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高く評価されたら嬉しいよね。
しおりを挟む「いや、ホント、和泉さん理解力高くて安心します……」
鞘師さんは体を起こす。
「他の人はそう言われてもテキトーにそのまま数えるんですよ。これから減るっていうのに……」
「へ、へえ……。でも、そういえば何でこれ数えるんですか?」
そうでした、と鞘師さんは思い出したかのように言った。
「『この階層にはバスタオルやハンドタオルがこれだけしかない』ってことを記入する表であって、その表の数を基に発注する数を決める大事なものなんです」
「発注……」俺は呟いた。
「はい。バスタオル等のことをリネンっていうんですけど。そのリネンを洗濯や管理してる会社に、次の日に必要なリネンを発注するために数えるんですよ」
「必要なリネンを発注……」
「はい。階層ごとに必要なリネンを発注するために必要なんです、その表は。全ての階層の部屋数はほぼ同じですが、必要数は異なってきます。ゲストが『バスタオルとかハンドタオルが余分に欲しい』と要望が来たりでその差がどんどん出てくるので」
「あー、なるほど。じゃあアレですね。ちょっと少なめにカウントした方が良いですか?」
鞘師さんは深く頷いた。
「その考えで合ってます。少ないより、多いに越したことはないですからね。少なくカウントすればするほど、会社の人が発注数を多くします。逆に多くカウントすれば、発注数を少なくします」
「じゃあ、それで足りなくなったら大変ですね」
そうなんですよー、と鞘師さんは眉をひそめた。
「前にそういうことがあって、近くの同系列のホテルからバスタオルを借りに行くハメになって大変だったことがありました」
「えええ……。笑えないですね……」
「ホントに笑えませんでした。逆に多すぎてもダメなので注意してくださいね」
はい、と俺は返事した。
「このカウントはリネンの仕事の中で一番重要で、一番難しいものでもあります。まあ、和泉さんならすぐに慣れますよ」
ニコッと微笑んだ鞘師さんに「いえいえ」と、まんざらでもないリアクションを起こしてしまう俺なのだった。
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