101 / 204
南部辺境遠征編
101 混成軍、魔物を討伐する
しおりを挟む
カナタたちが構築した枡形の数は120箇所だった。
枡形は左翼が33箇所、中央が54箇所、右翼が33箇所造られたのだ。
数日前になるが、斥候部隊の偵察により、魔物の数は5000と見られていたので、各枡形で40匹強の魔物を倒せばこの戦いは終了だった。
数体目撃されているAランクの魔物は冒険者パーティー『紅龍の牙』が所謂別動隊として受け持つことになっていた。
カナタたちは、ニクの魔法が期待されていて、他の魔術師とともに飛行型魔物の迎撃を任されていた。
第1軍500、第2軍500、第3軍500、冒険者500の約2000人が、この混成軍の戦力だった。
第3軍には他に総数500の兵站部隊と衛生部隊が待機していた。
この後、第1軍と第2軍の站部隊と衛生部隊も遅れて到着するはずだった。
予備兵力が200程度なのが気になるところだが、枡形毎に40匹強の魔物を倒せば良いので、平地にバラけて戦うという旧戦法よりも遥かに楽な戦いになるはずだった。
負傷者を後送するのは衛生部隊に任せられるので、著しく戦力の低下した枡形にのみ増援を送れば良いのだ。
まず足の速いハンターウルフが突っ込ん出来て、陣地へのスロープを駆け下りていく。
スロープの先は徐々に狭まり、横に広がっていたハンターウルフは狭い入り口へと集合させられた。
お互いぶつかってしまったハンターウルフはスピードを緩め、横に2匹並ぶ列となって奥へと向かった。
その先は迷路となっていて、分岐しては行き止まり、行き止まっては分岐してで列は崩れ分散していく。
そしてやっと正しい順路で辿り着いた先は、周囲を壁に囲まれた広場――枡形だった。
枡形の壁の上から弓矢と魔法がハンターウルフに撃ち込まれる。
倒れるハンターウルフが瘴気に変わり消える。
後続のハンターウルフが弓矢と魔法を掻い潜った先には、複数の冒険者が待ち構えており、3方向から攻撃を仕掛けて来る。
群で惑わし1対多で戦うハンターウルフが逆に多対1の状況を作られ簡単に殲滅されていった。
「いけるぞ! 次の魔物を狩るぞ!」
順調な討伐に冒険者の士気も上がるのだった。
魔物の種類もゴブリン、オークと変わり、手間はかかるが多対1の状況が作られているため、難なく魔物を討伐出来ていた。
「56番、苦戦しています! アーマーアントです!」
枡形は左翼の端から番号付けしてあった。
左翼が33中央が54右翼が33箇所なので、56番は中央54箇所の23番目、中央に配置した枡形の真ん中に近い場所だった。
「別動隊出撃! 壁の上から槍を落とせ! 槌やハンマーの鈍器で攻撃しろ!」
別動隊の対アーマーアント部隊が足止めされているアーマーアントに群がって倒す。
アーマーアントは数が増えればやっかいだが、幸いにも単体で行動しているようだった。
「おまえの策のおかげで順調のようだな」
そうカナタに声をかけて来たのは、Aランクの魔物が出て来ないので、ずっと待機状態のディーンだった。
カナタは城塞上のバルコニーに設置された司令部で休まされていた。
ここは全体が見えるので、状況把握に最適だった。
ここの対魔物陣地はカナタにより構築された仕組みだった。
これにより安全かつ効率的な魔物の討伐が実現し、辺境伯軍も冒険者も楽に討伐が出来ていた。
そのため、カナタはゆっくり休むように言われ、ここにいたのだ。
「後方上空に飛行型視認!」
【遠目】スキルを持った見張り員が叫ぶ。
カナタたちパーティーの出番がやっと来たのだ。
尤も、戦うのはニクだけなのだが……。
「ニク! 武器使用許可。飛行型魔物を排除!」
やっと出番の来た――といってもニクのだが――カナタはニクに攻撃を命じた。
「武器使用許可確認。飛行型魔物を排除します」
ニクが右腕を水平に上げると腕が眩く光り、遠方を飛んでいたバトルホーク、デスイーグルに光の線が次々に飛んでいった。
パパパと連続で光が瞬いた後、空を飛んでいた魔物は全て倒され墜落して行った。
何か大きな個体も落ちたようだが気のせいだろう。
「飛行型魔物の排除を確認。待機状態に入ります」
