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ウルティア国戦役編
180 カナタ、ゴーレムを召喚する
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不確定ガチャオーブとして一般に良く知られているのは、5歳10歳15歳の誕生日に神様により授けられる誕生日スキルオーブがあった。
それは個人の持つ幸運値の要素に影響されず、全ての子供が平等にスキルの恩恵に与れるというもののはずだった。
しかし、呪いの影響下にあったカナタはそこでも悪い結果を引いていた。
それが幸運値マイナスのせいだったのか、たまたまだったのかは判らないのだが、少なくとも酷い結果と言われるものだったのは間違いなかった。
カナタは宝箱から得た不確定ガチャオーブを開けたくてたまらなかったのだが、そのハズレにはバッドステータスを齎すものがあると言われているため、寸前で思いとどまった。
あらゆる危険のあるダンジョンの中では開けるべきではないというのは当たり前だろう。
もし、カナタが全魔法を使えなくなったらどうするのか?
動けなくなったら?
不確定ガチャオーブ開放は、万全の体制を整えたうえで拠点屋敷でするべきだろう。
「それで、この杖なんだけど……」
カナタが手にしているのはSRアイテムの【ゴーレム召喚の杖】だった。
この杖は使用者のレベルによりゴーレムの種類が、魔力量により召喚数の上限が決まる。
カナタならば最上位ゴーレムを複数召喚出来ても不思議ではなかった。
もし、この杖で召喚したゴーレムを自分たちで倒して素材を得ることが出来るなら、このまま鉱山ダンジョンの下層にいく必要はなくなる。
そんな最強アイテムだった。
「とりあえず、鉄ゴーレムを1体出してみるよ」
カナタは鉄ゴーレム1体と念じて杖を振った。
振る必要があるのかはわかっていなかったが、なんとなく振ってみた。
すると目の前の床に魔法陣が描かれ鉄ゴーレム1体が水面から浮上するように現れた。
「おお、こんなに簡単に召喚できるんだ!」
次はそれを倒した場合の実験となる。
「ミュー、やっちゃって」
「どうなっても知らないよ?」
そう言うとミューは次元ブレードで鉄ゴーレムを縦に真っ二つにした。
すると鉄ゴーレムは、通常の魔物と同様に瘴気となって消えるとガチャオーブとDGをドロップした。
「ご主人さま? どう?」
カナタはステータス画面を見ていた。
自分が召喚した鉄ゴーレムが倒されたことで、召喚者である自分に何か影響があるのかと気になっていたのだ。
何らかのリスクがあるのならば、召喚したゴーレムを使ってガチャオーブを得ようなんてやらない方が良いのだ。
「うーん、何もないかな?
DGも減ってないし、所持しているアイテムにも変化はないみたい」
「じゃあ、このガチャオーブとDGは何処から?」
無くなっているとすれば、召喚の時に消費したMPだが、それと物理的なガチャオーブやDGの関係が良く判らなかった。
「うーん、神様からの贈り物でいいのかな?」
カナタは無理やり納得することにした。
実験はまだまだ続くのだ。
次に実験するのは、どのゴーレムが出せるのかだ。
「よし、オリハルコンゴーレムを1体、召喚!」
カナタがそう言って杖を振ると、先ほどの魔法陣よりも煌びやかな魔法陣が床に描かれ、オリハルコンのボディを持つゴーレムが召喚されて来た。
「ご主人さま、どう?」
そのオリハルコンゴーレムもサクッと倒したミューが訊く。
「魔力も大して減ってないな」
いや、パーセンテージで言えばたしかに微量かもしれないが、それはカナタの魔力が尋常ではないためで、数値としては有り得ない量のMPが消費されていた。
しかし、これはとんでもない結果だった。
つまりカナタがゴーレムを召喚してミューが倒すだけで、無限に希少金属素材のガチャオーブが手に入るのだ。
カナタのMPなんて少し休めば回復してしまう。
まさに永久機関。いくらでもどうにでもなる。
「ああ、これはヤバイな。
上位素材は使うだけの量に止めよう」
便利すぎるというのも逆に不自由なものなのだ。
あまり大規模にやらかすと、ちょっかいをかけて来る不届き者を呼び寄せることになる。
その危険は身に染みて理解しているカナタだった。
そして、カナタにはふと思いついた事があった。
もし砢システムを持つ肉ゴーレムと念じて召喚したらどうなるのだろうと。
ちょっと怖くて実験することが出来なかったカナタだった。
それは個人の持つ幸運値の要素に影響されず、全ての子供が平等にスキルの恩恵に与れるというもののはずだった。
しかし、呪いの影響下にあったカナタはそこでも悪い結果を引いていた。
それが幸運値マイナスのせいだったのか、たまたまだったのかは判らないのだが、少なくとも酷い結果と言われるものだったのは間違いなかった。
カナタは宝箱から得た不確定ガチャオーブを開けたくてたまらなかったのだが、そのハズレにはバッドステータスを齎すものがあると言われているため、寸前で思いとどまった。
あらゆる危険のあるダンジョンの中では開けるべきではないというのは当たり前だろう。
もし、カナタが全魔法を使えなくなったらどうするのか?
