133 / 204
南部辺境遠征編
133 カナタ、セレモニーに付き合わされる
しおりを挟む
音声通信機の納入数が1日10台と安定したのは、各部門のリーダーを決めて独立した権限を与えたことによるものだった。
工房のリーダーとして指名されたゴンゾは早速自ら奴隷を雇いに行き、職人の数を増やしていた。
その雇った奴隷は木工や家具のスキル持ちではなかったが、真面目で働き者の女性という基準で選ばれていた。
これはスキルオーブにより、後付けで【木工】【家具】スキルを手に入れられるため、スキル持ちに限定する必要が無かったためだ。
ちなみに女性ばかりなのは、ゴンゾが何かを忖度したためだった。
この職人増員のため、カナタは宿舎を増築し、スキル限定1000連ガチャを追加で引くこととなった。
尤も、余ったスキルは【ガチャオーブ化】によりスキルオーブとなり、ルルのガチャ屋2号店で売られるので無駄にはならなかった。
スキルオーブの販売は評判となり、かなりの儲けを出すこととなった。
その儲けが新たなスキル限定1000連ガチャの費用となり、更なる儲けを産むという無限〇〇状態となっていた。
その弊害として、奴隷市場が高騰したのはカナタも予想外だった。
スキルの無い奴隷を安く買い、スキルを与えて有効に使う。
まさにゴンゾが行ったことに他の人達が気付くのも時間の問題だったのだ。
今までもスキルオーブを買ってそのようなことを行うことはままあったのだが、ここまで大量にスキルオーブが市場に出回るのはカナタのスキルガチャあってのことだった。
カナタはさすがにやり過ぎたと思ったのだが、一部スキルの販売を制限するに止め、ハズレスキルなどは逆に積極的に販売を推奨することとした。
ハズレスキルの所持は博打みたいなものだが、レベルを上げたり組み合わせると何か良いことがあるかもしれないという話は、ハズレスキルしか持っていなかった人たちに希望を与えることとなった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そんなある日、カナタはライジン辺境伯と冒険者ギルドから呼び出しを受けていた。
カナタは指名されたニクとサキ――グラスヒルの屋敷から急遽連れて来た――を伴い冒険者ギルドへとやって来た。
ライジン辺境伯の呼び出しも冒険者ギルドでということだったので、丁度良いところだった。
「やっと来たか!」
領都ライジニア冒険者ギルドの副ギルドマスターがカナタを見つけて走るように近寄って来た。
そういえば、魔物の氾濫でライジニアから同行して以来顔を合わせていなかったなとカナタは気付いた。
ここガーディアの冒険者ギルドは支部であり、常駐している上位の責任者が居なかった。
そのためこの有事にあたり領都のライジニアから副ギルドマスターがやって来ていたのだ。
「?」
カナタは頭に疑問符を浮かべながら副ギルドマスターの台詞に耳を傾けた。
「ギルドの緊急依頼の報酬受け渡しと、冒険者ランクの更新を行わねばならんというのに、いつになっても来ないとは何をしていたのだ!?」
副ギルドマスターはカナタが男爵に叙爵されたことを忘れたのか声を荒げていた。
まあ、魔物の氾濫に向かう途中でカナタとはそれなりに仲が良くなっていたからこそであり、カナタも不敬だなどとは全く思っていなかった。
「ごめんなさい。すっかり忘れてました」
呑気なものである。
「はぁ。もうとっくに手続きは終わっておる。
直ぐに受付で報酬と新しいギルドカードを受け取って来い」
副ギルドマスターは溜め息をつくと、今までの怒りはなんだったのかという好々爺然とした表情でカナタを促した。
受付に行くとカナタ、ニク、サキ三人のギルドカードが用意されていた。
カナタたちは古いDランクのギルドカードを渡して新しいギルドカードを受け取った。
そのカードは金色に輝いておりAランクという記述があった。
