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二章 聖女さん、新しい日常を謳歌します。
31 影の男、嬉々として語る
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向こうの手の内を全て把握した訳じゃない。
だけどどうも向こうは足元の黒いのを利用した術式を使っている。
それが部屋中。
壁や天井に至るまでに広がっている。
指輪持ちの誰がこれを行っているのかは分からないから射程は分からないけど、おそらく部屋中全て。
そして意識を向けないといけないのはその攻撃だけじゃない。
向こうの指輪を付けている連中の攻撃手段が、全員これなのか一人一人違うのかも分からないし、加えて煙幕を晴らしたせいで他の雑魚が動き出している。
意識を向けなければならない事が多すぎるよ!
でも、向けないとやられるから……向けた上で全部適切に処理してみせる!
そんなのルカ一人相手にするのと比べたら比較的楽な筈だから。
足を止めず走りながら、四方八方から飛んでくる魔術攻撃を躱せるものは躱し、躱せない物は結界で防ぐ。
それを繰り返しながら雑魚一人一人の意識を迅速に奪い取っていく。
そんな私達に対し、指輪持ちの男達は言う。
「「「「「「いやぁ、さっき一度負けといてよかったぜ!」」」」」」
6人同時に同じことを。
「……うっさ」
なんだこれ……と思ったけどこれで理解した。
多分あの指輪持ち6人だけ、誰かがマニュアルで操作している。
じゃないと今のに説明が付かないしね。
そしてなおも雑魚を減らす私達に適切な距離を置きつつ、地面から黒い棘を生やしながら攻撃してくる男達は言う。
「「「「「「慢心していたなぁ! あれだけの力あっても途中から一方的だった! そりゃ世の中片手間舐めプで好き放題できる雑魚ばっかじゃねえわ! やっぱ危うい勝負はするもんじゃねえなぁ!」」」」」」
何の話をしているんだろう?
一度負けた? さっきって事はそれ程時間は立っていない内に。
もしかして私達以外にこの場所に突入している誰かがいるのか……それとも子供誘拐した奴もこんな風にマニュアルでコントロールできていて、そこで敗戦したのか。
後者だったら、操る術式の効果範囲が控えめに言って頭おかしいから勘弁してほしいんだけど。
……いや、現時点で6人同時に操ってるから十分におかしいんだけどね。
そして男達は続ける。
「「「「「「やるならやっぱ勝てる勝負だ! 有利な場、過剰な戦力。それで全力で一方的にやるのが最高な訳だ! うん、最高ですねぇ!」」」」」」
……なるほど、まあ当然と言えば当然だけど、張り巡らされた魔術はコイツらに何かしらの有利な条件を与えている訳だね。
……コイツらはなんか勝手に色々喋ってる。
操ってる奴は妙にハイな性格をしてるみたいだけど、これ適当に泳がせ解いたら色々情報吐くんじゃないの?
と、攻撃を躱しながら雑魚を蹴散らしていると、男が叫ぶ。
「「「「「「そんな訳でそこの女ぁ!」」」」」」
「私?」
突然私個人に声を掛けられたので思わずそう返事すると、男達は同時に同じような……悪意に満ち溢れたような笑みを浮かべる。
「「「「「「お前は結構頑丈そうだよなぁ! あと余裕そうな雰囲気してるのもポイント高い!」」」」」」
「はぁ!?」
何? なんで私今褒められてんの?
「アンタ一体何を――」
「「「「「「俺は女子供いたぶるのが好きなんだけどよぉ! お前みたいな奴サンドバックにするのが一番いい感じだからよ! そんな訳でよろしく頼むわぁ!」」」」」」
「いやいやいや無理無理無理何コイツ気持ち悪!?」
気持ち悪いし、今まで出会ってきた中で言動が最低レベルなんだけど!
まあ人攫いだし当然か……というきあ。
……こんな所に集められている子供は本当に大丈夫なんだろうか?
生贄に利用するのなら、生かしてはいる筈。
だけどこんなサイコパスがいる中で、本当に怪我なく居てくれているのだろうか?
……まあ普通に気持ち悪いし気分悪いし、腹立つし。
相手がどうであれ、やる事は変わらない。
「ま、まあやれるもんならやってみてよ」
負けるつもりは無いよ。
「「「「「「やったぜ! 許可頂いてんじゃん!」」」」」」
嬉々としてそういう男達。
許可じゃないし……マジで最悪なんですけど。
と、そこでルカが言う。
「そもそもコイツ相手にやれはしないだろうが、やらせんぞ」
……ああ、なんかまともな奴が味方で良かった。
コイツ一人で相手にする感じだったらしんどいよ、精神的に。
頭おかしくなる。
と、ルカの言葉を聞いた瞬間、男達は露骨に不機嫌な声を上げる。
「「「「「「男が喋んな。別に男殴っても悲鳴聞いても気持ちよくねえんだよこっちはよぉ。基本邪魔者なんだよな、一部を除いて世界に俺以外の男は」」」」」」
「倫理観の欠片も無い奴だな」
「「「「「「あるさ。俺の人生だ。俺の歩いた道、歩く道が世界の真理に決まってんだろ。どいつもこいつも頭イカれてるんじゃぁないか?」」」」」」
「「いやどう考えてもイカれてんのアンタ(お前)だろ!」」
「「「「「「まあいいわぁ、とにかく全力でいくぜぇ今回はよぉ……女はサンドバックでお前は………そうだ。操り人形にしよう。それ位なら男にも利用価値があるわ。俺天才か? まあそんな訳で……よろしくなぁ!」」」」」」
「「やれるもんならやってみろ!」」
雑魚は八割方削った。
その雑魚を削りながらも、向こうの攻撃は全部躱せてたんだ。
これ以上意味の分からない事も聞きたくないし……さっさとぶっ飛ばしていこう!
だけどどうも向こうは足元の黒いのを利用した術式を使っている。
それが部屋中。
壁や天井に至るまでに広がっている。
指輪持ちの誰がこれを行っているのかは分からないから射程は分からないけど、おそらく部屋中全て。
そして意識を向けないといけないのはその攻撃だけじゃない。
向こうの指輪を付けている連中の攻撃手段が、全員これなのか一人一人違うのかも分からないし、加えて煙幕を晴らしたせいで他の雑魚が動き出している。
意識を向けなければならない事が多すぎるよ!
でも、向けないとやられるから……向けた上で全部適切に処理してみせる!
そんなのルカ一人相手にするのと比べたら比較的楽な筈だから。
足を止めず走りながら、四方八方から飛んでくる魔術攻撃を躱せるものは躱し、躱せない物は結界で防ぐ。
それを繰り返しながら雑魚一人一人の意識を迅速に奪い取っていく。
そんな私達に対し、指輪持ちの男達は言う。
「「「「「「いやぁ、さっき一度負けといてよかったぜ!」」」」」」
6人同時に同じことを。
「……うっさ」
なんだこれ……と思ったけどこれで理解した。
多分あの指輪持ち6人だけ、誰かがマニュアルで操作している。
じゃないと今のに説明が付かないしね。
そしてなおも雑魚を減らす私達に適切な距離を置きつつ、地面から黒い棘を生やしながら攻撃してくる男達は言う。
「「「「「「慢心していたなぁ! あれだけの力あっても途中から一方的だった! そりゃ世の中片手間舐めプで好き放題できる雑魚ばっかじゃねえわ! やっぱ危うい勝負はするもんじゃねえなぁ!」」」」」」
何の話をしているんだろう?
一度負けた? さっきって事はそれ程時間は立っていない内に。
もしかして私達以外にこの場所に突入している誰かがいるのか……それとも子供誘拐した奴もこんな風にマニュアルでコントロールできていて、そこで敗戦したのか。
後者だったら、操る術式の効果範囲が控えめに言って頭おかしいから勘弁してほしいんだけど。
……いや、現時点で6人同時に操ってるから十分におかしいんだけどね。
そして男達は続ける。
「「「「「「やるならやっぱ勝てる勝負だ! 有利な場、過剰な戦力。それで全力で一方的にやるのが最高な訳だ! うん、最高ですねぇ!」」」」」」
……なるほど、まあ当然と言えば当然だけど、張り巡らされた魔術はコイツらに何かしらの有利な条件を与えている訳だね。
……コイツらはなんか勝手に色々喋ってる。
操ってる奴は妙にハイな性格をしてるみたいだけど、これ適当に泳がせ解いたら色々情報吐くんじゃないの?
と、攻撃を躱しながら雑魚を蹴散らしていると、男が叫ぶ。
「「「「「「そんな訳でそこの女ぁ!」」」」」」
「私?」
突然私個人に声を掛けられたので思わずそう返事すると、男達は同時に同じような……悪意に満ち溢れたような笑みを浮かべる。
「「「「「「お前は結構頑丈そうだよなぁ! あと余裕そうな雰囲気してるのもポイント高い!」」」」」」
「はぁ!?」
何? なんで私今褒められてんの?
「アンタ一体何を――」
「「「「「「俺は女子供いたぶるのが好きなんだけどよぉ! お前みたいな奴サンドバックにするのが一番いい感じだからよ! そんな訳でよろしく頼むわぁ!」」」」」」
「いやいやいや無理無理無理何コイツ気持ち悪!?」
気持ち悪いし、今まで出会ってきた中で言動が最低レベルなんだけど!
まあ人攫いだし当然か……というきあ。
……こんな所に集められている子供は本当に大丈夫なんだろうか?
生贄に利用するのなら、生かしてはいる筈。
だけどこんなサイコパスがいる中で、本当に怪我なく居てくれているのだろうか?
……まあ普通に気持ち悪いし気分悪いし、腹立つし。
相手がどうであれ、やる事は変わらない。
「ま、まあやれるもんならやってみてよ」
負けるつもりは無いよ。
「「「「「「やったぜ! 許可頂いてんじゃん!」」」」」」
嬉々としてそういう男達。
許可じゃないし……マジで最悪なんですけど。
と、そこでルカが言う。
「そもそもコイツ相手にやれはしないだろうが、やらせんぞ」
……ああ、なんかまともな奴が味方で良かった。
コイツ一人で相手にする感じだったらしんどいよ、精神的に。
頭おかしくなる。
と、ルカの言葉を聞いた瞬間、男達は露骨に不機嫌な声を上げる。
「「「「「「男が喋んな。別に男殴っても悲鳴聞いても気持ちよくねえんだよこっちはよぉ。基本邪魔者なんだよな、一部を除いて世界に俺以外の男は」」」」」」
「倫理観の欠片も無い奴だな」
「「「「「「あるさ。俺の人生だ。俺の歩いた道、歩く道が世界の真理に決まってんだろ。どいつもこいつも頭イカれてるんじゃぁないか?」」」」」」
「「いやどう考えてもイカれてんのアンタ(お前)だろ!」」
「「「「「「まあいいわぁ、とにかく全力でいくぜぇ今回はよぉ……女はサンドバックでお前は………そうだ。操り人形にしよう。それ位なら男にも利用価値があるわ。俺天才か? まあそんな訳で……よろしくなぁ!」」」」」」
「「やれるもんならやってみろ!」」
雑魚は八割方削った。
その雑魚を削りながらも、向こうの攻撃は全部躱せてたんだ。
これ以上意味の分からない事も聞きたくないし……さっさとぶっ飛ばしていこう!
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