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ウルティア国戦役編
154 カナタ、周回ボスアタックに向かう1
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現在の採掘担当パーティーは、エルナ、ローレライの2人に追加の戦闘奴隷4人で編成されたエルナパーティーと、ニルムレッド、ミーリカの2人に追加の戦闘奴隷4人で編成されたニルムレッドパーティーの2パーティーが専従となっていた。
この8人の戦闘奴隷は、ヨーコパーティーによりパワーレベリング済みだった。
ヨーコパーティーは、ヨーコ、サキ、レナの3人に、随時新たに雇った戦闘奴隷を加えて編成しており、採掘のついでに新人の戦闘奴隷をパワーレベリングすることを目的とした育成パーティーだった。
「集めてみたら、無いものだね」
カナタはグリーンバレーの鉱山ダンジョンにて魔宝石の採掘任務に出ていた彼女たちから、ダンジョン内で遭遇した魔物から得たガチャオーブを回収して仕分け作業を行っていた。
ゴーレムマスターと遭遇し倒していれば、山吹色のゴーレムオーブを手に入れている可能性があったからだ。
「ゴーレムマスターは、魔宝石(大)を得るためにダンジョンの10階層以下に行くときにしか遭遇しないから」
ヨーコが呆れたように言う。
ヨーコはカナタが何の理由で山吹色のゴーレムオーブを欲しているかは理解していなかった。
しかし、それがカナタにとって重要なのだとは認識していた。
そこにはカナタも話すことの出来ない何かの事情があるのだろうと、敢えて訊かないようにしていた。
「確実に遭遇する場所があれば、積極的に倒して欲しいんだけど?」
「まあ、サキならゴーレムマスターぐらい簡単に倒せるんだけど、サキの幸運値だとガチャオーブの出が悪いのよね」
ゴーレムマスターは、ゴーレムを複数召喚して攻撃をしかけてくるという厄介な魔物だった。
倒しても倒しても新たなゴーレムを召喚してしまうので、冒険者はそのうち疲弊し死ぬか撤退を余儀なくされるのだ。
しかし、サキぐらいのレベルになると、ゴーレムマスターを直接倒すことが出来る。
むしろゴーレムからガチャオーブを得るために、ゴーレムマスターを倒さずにゴーレムを無限に生み出してもらうという手をヨーコは使っていた。
そのガチャオーブのドロップ率が幸運値に左右されるため、幸運値の低いサキには向かない仕事だったのだ。
「ゴーレムマスターなら20階層のフロアボスだから、時間をかけて何度もアタックすればゴーレムのオーブぐらい何とかなるわよ?」
フロアボスは時間でリポップするため、何度も周回して倒すことが出来た。
サキにHPを削ってもらって最後の止めだけを幸運値の高いメンバーに振ればいいわけだ。
まあ、サキがうっかり止めを刺してしまうことがあるので、その分時間がかかるということだ。
「それなら、僕が行った方が良いかもしれないね」
カナタの幸運値は現在276だ。
レベルも高いし、周回ボスアタックには最適だった。
「確かにそれも有りね」
【常設転移門】が使える今なら、多少のカナタの不在は他のメンバーでカバーが出来た。
こうしてカナタはグリーンバレーの鉱山ダンジョンに向かうこととなった。
愛砢人形の4人の護衛をゾロゾロと連れて。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「おかしい、ミネルバには砢システムの反応がない」
γ1とλ3はミネルバの街の中まで侵入し、γ1のセンサーにより砢システムの反応を調べていた。
愛砢人形は外観が人と見分けがつかないため、潜入調査にはむいていたのだ。
組織の間者により齎された情報では、ターゲットは南部辺境伯からミネルバの割譲を受けた男爵の護衛だということだった。
λ3のムンゾ撤退からの日数的に、ターゲットはムンゾからミネルバに戻っているタイミングのはずだった。
未だ警戒が必要な状況で、最大戦力が護衛対象の側を離れるわけがないと思われていた。
「姉さま、あれを!」
λ3が指し示したのは、国境の街であるミネルバのライジン辺境伯軍の駐屯所だった。
そこには膨大な人数の軍の兵士が駐屯していた。
「あの旗はライジン辺境伯の第二軍!
いつライジニアからここに来た?」
ライジン辺境伯の第一軍と第二軍は、魔物の氾濫終結後に領都ライジニアまで凱旋したはずだった。
ミネルバはガーディアからなら5日の距離だが、ライジニアからなら移動に10日以上かかるはずだった。
その第二軍がいつのまにかミネルバにいるという異常事態だった。
「つまり敵は何らかの移動手段を手に入れている?」
γ1は指揮型としての電脳をフル回転させて可能性を探る。
「まさか【転移門】か!」
そうなると最大戦力である愛砢人形のミネルバ不在も頷ける。
【転移門】でいつでも瞬時に戻れるのだから、他の場所に行っていても構わないのだ。
第二軍の展開も【転移門】で一日も経たずに終えたということだろう。
「これは組織に報告を上げなければならない事案ですわ」
しかし、行動に移そうとした彼女はその場を動くことが出来なかった。
「くっ! こんなところで強制力が!」
γ1は組織の第二作戦が危ぶまれる事態であるにも関わらず、その組織の命令に寄る強制力により動けないことに困惑するしかなかった。
彼女たちは、命令に従う義務があり、その強制力に支配されていた。
この事態に於いても自ら動いて第二軍を壊滅させるとか、持ち場を離れて報告に戻るということが出来なかった。
それは組織が愛砢人形の反乱を恐れて、命令実行厳守という制限かけたためだった。
彼女たちに与えられた命令が、愛砢人形1体の破壊のみだったことが不幸の始まりだった。
この8人の戦闘奴隷は、ヨーコパーティーによりパワーレベリング済みだった。
ヨーコパーティーは、ヨーコ、サキ、レナの3人に、随時新たに雇った戦闘奴隷を加えて編成しており、採掘のついでに新人の戦闘奴隷をパワーレベリングすることを目的とした育成パーティーだった。
「集めてみたら、無いものだね」
カナタはグリーンバレーの鉱山ダンジョンにて魔宝石の採掘任務に出ていた彼女たちから、ダンジョン内で遭遇した魔物から得たガチャオーブを回収して仕分け作業を行っていた。
ゴーレムマスターと遭遇し倒していれば、山吹色のゴーレムオーブを手に入れている可能性があったからだ。
「ゴーレムマスターは、魔宝石(大)を得るためにダンジョンの10階層以下に行くときにしか遭遇しないから」
ヨーコが呆れたように言う。
ヨーコはカナタが何の理由で山吹色のゴーレムオーブを欲しているかは理解していなかった。
しかし、それがカナタにとって重要なのだとは認識していた。
そこにはカナタも話すことの出来ない何かの事情があるのだろうと、敢えて訊かないようにしていた。
「確実に遭遇する場所があれば、積極的に倒して欲しいんだけど?」
「まあ、サキならゴーレムマスターぐらい簡単に倒せるんだけど、サキの幸運値だとガチャオーブの出が悪いのよね」
ゴーレムマスターは、ゴーレムを複数召喚して攻撃をしかけてくるという厄介な魔物だった。
倒しても倒しても新たなゴーレムを召喚してしまうので、冒険者はそのうち疲弊し死ぬか撤退を余儀なくされるのだ。
しかし、サキぐらいのレベルになると、ゴーレムマスターを直接倒すことが出来る。
むしろゴーレムからガチャオーブを得るために、ゴーレムマスターを倒さずにゴーレムを無限に生み出してもらうという手をヨーコは使っていた。
そのガチャオーブのドロップ率が幸運値に左右されるため、幸運値の低いサキには向かない仕事だったのだ。
「ゴーレムマスターなら20階層のフロアボスだから、時間をかけて何度もアタックすればゴーレムのオーブぐらい何とかなるわよ?」
フロアボスは時間でリポップするため、何度も周回して倒すことが出来た。
サキにHPを削ってもらって最後の止めだけを幸運値の高いメンバーに振ればいいわけだ。
まあ、サキがうっかり止めを刺してしまうことがあるので、その分時間がかかるということだ。
「それなら、僕が行った方が良いかもしれないね」
カナタの幸運値は現在276だ。
レベルも高いし、周回ボスアタックには最適だった。
「確かにそれも有りね」
【常設転移門】が使える今なら、多少のカナタの不在は他のメンバーでカバーが出来た。
こうしてカナタはグリーンバレーの鉱山ダンジョンに向かうこととなった。
愛砢人形の4人の護衛をゾロゾロと連れて。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「おかしい、ミネルバには砢システムの反応がない」
γ1とλ3はミネルバの街の中まで侵入し、γ1のセンサーにより砢システムの反応を調べていた。
愛砢人形は外観が人と見分けがつかないため、潜入調査にはむいていたのだ。
組織の間者により齎された情報では、ターゲットは南部辺境伯からミネルバの割譲を受けた男爵の護衛だということだった。
λ3のムンゾ撤退からの日数的に、ターゲットはムンゾからミネルバに戻っているタイミングのはずだった。
未だ警戒が必要な状況で、最大戦力が護衛対象の側を離れるわけがないと思われていた。
「姉さま、あれを!」
λ3が指し示したのは、国境の街であるミネルバのライジン辺境伯軍の駐屯所だった。
そこには膨大な人数の軍の兵士が駐屯していた。
「あの旗はライジン辺境伯の第二軍!
いつライジニアからここに来た?」
ライジン辺境伯の第一軍と第二軍は、魔物の氾濫終結後に領都ライジニアまで凱旋したはずだった。
ミネルバはガーディアからなら5日の距離だが、ライジニアからなら移動に10日以上かかるはずだった。
その第二軍がいつのまにかミネルバにいるという異常事態だった。
「つまり敵は何らかの移動手段を手に入れている?」
γ1は指揮型としての電脳をフル回転させて可能性を探る。
「まさか【転移門】か!」
そうなると最大戦力である愛砢人形のミネルバ不在も頷ける。
【転移門】でいつでも瞬時に戻れるのだから、他の場所に行っていても構わないのだ。
第二軍の展開も【転移門】で一日も経たずに終えたということだろう。
「これは組織に報告を上げなければならない事案ですわ」
しかし、行動に移そうとした彼女はその場を動くことが出来なかった。
「くっ! こんなところで強制力が!」
γ1は組織の第二作戦が危ぶまれる事態であるにも関わらず、その組織の命令に寄る強制力により動けないことに困惑するしかなかった。
彼女たちは、命令に従う義務があり、その強制力に支配されていた。
この事態に於いても自ら動いて第二軍を壊滅させるとか、持ち場を離れて報告に戻るということが出来なかった。
それは組織が愛砢人形の反乱を恐れて、命令実行厳守という制限かけたためだった。
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