ニクのロングレンジ攻撃で一瞬にして飛行型魔物が倒された。
ほとんどがポイズンバットだったが、Bランク以上も多数含まれていた。
だが遠すぎて小さく見えたため誰も詳細には気付かなかった。
「あいかわらずとんでもない魔法だな。
それでDランクとは、ギルドのランク査定も信用ならないな」
ディーンは同じ司令部にいる副ギルド長をチラチラ見ながら嫌味を言った。
ディーン本人がSランクの恩恵に与っているくせにそれを棚に上げる言いようだった。
「この討伐任務終了後に当然ランクがあがるはずです」
「パーティーランクもだよな?」
「当然です。討伐数の無い他メンバー個人は駄目ですよ?」
ディーンがランクアップの言質をとってくれた。
尤も、何もしていないカナタまで一緒にランクアップすることはない。
カナタの貢献は冒険者としてよりも軍師としての貢献なので、辺境伯からの褒美が期待できるという程度の事なのだ。
「俺の出番はまだか?」
ディーンの担当のAランクの魔物がなかなか来なかった。
それもそのはず、さっき空を飛んでいた中にAランク数体いたので、足の速い個体はとっくに討伐済みだったのだ。
「おかしい。
もう魔物の数が5000を超えているだろ……」
参謀が魔物の数が斥候の偵察結果と違うことに気付いた。
簡単に討伐できているので気付かなかったが、本来ならそろそろ終わりが見えているはずだった。
斥候のミス? いや、偵察後にも数が増えたということだろう。
これは、前例のないことだった。
魔物の氾濫でまとまった数を発見すれば、それが本隊であって後続はない。
これが今までの氾濫のお約束だったのだ。
「まさか、あの規模で本隊ではない?」
それは悪夢以外の何ものでもなかった。
まだ後続があるなら、このままでは疲労で兵が戦えなくなる。
「予備兵力を投入、兵を休ませろ!
持久戦になるぞ!」
辺境伯軍は、予備兵力の投入を決定した。
だが、冒険者は既に総力戦で出払っていて予備兵力など存在しなかった。
「拙いな。冒険者には予備兵力など……」
冒険者指揮官であるディーンの目がカナタと合った。
「おまえ、戦えるだろ?」
「なんのことかな?」
カナタは目を逸らしてしらばっくれる。
これ以上働いて身を危険に晒したくなかったのだ。
カナタは陣地を構築してもう充分に働いたのだ。
「ちょっとディーン、カナタくんはもう充分働いたでしょ?
カナタくんの働きは千人の兵に匹敵したはずよ」
セレーンが庇ってくれたが、ディーンはそれ以上に強硬だった。
「俺たちもAランク魔物が来ない限り援護に出る。
サキさんもミクさんのように戦えると見た。
協力して欲しい」
カナタが突っ込みを入れたくなったのは、依頼内容よりもニクをミクとディーンが言い間違えていることだった。
まあ、ディーンが肉便器の別称であるニクを名前にしていると思っていないからなのだが、ニクの由来を知らないカナタには、どうして間違っているのかが不思議に思えた。
そのせいで依頼内容を精査しないうちに、カナタはディーンの勢いに飲まれてうっかり頷いてしまっていた。
「うん」
「え?」
カナタが簡単に納得したので、セレーンも驚くほどだったのだが、もう手遅れだった。
「そうか、やってくれるか!」
ディーンはカナタに前言を撤回されないようにと既成事実を重ねていく。
「よし、早速援軍として7番に入ってもらおう。
2パーティーの前衛が負傷で後退しているらしい。
俺たちは30番だ。行くぞ!」
ディーンは有無を言わせずカナタを戦場に引っ張り出した。
カナタはまだ「どうしてディーンはニクをミクって言ったんだろう?」と考えていた。
枡形は左翼が33箇所、中央が54箇所、右翼が33箇所造られたのだ。
数日前になるが、斥候部隊の偵察により、魔物の数は5000と見られていたので、各枡形で40匹強の魔物を倒せばこの戦いは終了だった。
数体目撃されているAランクの魔物は冒険者パーティー『紅龍の牙』が所謂別動隊として受け持つことになっていた。
カナタたちは、ニクの魔法が期待されていて、他の魔術師とともに飛行型魔物の迎撃を任されていた。
第1軍500、第2軍500、第3軍500、冒険者500の約2000人が、この混成軍の戦力だった。
