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抜き打ち検査、その②
しおりを挟む「さっきから何をしてる、騒々しい!」
上下ジャージで丸刈りの教師(以下、体育会系の教師)が、近辺に集まっている生徒たちをかき分けてこちらにやってきた。
「――って、うわあああああああああああ!」
もう飽きたよこのパターン。
「おいおまえ!」体育会系の教師は怒鳴った。「警察呼ぶぞ!」
テメーもカヨ。流行ってんのか?
「さあ選ぶんだ! 俺が警察を呼ぶか、おまえが俺の代わりに今日の放課後、学校の戸締まりのチェックをするかを!」
だから何でその2択になるんだっつーの。テメーら揃いも揃って雛人形をダシにして雑用欲するなや。
「よし! そうだな!」体育会系の教師は納得するように言った。「分かった分かった」
何が?
「先生も警察を呼ぶほど鬼じゃない。今日はおまえが掃除当番を代わりにやって、放課後俺の代わりに学校の戸締まりをチェックするんだ。号令だけは勘弁してやる」
一方的に生徒に雑用押しつけてる時点で鬼ですけど。
つーか警察呼ぶってどういうこと――。
とまあ何やかんやあって、俺は放課後に掃除と校内の戸締まりのチェックをすることになってしまった。
押し付けられた掃除当番と校内の戸締りチェックを終えた時には、午後八時を回っていた。
「最悪だ……」
原因はハッキリしている。
マコだ。
マコさえ居なけりゃこんなことにはならなかった。
やはり除霊しなければ。
あのお寺ではダメだった。調べたところ、ちょっと離れたところでお祓いをしている大きな寺があるらしい。そこは除霊のレベルが高いらしく、口コミも平均星四・五でとても評判が良い。
難点なのは、お祓いにまとまった金が要ることだ。
「金かあ……。バイトだよなあ……夏休み入ったら……」
小遣い少ないし、親に相談できないし。この夏休みは思い切りダラけたかったのだが、
仕方ない。奴を祓うためだ。
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