父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

文字の大きさ
164 / 204
ウルティア国戦役編

164 カナタ、憤る

しおりを挟む
お知らせ
 156、157、160話において、「強化外装」と書くべきところが全て「外部兵装」となっていました。
申し訳ありません。修正いたしました。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「マスター、ラムダ3は黒13と呼ばれる工作員から齎された情報をある程度持っています」

 λラムダ3は黒13とコードネームで呼ばれる工作員と、つい最近まで行動を共にしていた。
黒13は迂闊な奴で、訊いてもいないのに組織の秘密をべらべら喋るような奴だった。

「黒13によると、先の魔物の氾濫は意図的に起こされ、ライジン辺境伯軍の兵を削る目的があったようです。
その際、アフオ男爵にライジン辺境伯暗殺の指示も出していたようです」

 カナタがただの魔物の氾濫だと認識していたあの件が、組織による謀略であったとここに判明した。

「組織は何らかの手段により、魔物をコントロールできるようです。
その際にゴーレムマスターを多く参加させて、そのドロップのガチャオーブを後で調達するという一石二鳥を狙っていたようです」

「その話はガンマ1も耳に挟んだことがあるわ。
今回はNアイテムオーブの出がぜんぜんなくておかしいと言っていたわ」

「あー、それがミューたちが出た時の5万個のオーブね」

 それはカナタが褒賞として5万個のNオーブを独り占めしたからだった。
そのおかげでミューとシータとイプシロン+強化外装を得たのだ。
もしこのオーブが組織の手に渡っていたら、彼女たちはカナタとニクの敵として目の前に現れたかもしれなかったのだ。

「まさか、狙いは愛砢人形ラブラドールが出るガチャオーブだったのか!」

 その作業をライジン辺境伯の領軍にやらせたということだろう。
領軍にも被害が出て、目的のガチャオーブも手に入れられる。
巧妙な手口だった。
だが、そのNオーブを偶然カナタが褒賞として欲したために、組織は何も手に出来なかったのだ。
しかもカナタ指南の枡形地形によって、領軍にもほとんど被害が出なかった。
さらに、アフオ男爵がライジン辺境伯暗殺に失敗というか手も出せないという体たらく。

「偶然とはいえ、良い方向に行って良かったよ」

 これもカナタの持つ加護と幸運値のなせる業なのかもしれない。

「次の標的はミネルバここです。
黒13がアフオに指示をして何かをさせていたのは間違いありません。
ごめんなさい。それが何かはわかりません」

「いや、充分だよ。
これでアフオが暗躍していたミネルバの危機と組織の存在が完全に繋がった。
敵はウルティア国の謎の組織。
ミネルバを守るためにも、謎の組織と事を構える必要がある」

 カナタは、ここにウルティア国行きを決意した。
転移の魔道具でウルティア国に入り、後は自前の【転移】でミネルバの拠点と行き来する。
カナタならばミネルバの守りを固めつつ、ウルティア国でも活動が可能なはずだった。

「そういえば、あのアフオの胸についていた装置は何なんだ?」

「それは……」

 カナタの何気ない問いにλラムダ3は口ごもってしまった。
それを受けγガンマ1が、一瞬躊躇を見せたが決意したような表情で説明を始めた。

「あれは人の心を操る装置です。
あれには、愛砢人形ラブラドールから取り出されたシステムが流用されています……」

 つまりあれのために愛砢人形ラブラドールが1人犠牲になったということだった。
いや、研究段階で何人が犠牲になったかわかったものではない。
そして、今も組織が誰かを操ろうと思ったのなら愛砢人形ラブラドールの命が奪われているのだろう。

「一刻を争う必要があるな。
同行者は誰にする?」

「マスター、私たちは【転移】の携行人数にはカウントされません」

 愛砢人形ラブラドール全員が自分の意思で同行するつもりだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。

三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。 ……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」 その言葉は、もう何度聞いたか分からない。 霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。 周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。 同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。 ――俺だけが、何もできない。 反論したい気持ちはある。 でも、できない事実は変わらない。 そんな俺が、 世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて―― この時は、まだ知る由もなかった。 これは―― 妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

処理中です...