第3軍には他に総数500の兵站部隊と衛生部隊が待機していた。
この後、第1軍と第2軍の站部隊と衛生部隊も遅れて到着するはずだった。
予備兵力が200程度なのが気になるところだが、枡形毎に40匹強の魔物を倒せば良いので、平地にバラけて戦うという旧戦法よりも遥かに楽な戦いになるはずだった。
負傷者を後送するのは衛生部隊に任せられるので、著しく戦力の低下した枡形にのみ増援を送れば良いのだ。
まず足の速いハンターウルフが突っ込ん出来て、陣地へのスロープを駆け下りていく。
スロープの先は徐々に狭まり、横に広がっていたハンターウルフは狭い入り口へと集合させられた。
お互いぶつかってしまったハンターウルフはスピードを緩め、横に2匹並ぶ列となって奥へと向かった。
その先は迷路となっていて、分岐しては行き止まり、行き止まっては分岐してで列は崩れ分散していく。
そしてやっと正しい順路で辿り着いた先は、周囲を壁に囲まれた広場――枡形だった。
枡形の壁の上から弓矢と魔法がハンターウルフに撃ち込まれる。
倒れるハンターウルフが瘴気に変わり消える。
後続のハンターウルフが弓矢と魔法を掻い潜った先には、複数の冒険者が待ち構えており、3方向から攻撃を仕掛けて来る。
群で惑わし1対多で戦うハンターウルフが逆に多対1の状況を作られ簡単に殲滅されていった。
「いけるぞ! 次の魔物を狩るぞ!」
順調な討伐に冒険者の士気も上がるのだった。
魔物の種類もゴブリン、オークと変わり、手間はかかるが多対1の状況が作られているため、難なく魔物を討伐出来ていた。
「56番、苦戦しています! アーマーアントです!」
枡形は左翼の端から番号付けしてあった。
左翼が33中央が54右翼が33箇所なので、56番は中央54箇所の23番目、中央に配置した枡形の真ん中に近い場所だった。
「別動隊出撃! 壁の上から槍を落とせ! 槌やハンマーの鈍器で攻撃しろ!」
別動隊の対アーマーアント部隊が足止めされているアーマーアントに群がって倒す。
アーマーアントは数が増えればやっかいだが、幸いにも単体で行動しているようだった。
「おまえの策のおかげで順調のようだな」
そうカナタに声をかけて来たのは、Aランクの魔物が出て来ないので、ずっと待機状態のディーンだった。
カナタは城塞上のバルコニーに設置された司令部で休まされていた。
ここは全体が見えるので、状況把握に最適だった。
ここの対魔物陣地はカナタにより構築された仕組みだった。
これにより安全かつ効率的な魔物の討伐が実現し、辺境伯軍も冒険者も楽に討伐が出来ていた。
そのため、カナタはゆっくり休むように言われ、ここにいたのだ。
「後方上空に飛行型視認!」
【遠目】スキルを持った見張り員が叫ぶ。
カナタたちパーティーの出番がやっと来たのだ。
尤も、戦うのはニクだけなのだが……。
「ニク! 武器使用許可。飛行型魔物を排除!」
やっと出番の来た――といってもニクのだが――カナタはニクに攻撃を命じた。
「武器使用許可確認。飛行型魔物を排除します」
ニクが右腕を水平に上げると腕が眩く光り、遠方を飛んでいたバトルホーク、デスイーグルに光の線が次々に飛んでいった。
パパパと連続で光が瞬いた後、空を飛んでいた魔物は全て倒され墜落して行った。
何か大きな個体も落ちたようだが気のせいだろう。
「飛行型魔物の排除を確認。待機状態に入ります」
ニクのロングレンジ攻撃で一瞬にして飛行型魔物が倒された。
ほとんどがポイズンバットだったが、Bランク以上も多数含まれていた。
だが遠すぎて小さく見えたため誰も詳細には気付かなかった。
「あいかわらずとんでもない魔法だな。
それでDランクとは、ギルドのランク査定も信用ならないな」
ディーンは同じ司令部にいる副ギルド長をチラチラ見ながら嫌味を言った。
ディーン本人がSランクの恩恵に与っているくせにそれを棚に上げる言いようだった。
「この討伐任務終了後に当然ランクがあがるはずです」
「パーティーランクもだよな?」
「当然です。討伐数の無い他メンバー個人は駄目ですよ?」
ディーンがランクアップの言質をとってくれた。
