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一章 聖女さん、追放されたので冒険者を始めます。
26 聖女さん、横槍を入れられる
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魔物の大群との戦いを終えた私達は、改めて目的地のドラゴンの住む山へと向かって歩いていた。
「さて、もうちょっとで登山開始だね」
「此処からが本番って感じだな」
そう、此処からが本番。
私達のこれまでの行動は、もう目と鼻の先にある目的地のダンジョンとでも言うべき山への移動中だったにすぎなくて、本番は此処からだ。
「どうします? この辺りで水分補給も兼ねて一休みしておきます?」
「賛成。結構歩いたし喉乾いたよ」
「俺も賛成……なんか丁度いい場所は……っと、良い感じに木陰になってる所があるな。あそこで休もうぜ」
「あ、いいね」
そんな訳で私達はステラが指差した木陰へ移動する。
「でも欲を言えば座りやすい岩とかが有ってくれたら良かったんですけどね」
「確かに。まあ良いんじゃねえの地べたでも。汚れてる訳じゃねえし」
「ちょいと待った。無けりゃ作ればいいじゃん」
言いながら私は軽く地面に手を触れ、地面から正方形の小さめの結界を作り出す。
そして着席。
「うん、良い感じの調整」
硬さを抑えてあえて柔らかく。
良い感じに低反発な椅子っぽくしてみました。
「あ、なるほど。その手があったか」
「じゃあ私も」
そう言って二人も結界で椅子を作り出す。
「……折角だから背もたれとかも付けるか」
「そこまでやるならひじ置きも付けますか」
「あ、私もそうしよ。っと、そうするんだったら、折角だしひじ置きにドリンクホルダーも付けとこ」
「いいですね」
「じゃあさっさと作っちまうか」
で、それから約10秒後、各々の椅子が完成。
自分で言うのもなんだけど、超技術の見本市だ。
そしてそれから私達は各々持ってきていた邪魔にならない程度の小さめなナップサックから水筒を取り出し水分補給。
「うん、運動した後の水っておいしいわー」
「ですね。っと、そうだ。少し小腹空いたし携帯食料空けてみようかな」
そう言ってシルヴィはスティック状の携帯食料を開封して一口。
「……うん、お腹は満たされそうですけど、味は可もなく不可も無くって感じですかね」
「まあ調理無しでどこでも食べられるってのが売りだからね」
「つーかアレだな。こんなにゆっくり休憩するんだったら、サンドイッチでも作ってくりゃ良かったな」
「完全にピクニックじゃんそれ……でも作ってくれたら嬉しいかも」
「だろ? 次は何か用意してくるわ。俺実は結構料理とか自信あるんだ」
「へぇ……なんか楽しみ」
「よろしくお願いします!」
意外な所で女子力稼いでるじゃん。
……とまあ、そうやって次回の約束を取りつけつつ木陰で一休み。
そしてそのまま十数分程雑談を交わしながらゆっくりしていて、そろそろ出発しますかって話をしていた時だった。
「……ん? 何かこっちに来てるね」
「山の方からと……俺達が来た方角からか」
「山の方からするのは完全に魔物の気配ですね……それも結構強い感じの」
ほぼ同時に気配を感知した私達は、急いで荷物を纏めて結界の椅子を消滅させ、木陰の外へ出る。
……そして目視で捉えた。
「……ドラゴンか」
「む、向こうから降りてきましたね……」
山の方からこちらに向かってきていたのはドラゴンだった。
赤くて大きな飛竜。
「これ多分俺達を狙って来てるんだよな」
「多分さっきと同じパターンだと思うんですけど」
「だとしたら……やっぱり誰かに操られているって説が濃厚なのかも」
私は二人に対してそう告げる。
「ん? なんか分かったのか?」
「具体的にどんなドラゴンが生息しているのかは聞いてなかったけど、一目見たら分かった。あれはレッドドラゴンだよ」
「レッド……ドラゴン? すみません、あまり詳しくなくて」
「レッドドラゴンはあまり好戦的な種族じゃないんだ。自分達の巣に近付いた外敵には容赦無いけど、この位距離が離れた場所に居る私達を態々襲いに来るってのは基本的に無い筈」
「詳しいな」
「リュウ君を飼う為にドラゴンに関しては色々勉強したからね。その辺の知識は専門家の一歩手前位の自信はあるよ」
だからこそある程度自信を持って言える。
「成程ね。確かに知識ねえと飛竜とか絶対飼えないだろうしな」
「まあ知識が有っても普通は中々飼えないと思いますけどね」
「そ、普通は人間がドラゴンを……まあ言い方悪いけどコントロールするみたいな、そういう事は基本的に難しいわけ」
だから。
「だからさっきの魔物の軍勢も含めて、とんでもない何かがバックに居る気がするんだよね」
「ま、少なくともドラゴンも操れるような誰かが居るって事だもんな」
「となると薬草を取りに行ってご対面するのはドラゴンじゃなくて、その犯人かもしれない訳ですね」
「そう……だね」
……そう考えると気が重い。
モンスターと戦う事ならできるけど、人間を思いっきりぶん殴るとかやった事無いし。
なんかこう……そういうのは倫理的にというか道徳的にというか、少々躊躇うし嫌だよね。
でもまあそんな事やってる人間が居たら結局ぶん殴って憲兵にでも突き出すと思うけど。
……まあ、そんな先の事は置いておいて。
「と、とりあえずあのドラゴンどうにかしようか。操られていようとなかろうと、牙を向かれたら戦うしかない訳だし」
そう言って風の魔術を発動させようとしたその時だった。
「キミ達! 大丈夫か!」
背後から魔術で響かせていると思わしき、大きな声が聞こえてきた。
結構若い感じの男の声だ。
そしてドラゴンと同じようなタイミングで感じていた気配が四つと一匹、猛スピードで接近してくる。
リュウ君程じゃないけど、中々のスピード。
「何ですかねあれ……でっかい鳥に人が乗ってる?」
「大丈夫かって、俺達に言ってんのか?」
「じゃないかな? 私達しかいないし」
猛スピードで接近してきた巨大な鳥は、私達のすぐ近くに着地。
そしてその背から、四人の人影が飛び降りた。
金髪で大検を背負った正統派の戦士の様な男。
弓を手にして腰にナイフを携えた正統派の狩人の様な女性。
先端に宝石がはめ込まれた杖を持つ正統派の魔術師の様な女性。
修道服のような衣服を身に纏ってその手に小さな十字架を握る正統派の僧侶の様な女性。
とにかく……なんか正統派ハーレムパーティーみたいな、そんな方々。
「良かった。無事みたいだね」
「えーっと、誰?」
いきなり脈略も無く出てきたので思わずそう聞き返すと、先程からの声の主である長身の金髪の男が言う。
「時間が無さそうだからだから簡潔に。俺達もキミ達と同じ冒険者だよ。キミ達が受付嬢の手違いで受けた依頼を受けられる資格があるランクのね」
そう言って現れた男は剣を抜く。
「俺達はギルドから依頼されてキミ達を助けに来たんだ。この依頼はとてもじゃないが駆け出しの冒険者が受けられる依頼じゃない。こんな所にまでドラゴンが下りてきている。俺達が来るのが遅れたらキミ達は次の瞬間には消し炭になっていたかもしれない」
「は、はぁ……」
「さ、ドラゴンが来るぞ! 皆、戦闘態勢だ!」
「「「はい!」」」
そんな風に、私達を置いてけぼりで突然現れた正統派ハーレム冒険者パーティーの方々は臨戦態勢を取る。
そんな彼らを見てまず思う事が一つ。
「な、なあ、この状況ってさぁ……」
「ええ、ちょっとマズい事になったかもしれません」
「うん、なんか凄く心配になってきた」
そうして私達は遠く離れた功労者に向けて祈る。
「あのシズクって子、大丈夫かなぁ……」
「だと、いいですね……」
「元はと言えば俺の所為だからな……すげえ心配なんだけど」
私達を此処に送り出してくれた新人受付嬢の女の子が、受付嬢をクビになったりしていませんようにと。
「さて、もうちょっとで登山開始だね」
「此処からが本番って感じだな」
そう、此処からが本番。
私達のこれまでの行動は、もう目と鼻の先にある目的地のダンジョンとでも言うべき山への移動中だったにすぎなくて、本番は此処からだ。
「どうします? この辺りで水分補給も兼ねて一休みしておきます?」
「賛成。結構歩いたし喉乾いたよ」
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「あ、いいね」
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「でも欲を言えば座りやすい岩とかが有ってくれたら良かったんですけどね」
「確かに。まあ良いんじゃねえの地べたでも。汚れてる訳じゃねえし」
「ちょいと待った。無けりゃ作ればいいじゃん」
言いながら私は軽く地面に手を触れ、地面から正方形の小さめの結界を作り出す。
そして着席。
「うん、良い感じの調整」
硬さを抑えてあえて柔らかく。
良い感じに低反発な椅子っぽくしてみました。
「あ、なるほど。その手があったか」
「じゃあ私も」
そう言って二人も結界で椅子を作り出す。
「……折角だから背もたれとかも付けるか」
「そこまでやるならひじ置きも付けますか」
「あ、私もそうしよ。っと、そうするんだったら、折角だしひじ置きにドリンクホルダーも付けとこ」
「いいですね」
「じゃあさっさと作っちまうか」
で、それから約10秒後、各々の椅子が完成。
自分で言うのもなんだけど、超技術の見本市だ。
そしてそれから私達は各々持ってきていた邪魔にならない程度の小さめなナップサックから水筒を取り出し水分補給。
「うん、運動した後の水っておいしいわー」
「ですね。っと、そうだ。少し小腹空いたし携帯食料空けてみようかな」
そう言ってシルヴィはスティック状の携帯食料を開封して一口。
「……うん、お腹は満たされそうですけど、味は可もなく不可も無くって感じですかね」
「まあ調理無しでどこでも食べられるってのが売りだからね」
「つーかアレだな。こんなにゆっくり休憩するんだったら、サンドイッチでも作ってくりゃ良かったな」
「完全にピクニックじゃんそれ……でも作ってくれたら嬉しいかも」
「だろ? 次は何か用意してくるわ。俺実は結構料理とか自信あるんだ」
「へぇ……なんか楽しみ」
「よろしくお願いします!」
意外な所で女子力稼いでるじゃん。
……とまあ、そうやって次回の約束を取りつけつつ木陰で一休み。
そしてそのまま十数分程雑談を交わしながらゆっくりしていて、そろそろ出発しますかって話をしていた時だった。
「……ん? 何かこっちに来てるね」
「山の方からと……俺達が来た方角からか」
「山の方からするのは完全に魔物の気配ですね……それも結構強い感じの」
ほぼ同時に気配を感知した私達は、急いで荷物を纏めて結界の椅子を消滅させ、木陰の外へ出る。
……そして目視で捉えた。
「……ドラゴンか」
「む、向こうから降りてきましたね……」
山の方からこちらに向かってきていたのはドラゴンだった。
赤くて大きな飛竜。
「これ多分俺達を狙って来てるんだよな」
「多分さっきと同じパターンだと思うんですけど」
「だとしたら……やっぱり誰かに操られているって説が濃厚なのかも」
私は二人に対してそう告げる。
「ん? なんか分かったのか?」
「具体的にどんなドラゴンが生息しているのかは聞いてなかったけど、一目見たら分かった。あれはレッドドラゴンだよ」
「レッド……ドラゴン? すみません、あまり詳しくなくて」
「レッドドラゴンはあまり好戦的な種族じゃないんだ。自分達の巣に近付いた外敵には容赦無いけど、この位距離が離れた場所に居る私達を態々襲いに来るってのは基本的に無い筈」
「詳しいな」
「リュウ君を飼う為にドラゴンに関しては色々勉強したからね。その辺の知識は専門家の一歩手前位の自信はあるよ」
だからこそある程度自信を持って言える。
「成程ね。確かに知識ねえと飛竜とか絶対飼えないだろうしな」
「まあ知識が有っても普通は中々飼えないと思いますけどね」
「そ、普通は人間がドラゴンを……まあ言い方悪いけどコントロールするみたいな、そういう事は基本的に難しいわけ」
だから。
「だからさっきの魔物の軍勢も含めて、とんでもない何かがバックに居る気がするんだよね」
「ま、少なくともドラゴンも操れるような誰かが居るって事だもんな」
「となると薬草を取りに行ってご対面するのはドラゴンじゃなくて、その犯人かもしれない訳ですね」
「そう……だね」
……そう考えると気が重い。
モンスターと戦う事ならできるけど、人間を思いっきりぶん殴るとかやった事無いし。
なんかこう……そういうのは倫理的にというか道徳的にというか、少々躊躇うし嫌だよね。
でもまあそんな事やってる人間が居たら結局ぶん殴って憲兵にでも突き出すと思うけど。
……まあ、そんな先の事は置いておいて。
「と、とりあえずあのドラゴンどうにかしようか。操られていようとなかろうと、牙を向かれたら戦うしかない訳だし」
そう言って風の魔術を発動させようとしたその時だった。
「キミ達! 大丈夫か!」
背後から魔術で響かせていると思わしき、大きな声が聞こえてきた。
結構若い感じの男の声だ。
そしてドラゴンと同じようなタイミングで感じていた気配が四つと一匹、猛スピードで接近してくる。
リュウ君程じゃないけど、中々のスピード。
「何ですかねあれ……でっかい鳥に人が乗ってる?」
「大丈夫かって、俺達に言ってんのか?」
「じゃないかな? 私達しかいないし」
猛スピードで接近してきた巨大な鳥は、私達のすぐ近くに着地。
そしてその背から、四人の人影が飛び降りた。
金髪で大検を背負った正統派の戦士の様な男。
弓を手にして腰にナイフを携えた正統派の狩人の様な女性。
先端に宝石がはめ込まれた杖を持つ正統派の魔術師の様な女性。
修道服のような衣服を身に纏ってその手に小さな十字架を握る正統派の僧侶の様な女性。
とにかく……なんか正統派ハーレムパーティーみたいな、そんな方々。
「良かった。無事みたいだね」
「えーっと、誰?」
いきなり脈略も無く出てきたので思わずそう聞き返すと、先程からの声の主である長身の金髪の男が言う。
「時間が無さそうだからだから簡潔に。俺達もキミ達と同じ冒険者だよ。キミ達が受付嬢の手違いで受けた依頼を受けられる資格があるランクのね」
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「「「はい!」」」
そんな風に、私達を置いてけぼりで突然現れた正統派ハーレム冒険者パーティーの方々は臨戦態勢を取る。
そんな彼らを見てまず思う事が一つ。
「な、なあ、この状況ってさぁ……」
「ええ、ちょっとマズい事になったかもしれません」
「うん、なんか凄く心配になってきた」
そうして私達は遠く離れた功労者に向けて祈る。
「あのシズクって子、大丈夫かなぁ……」
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