動けなくなったら?
不確定ガチャオーブ開放は、万全の体制を整えたうえで拠点屋敷でするべきだろう。
「それで、この杖なんだけど……」
カナタが手にしているのはSRアイテムの【ゴーレム召喚の杖】だった。
この杖は使用者のレベルによりゴーレムの種類が、魔力量により召喚数の上限が決まる。
カナタならば最上位ゴーレムを複数召喚出来ても不思議ではなかった。
もし、この杖で召喚したゴーレムを自分たちで倒して素材を得ることが出来るなら、このまま鉱山ダンジョンの下層にいく必要はなくなる。
そんな最強アイテムだった。
「とりあえず、鉄ゴーレムを1体出してみるよ」
カナタは鉄ゴーレム1体と念じて杖を振った。
振る必要があるのかはわかっていなかったが、なんとなく振ってみた。
すると目の前の床に魔法陣が描かれ鉄ゴーレム1体が水面から浮上するように現れた。
「おお、こんなに簡単に召喚できるんだ!」
次はそれを倒した場合の実験となる。
「ミュー、やっちゃって」
「どうなっても知らないよ?」
そう言うとミューは次元ブレードで鉄ゴーレムを縦に真っ二つにした。
すると鉄ゴーレムは、通常の魔物と同様に瘴気となって消えるとガチャオーブとDGをドロップした。
「ご主人さま? どう?」
カナタはステータス画面を見ていた。
自分が召喚した鉄ゴーレムが倒されたことで、召喚者である自分に何か影響があるのかと気になっていたのだ。
何らかのリスクがあるのならば、召喚したゴーレムを使ってガチャオーブを得ようなんてやらない方が良いのだ。
「うーん、何もないかな?
DGも減ってないし、所持しているアイテムにも変化はないみたい」
「じゃあ、このガチャオーブとDGは何処から?」
無くなっているとすれば、召喚の時に消費したMPだが、それと物理的なガチャオーブやDGの関係が良く判らなかった。
「うーん、神様からの贈り物でいいのかな?」
カナタは無理やり納得することにした。
実験はまだまだ続くのだ。
次に実験するのは、どのゴーレムが出せるのかだ。
「よし、オリハルコンゴーレムを1体、召喚!」
カナタがそう言って杖を振ると、先ほどの魔法陣よりも煌びやかな魔法陣が床に描かれ、オリハルコンのボディを持つゴーレムが召喚されて来た。
「ご主人さま、どう?」
そのオリハルコンゴーレムもサクッと倒したミューが訊く。
「魔力も大して減ってないな」
いや、パーセンテージで言えばたしかに微量かもしれないが、それはカナタの魔力が尋常ではないためで、数値としては有り得ない量のMPが消費されていた。
しかし、これはとんでもない結果だった。
つまりカナタがゴーレムを召喚してミューが倒すだけで、無限に希少金属素材のガチャオーブが手に入るのだ。
カナタのMPなんて少し休めば回復してしまう。
まさに永久機関。いくらでもどうにでもなる。
「ああ、これはヤバイな。
上位素材は使うだけの量に止めよう」
便利すぎるというのも逆に不自由なものなのだ。
あまり大規模にやらかすと、ちょっかいをかけて来る不届き者を呼び寄せることになる。
その危険は身に染みて理解しているカナタだった。
そして、カナタにはふと思いついた事があった。
もし砢システムを持つ肉ゴーレムと念じて召喚したらどうなるのだろうと。
ちょっと怖くて実験することが出来なかったカナタだった。
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