人の身にして精霊王

山外大河

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七章 白と黒の追跡者

5 報われていたという話

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「……お前も生きていたなら何よりだよ」

 イマイチ状況を呑み込めていない俺は、とりあえずそういう風に当たり障りのない相槌を打っておく。
 まあ無事だったのは確かに良かった事ではあるのだけれど……とにかく、目の前で起きている事は不可思議な光景だった。
 目の前の女の子が本当に精霊なのか疑ってしまうような光景だった。
 ……そして俺の相槌を聞いて、目の前の精霊はこう返す。

「やっぱりアンタは良い人間」

 そんな意味深な言葉を口にした後、目の前の精霊は仲間の方に振りかえって言う。

「みんな! しばらく此処の警備任せてもいい?」

 そんな言葉の返答を聞く前に、紫髪の精霊は俺の手を握ってこう言った。

「この人間を中に連れていく」

 その瞬間、周囲のざわめきが増した。
 状況は飲み込めない物の、それでもこの精霊はこの場に居た精霊に警備を頼んで、その先にあるどこかに……警備を張ってまで人間から守っている空間に人間を連れていこうとしているのだ。
 その位は理解できて、そうなればこのざわめきにも納得がいく。

「正気ですかレベッカ!? ソイツは人間ですよ!」

 精霊の一人が前に出て、おそらくは紫髪の精霊の名を呼んでそう非難する。
 だが特に動揺する事もなく、きっとケロっとしている表情でレベッカと呼ばれた精霊は答えた。

「正気だよ。ほら、ウチ前々からまともな人間の話をしてたでしょ? その一人がコイツだから」

「しかし……」

「大丈夫。信じてよ」

 そもそも、とレベッカという精霊は言う。

「もしウチが思っていたような人じゃなかったとしても、たかだか人間一人位私なら簡単に潰せるし。責任は私が取るから」

 当たり前の様にそんな事を口にされて、思わず背筋が凍るような感覚がして手を振りほどく。
 それはとても嘘とは思えない言葉で。
 そしてどういうわけか彼女が纏っている、暴走した精霊特有の禍々しい雰囲気も相まって、本当に殺されるんじゃないかと思ってしまった。
 その瞬間、俺とレベッカの間に割りこみ俺を庇う様にエルが前に出る。

「させませんよ」

「やらないわ。言われなくても」

 レベッカはそう言って、敵意が無いことを証明する様に纏っていた禍々しい雰囲気を消し去る。
 そしてそのまま再び他の精霊に問いかける。

「これ以上反論がないなら連れていくけど、それでいい?」

 そしてその問いかけに反論は反ってこない。
 反論を返さなかった精霊達は持ち場に戻るようにその場から散り散りになっていなくなる。

「いやーウチは信用されてるなー。よきかなよきかな」

 調子が良さそうにそう言ったレベッカは、再びこちらを向いて言う。

「そういうことだから。じゃあ行きましょ」

 そう言って俺の手に伸びてきたレベッカの手をエルが阻む。

「手、握る必要ありますか?」

「逆に握っちゃ駄目な理由ってある? 友好の証のスキンシップだと思うけど」

「とにかく駄目なんです……それになんですか、さっきから良い人間だとか友好の証だとか」

「間違った事言ってる?」

「間違ってないです。エイジさんはいい人ですよ。でも……そんか事をあなたが知っている筈がない」

 ……そうだ。レベッカはさっきからこちらを信頼するような言葉を向けてきているが、俺にはコイツから信頼される由縁がない。

「ふーん。なんでそう言い切れるわけ?」

「アナタは地球で……絶界の楽園で暴走してエイジさんをこの世界に飛ばした。そこに殆ど自我なんて残っていないのに、エイジさんの事を知る術がない」

「暴走……か。まあその表現が凄いしっくり来るか。でもなんで自我が無かったって言いきれるの?」

 何故言いきれるかという点に関して言えば、多分エル以上にそれを語れる精霊はいないだろう。

「嫌という程経験しましたから。暴走していた時の記憶なんて微かにしか残らない事なんて良くわかってます。それに……そんな中で得られる僅かな情報で、人間の見方なんて変えられない事も」

「……そっか。アンタ達はあの世界に行って帰ってきたんだ」

 以外そうにレベッカは言う。

「はい。だから分かりますよ。人間と契約を結んでいない精霊はすぐに暴走を始める。まともに自我が残る余地なんない。だからあなたに自我があったはずがない。だとすれば……あなたはエイジさんの事を何も知らない筈なんです」

 そしてエルは一拍明けてから問う。

「……一体何が目的なんですか」

 その言葉に込められているのは警戒心だ。
 ……そして多分俺も、エルと同じ感情を抱いている。
 人から向けられる好意というのは本来嬉しい物の筈だけれど、そうなるに至る理由があまりにも不透明な行為はどこか恐ろしい物がある。
 だけど俺とエルの中で抱くとある前提条件は違っていた。
 思い返してみれば一つ疑問があるのだ。

「目的ね……特に難しい事なんてないよウチなりの謝罪と恩返し……というか決めつけないでほしいな。ウチは自我を失ってなんていなかったんだから」

 コイツは本当に自我を失っていたのかという疑問。

「……え?」

「アンタの言いたい事は分かるけどね。確かに周りの精霊は明らかに自我を失っていた。だけど私は同じ様にはならなかった。自我を持っていかれそうにはなったし、実際数秒持っていかれたりしたから暴走したかどうかで言えば暴走しているんだろうけど……ウチの場合は言うなれば半暴走状態とでも言うべきだったんだと思う」

 実際、対策局に出入りして。SB細胞を始めとした精霊の暴走の原因を知って。イルミナティの男から話を聞いた今、そんな都合のいい事が起こりえないという認識は確かに持っている。
 だけど。

「……じゃああの時、俺の頭を掴んだ時以外は自我があったわけだ」

「信じるんですかエイジさん」

「……確かに言っている事は無茶苦茶だとは思うよ。そんな都合のいいように物事は運んでくれない……だけど、腑に落ちる事がいくつかある」

 これは暴走する精霊と……エルと実際に対峙したから分かる事だ。

「多分あの時本当に他の精霊と同じ様に暴走していたら……俺はあの場でお前に殺されていただろ」

 レベッカに向けて俺はそう言った。
 思い返してみればエルの暴走にも僅かだが段階と呼べるものが存在した。
 最初に暴走した時と、それ以降。
 最初はエルに首を絞められた程度で終わったんだ。それは憶測だけれど暴走を仮に数値化できるとすればそれが浅かったという事だろう。それ以降のエルの明らかに殺しにきている攻撃とは明らかに違っていた。
 ではレベッカの時はどうだっただろうか。
 あの時の精霊術も使えず冗談見たいな耐久力の無い俺なんて、精霊術による肉体強化を掛けた上で殴っただけで一撃で殺される様な状態だった筈だ。
 ……そんな中でレベッカは俺の頭を鷲掴みにしてきたんだ。普通に暴走していればもっと直接的な行為に出る筈。
 そしてそもそも纏っていた禍々しい雰囲気は他の精霊と比べて僅かなもので、それになにより最終的に俺を殺さず、異世界へと飛ばすというっきっと前例のない事をやってのけた。

 全く暴走していなかった訳ではないと思うが、それでも普通の暴走では無い。
 ……半暴走状態という言葉が中々にしっくり来る。

「そうね。あの時ウチは途中で意識が途切れて気が付けばアンタの頭を鷲掴みにしていた。そして分かった。ああ、自分はこの人間を殺そうとしていたんだって。殺す為の精霊術も発動しようとしていたから。その時思ったんだ。ウチはまたすぐにおかしくなって、今度こそこの人を殺すって。それが次の瞬間かもしれないって。だから咄嗟にウチ自身が生き延びる為と……そしてアンタを殺してしまわないように、意識があるうちにあの場から離脱させた。あの場にいたら他の精霊がアンタを殺してしまうかもしれないってのもあったけど。とにかく、暴走していたらウチはアンタを殺していたって考えて間違いないと思う」

「……やっぱり自我があったのは本当なんだろうな」

「……でも、そんな事」

「理由は分からないし、暴走に関する知識はエルの方が知ってるのは分かってる。だけどそうじゃないと説明できない」

「……まあそうですけど」

「信じてくれたようでなによりね」

 そう言ってレベッカは笑みを浮かべるが、でも、と俺に問う。

「だったらどうしてそんなに腑に落ちない表情してるの?」

「……」

 俺とエルがレベッカに抱いた警戒心。
 エルはそもそもレベッカが暴走していたから、俺の事を何も知らない筈という考えだ。
 俺はそれとはまた違う。少なくともある程度の自我が残っていたという事は分かるんだ。
 ……だけど。

「俺がお前に何をしたよ」

「何って……」

「お前に自我があったとして、俺はお前に何をしてやれた? 何もやってねえだろ俺は。なのに精霊のお前が、人間の俺の事をいい人なんて言うかよ」 

 良く知ってる。
 そんな程度で精霊からの信頼が勝ち取れない事なんて。
 ……本当に、よく知ってるんだ。

 ……だからコイツの向けてくる感情が、本当に理解できないんだ。

 だが俺の考えの根底を覆すような事をレベッカは言う。

「してくれたよ、アンタは」

「え?」

 全く記憶がない。
 ……俺は一体何をしたんだ?

「怪我をしたウチに大丈夫かって、心配してもらった」

「……は?」

 ……そんな事か?
 ……そんな程度の事か?

「……多分暴走した精霊が暴れているような状況で、あなたが怪我をしていたら、きっとエイジさんは心配して声を掛けると思います。それは間違いありません」

 だけど、とエルは俺が思った事と同じ事を言う。

「それで人間を信頼したんですか? ……冗談でしょう?」

 エルは信じられないものを見る様に、そう問いかける。
 本当に……冗談みたいな話だ。
 だけどそれはレベッカも理解していたらしい。

「まあ確かに人間に信頼を向けるエピソードにしては、あまりに弱い事は理解しているつもり」

 だけど、とレベッカは言う。

「もしそれより前に信頼できる人間に出会えていたら。ちゃんとまともな人間がいるという事が分かれば……そのハードルは下がると思わない?」

 それは確かにそうかもしれない。
 実際エルが色々な人に信頼を向けているのも、俺に対してある程度の信頼を向けてくれた時よりも大きく下がっているだろう。
 ……でも、そうだとすれば。

「……どこかで出会ったのか? 信頼できる人間に」

「うん。多分その人に出会ってなかったら私はとっくに死んでるか、人間に捕まってる。そして……きっとアンタも殺していた」

 そう言ってレベッカはポケットから何かを取りだした。

「必死にこれを渡そうとしてくれたあの人が、全部変えてくれたんだ」

 そう言って見せられたペンダントを見て俺達は思わず凍りついた。
 だってそうだ……そのペンダントを俺達は知っている。

 そのペンダントは枷だ。
 精霊術を使えなくする代わりに、精霊が放つ神秘的な雰囲気を完璧に抑え込む。
 必死に精霊を救おうと。罪を償おうと。必死になって戦っている精霊学の天才が作り上げた代物。

 そして……出会った精霊に片腕を失ってでも渡そうとした代物。

 ……つまりだ。

 レベッカが、シオンが片腕を失ってまで助けようとした精霊で……シオンの左腕を切断した精霊で。
 そして……もう一つだけ分かった事。

『そんな風に押し付けた物だからね。とっくの昔に捨てられているのかもしれない。いや、かもしれないというより十中八九捨てられてしまっているだろう。その場の恐怖で受け取った物を、持ち続ける理由なんてのは無い筈だから』

 シオンの行動は無駄じゃなっかった。ちゃんと報われていたんだ。
 アイツが必死になって渡した枷は、捨てられてなんていなかったんだ。
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