心障ニート狂想曲

F星人

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仕事に底辺とかあるんですか?

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「……底辺な仕事って……どういうことですか?」
 
 これまで溜まりに溜まったものが吐き出たんだと思う。

 俺はアツくなっていた。

 周りが見えないくらいに。

「何だテメエは?」

 あ? と、大島おおしまが口を大きく開けて威嚇する。

「単純な仕事しか出来ないのが悪いんですか?」

 大島おおしまは鼻で笑って、

「フツーに生きてりゃそんなバカのする仕事しなくて済むだろ」

 フツーに生きてりゃ、か。

 ミナミみたいなこと言うな……。

「そんなのおかしいですよ……」

 フツーに生きていけない人だって居るの知らないのか?

「フツ―に働けてるだけで凄いことなのに……」

 働きたくても、フツーに働けない人だって居ることを、知らないのか?

「なんでそうやってバカにするのか分からないです……」

 どいつもコイツも。

「どんな仕事でも働けてるだけで凄いのに……」

 フツーフツーフツーって。

「仕事に底辺とか無いと思います……」

「あるよ」

 大島おおしまはキッパリ言い切った。

「だから格差があるんだろうが。バカじゃねえの?」

 言われてカーッと来ていた。

 久しぶりに『怒り』という感情が臨界点を突破していた。

 今にも大島おおしまに突っかかりたかった。

 大島おおしまに、一泡吹かせるくらいの言葉を浴びせたかった。

 でも、今現在もそうだけど、俺には無かった。

 それに対抗できる言葉が、思いつかなかった。

 俺は涙が出そうなくらいな悔しさと、怒りに縛られて、何も言えず、大島おおしまを睨み付けることしか出来なかった。

「僕は大丈夫ですよ」

 その、新垣にいがきさんの柔らかな一言が、俺をソッと冷却してくれた。

「大丈夫です。仕事に戻りましょう」

 新垣にいがきさんは、俺の手首を取って、強引にその場から引き離した。

 その最中で、大島おおしまが勝ち誇った顔をしているのが見えた。

 それは殴りたくなるほど憎たらしい顔だった。

 

 
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