心障ニート狂想曲

F星人

文字の大きさ
13 / 121

リネンとは?

しおりを挟む

「そう。リネンの人が足りなくてね」

「リネン……初めて聞きます。何をする仕事ですか?」

「各階の布団カバーの数を数えたり、アメニティーの在庫を管理したりするお仕事よ。他にも一杯あるけど、難しくないからどお?」

 どうしよう……。

 客室清掃より人と話さなければいけない仕事だったら……。

「リネンでしたら大丈夫ですよ」

 と言いながら、サヤシさんが奥の扉から入ってきた。

「あらサヤシくん。でも土日、人が居ないんでしょう?」

「……そうですが……」

「でしょ? じゃあ和泉いずみさんに入ってもらえば楽じゃない? サヤシくん、無理して土日入ったりしてるし」

「……まあ……」

 と、サヤシさんは何故か厄介者を見るように俺を見た。

「あ、あのー、大丈夫ならボクは客室清掃にしますけど……」

 あの感じだと、サヤシさんはリネン。

 そして俺には入ってほしくなさそうだし。

 俺も敵意を向けてくる人と仕事したくないし。

「そう言わずに、ね? リネンに入ってくれない?」

「え、ええと……」

「もしかしたら客室清掃だと不採用になるかもしてないわよ?」

 いやさっき採用っつったろ履歴書も見ずに。

「う、うーん、でも……」

「リネンの方が楽しいかもしれないよ? ね?」

「えっと、じゃあ、その……」

 俺はサヤシさんをチラッと見てから、

「人手不足なら……」

 押し負けてしまった。

「ありがとう。じゃあリネンで決まりね!」

 サヤシさんのため息が聞こえた。

 彼は何故、俺を煙たがるのだろう……。

「服のサイズはLで良いかしら?」

 と、沢井さわいさんは奥の部屋からビニールで包まれた新品の白シャツを持ってきた。

「はい、Lで大丈夫です」

 俺は白シャツを受け取った。

「ズボンはそっちで用意してね。黒い長ズボンよ、良い?」

「あ、はい」

「じゃあ来月の六月二十日、朝の十時にまたここに来てちょうだい」

「……分かりました」

 面接が終わった時に思い出した。

 俺自身が『倒れちゃいけないと考えれば考えるほど倒れてしまうという人間だ』ということに。

 それを忘れるほど変な面接だったのか、それともワイパックスの効能のお陰だったのか。

「絶対おかしいって、あそこ……」

 もちろん前者だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

処理中です...