨーコ、シフォンで行くことにした。
「それじゃあ、行ってくるよ。
お店の方は任せたよ」
「任せて」
ララが皆を代表して答える。
キキョウも並んでいたが、彼女も手伝うつもりなのだろうか?
カナタは気にしつつもグリーンバレーに向けて【転移】を使用した。
「【転移】!」
カナタが目の前のドアを開けると、グリーンバレー郊外の街道脇に繋がっていた。
さすがにカナタも街中にいきなり転移するのは拙いと思っていたのだ。
ドアの向こう側には幸い人影は無かった。
カナタは2人と1匹を連れてドアを潜った。
「よし。転移成功。誰にも見られてないね?」
「はい。マスター」
「そこがこの転移の面倒なところね」
「わん」
各々感想を口にしつつ、グリーンバレーへの4日の旅程が一瞬で終わったことに安堵した。
このまま少し街道を進めばグリーンバレーの南門に出るはずだった。
「街中のどこかに拠点を確保して、その部屋の中へ転移するようにした方がいいかもね」
今後の課題にしようとカナタは思うのだった。
「あんな屋敷は要らないんだからね?」
カナタがまた大金を継ぎ込まないようにと小言を言いつつ、ヨーコは付いて来て正解だったと内心思っていた。
0
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。
三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。
……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」
その言葉は、もう何度聞いたか分からない。
霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。
周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。
同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。
――俺だけが、何もできない。
反論したい気持ちはある。
でも、できない事実は変わらない。
そんな俺が、
世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて――
この時は、まだ知る由もなかった。
これは――
妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる