心障ニート狂想曲

F星人

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最悪の馴れ初め

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 くそ……。

 新しいことに挑戦して、成功した先でこんなことになるなんて。

『悩みすぎだろ』

 なぜ、あの時、口に出してしまったんだ。

 あのままスルーしていれば、今頃俺は良い気分で帰宅していたのに。

「ねえ、ホントに分からない? アタマの病院行く?」

 なぜ、こんなヤベー奴の相手をすることになってんだ俺は。

「あー、そうですね、アタマの病院行ってきます」

「じゃなくて」

 と、またも女子は俺を制止したのだった。

「オーダーの仕方とか分からないから、代わりにやってって言ってるの」

「……俺が?」

「うん」

「……なぜ?」

「だから分からないからだって。めんどくさい人だなあ」

 あなたに言われたくないんですが。

「……分かりました。じゃあオーダーしてあげますんで、それで帰らせてくださいよ」

「ありがとー! じゃあ行こっか」

 女子はパアッと笑顔を咲かせた。

 俺と謎の女子は、2人でカフェに入ることになった。

(はあ……。なんつー奴だよ……)

 こんな人類初めて遭遇したぞ。

 人間に擬態した火星人じゃねえだろうな。

「ええと、タマゴサンドを単品で――」

「あ、すみません、アイスカフェオレのセットでお願いします」

 と、女子がすかさず俺のオーダーに割って入ってきた。

「え? え? 何? セットって――」

 俺が問おうとしたら、女子は「しー」っと指を立てて止めた。

 オーダーはタマゴサンド、アイスカフェオレのセットになった。

(コイツ、オーダーの仕方知らないとか嘘だな……)

 と思った矢先、

「あとでお金払うから、お会計お願い」

 女子は俺に小声かつ早口で言った。

(ったく……)

 グダると後ろの人に迷惑だと思い、俺は仕方なく支払った。

「じゃあ席決めてくるから持ってきてねー」

 と、女子は颯爽と席の確保に向かったのだった。

(あいつ……)

 このカフェの仕組みも知ってるな絶対。

 タマゴサンド(とアイスカフェオレ)を届けたら、すぐお金を返してもらって、とっとと帰るか。

 

 
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