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二章 聖女さん、新しい日常を謳歌します。
34 聖女さん達VS 影の男Ⅲ
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拳を振るった感覚で分かる。
硬い防御は貫いた。
そしてそのまま床に叩きつければ……もう、起き上がってこない。
次の瞬間には纏っていた黒い何かが掻き消えた。
多分、意識を奪えた。
そしてそのままもう一人。
掌から風を噴出させて勢いよく体を捻り、向こうの拳を躱して。
滞空したまま蹴りを叩き込み弾き飛ばす。
こっちもだ。
散々イキってたけど、全然薄い。
一撃で意識は奪える。
そして言うまでも無くすぐ近くでも同じような事が起きている。
視線を移すとルカの周囲にも纏った何かが消えている男が二人倒れている。
「「は? ……えぇぇッ!?」」
困惑する少しうるさくなくなった男。
……いや、まだうるさいんだけど。
「「な、なんで急にそんなパワーアップしてんだよふざけんな! ってか力隠してやがったな卑怯だぞ!」」
「卑怯って、なんで誘拐犯にそんな事言われなきゃならないのかな?」
「そもそもお前が今やったのも隠し玉みたいなものだろう。お互い様だ」
「「……ッ」」
というか普通に本気でやる訳無いでしょ。
今も全力は出していない。
今アンタが操ってるのは、多分本当に無関係な誰かで。
そもそも殴り飛ばす事だって後で軽く謝らないといけない位だと思うから。
それこそドラゴンぶっ殺せるような力でぶん殴る訳には行かないでしょ。
ただ蹴散らして進めばいいってもんじゃない。
私達の勝利条件はそこに無い。
「「まあいいやまだ負けてねえ! そもそも普通に考えて六人同時に動かすより二人程度の方がやりやすいんだよなぁ! つまりこっからが本番なんだよぉッ!」」
そう言って相手は再び陣形変更。
前衛一人後衛一人のオーソドックスな形を取る。
私達は……まあお互いやりたいようにやればいいでしょ。
臨機応変に合わせいけばいい。
……というか態々作戦立てるような相手でもないしね。
多少はキレが良くなったけど手数が減った棘の攻撃を躱しながら……こちらに突っ込んでくる、確かに若干動きのキレが良くなった男を、近くに来た方がぶっ飛ばす。
今回の場合はルカが殴り飛ばす。
それで終わり。
……まったく、しんどいのは向うの言動がイカれてるってだけで、結局楽勝だよコイツは。
真っ当に中ボスって感じ。
「さ、これで後一人だね」
「どっちがやる?」
「お前がやりたくないなら俺がやるが?」
「じゃあ頼める? 別に人殴るの趣味じゃないし」
「そんなの俺も違うぞ。そんな奴そうごろごろと居てたまるか」
そして私達は残り一人の男に強く視線を向ける。
結構な嫌悪感を込めて。
「コイツ位だろう、そんな奴」
「だね」
「……完全に勝ったつもりでいやがるな」
男が不機嫌そうにそう言う。
……いや、この勝負に関してはそっちにもう勝ちの目は無いでしょ。
……その筈だけど。
「くくく……フハハハハァッ!? 慢心しちゃってオイオイオイ! お前ら気付いてねえの!? 此処まで全部全部俺の掌の上なんだよぉ!? それなのにまあ勝ったつもりで元気によぉ! まあそういう奴潰すのが一番いい感じなんだけどなぁ!」
「……どういう事だ?」
「何事にも念には念を入れようなぁ! お前らがゆっくりやってる内に迎撃準備は整った! もっと迅速にやるんだったなぁ、馬鹿共ォ!」
そう言って最後に残った男が掌を叩く。
「そんな訳で俺の勝ちだぜ! イィィィィヤッフウウウウウウウッ!」
そして次の瞬間私達の前にそれは出現する。
直径四メートル程の……真っ黒な。
言ってしまえば影でできたような巨人が。
硬い防御は貫いた。
そしてそのまま床に叩きつければ……もう、起き上がってこない。
次の瞬間には纏っていた黒い何かが掻き消えた。
多分、意識を奪えた。
そしてそのままもう一人。
掌から風を噴出させて勢いよく体を捻り、向こうの拳を躱して。
滞空したまま蹴りを叩き込み弾き飛ばす。
こっちもだ。
散々イキってたけど、全然薄い。
一撃で意識は奪える。
そして言うまでも無くすぐ近くでも同じような事が起きている。
視線を移すとルカの周囲にも纏った何かが消えている男が二人倒れている。
「「は? ……えぇぇッ!?」」
困惑する少しうるさくなくなった男。
……いや、まだうるさいんだけど。
「「な、なんで急にそんなパワーアップしてんだよふざけんな! ってか力隠してやがったな卑怯だぞ!」」
「卑怯って、なんで誘拐犯にそんな事言われなきゃならないのかな?」
「そもそもお前が今やったのも隠し玉みたいなものだろう。お互い様だ」
「「……ッ」」
というか普通に本気でやる訳無いでしょ。
今も全力は出していない。
今アンタが操ってるのは、多分本当に無関係な誰かで。
そもそも殴り飛ばす事だって後で軽く謝らないといけない位だと思うから。
それこそドラゴンぶっ殺せるような力でぶん殴る訳には行かないでしょ。
ただ蹴散らして進めばいいってもんじゃない。
私達の勝利条件はそこに無い。
「「まあいいやまだ負けてねえ! そもそも普通に考えて六人同時に動かすより二人程度の方がやりやすいんだよなぁ! つまりこっからが本番なんだよぉッ!」」
そう言って相手は再び陣形変更。
前衛一人後衛一人のオーソドックスな形を取る。
私達は……まあお互いやりたいようにやればいいでしょ。
臨機応変に合わせいけばいい。
……というか態々作戦立てるような相手でもないしね。
多少はキレが良くなったけど手数が減った棘の攻撃を躱しながら……こちらに突っ込んでくる、確かに若干動きのキレが良くなった男を、近くに来た方がぶっ飛ばす。
今回の場合はルカが殴り飛ばす。
それで終わり。
……まったく、しんどいのは向うの言動がイカれてるってだけで、結局楽勝だよコイツは。
真っ当に中ボスって感じ。
「さ、これで後一人だね」
「どっちがやる?」
「お前がやりたくないなら俺がやるが?」
「じゃあ頼める? 別に人殴るの趣味じゃないし」
「そんなの俺も違うぞ。そんな奴そうごろごろと居てたまるか」
そして私達は残り一人の男に強く視線を向ける。
結構な嫌悪感を込めて。
「コイツ位だろう、そんな奴」
「だね」
「……完全に勝ったつもりでいやがるな」
男が不機嫌そうにそう言う。
……いや、この勝負に関してはそっちにもう勝ちの目は無いでしょ。
……その筈だけど。
「くくく……フハハハハァッ!? 慢心しちゃってオイオイオイ! お前ら気付いてねえの!? 此処まで全部全部俺の掌の上なんだよぉ!? それなのにまあ勝ったつもりで元気によぉ! まあそういう奴潰すのが一番いい感じなんだけどなぁ!」
「……どういう事だ?」
「何事にも念には念を入れようなぁ! お前らがゆっくりやってる内に迎撃準備は整った! もっと迅速にやるんだったなぁ、馬鹿共ォ!」
そう言って最後に残った男が掌を叩く。
「そんな訳で俺の勝ちだぜ! イィィィィヤッフウウウウウウウッ!」
そして次の瞬間私達の前にそれは出現する。
直径四メートル程の……真っ黒な。
言ってしまえば影でできたような巨人が。
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