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三章 聖女さん、冒険者やります

35 後任聖女、提案する

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 サイン貰ったー!
 わーい!
 やったー!

 それはさておき。

「とにかく、そのレリアってのがすげえ魔術師の霊だから、リスクを冒さなくてもある程度の事は分かるって事で良いんだな」

 私達がサインを貰ったりした後、マルコさんが話をそう纏める。

「まあそういう事になるの。流石に術式の解析で起きている事を100パーセント全把握するのは無理じゃと思うが、大体の事はの」

「あの……一つ良いかしら」

 ミーシャが挙手する。

「どうした」

「レリアさんが術式の解析を行えば、逆算して色々な事が分かる。ですがそれでも全ての事が分かる訳ではない……だとすれば、やはり各国で起きている事を直接調べられるのならば、調べた方がいいという事ですわよね?」

「ま、まあそういう事にはなるけど……リスク大きいし」

 だからレリアさんの術式解析で一旦留めて置こうって話になってる訳で。
 だけどそれにミーシャは納得していないらしい。

「だけどそれでは後になって情報が足りない、調べる時間も無いなんて事になる可能性もありますわ」

「分かってんだよそんな事は」

 マルコさんが反論する。

「だがさっき言った通り俺らは連中にマークされてる筈だ。この状況でツッコむのはあまりに無謀だろ。それともなんだ? お前が行くか?」

「ちょ、マコっちゃん!」

「うるせえシエル冗談だ。つーか客人の前でその呼び方止めろ!」

 そう吠えたマルコさんは一拍空けてから冷静に問いかける。

「さっきのは冗談だが……それでも何かやるつもりだろお前。無謀な事を押し付けるんじゃなく、何か策があるから異を唱えた。違うか?」

 その問いにミーシャが頷く。

「ええ、一応は」

 その言葉に少々部屋の中がざわつく。
 ミーシャからは冗談を言うような雰囲気を感じない。
 マジで何か策を考えている。

 そしてミーシャは口を開く。

「誰か一個人が乗り込むなんて半ば非合法的な手段はそもそも得策では無いでしょう。こういう時は正々堂々正攻法でやれば良いと思うんです」

「正々……堂々? 正攻法? それってどんな……」

 漏れ出した私の問いにミーシャは堂々と答える。

「外務省の人間に動いてもらう。そして……動いてもらう為のパイプが私にはありますわ」

「「「「「……」」」」」

 び、びっくりする位正々堂々とした正攻法だ……。
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