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一章 聖女さん、追放されたので冒険者を始めます。
40 聖女さん、VS黒装束の男Ⅰ
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「……ッ!」
咄嗟に正面に身を隠せる程度の結界を張る。
流石にこの近距離で放たれると、一発一発処理するような真似はしてられない。
……する必要も無い。
だってこの結界で全部防げるから。
次の瞬間、黒い弾丸が全弾着弾。
だけどそれでも、ある程度のヒビが入る程度で健在。
私に弾丸は届いていない。
……流石にヤバい奴と対峙して、ただ何もせずに長話をしているような馬鹿になったつもりはない。
折角時間があった訳だから……ちゃんと常識的な範囲ならどんな攻撃でも防げるような、ある程度の時間を掛けて発動させる類いの結界魔術をスタンバってた。
この結界なら、全弾防いでも貫かれる事は無い。
……だけどその攻撃を止めた所で、黒装束の男の攻撃が終わる訳じゃなくて。
全弾着弾した直後、既に刀を構えた男が私のすぐ隣にまで接近してきていた。
「うわッ!」
瞬時にバックステップで男の切り払いを躱した。
うん、反応が一瞬でも遅れたら今ので死んでたかもしれない。
そしてそういう一歩間違えば死ぬような攻撃を、目の前の男が再びこちらに踏み込んで放とうとしているのが分かる。
……うん、まずあの刀どうにかした方がいいのかも。
素手と刀じゃ相手の方が圧倒的有利。
このままだとぶん殴りづらい。
……そうだ、ぶん殴らないといけない。
このまま攻撃を躱し防いでやり過ごし続ければ、その間に風の塊を打ち込むよりも殺傷力が強い魔術を放つ準備ができる。
そうなったら、多分目の前の男はそれで殺せる。
だけどそれじゃ駄目なんだ。
目の前の男からは色々と話を聞かないといけない。
一体何をしようとしているのかって事もそうだし、直前に口にした聖女の加護の事も。
とにかく聞かなくちゃいけない事が一杯あるから、死なれたら困る。
それが理由の半分。
そして残り半分は私個人の都合の話。
相手は魔物じゃなくて人間だ。
この状況で罪に問われるかどうかはともかく、一線を越えれば人殺しになる。
……たかだか薬草採取に来ただけで、人殺しなんてしたくない。
そんなのは生涯やらないって決めてるから。
だからぶん殴って倒す必要がある。
「……よし」
その為にあの刀をどうにかして、私の戦い方のステージまで引き摺り下ろす。
そうする為に私が導き出した最適解。
「……ちょっとシルヴィのパクろう」
そう呟いた瞬間手に棒状の結界を作り出して、その結界で男の刀の斬り下ろしを受け止めた。
結界で鈍器を作り出す。
シルヴィがさっきやってた奴だ。
……とはいえこれでそのまま戦おうとは思わない。
武器を持って戦うのは慣れてないし、両手が塞がって一部の魔術を使うのに支障が出るし、何より向うは刀を使って戦うという事が基本戦術に組み込まれているような相手だ。
付け焼刃の戦い方で戦っても良い結果は生まれてこない。
だからこれを有効活用するのはこの一度の攻防だけ。
……次の瞬間、刀が結界に沈んだ。
沈ませた。
結界の形状に刃が嵌る様な。押し込めるような薄い窪みを作り出した。
そして表面を塞いで閉じ込める。
「はい捕まえた」
これで私の結界の棒と男の刀は離れない。
このまま力勝負をするか、男が諦めて刀から手を離すか。
男の取れる行動はその二択に絞られた筈。
「……器用だな」
男の判断は早かった。
すぐさま刀を手放して一旦バックステップで距離を取る。
よし……これで素手での殴り合いに持ち込め……って何あれ。
男の両手の指の間に計8本、スティック状の結界の様な物が生成されていて……それをこっちに向かって放り投げてきた。
……結界に何かが刻まれている。
魔法陣のような模様。
ああ、なるほど。結界を媒体にして魔術を発動させようとしてるんだ……へえ、面白い使い方するじゃん。
……って感心してる場合じゃない!
これ……爆弾とかじゃないかなぁ!?
咄嗟に正面に身を隠せる程度の結界を張る。
流石にこの近距離で放たれると、一発一発処理するような真似はしてられない。
……する必要も無い。
だってこの結界で全部防げるから。
次の瞬間、黒い弾丸が全弾着弾。
だけどそれでも、ある程度のヒビが入る程度で健在。
私に弾丸は届いていない。
……流石にヤバい奴と対峙して、ただ何もせずに長話をしているような馬鹿になったつもりはない。
折角時間があった訳だから……ちゃんと常識的な範囲ならどんな攻撃でも防げるような、ある程度の時間を掛けて発動させる類いの結界魔術をスタンバってた。
この結界なら、全弾防いでも貫かれる事は無い。
……だけどその攻撃を止めた所で、黒装束の男の攻撃が終わる訳じゃなくて。
全弾着弾した直後、既に刀を構えた男が私のすぐ隣にまで接近してきていた。
「うわッ!」
瞬時にバックステップで男の切り払いを躱した。
うん、反応が一瞬でも遅れたら今ので死んでたかもしれない。
そしてそういう一歩間違えば死ぬような攻撃を、目の前の男が再びこちらに踏み込んで放とうとしているのが分かる。
……うん、まずあの刀どうにかした方がいいのかも。
素手と刀じゃ相手の方が圧倒的有利。
このままだとぶん殴りづらい。
……そうだ、ぶん殴らないといけない。
このまま攻撃を躱し防いでやり過ごし続ければ、その間に風の塊を打ち込むよりも殺傷力が強い魔術を放つ準備ができる。
そうなったら、多分目の前の男はそれで殺せる。
だけどそれじゃ駄目なんだ。
目の前の男からは色々と話を聞かないといけない。
一体何をしようとしているのかって事もそうだし、直前に口にした聖女の加護の事も。
とにかく聞かなくちゃいけない事が一杯あるから、死なれたら困る。
それが理由の半分。
そして残り半分は私個人の都合の話。
相手は魔物じゃなくて人間だ。
この状況で罪に問われるかどうかはともかく、一線を越えれば人殺しになる。
……たかだか薬草採取に来ただけで、人殺しなんてしたくない。
そんなのは生涯やらないって決めてるから。
だからぶん殴って倒す必要がある。
「……よし」
その為にあの刀をどうにかして、私の戦い方のステージまで引き摺り下ろす。
そうする為に私が導き出した最適解。
「……ちょっとシルヴィのパクろう」
そう呟いた瞬間手に棒状の結界を作り出して、その結界で男の刀の斬り下ろしを受け止めた。
結界で鈍器を作り出す。
シルヴィがさっきやってた奴だ。
……とはいえこれでそのまま戦おうとは思わない。
武器を持って戦うのは慣れてないし、両手が塞がって一部の魔術を使うのに支障が出るし、何より向うは刀を使って戦うという事が基本戦術に組み込まれているような相手だ。
付け焼刃の戦い方で戦っても良い結果は生まれてこない。
だからこれを有効活用するのはこの一度の攻防だけ。
……次の瞬間、刀が結界に沈んだ。
沈ませた。
結界の形状に刃が嵌る様な。押し込めるような薄い窪みを作り出した。
そして表面を塞いで閉じ込める。
「はい捕まえた」
これで私の結界の棒と男の刀は離れない。
このまま力勝負をするか、男が諦めて刀から手を離すか。
男の取れる行動はその二択に絞られた筈。
「……器用だな」
男の判断は早かった。
すぐさま刀を手放して一旦バックステップで距離を取る。
よし……これで素手での殴り合いに持ち込め……って何あれ。
男の両手の指の間に計8本、スティック状の結界の様な物が生成されていて……それをこっちに向かって放り投げてきた。
……結界に何かが刻まれている。
魔法陣のような模様。
ああ、なるほど。結界を媒体にして魔術を発動させようとしてるんだ……へえ、面白い使い方するじゃん。
……って感心してる場合じゃない!
これ……爆弾とかじゃないかなぁ!?
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