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二章 聖女さん、新しい日常を謳歌します。
18 聖女さん達、異質な空間へと突入する
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景色が移り変わった。
つまり外の空間から地下のスペースへと移動したという事になる訳だけど……。
「うわぁ……何か分かんないけど、これ結構スケールの大きな事件に首突っ込んだ感じじゃないかな」
「どうやらそのようだな……でなければこうはならないだろう」
「……長居しちゃいけない空気に圧し潰されそうだよ」
「同感だ」
変わったのは場所だけでなく、事情もって感じだった。
私達が辿り着いたこの空間は、おおよそまともと呼べるような空間では無かった。
私達が辿り着いたのは王都の地下に位置する地下水道といった感じの所……なのかどうかも分からない。
いや、そうじゃない訳が無いんだけど……その筈なんだけど、確信が持てない。
持てない位には、この空間そのものに大規模な魔術が張り巡らされていた。
そして私は自然と壁に手を触れて、張り巡らされた魔術の解析を試みる。
「……ガード堅った」
時間を掛ければどういう魔術かを解析して、解除したり対抗策を打ち出したりもできるかもしれないけど、これだけガードが堅いと相当な時間を要する。
……そして。
「……これだけガード硬くて精巧な術式を大規模に展開できるってなると、相当な実力者が関わってるね」
「それに一日二日の仕事でも無いだろう。つまり俺達の相手は長期スパンで何かをやっている奴らという事になるな」
「何か……ね」
「もうただの誘拐犯とは言えないだろう」
「ごもっとも」
言いながら壁から手を離す。
万全を期するならこの空間に張られた魔術をしっかりと解析して、その上で援軍を呼ぶのが正解かもしれない。
休日に危険な事に巻き込む訳で、本当に頭下げないと駄目な話だと思うんだけど……皆の助けを借りる。
それが身の安全を考えれば最善。
私とコイツが居れば大体の場合なんとかなりそうな気はするけども……逆に言えばコイツを始めとして短期間に同格と言って良いような人達と知り合い過ぎた事や、張り巡らされた術式の事も考えると、なんかまた必死にならないと勝てないかもしれない相手とか出て来るんじゃないかなって思っちゃうわけで。
……戦力は多いに越した事は無い。
そういうトラブルに巻き込むのは本当にごめんだけど。
……とはいえ、それは自分達の身の安全を最優先に考える場合の話。
誘拐された子供が、長々とした準備期間の間も無事でいてくれる場合のみ取れる選択の話。
「……まあどんな奴らが相手であれ、さっさとぶっ飛ばすしかないかな」
流石に引けないよ。
これで仲間を集めました。しっかりと準備する時間を確保してから敵を倒しました。
娘さんは間に合いませんでした、なんてあの人の前で言えないし。
……言える訳が無い。
そして男は言う。
「……一応最終確認をしておくぞ」
「なに?」
「中はこの有様。正直想定外ではある。敵の強さも規模も不明だが、まず間違いなく弱くない。引くなら今の内だぞ」
多分普通に心配してくれてるんじゃないかって思う。
ほんと忠告してきたり心配してきたり……コイツに数日前殺されそうになったとかもう意味が分からないよ。
……ほんと、悪人向いてなさすぎる。
「引ける訳無いでしょ……アンタは?」
「引ける訳無いだろう。子供の命も掛かっている上にそれ以上の何かがあるかもしれない訳だからな。尚更引けなくなった」
「ならこのまま先に進むって事で」
「ああ」
そうして私達は子供の反応する方に向かって走り出す。
……とにかく無事に事を終わらせよう。
子供も……私達も。
つまり外の空間から地下のスペースへと移動したという事になる訳だけど……。
「うわぁ……何か分かんないけど、これ結構スケールの大きな事件に首突っ込んだ感じじゃないかな」
「どうやらそのようだな……でなければこうはならないだろう」
「……長居しちゃいけない空気に圧し潰されそうだよ」
「同感だ」
変わったのは場所だけでなく、事情もって感じだった。
私達が辿り着いたこの空間は、おおよそまともと呼べるような空間では無かった。
私達が辿り着いたのは王都の地下に位置する地下水道といった感じの所……なのかどうかも分からない。
いや、そうじゃない訳が無いんだけど……その筈なんだけど、確信が持てない。
持てない位には、この空間そのものに大規模な魔術が張り巡らされていた。
そして私は自然と壁に手を触れて、張り巡らされた魔術の解析を試みる。
「……ガード堅った」
時間を掛ければどういう魔術かを解析して、解除したり対抗策を打ち出したりもできるかもしれないけど、これだけガードが堅いと相当な時間を要する。
……そして。
「……これだけガード硬くて精巧な術式を大規模に展開できるってなると、相当な実力者が関わってるね」
「それに一日二日の仕事でも無いだろう。つまり俺達の相手は長期スパンで何かをやっている奴らという事になるな」
「何か……ね」
「もうただの誘拐犯とは言えないだろう」
「ごもっとも」
言いながら壁から手を離す。
万全を期するならこの空間に張られた魔術をしっかりと解析して、その上で援軍を呼ぶのが正解かもしれない。
休日に危険な事に巻き込む訳で、本当に頭下げないと駄目な話だと思うんだけど……皆の助けを借りる。
それが身の安全を考えれば最善。
私とコイツが居れば大体の場合なんとかなりそうな気はするけども……逆に言えばコイツを始めとして短期間に同格と言って良いような人達と知り合い過ぎた事や、張り巡らされた術式の事も考えると、なんかまた必死にならないと勝てないかもしれない相手とか出て来るんじゃないかなって思っちゃうわけで。
……戦力は多いに越した事は無い。
そういうトラブルに巻き込むのは本当にごめんだけど。
……とはいえ、それは自分達の身の安全を最優先に考える場合の話。
誘拐された子供が、長々とした準備期間の間も無事でいてくれる場合のみ取れる選択の話。
「……まあどんな奴らが相手であれ、さっさとぶっ飛ばすしかないかな」
流石に引けないよ。
これで仲間を集めました。しっかりと準備する時間を確保してから敵を倒しました。
娘さんは間に合いませんでした、なんてあの人の前で言えないし。
……言える訳が無い。
そして男は言う。
「……一応最終確認をしておくぞ」
「なに?」
「中はこの有様。正直想定外ではある。敵の強さも規模も不明だが、まず間違いなく弱くない。引くなら今の内だぞ」
多分普通に心配してくれてるんじゃないかって思う。
ほんと忠告してきたり心配してきたり……コイツに数日前殺されそうになったとかもう意味が分からないよ。
……ほんと、悪人向いてなさすぎる。
「引ける訳無いでしょ……アンタは?」
「引ける訳無いだろう。子供の命も掛かっている上にそれ以上の何かがあるかもしれない訳だからな。尚更引けなくなった」
「ならこのまま先に進むって事で」
「ああ」
そうして私達は子供の反応する方に向かって走り出す。
……とにかく無事に事を終わらせよう。
子供も……私達も。
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