カナタたちの活躍を鑑みればSランク相当であったのだが、さすがにDランクからの4階級特進は前例がなく、一旦Aランクに留めることとなったのだ。
それでも問題がなかったわけではなく、副ギルドマスターがどれだけ苦労したのかは、カナタの知るところではなかった。
カナタたちは新しい冒険者ギルドカードと報酬をもらい、ライジン辺境伯を待つことになった。
ライジン辺境伯とは城塞で会う方が簡単だったのだが、なぜかここ冒険者ギルドが面会場所に指定されていた。
「よう、カナタたちも呼ばれたのか」
そこに居たのは『紅龍の牙』の面々だった。
カナタはまたディーンのおしゃべりに付き合わされることとなった。
暫く待っていると騎馬に先導された馬車が走って来ると冒険者ギルド前に横付けされた。
騎士は下馬すると物々しい態度で周囲を警戒しだした。
そして、騎士による壁が築かれ、その真ん中をライジン辺境伯が馬車から降りて歩いて来た。
カナタはその物々しい様子にポカンと開いた口が塞がらずにいた。
それを気にすることもなくライジン辺境伯がカナタに近づくと大仰にハグをした。
巨体を折り曲げ跪いているかのように見える体制だったが、本人はまるで気にしていないようだった。
「どうした。何を呆けている?」
ライジン辺境伯が、カナタの耳元で囁く。
「いつもと違うから……」
普段からライジン辺境伯は、このような物々しい登場はせず、まるで冒険者かのように一人で行動し、ざっくばらんな態度をとる。
それが何かのセレモニーかのような態度だった。
そこでカナタははたと気付いた。
「ああ、セレモニーなんだ」
そのカナタの呟きにライジン辺境伯はウインクで答え、カナタを離すと姿勢を正した。
「此度の魔物の氾濫での活躍、大儀であった。
ここにカナタ=ミル=ファーランドに男爵位を叙爵しミネルバの地を与える。
これよりカナタ=ファー=ミネルバを名乗るが良い。
加えて従者ミク、並びに従者サキを騎士爵に叙す。
三人には合わせてドラゴンのSRオーブ10個とHNオーブ5千個、Nオーブ5万3354個を与える」
一般向けのセレモニーそのものだった。
やっと褒賞となる領地の選定とオーブの回収が終わったため、このタイミングで発表となったわけだ。
またニクをミクと間違っているがカナタはスルーすることにした。
「謹んでお受けいたします」
カナタは儀礼として三人を代表して答えた。
ライジン辺境伯は、頷くと次は『紅龍の牙』の方に視線を向けた。
「続けて冒険者パーティー『紅龍の牙』、大儀であった。
金4憶DGを与え褒賞とする」
『紅龍の牙』は騎士爵叙爵を辞退し、その分金銭での褒賞を希望していた。
4億DGはパーティ―全員分の合算であり、その分配はパーティ―に任されていた。
大きな拍手が冒険者の間から起こり、この一般向けセレモニーは終了した。
このセレモニーに立ち会った冒険者は、魔物の氾濫に参加し活躍することがどのような結果を齎すのか、その噂を広げることとなるだろう。
それにより冒険者が魔物の氾濫鎮圧に積極的に参加してくれればありがたい、そのような思惑でのセレモニーだったのだ。
ライジン辺境伯は、登場と同じように威厳ある態度で馬車に戻ると去っていった。
これによりセレモニーは終了した。
「さて、僕たちはもう帰っていいのかな?」
「お待ちください。男爵」
副ギルドマスターが態度を改めて声をかけてきた。
先程の態度は冒険者から男爵へとなったことをアピールするためのポーズだったらしい。
その落差により男爵叙爵を冒険者たちに印象付ける演出だったのだ。
「ガチャオーブの引き取りをお願いいたします」
カナタが褒賞としてもらったガチャオーブは、冒険者ギルドで回収されここに保管されていた。
それをカナタは受け取らねばならなかった。
カナタは冒険者ギルドの倉庫へと行くと、サクッとそれらを【ロッカー】に仕舞い込んだ。
カナタは5万個ものハズレオーブを手にし、それを再装填して1万連ガチャを5回引いたらいったい何が出て来るのだろうかと期待に胸を膨らませた。
工房のリーダーとして指名されたゴンゾは早速自ら奴隷を雇いに行き、職人の数を増やしていた。
その雇った奴隷は木工や家具のスキル持ちではなかったが、真面目で働き者の女性という基準で選ばれていた。
これはスキルオーブにより、後付けで【木工】【家具】スキルを手に入れられるため、スキル持ちに限定する必要が無かったためだ。
ちなみに女性ばかりなのは、ゴンゾが何かを忖度したためだった。
この職人増員のため、カナタは宿舎を増築し、スキル限定1000連ガチャを追加で引くこととなった。
尤も、余ったスキルは【ガチャオーブ化】によりスキルオーブとなり、ルルのガチャ屋2号店で売られるので無駄にはならなかった。
スキルオーブの販売は評判となり、かなりの儲けを出すこととなった。
その儲けが新たなスキル限定1000連ガチャの費用となり、更なる儲けを産むという無限〇〇状態となっていた。
その弊害として、奴隷市場が高騰したのはカナタも予想外だった。
スキルの無い奴隷を安く買い、スキルを与えて有効に使う。
まさにゴンゾが行ったことに他の人達が気付くのも時間の問題だったのだ。
今までもスキルオーブを買ってそのようなことを行うことはままあったのだが、ここまで大量にスキルオーブが市場に出回るのはカナタのスキルガチャあってのことだった。
カナタはさすがにやり過ぎたと思ったのだが、一部スキルの販売を制限するに止め、ハズレスキルなどは逆に積極的に販売を推奨することとした。
ハズレスキルの所持は博打みたいなものだが、レベルを上げたり組み合わせると何か良いことがあるかもしれないという話は、ハズレスキルしか持っていなかった人たちに希望を与えることとなった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そんなある日、カナタはライジン辺境伯と冒険者ギルドから呼び出しを受けていた。
カナタは指名されたニクとサキ――グラスヒルの屋敷から急遽連れて来た――を伴い冒険者ギルドへとやって来た。
ライジン辺境伯の呼び出しも冒険者ギルドでということだったので、丁度良いところだった。
「やっと来たか!」
領都ライジニア冒険者ギルドの副ギルドマスターがカナタを見つけて走るように近寄って来た。
そういえば、魔物の氾濫でライジニアから同行して以来顔を合わせていなかったなとカナタは気付いた。
ここガーディアの冒険者ギルドは支部であり、常駐している上位の責任者が居なかった。
そのためこの有事にあたり領都のライジニアから副ギルドマスターがやって来ていたのだ。
「?」
カナタは頭に疑問符を浮かべながら副ギルドマスターの台詞に耳を傾けた。
「ギルドの緊急依頼の報酬受け渡しと、冒険者ランクの更新を行わねばならんというのに、いつになっても来ないとは何をしていたのだ!?」
副ギルドマスターはカナタが男爵に叙爵されたことを忘れたのか声を荒げていた。
まあ、魔物の氾濫に向かう途中でカナタとはそれなりに仲が良くなっていたからこそであり、カナタも不敬だなどとは全く思っていなかった。
「ごめんなさい。すっかり忘れてました」
呑気なものである。
「はぁ。もうとっくに手続きは終わっておる。
直ぐに受付で報酬と新しいギルドカードを受け取って来い」
副ギルドマスターは溜め息をつくと、今までの怒りはなんだったのかという好々爺然とした表情でカナタを促した。
受付に行くとカナタ、ニク、サキ三人のギルドカードが用意されていた。
カナタたちは古いDランクのギルドカードを渡して新しいギルドカードを受け取った。
そのカードは金色に輝いておりAランクという記述があった。
カナタたちの活躍を鑑みればSランク相当であったのだが、さすがにDランクからの4階級特進は前例がなく、一旦Aランクに留めることとなったのだ。
それでも問題がなかったわけではなく、副ギルドマスターがどれだけ苦労したのかは、カナタの知るところではなかった。
カナタたちは新しい冒険者ギルドカードと報酬をもらい、ライジン辺境伯を待つことになった。
ライジン辺境伯とは城塞で会う方が簡単だったのだが、なぜかここ冒険者ギルドが面会場所に指定されていた。
「よう、カナタたちも呼ばれたのか」
そこに居たのは『紅龍の牙』の面々だった。
カナタはまたディーンのおしゃべりに付き合わされることとなった。
暫く待っていると騎馬に先導された馬車が走って来ると冒険者ギルド前に横付けされた。
騎士は下馬すると物々しい態度で周囲を警戒しだした。
そして、騎士による壁が築かれ、その真ん中をライジン辺境伯が馬車から降りて歩いて来た。
カナタはその物々しい様子にポカンと開いた口が塞がらずにいた。
それを気にすることもなくライジン辺境伯がカナタに近づくと大仰にハグをした。
巨体を折り曲げ跪いているかのように見える体制だったが、本人はまるで気にしていないようだった。
「どうした。何を呆けている?」
ライジン辺境伯が、カナタの耳元で囁く。
「いつもと違うから……」
普段からライジン辺境伯は、このような物々しい登場はせず、まるで冒険者かのように一人で行動し、ざっくばらんな態度をとる。
それが何かのセレモニーかのような態度だった。
そこでカナタははたと気付いた。
「ああ、セレモニーなんだ」
そのカナタの呟きにライジン辺境伯はウインクで答え、カナタを離すと姿勢を正した。
「此度の魔物の氾濫での活躍、大儀であった。
ここにカナタ=ミル=ファーランドに男爵位を叙爵しミネルバの地を与える。
これよりカナタ=ファー=ミネルバを名乗るが良い。
加えて従者ミク、並びに従者サキを騎士爵に叙す。
三人には合わせてドラゴンのSRオーブ10個とHNオーブ5千個、Nオーブ5万3354個を与える」
一般向けのセレモニーそのものだった。
やっと褒賞となる領地の選定とオーブの回収が終わったため、このタイミングで発表となったわけだ。
またニクをミクと間違っているがカナタはスルーすることにした。
「謹んでお受けいたします」
カナタは儀礼として三人を代表して答えた。
ライジン辺境伯は、頷くと次は『紅龍の牙』の方に視線を向けた。
「続けて冒険者パーティー『紅龍の牙』、大儀であった。
金4憶DGを与え褒賞とする」
『紅龍の牙』は騎士爵叙爵を辞退し、その分金銭での褒賞を希望していた。
4億DGはパーティ―全員分の合算であり、その分配はパーティ―に任されていた。
大きな拍手が冒険者の間から起こり、この一般向けセレモニーは終了した。
このセレモニーに立ち会った冒険者は、魔物の氾濫に参加し活躍することがどのような結果を齎すのか、その噂を広げることとなるだろう。
それにより冒険者が魔物の氾濫鎮圧に積極的に参加してくれればありがたい、そのような思惑でのセレモニーだったのだ。
ライジン辺境伯は、登場と同じように威厳ある態度で馬車に戻ると去っていった。
これによりセレモニーは終了した。
「さて、僕たちはもう帰っていいのかな?」
「お待ちください。男爵」
副ギルドマスターが態度を改めて声をかけてきた。
先程の態度は冒険者から男爵へとなったことをアピールするためのポーズだったらしい。
その落差により男爵叙爵を冒険者たちに印象付ける演出だったのだ。
「ガチャオーブの引き取りをお願いいたします」
カナタが褒賞としてもらったガチャオーブは、冒険者ギルドで回収されここに保管されていた。
それをカナタは受け取らねばならなかった。
カナタは冒険者ギルドの倉庫へと行くと、サクッとそれらを【ロッカー】に仕舞い込んだ。
カナタは5万個ものハズレオーブを手にし、それを再装填して1万連ガチャを5回引いたらいったい何が出て来るのだろうかと期待に胸を膨らませた。
0
あなたにおすすめの小説
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる