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二章 ごく当たり前の日常を掴む為に
21 スキルという異能について 上
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「……あーくそ、どこにいるんだアリサの奴」
「全く見当たらないっすね。まあ王都も広いからしゃーないっすけど」
あの公園を出てしばらくして、俺達は途方にくれていた。
アリサが全然見付からない。
最初はアイツの家に足を運んだ訳だが、当のアリサは外出先から戻ってきてはいなかった。故に俺達はその場で待ち伏せするか一旦他の所を探してみるかの二択のどちらかを選択する事になり、他の所を探してみるという選択肢を選んだ。
家の方は最悪夜になれば帰ってきてるだろうしな。そっちは後でいい。
ちなみにリーナをアリサの家に連れていった時の反応は俺のソレと殆ど変わらなかった。なお中は見てないので住めば都的な話はあまり信じていなさそうだ。
……まあとにかく。
「でもまあ根気よく探すしかねえかな」
待ち伏せの選択肢を取らなかったのだから、根気よくやっていくしかないのだ。
そう思ってそう言った俺だったが。
……そのタイミングで結構なボリュームでお腹がなった。
……リーナである。
「今先輩のお腹無茶苦茶鳴ってたっすよ。お腹空いたんすか? まったく仕方ないっすね。とりあえずご飯行くっすか?」
「お前よく俺と二人の状況でその誤魔化し方できるな」
後やるならせめて赤面するの止めような。三人以上居ても犯人バレバレだぞ。
……でもまあ確かにもう昼時である。
ここらで小休憩の意味も兼ねて軽く昼飯食っといた方がいいかもしれない。
「まあいいや。じゃあとりあえず飯行くか」
「はいっす!」
とりあえず相当腹が減ってたのか、リーナは元気よくそう答える。
そんな訳で俺達は近くの適当な店に足を踏み入れたのだった。
「いやーしっかし、ギルド以外で外食……というか調理されたもの食べるの久しぶりっすね。」
案内された席でメニューを見ながらリーナがウキウキしながらそう言う。
「久しぶりって……お前普段どんな食生活してんだよ」
「え? 普通に自炊してるっすけど……」
至極真っ当な答えが返って来た。
いかんいかん、基本外食か適当に買ってきた物を食べる生活が続いていたせいで自炊とかいう選択肢がすっ飛んでた。
「ほう、ほうほう? もしかして先輩、出来合いのお惣菜とか外食ばっかりしてるっすね? 駄目っすよ。そんなんじゃ栄養バランス偏るっすよ。食費も結構かかるし」
……至極、至極真っ当な事言われてるぅ!
「……ってかマジで? マジでお前自炊してんの?」
「してるっすけど、なんでそんな半信半疑みたいな言い方なんすか」
「いや、言い方悪いけど……そんなキャラに見えねえ」
「うわ、酷い。先輩それマジ酷いっすよ。はい私傷付きましたー。むっちゃ傷付きましたー。これはもうご飯奢ってもらわないと機嫌治らないっすねー」
「そうか」
「……」
「……」
「そうっすよ!? そんだけっすか? 普通悪い飯奢るわとかの流れじゃないんすか!?」
「悪い悪い冗談。正直悪いと思うし飯は奢るよ」
まあ俺は先輩だし、懐事情も俺の方が潤ってるだろうし。俺が変な事を言わなかったとしても俺がだし居てやるべきだろう。
……それにアリサの為に動いてもらってる訳だしな。
「よっしゃあ! 好きなもの食べるっすよ! 人のお金で食べるご飯は最高においしい!」
でもコイツ絶対傷付いて無いよね。終始ノリノリだったよね。
「……ああでも先輩」
リーナが少し落ち着いた様子で俺に言う。
「でも今度お返しに何かご馳走しますよ。料理できるとかいう嘘をぶっこむスーパー虚言癖馬鹿女と思われたままなのも癪なんで」
「そこまで酷い事言ったかな俺!?」
と、そんなやり取りをしていた時だった。
「おめでとうございます!」
急に店の入口からそんな声が上がった。
「お客様は当店1000組目のお客様です! 記念として本日はお食事代を気にせず好きなものを好きなだけご注文ください!」
……どうやら俺達の次に来た客がこの店のオープンから1000組目の客だったらしい。
……この店、入ってから気付いたけどそこそこ値が張る良い店だ。この手の店で飲食代がタダになれば相当な幸運と言ってもいいだろう。
と、考えていた時だ。
「ちょ、ちょっと先輩先輩」
リーナが俺にしか聞こえない様な小さな声で言う。
「どした?」
「先輩ってSSランクの幸運スキル持ちなんすよね?」
「そうだけど?」
「だったらこう……こういうのってうまいこと私達が1000組目って感じになるものじゃないんすか」
……ごもっともな話ではある。
SSランクの幸運スキルを持つ俺ならば、おそらくこんな誤差程度の範囲内であれば因果律が都合よく調整されるように1000組目に入店したりする。
それだけ強力な力……の筈だ。
「まあな……でも最近調子がおかしいんだよ」
「調子が……おかしい?」
「ああ。アリサと会った時にスキルを相殺できているって事は、ちゃんとスキルは作用している筈なんだけどさ、それでもなんつーか、運気が普通になってるって言えばいいのか? そんな感じなんだよ」
「……そんな事あります?」
「あるから今こうして俺達は999組目の客なんだろうよ」
「そうっすよね……でも、そんな事」
そしてそう言ったリーナは考える素振りを見せる。
「……」
なんだろう……そうやって深く物事を考えるリーナからは、不思議とどこか知的な印象が伝わってきた。
コイツに尋ねればまともな答えが返ってくるんじゃないかと言う様な。何故か、とても様になっている雰囲気を醸し出している。
それこそ悪いけど……今まで俺が接してきたリーナから印象付くキャラじゃないと、そう思うのに。
そして、長い長い沈黙の後、リーナは静かに呟いた。
「……とりあえずハンバーグにしよう」
「え、今の沈黙どれにするか考えてたの?」
「チキングリルかハンバーグか悩んでたっす」
「あ、そうなんだ……」
え、何? 知的に見えるとか考えてた俺が馬鹿みたいじゃん。
と、そこでリーナが落ち着いた様子で言う。
「……で、質問っす。そうなりだしたのはいつからっすか」
それこそ印象が変わる様な、とても真剣な表情で。
「全く見当たらないっすね。まあ王都も広いからしゃーないっすけど」
あの公園を出てしばらくして、俺達は途方にくれていた。
アリサが全然見付からない。
最初はアイツの家に足を運んだ訳だが、当のアリサは外出先から戻ってきてはいなかった。故に俺達はその場で待ち伏せするか一旦他の所を探してみるかの二択のどちらかを選択する事になり、他の所を探してみるという選択肢を選んだ。
家の方は最悪夜になれば帰ってきてるだろうしな。そっちは後でいい。
ちなみにリーナをアリサの家に連れていった時の反応は俺のソレと殆ど変わらなかった。なお中は見てないので住めば都的な話はあまり信じていなさそうだ。
……まあとにかく。
「でもまあ根気よく探すしかねえかな」
待ち伏せの選択肢を取らなかったのだから、根気よくやっていくしかないのだ。
そう思ってそう言った俺だったが。
……そのタイミングで結構なボリュームでお腹がなった。
……リーナである。
「今先輩のお腹無茶苦茶鳴ってたっすよ。お腹空いたんすか? まったく仕方ないっすね。とりあえずご飯行くっすか?」
「お前よく俺と二人の状況でその誤魔化し方できるな」
後やるならせめて赤面するの止めような。三人以上居ても犯人バレバレだぞ。
……でもまあ確かにもう昼時である。
ここらで小休憩の意味も兼ねて軽く昼飯食っといた方がいいかもしれない。
「まあいいや。じゃあとりあえず飯行くか」
「はいっす!」
とりあえず相当腹が減ってたのか、リーナは元気よくそう答える。
そんな訳で俺達は近くの適当な店に足を踏み入れたのだった。
「いやーしっかし、ギルド以外で外食……というか調理されたもの食べるの久しぶりっすね。」
案内された席でメニューを見ながらリーナがウキウキしながらそう言う。
「久しぶりって……お前普段どんな食生活してんだよ」
「え? 普通に自炊してるっすけど……」
至極真っ当な答えが返って来た。
いかんいかん、基本外食か適当に買ってきた物を食べる生活が続いていたせいで自炊とかいう選択肢がすっ飛んでた。
「ほう、ほうほう? もしかして先輩、出来合いのお惣菜とか外食ばっかりしてるっすね? 駄目っすよ。そんなんじゃ栄養バランス偏るっすよ。食費も結構かかるし」
……至極、至極真っ当な事言われてるぅ!
「……ってかマジで? マジでお前自炊してんの?」
「してるっすけど、なんでそんな半信半疑みたいな言い方なんすか」
「いや、言い方悪いけど……そんなキャラに見えねえ」
「うわ、酷い。先輩それマジ酷いっすよ。はい私傷付きましたー。むっちゃ傷付きましたー。これはもうご飯奢ってもらわないと機嫌治らないっすねー」
「そうか」
「……」
「……」
「そうっすよ!? そんだけっすか? 普通悪い飯奢るわとかの流れじゃないんすか!?」
「悪い悪い冗談。正直悪いと思うし飯は奢るよ」
まあ俺は先輩だし、懐事情も俺の方が潤ってるだろうし。俺が変な事を言わなかったとしても俺がだし居てやるべきだろう。
……それにアリサの為に動いてもらってる訳だしな。
「よっしゃあ! 好きなもの食べるっすよ! 人のお金で食べるご飯は最高においしい!」
でもコイツ絶対傷付いて無いよね。終始ノリノリだったよね。
「……ああでも先輩」
リーナが少し落ち着いた様子で俺に言う。
「でも今度お返しに何かご馳走しますよ。料理できるとかいう嘘をぶっこむスーパー虚言癖馬鹿女と思われたままなのも癪なんで」
「そこまで酷い事言ったかな俺!?」
と、そんなやり取りをしていた時だった。
「おめでとうございます!」
急に店の入口からそんな声が上がった。
「お客様は当店1000組目のお客様です! 記念として本日はお食事代を気にせず好きなものを好きなだけご注文ください!」
……どうやら俺達の次に来た客がこの店のオープンから1000組目の客だったらしい。
……この店、入ってから気付いたけどそこそこ値が張る良い店だ。この手の店で飲食代がタダになれば相当な幸運と言ってもいいだろう。
と、考えていた時だ。
「ちょ、ちょっと先輩先輩」
リーナが俺にしか聞こえない様な小さな声で言う。
「どした?」
「先輩ってSSランクの幸運スキル持ちなんすよね?」
「そうだけど?」
「だったらこう……こういうのってうまいこと私達が1000組目って感じになるものじゃないんすか」
……ごもっともな話ではある。
SSランクの幸運スキルを持つ俺ならば、おそらくこんな誤差程度の範囲内であれば因果律が都合よく調整されるように1000組目に入店したりする。
それだけ強力な力……の筈だ。
「まあな……でも最近調子がおかしいんだよ」
「調子が……おかしい?」
「ああ。アリサと会った時にスキルを相殺できているって事は、ちゃんとスキルは作用している筈なんだけどさ、それでもなんつーか、運気が普通になってるって言えばいいのか? そんな感じなんだよ」
「……そんな事あります?」
「あるから今こうして俺達は999組目の客なんだろうよ」
「そうっすよね……でも、そんな事」
そしてそう言ったリーナは考える素振りを見せる。
「……」
なんだろう……そうやって深く物事を考えるリーナからは、不思議とどこか知的な印象が伝わってきた。
コイツに尋ねればまともな答えが返ってくるんじゃないかと言う様な。何故か、とても様になっている雰囲気を醸し出している。
それこそ悪いけど……今まで俺が接してきたリーナから印象付くキャラじゃないと、そう思うのに。
そして、長い長い沈黙の後、リーナは静かに呟いた。
「……とりあえずハンバーグにしよう」
「え、今の沈黙どれにするか考えてたの?」
「チキングリルかハンバーグか悩んでたっす」
「あ、そうなんだ……」
え、何? 知的に見えるとか考えてた俺が馬鹿みたいじゃん。
と、そこでリーナが落ち着いた様子で言う。
「……で、質問っす。そうなりだしたのはいつからっすか」
それこそ印象が変わる様な、とても真剣な表情で。
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