尤も、何もしていないカナタまで一緒にランクアップすることはない。
カナタの貢献は冒険者としてよりも軍師としての貢献なので、辺境伯からの褒美が期待できるという程度の事なのだ。
「俺の出番はまだか?」
ディーンの担当のAランクの魔物がなかなか来なかった。
それもそのはず、さっき空を飛んでいた中にAランク数体いたので、足の速い個体はとっくに討伐済みだったのだ。
「おかしい。
もう魔物の数が5000を超えているだろ……」
参謀が魔物の数が斥候の偵察結果と違うことに気付いた。
簡単に討伐できているので気付かなかったが、本来ならそろそろ終わりが見えているはずだった。
斥候のミス? いや、偵察後にも数が増えたということだろう。
これは、前例のないことだった。
魔物の氾濫でまとまった数を発見すれば、それが本隊であって後続はない。
これが今までの氾濫のお約束だったのだ。
「まさか、あの規模で本隊ではない?」
それは悪夢以外の何ものでもなかった。
まだ後続があるなら、このままでは疲労で兵が戦えなくなる。
「予備兵力を投入、兵を休ませろ!
持久戦になるぞ!」
辺境伯軍は、予備兵力の投入を決定した。
だが、冒険者は既に総力戦で出払っていて予備兵力など存在しなかった。
「拙いな。冒険者には予備兵力など……」
冒険者指揮官であるディーンの目がカナタと合った。
「おまえ、戦えるだろ?」
「なんのことかな?」
カナタは目を逸らしてしらばっくれる。
これ以上働いて身を危険に晒したくなかったのだ。
カナタは陣地を構築してもう充分に働いたのだ。
「ちょっとディーン、カナタくんはもう充分働いたでしょ?
カナタくんの働きは千人の兵に匹敵したはずよ」
セレーンが庇ってくれたが、ディーンはそれ以上に強硬だった。
「俺たちもAランク魔物が来ない限り援護に出る。
サキさんもミクさんのように戦えると見た。
協力して欲しい」
カナタが突っ込みを入れたくなったのは、依頼内容よりもニクをミクとディーンが言い間違えていることだった。
まあ、ディーンが肉便器の別称であるニクを名前にしていると思っていないからなのだが、ニクの由来を知らないカナタには、どうして間違っているのかが不思議に思えた。
そのせいで依頼内容を精査しないうちに、カナタはディーンの勢いに飲まれてうっかり頷いてしまっていた。
「うん」
「え?」
カナタが簡単に納得したので、セレーンも驚くほどだったのだが、もう手遅れだった。
「そうか、やってくれるか!」
ディーンはカナタに前言を撤回されないようにと既成事実を重ねていく。
「よし、早速援軍として7番に入ってもらおう。
2パーティーの前衛が負傷で後退しているらしい。
俺たちは30番だ。行くぞ!」
ディーンは有無を言わせずカナタを戦場に引っ張り出した。
カナタはまだ「どうしてディーンはニクをミクって言ったんだろう?」と考えていた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。
三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。
……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」
その言葉は、もう何度聞いたか分からない。
霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。
周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。
同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。
――俺だけが、何もできない。
反論したい気持ちはある。
でも、できない事実は変わらない。
そんな俺が、
世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて――
この時は、まだ知る由もなかった。
これは――
妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる