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ウルティア国戦役編
152 カナタ、ニクの妹だと誤魔化す
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「とりあえず、ニクの服を借りて、街に服でも買いに行くか」
「とりあえず、これを」
ニクが自身のアイテムバッグから自分の服と靴を出してμ、ε、θの3人に着るように促した。
カナタは、その時初めて靴も必要だったかと思い当たった。
何も裸足で歩かせようとは思っていなかったのだが、ついうっかり失念していたのだ。
そこをニクがさりげなくフォローしてくれたので有難いと感謝した。
「靴も必要だったね。ニク、ありがとう」
μ、ε、θの3人は、ニクと体形がほとんど同じなため、靴も服もぴったりだった。
「うーん、いまいちね」
μがいらんことを言う。
それはサーナリアがニクのためにと選んだ服と靴なので、ニクでなくサーナリアをディスることになる。
まあ、それと似た服を選び続けているニクもどうかと思われるが……。
「私はこれで問題ありません。
特に服の好みもありませんので、そもそも選ぶという行為が出来ません」
εが、買い物に行っても服を選べないと言い出した。
カナタは個人個人で好みがあると思ったのだが、εはそんなことはどうでも良いらしい。
「私はどうせ強化外装を装備しますので、何を着ても無意味なのです」
「それでも普段は綺麗な服を着ていて欲しいな」
カナタはそのεの物言いに悲しくなってしまった。
εは見た目美少女なのだから、もっと着飾っても良いのにと。
「じゃあ、僕が選んであげるね」
カナタはけして服のセンスが良いとは言えなかったが、それでも何を着ても無意味というεに何か選んであげたかった。
「ミューは、いっぱい買ってもらうわよ?」
「私も」
μとθは、自重しないらしい。
まあ、その方が有難いかとカナタは金額の事は諦めることにした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カナタ、ニク、μ、ε、θの5人は、ミネルバ領の屋敷から【常設転移門】を使ってグラスヒルの屋敷までやって来た。
カナタの行動範囲にある服屋で一番品揃えが良いのがグラスヒルの店だったからだ。
カナタのガチャ屋1号店でも服を売っているのだが、それはアイテムオーブから出たガチガチの既製品だった。
所謂つるしと言われるサイズ違いしかバリエーションの無い服だった。
神様が与えた代わり映えのしないデザインの服が数パターン、それが庶民の着る一般的な服なのだ。
まあ、この服が安く出回ることにより、この世界では庶民は古着しか着れないなどということがないのは、ある意味生活の質が高いのかもしれなかった。
カナタが買い与えようとしている服は、それとは一線を画した職人により生地から縫い上げられた服だった。
客のスタイルによりその場で多少の直しが入るセミオーダーと呼ばれる服になる。
既製服とは別に、【服飾】スキル持ちの職人さんにより様々なデザインがなされ、女性たちを華やかに飾っているのだ。
グラスヒルは交通の要衝であるため、様々な地方から物資が集まって来る。
そのため服屋も様々な文化の影響を受けたデザインの服で溢れていた。
「さあ、着いたよ。
思う存分買っていいからね」
カナタが連れて来たのは、キキョウたちお気に入りの服屋だった。
グラスヒルのメンバーならば、ほとんどこの店を贔屓にしているのだ。
この店には服も下着も靴も揃っている。
タオル等の生活物資はガチャ屋1号店にいくらでも在庫があるので買う必要はなかった。
「買いまくるわよ!」「おー」
μとθが店の中を物色しだす。
両手いっぱいに服をかかえると店主に採寸してもらい、直ぐに直しを入れてもらっている。
わいわいと騒がしくしていたが、どうやら満足してくれたようだ。
カナタもεの服を無難に選び、この日はそのままグラスヒルの屋敷に泊ることにした。
「また増えたのね?」
グラスヒルには、まだヨーコやサキ、レナといった採掘担当組とガチャ屋1号店スタッフが住んでいた。
そこへ新たな美少女を3人も連れて行ったのだから、当然カナタはヨーコから棘のある台詞をいただくことになった。
「増えたのは事実だけど、彼女たちは違うんだ。
彼女たちは……」
どう違うのか説明しようとして、カナタはヨーコにニクたちが愛砢人形であることを教えなければ説明が無理だと悟った。
ニクが、わざわざ人ではないなどとは皆にも教えていなかったのだ。
当然3人のことも教えたくなかった。あくまでも彼女たちを人として扱いたかったのだ。
そのためカナタは二の句が継げなかった。
「別に困らせるつもりはないのよ。
何か言えない事情があるならそれでもいいわ。
まあ顔を見れば、ニクさんの関係者だってことはわかるから」
カナタの困った顔を見てヨーコが助け船を出してくれた。
μ、ε、θの3人は、ニクの姉妹機なのでニクと顔が似ている。
なので、姉妹にしてしまおうとカナタは思いついた。
「こっちはイプシロンで、こっちがシータ、そしてこっちがミュー。
3人ともニクの妹だ」
「妹です」
実際に3人はニクの姉妹機なので嘘ではなかった。
ニクも一応追従してくれた。
「まあ、そういうことにしておきましょうか」
ヨーコは疑問に思ったが、その必死な様子に折れて、ため息を吐きつつも事を収めてくれた。
「ああ、そうだ。
グリーンバレーの道具屋の店主から、これを預かって来たわよ。
追加料金の1万5千DGを支払っといたわ」
ヨーコが唐突に持ち出したのは【**人形の右脚】と【**人形の左脚】だった。
「そうか、鉱山ダンジョンにもゴーレムマスターは出るんだよな。
ヨーコ、ありがとう。これで戦力強化できるかも」
「え、ええ。良かったわね?」
ヨーコの微妙な反応は置いといて、カナタは重大なことに気付いた。
グリーンバレーの鉱山ダンジョンでは、山吹色のゴーレムオーブがドロップしているのだと。
山吹色のオーブが特殊で愛砢人形絡みだと気付いたのはカナタだけなので、これらを密かに回収出来るかもしれなかった。
「ヨーコ、鉱山採掘のメンバーに山吹色のオーブがドロップしてないか確認してくれ。
そうだ、冒険者ギルドにもゴーレムオーブ買取の依頼を出そう」
カナタはニク強化とともに、さらなる愛砢人形の補充も視野に入れていた。
ムンゾで襲撃して来た敵と思しき連中も愛砢人形を使っていた。
対抗戦力は多い方が良かった。
ちなみに【**人形の右脚】と【**人形の左脚】はシータが装備した。
なんでも地上を高速移動が出来るらしい。
その説明に「加速装置か!」と知らないはずの知識が囁いていた。
「とりあえず、これを」
ニクが自身のアイテムバッグから自分の服と靴を出してμ、ε、θの3人に着るように促した。
カナタは、その時初めて靴も必要だったかと思い当たった。
何も裸足で歩かせようとは思っていなかったのだが、ついうっかり失念していたのだ。
そこをニクがさりげなくフォローしてくれたので有難いと感謝した。
「靴も必要だったね。ニク、ありがとう」
μ、ε、θの3人は、ニクと体形がほとんど同じなため、靴も服もぴったりだった。
「うーん、いまいちね」
μがいらんことを言う。
それはサーナリアがニクのためにと選んだ服と靴なので、ニクでなくサーナリアをディスることになる。
まあ、それと似た服を選び続けているニクもどうかと思われるが……。
「私はこれで問題ありません。
特に服の好みもありませんので、そもそも選ぶという行為が出来ません」
εが、買い物に行っても服を選べないと言い出した。
カナタは個人個人で好みがあると思ったのだが、εはそんなことはどうでも良いらしい。
「私はどうせ強化外装を装備しますので、何を着ても無意味なのです」
「それでも普段は綺麗な服を着ていて欲しいな」
カナタはそのεの物言いに悲しくなってしまった。
εは見た目美少女なのだから、もっと着飾っても良いのにと。
「じゃあ、僕が選んであげるね」
カナタはけして服のセンスが良いとは言えなかったが、それでも何を着ても無意味というεに何か選んであげたかった。
「ミューは、いっぱい買ってもらうわよ?」
「私も」
μとθは、自重しないらしい。
まあ、その方が有難いかとカナタは金額の事は諦めることにした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カナタ、ニク、μ、ε、θの5人は、ミネルバ領の屋敷から【常設転移門】を使ってグラスヒルの屋敷までやって来た。
カナタの行動範囲にある服屋で一番品揃えが良いのがグラスヒルの店だったからだ。
カナタのガチャ屋1号店でも服を売っているのだが、それはアイテムオーブから出たガチガチの既製品だった。
所謂つるしと言われるサイズ違いしかバリエーションの無い服だった。
神様が与えた代わり映えのしないデザインの服が数パターン、それが庶民の着る一般的な服なのだ。
まあ、この服が安く出回ることにより、この世界では庶民は古着しか着れないなどということがないのは、ある意味生活の質が高いのかもしれなかった。
カナタが買い与えようとしている服は、それとは一線を画した職人により生地から縫い上げられた服だった。
客のスタイルによりその場で多少の直しが入るセミオーダーと呼ばれる服になる。
既製服とは別に、【服飾】スキル持ちの職人さんにより様々なデザインがなされ、女性たちを華やかに飾っているのだ。
グラスヒルは交通の要衝であるため、様々な地方から物資が集まって来る。
そのため服屋も様々な文化の影響を受けたデザインの服で溢れていた。
「さあ、着いたよ。
思う存分買っていいからね」
カナタが連れて来たのは、キキョウたちお気に入りの服屋だった。
グラスヒルのメンバーならば、ほとんどこの店を贔屓にしているのだ。
この店には服も下着も靴も揃っている。
タオル等の生活物資はガチャ屋1号店にいくらでも在庫があるので買う必要はなかった。
「買いまくるわよ!」「おー」
μとθが店の中を物色しだす。
両手いっぱいに服をかかえると店主に採寸してもらい、直ぐに直しを入れてもらっている。
わいわいと騒がしくしていたが、どうやら満足してくれたようだ。
カナタもεの服を無難に選び、この日はそのままグラスヒルの屋敷に泊ることにした。
「また増えたのね?」
グラスヒルには、まだヨーコやサキ、レナといった採掘担当組とガチャ屋1号店スタッフが住んでいた。
そこへ新たな美少女を3人も連れて行ったのだから、当然カナタはヨーコから棘のある台詞をいただくことになった。
「増えたのは事実だけど、彼女たちは違うんだ。
彼女たちは……」
どう違うのか説明しようとして、カナタはヨーコにニクたちが愛砢人形であることを教えなければ説明が無理だと悟った。
ニクが、わざわざ人ではないなどとは皆にも教えていなかったのだ。
当然3人のことも教えたくなかった。あくまでも彼女たちを人として扱いたかったのだ。
そのためカナタは二の句が継げなかった。
「別に困らせるつもりはないのよ。
何か言えない事情があるならそれでもいいわ。
まあ顔を見れば、ニクさんの関係者だってことはわかるから」
カナタの困った顔を見てヨーコが助け船を出してくれた。
μ、ε、θの3人は、ニクの姉妹機なのでニクと顔が似ている。
なので、姉妹にしてしまおうとカナタは思いついた。
「こっちはイプシロンで、こっちがシータ、そしてこっちがミュー。
3人ともニクの妹だ」
「妹です」
実際に3人はニクの姉妹機なので嘘ではなかった。
ニクも一応追従してくれた。
「まあ、そういうことにしておきましょうか」
ヨーコは疑問に思ったが、その必死な様子に折れて、ため息を吐きつつも事を収めてくれた。
「ああ、そうだ。
グリーンバレーの道具屋の店主から、これを預かって来たわよ。
追加料金の1万5千DGを支払っといたわ」
ヨーコが唐突に持ち出したのは【**人形の右脚】と【**人形の左脚】だった。
「そうか、鉱山ダンジョンにもゴーレムマスターは出るんだよな。
ヨーコ、ありがとう。これで戦力強化できるかも」
「え、ええ。良かったわね?」
ヨーコの微妙な反応は置いといて、カナタは重大なことに気付いた。
グリーンバレーの鉱山ダンジョンでは、山吹色のゴーレムオーブがドロップしているのだと。
山吹色のオーブが特殊で愛砢人形絡みだと気付いたのはカナタだけなので、これらを密かに回収出来るかもしれなかった。
「ヨーコ、鉱山採掘のメンバーに山吹色のオーブがドロップしてないか確認してくれ。
そうだ、冒険者ギルドにもゴーレムオーブ買取の依頼を出そう」
カナタはニク強化とともに、さらなる愛砢人形の補充も視野に入れていた。
ムンゾで襲撃して来た敵と思しき連中も愛砢人形を使っていた。
対抗戦力は多い方が良かった。
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