父親が呪われているので家出してガチャ屋をすることにしました

北京犬(英)

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ウルティア国戦役編

179 カナタ、宝箱を開ける

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 カナタ一行は漸く馬車に乗り鉱山ダンジョンへと出発した。
ミュー3とラムダ4が別行動となったため、あれだけ悩んだ乗車の組み合わせは無駄となった。
となれば、カナタの乗る1台目の馬車には、いつものようにニク、リュゼット、ラキス、ミューが付いて来ることになった。
2台目の馬車にはガンマ1、イプシロン+強化外装、シータ、ラムダ3、ミュー2が乗る。
グリーンバレーの拠点には、現在ヒルダしかいない。
余剰戦力があれば連れて行くところだったのだが、ヒルダを連れて行くわけにもいかず、員数不足――基本は1パーティー6人――でも仕方ないとカナタは諦めた。

 グリーンバレーの北門を出て暫く行くと元鉱山だった鉱山ダンジョンに到着した。
そこには鉱山従事者の家だった小屋が点在していたが、今は住民はなく冒険者の宿として冒険者ギルドから貸し出されていた。
ここにはカナタと顔見知りの冒険者ギルド職員、ハンスが常駐しているため、カナタは【転移】で直接ダンジョン内に出入りすることを今回は避けていた。
カナタとニクの2人程度ならば、こっそり【転移】で入ることは吝かではないのだが。

「ありがとう、またよろしく」

「「いいえ、ご主人さま、とんでもないです」」

 カナタ一行は馬車から降りると御者にねぎらいの言葉をかけて拠点に戻ってもらった。
御者も奴隷であり、雇い主であるカナタに言葉をかけられて恐縮していた。
この御者の2人は農家出身の口減らし組だったが、戦闘スキルをスキルオーブで得ていたので、拠点の防衛にも一役買うことが出来た。
彼女たちは、この後夕刻になればダンジョンに入った1番隊から5番隊を迎えに来ることになっている。
それまでにカナタたちがダンジョンから帰っていれば、順番でピストン輸送してもらうことになる。

「おい、なんだ? また違う女を連れて来たのか?」

 鉱山ダンジョンの入口では、ハンスがいつものように冒険者の出入りを管理していた。
前回はこっそり転移で入ってしまったが、それ以前の来訪とはメンバーの半数以上が違っている。
それを覚えていることにカナタは驚いた。
この鉱山ダンジョンには1日で100人以上の出入りがあるはずだった。
その無数の人の中でたまにしか来ないカナタ一行の人員を細かく把握しているなど、尋常な能力ではなかった。
ハンスは一見昼行燈に見えるのに、ここの管理を任されるだけのことはあるのだなとカナタは感心した。
まあ、カナタ一行が7歳児に見える子供に美女複数という、誰もが忘れようがない存在だというのも一因なのだが、カナタはそれには気付いていなかった。

「あはは。そんなところです。
Aランク2人にBランク3人、Cランク3人とDランク2人です」

「全員Dランク以上だな。問題なし」

 カナタが冒険者ギルドカードを提出すると、ハンスは名前とランクを出入り管理帳に記載しギルドカードを返しながら行けと手を振った。
前回は【転移】で入ってしまって申し訳ないと思いながら、カナタは鉱山ダンジョンへと入って行った。

 カナタ一行はパワーレベリングする必要もないため、シータの道案内でサクサクとダンジョン内を踏破して行った。

「ご主人さま、この部屋ならば人目に付きません」

 シータが案内したのは隠し部屋だった。
ここならばカナタたちがダンジョン内で【転移】しても誰の目にもつかないはずだった。

「ここから20階層に転移する」

 そう言うとカナタは20階層のボス部屋近くの路地を思い浮かべ転移ポイントとした。
そして転移魔法を使うと目の前に出た転移門の扉を開いた。
そして顔を扉から出すと周囲を伺った。

「よし、目撃者なし」

 カナタがそう言うと、ミューとミュー2、シータの3人が素早く扉を潜った。
ミューとミュー2が護衛で、シータが周辺警戒をするのだ。

「クリア!」

 シータの探知で周辺に誰も居ないことが確認された。
その合図で全員が扉を潜る。
最後にカナタが潜ると扉を閉めた。

「20階層、ボス部屋側の路地です」

 シータが現在地を確認する。

「僕らはボス部屋を周回してたから、この下の21階層入り口が最高到達地点になる。
とりあえず、行きがけの駄賃で20階層フロアボスのゴーレムマスターを倒してから先に進もう」

「「「「「わかりました」」」」」

 この後サクッとフロアボスを倒すと山吹色のゴーレムオーブと複数のHNガチャオーブを拾った。
そして、先に進もうと階段を降りようとしたところ、目の前に見慣れぬ物体が置いてあった。

「こ、これはまさか!」

「ご主人さま! 宝箱です!」

 シータが自慢の高速移動でシュタッと宝箱の前に移動すると各種センサーで調べ始めた。

「罠無し、鍵無し。このまま開けられますよ?」

 シータが宝箱を開けたそうにこちらを見ている。
ここでシータに任せても良いのだが、もしこの宝箱にも幸運値が影響するとなると、カナタが開けるのが最善だった

「もし宝箱にも幸運値が影響するといけない。
僕が開いた方が良いだろう」

 カナタは手柄を独り占めしたいというわけではなかったが、結果的にそうなるような雰囲気なので躊躇したが、気を取り直して実利を取った。

「そうですね……」

 シータが残念そうに一歩引いてカナタに場所を譲った。

「もしかして【鑑定】で中身がわかるかな?」

 カナタはそこで宝箱に【鑑定】をかけたのだが、Lv.5では宝箱の中身を鑑定できなかった。
いや、シータと同じく罠無し鍵無しということだけは鑑定出来た。
どうやらLv.5より上のレベルでなければ中身は鑑定出来ないようだ。

「やっぱり駄目か。
まあそんなに期待してなかったから良いんだけど」

 カナタは気にせず、そのまま宝箱を開けた。
宝箱はシータの見立てとカナタの鑑定通り罠もなく鍵もかかっていなかった。
そしてその中身は……。


レアリティ不明 不確定ガチャオーブ
        開けるまで何が出て来るかわからないガチャオーブ
        幸運値の影響を受けないため博打要素が高い
        中身は大当たりか大外れだと言われている
        全ては確率により決まり人を選ばない

レアリティ不明 不確定ガチャオーブ
        開けるまで何が出て来るかわからないガチャオーブ
        幸運値の影響を受けないため博打要素が高い
        中身は大当たりか大外れだと言われている
        全ては確率により決まり人を選ばない

レアリティ不明 不確定ガチャオーブ
        開けるまで何が出て来るかわからないガチャオーブ
        幸運値の影響を受けないため博打要素が高い
        中身は大当たりか大外れだと言われている
        全ては確率により決まり人を選ばない

レアリティ不明 不確定ガチャオーブ
        開けるまで何が出て来るかわからないガチャオーブ
        幸運値の影響を受けないため博打要素が高い
        中身は大当たりか大外れだと言われている
        全ては確率により決まり人を選ばない

レアリティ不明 不確定ガチャオーブ
        開けるまで何が出て来るかわからないガチャオーブ
        幸運値の影響を受けないため博打要素が高い
        中身は大当たりか大外れだと言われている
        全ては確率により決まり人を選ばない

Nアイテムオーブ ゴーレムオーブ
         ゴーレムが出て来るアイテムオーブ
         ノーマルなので肉、泥、石ゴーレムなどが出る

Nアイテムオーブ ゴーレムオーブ
         ゴーレムが出て来るアイテムオーブ
         ノーマルなので肉、泥、石ゴーレムなどが出る

SRアイテム ゴーレム召喚の杖
       使用者のレベルにより肉、泥、石、鉄……アダマンタイトなどの
       ゴーレムを召喚できる
       召喚数は使用者の魔力量による
       一般的な魔導士ならば1体が限度


「ああ、あるとは聞いていたけど、やっと目にすることが出来た。
これが不確定ガチャオーブか!
【鑑定】が一切効かないぞ!」

「それよりこの【ゴーレム召喚の杖】です!
魔力があればいくらでもゴーレムを召喚できるんですよ?
召喚者のレベルが高ければミスリルゴーレム、いやオリハルコンゴーレムだって召喚可能なスーパーレアアイテムです!」

 カナタは珍しい不確定ガチャオーブを手に入れて興奮していたが、リュゼットはゴーレム召喚の杖に興奮していた。
カナタのレベルや魔力量、さらに加護と幸運値なら、とんでもないことが起きるはずだったからだ。
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