18 / 280
一章 聖女さん、追放されたので冒険者を始めます。
18 聖女さん、三人パーティー
しおりを挟む
ステラのそんな頼み。
それを受けるか否かなんてのは考える必要など何処にもなくて。
「いいよ。組もうかパーティー」
私は二つ返事でそう答えた。
「い、いいのか!?」
「逆に駄目な理由が見つからないかな」
ああそうだ。
別に悩む必要なんてない。
「私は同じような境遇で奇跡的に知り合ったステラの事、勝手に友達だと思ってたからさ。理由なんてそれで充分じゃない?」
そう、それで十分なんだ。
見ず知らずの誰かの為に頑張る気力は中々湧いてこない。
あの馬鹿の所為でそういう気は失せた。
だけど仲良くしていきたい誰かの為だったら結構色々な事を頑張れると思う。
それにそもそもこの程度、私達なら頑張らなくてもどうにかなる筈だしね。
「……アンナ」
そこにシルヴィも軽く手を上げた。
「あ、わ、私も! 私もアンナさんと同じで。大歓迎です!」
「シルヴィまで……」
そしてステラは泣きそうな表情を浮かべる……そして笑みを浮かべて言う。
「……ありがとう。本当に俺は、人との出会いに恵まれてるな」
「大袈裟じゃない?」
「そうですよ」
「大袈裟なんかじゃねえよ……ほんと、恵まれてる」
そう言った後、ステラはこちらに手を差し出してくる。
「じゃあこれから……よろしくな、二人共」
「うん」
「はい!」
そして私達は三人で握手を交わす。
こうして私達のパーティーは三人になったのだった。
それはそれとして、友達だと思ってるって言った時、何言ってんだコイツみたいな顔されなくて本当に良かった。
正直なんか不安だったからマジで良かった……。
……っていうか冷静に考えて私結構恥ずかしい事言ってないかな?
言ってた気がする。
でもまあほんと、結果的に色々な事が良い方向に転がってくれて良かったと思うよ。
私達的にも二人より三人の方が良かったと思うし。
私達も私達に見合った依頼を受けたかったわけで、これで少しでも受けやすくなったわけで、良いことしかない。
そもそもwin-winな感じの相談だったんだよね。
それに昨日のお店無茶苦茶美味しかったから無くなってほしくなかったし……うん。
まあ、そんな打算的な話は二の次なんだけどさ。
……とにかく、しばらくはこの三人で頑張っていけたらなって思う。
……うん、恵まれてる。
まだ二日目。
色々あってまだ二日目でこうして気の許せる仲間が二人も出来たっていうのは、本当に人との出会いに恵まれてるって思うよ。
それを受けるか否かなんてのは考える必要など何処にもなくて。
「いいよ。組もうかパーティー」
私は二つ返事でそう答えた。
「い、いいのか!?」
「逆に駄目な理由が見つからないかな」
ああそうだ。
別に悩む必要なんてない。
「私は同じような境遇で奇跡的に知り合ったステラの事、勝手に友達だと思ってたからさ。理由なんてそれで充分じゃない?」
そう、それで十分なんだ。
見ず知らずの誰かの為に頑張る気力は中々湧いてこない。
あの馬鹿の所為でそういう気は失せた。
だけど仲良くしていきたい誰かの為だったら結構色々な事を頑張れると思う。
それにそもそもこの程度、私達なら頑張らなくてもどうにかなる筈だしね。
「……アンナ」
そこにシルヴィも軽く手を上げた。
「あ、わ、私も! 私もアンナさんと同じで。大歓迎です!」
「シルヴィまで……」
そしてステラは泣きそうな表情を浮かべる……そして笑みを浮かべて言う。
「……ありがとう。本当に俺は、人との出会いに恵まれてるな」
「大袈裟じゃない?」
「そうですよ」
「大袈裟なんかじゃねえよ……ほんと、恵まれてる」
そう言った後、ステラはこちらに手を差し出してくる。
「じゃあこれから……よろしくな、二人共」
「うん」
「はい!」
そして私達は三人で握手を交わす。
こうして私達のパーティーは三人になったのだった。
それはそれとして、友達だと思ってるって言った時、何言ってんだコイツみたいな顔されなくて本当に良かった。
正直なんか不安だったからマジで良かった……。
……っていうか冷静に考えて私結構恥ずかしい事言ってないかな?
言ってた気がする。
でもまあほんと、結果的に色々な事が良い方向に転がってくれて良かったと思うよ。
私達的にも二人より三人の方が良かったと思うし。
私達も私達に見合った依頼を受けたかったわけで、これで少しでも受けやすくなったわけで、良いことしかない。
そもそもwin-winな感じの相談だったんだよね。
それに昨日のお店無茶苦茶美味しかったから無くなってほしくなかったし……うん。
まあ、そんな打算的な話は二の次なんだけどさ。
……とにかく、しばらくはこの三人で頑張っていけたらなって思う。
……うん、恵まれてる。
まだ二日目。
色々あってまだ二日目でこうして気の許せる仲間が二人も出来たっていうのは、本当に人との出会いに恵まれてるって思うよ。
11
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります
桜井正宗
ファンタジー
無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。
突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。
銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。
聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。
大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる