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となり
♥(5)となり〈終〉
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今日は朝から忙しい。手芸クラブで作ってきた孤児院への贈り物の仕上げ段階だったのだ。
靴下、肌着、マフラー等の防寒具、それに刺繍を施す刺繍組、10月からそれぞれ役割分担を決めて取り組んできた物をそれぞれチェックして、R寮のパーティー担当の人に引き渡す日だった。
皆が数えた品目を、私が用意していたチェックシートに記入し終えた時だった。教室の入り口にお兄様と皇太子殿下、あと数人が立っているのが見えた。私は手を止めてそちらへ出向く。
「ジェニー、順調に進んでる?」
「ええ。皇太子殿下もごきげんよう。」
「あ、あぁ。」
殿下はこの時期、首都との書簡のやり取りと試験勉強で忙しくしているのに、孤児院のパーティーの手伝いをしているなんて珍しい。
昨日のこともあって少し顔を合わせずらいと思っていたが、殿下の方から視線を外してくれるので、私は特にそのことには触れず、本題に入った。
「お兄様は品を引き取りに来たの?」
「あぁ。試験前だけ人手が足りないらしくて、準備を手伝っているんだ。」
「ちょうど最終チェックが終わったところなの。」
私は教室内に手を差し向けて、6箱ぎっしりとつまった贈り物をお披露目した。
お兄様が来たせいか、それとも殿下がいらっしゃったからか、先ほどまで和やかにお喋りしていた手芸クラブのメンバーが緊張した趣で静まり返っている。
お兄様は箱と品目と数が書かれたチェックシートを確認すると、一緒に来ていたR寮の方たちに箱を運ぶように指示した。
「手芸クラブの皆さん、今年もありがとう。子供たちもきっと喜んでくれるだろう。」
にこりとお兄様が微笑むと、黄色い歓声が沸く。
「ジェニーもお疲れ様。よく頑張ったね。」
そしてなぜだか、お兄様が私の頭を撫でるとより一層きゃあと騒がしくなった。
相変わらずお兄様は人気者だ。私はくすぐったくなり、お兄様が触れた頭を自分でも触れた。
「あ、キースそれは私が運ぶので、皆と先に行ってください。」
ふと、最後の1個を持とうとしていた殿下に、お兄様が声をかける。
「え?いや、俺が持ってくよ。」
「いいですから。」
「いや、俺も運ばないと来た意味無くなるだろ!」
「意味は他にあったでしょう?」
「うるせぇ!お前より俺のが腕力あるんだよ!」
お兄様と仲が良いのは知っていたけれど、殿下ってこんなに流暢にお喋りできるのね。いつものように顔は赤くしているが、砕けた口調で噛まずに話す殿下は別人のように見える。
目を三角に吊り上げながら箱を持って教室を後にする殿下を見送ると、お兄様が私に向き直った。
周りからは、殿下に親しみが沸いたというような内容の声がちらほら聞こえる。
「ジェニー、手芸クラブの仕事はもう終わり?」
「うん、そうね。あとは後片付けくらいかしら。」
私が皆に目配せをすると、皆から片付けはやっておくわよ、と声をかけられた。私が1番働いていたのだからと。
そんなことはない。皆、同様に一生懸命取り組んできたはずだ。しかし、お兄様が皆にありがとうと先手を打って、私の手を引いた。
「どこに行くの?」
「…少し話をしよう。」
お兄様は無人の教室に入り、私を椅子に座らせたあと、扉を閉めた。小さく息を漏らしたあと、静かに話し始める。
「…演奏会のチケット、キャルの友人にあげたみたいだね。」
あぁ、その話。やはりお兄様は…。
「やっぱりお兄様だったのね。無理矢理チケットを取って殿下に渡したのは。私が毎年友人と一緒に行っている事を知っていて、なぜそんなことを?」
私が厳しくお兄様を見つめても、お兄様は少しも動じず答えた。
「今年だけだろう。キースも最終学年なのだから、少しは花を持たせてやってくれないか。」
「殿下の為に、自分を押し込めろと?」
「そうじゃない。ただ、一方的に避けていては、いつまでも何も解決しないだろう?」
お兄様は正論だ。
だけど、それでは私の気持ちはどうなるの?正々堂々と婚約破棄をお願いしてもだめだった。避けたり冷たくする以外、どうすれば殿下の考えが変わるというの?
「…この前の校内新聞のことは?あれもお兄様の差し金?」
「……。」
沈黙。つまり黒、そういうことなのだろう。
「シャンテを脅したの?それともシャンテの喜びそうな餌でもぶら下げた?」
「…彼は関係ないよ。」
「信じられると思いますか?!」
自分でも思った以上に語調が強くなり、お兄様も驚いたように瞳が揺れた。
今回の演奏会、確かにシャンテからはいつもの席のチケットを貰えた。しかし彼は乗馬祭で不自然にもにお兄様との接点ができ、その後にあの校内新聞の件が起こった。仕組まれたとしか思えなかった。私が避けようとしている殿下との時間を、お兄様が無理矢理作ろうとしている。いつも私の味方でいてくれたお兄様が。
「お兄様が殿下を気に入っているのは理解しているつもりです。だからと言って、私の気持ちを無視して押し付けようとするのはやめてください。」
大好きだったお兄様との間に、とてつもなく高い壁を感じる。
「押し付けようとしている訳じゃないよ。ただ、向き合う時間を作ってやって欲しいんだ。キースは…。」
「もう、私の味方には、なって貰えないのですね。」
「ジェニー、聞いて。私はいつもお前の味方だ。」
「いいえ。いいえ、もう違います。」
私の肩に置かれたお兄様の手を振り払い、私は逃げるように教室から飛び出した。
後ろで聞こえたジェニー!と呼ぶ声は追いかけてくることはなく、私は1人校舎を後にする。
私の我儘だということは重々承知している。それでもお兄様にはいつでも私を優先して欲しいと思っていた。そうしてくれると思っていた。
これじゃあ子供の嫉妬だわ。お兄様を取られたような気がしてショックを受けているなんて。それでもすぐに謝る気にはならない。これが大人になるということなら、ずっと子供でいたいわ。
私はG寮の前で大きなため息を吐いた。
気を落としたまま寮に入ると、談話室にいたローズに呼び止められた。ヘーゼ、ラミエラ、キャルにブライアとお馴染みの面々でお菓子を囲んでいる。シャンテだけは、また演奏会の練習だろう。
「ブライアがマドレーヌを焼いてくれたの。一緒に食べましょう、ジェニー?」
「…美味しそうね。」
「ふふ、お代は勉強を教えることだけれどね。」
ブライアは平民の特待生だ。わざわざ指導などしなくとも、勉強くらいできるだろうに。きっとキャルにおねだりされたのね。
私は笑顔を作ったつもりだったが、うまく笑えていなかったようだ。ローズが心配そうに覗き込んできた。
「…ジェニー?何かあったの?元気が無いわ。」
ローズの優しい眼差しに、幼稚な自分がますます嫌になる。
私がローズの肩に頭を預けると、ローズはすぐ抱きしめてくれた。いつまでも不変な友はとても居心地が良く、つい甘えてしまう。
「よしよし、ジェニー、どうしたの?」
「…お兄様と…喧嘩してしまったの。」
えっ?!!とその場にいた全員が声を揃えた。ローズももちろんその1人で、咄嗟に私の肩を押し返し、目を合わせる。
私は幼い頃ですらお兄様と喧嘩などしたことがなかった。ちょっとした言い合いさえもしたことがない。お兄様の言うことはいつも的を得ていたし、いつでも私を尊重してくれていた。
その為、ローズのこの世の終わりのような表情も、キャルが食べていたお菓子を落とすのも、ヘーゼがカップではない場所にお茶を注いでいるのも、正常な反応だった。
靴下、肌着、マフラー等の防寒具、それに刺繍を施す刺繍組、10月からそれぞれ役割分担を決めて取り組んできた物をそれぞれチェックして、R寮のパーティー担当の人に引き渡す日だった。
皆が数えた品目を、私が用意していたチェックシートに記入し終えた時だった。教室の入り口にお兄様と皇太子殿下、あと数人が立っているのが見えた。私は手を止めてそちらへ出向く。
「ジェニー、順調に進んでる?」
「ええ。皇太子殿下もごきげんよう。」
「あ、あぁ。」
殿下はこの時期、首都との書簡のやり取りと試験勉強で忙しくしているのに、孤児院のパーティーの手伝いをしているなんて珍しい。
昨日のこともあって少し顔を合わせずらいと思っていたが、殿下の方から視線を外してくれるので、私は特にそのことには触れず、本題に入った。
「お兄様は品を引き取りに来たの?」
「あぁ。試験前だけ人手が足りないらしくて、準備を手伝っているんだ。」
「ちょうど最終チェックが終わったところなの。」
私は教室内に手を差し向けて、6箱ぎっしりとつまった贈り物をお披露目した。
お兄様が来たせいか、それとも殿下がいらっしゃったからか、先ほどまで和やかにお喋りしていた手芸クラブのメンバーが緊張した趣で静まり返っている。
お兄様は箱と品目と数が書かれたチェックシートを確認すると、一緒に来ていたR寮の方たちに箱を運ぶように指示した。
「手芸クラブの皆さん、今年もありがとう。子供たちもきっと喜んでくれるだろう。」
にこりとお兄様が微笑むと、黄色い歓声が沸く。
「ジェニーもお疲れ様。よく頑張ったね。」
そしてなぜだか、お兄様が私の頭を撫でるとより一層きゃあと騒がしくなった。
相変わらずお兄様は人気者だ。私はくすぐったくなり、お兄様が触れた頭を自分でも触れた。
「あ、キースそれは私が運ぶので、皆と先に行ってください。」
ふと、最後の1個を持とうとしていた殿下に、お兄様が声をかける。
「え?いや、俺が持ってくよ。」
「いいですから。」
「いや、俺も運ばないと来た意味無くなるだろ!」
「意味は他にあったでしょう?」
「うるせぇ!お前より俺のが腕力あるんだよ!」
お兄様と仲が良いのは知っていたけれど、殿下ってこんなに流暢にお喋りできるのね。いつものように顔は赤くしているが、砕けた口調で噛まずに話す殿下は別人のように見える。
目を三角に吊り上げながら箱を持って教室を後にする殿下を見送ると、お兄様が私に向き直った。
周りからは、殿下に親しみが沸いたというような内容の声がちらほら聞こえる。
「ジェニー、手芸クラブの仕事はもう終わり?」
「うん、そうね。あとは後片付けくらいかしら。」
私が皆に目配せをすると、皆から片付けはやっておくわよ、と声をかけられた。私が1番働いていたのだからと。
そんなことはない。皆、同様に一生懸命取り組んできたはずだ。しかし、お兄様が皆にありがとうと先手を打って、私の手を引いた。
「どこに行くの?」
「…少し話をしよう。」
お兄様は無人の教室に入り、私を椅子に座らせたあと、扉を閉めた。小さく息を漏らしたあと、静かに話し始める。
「…演奏会のチケット、キャルの友人にあげたみたいだね。」
あぁ、その話。やはりお兄様は…。
「やっぱりお兄様だったのね。無理矢理チケットを取って殿下に渡したのは。私が毎年友人と一緒に行っている事を知っていて、なぜそんなことを?」
私が厳しくお兄様を見つめても、お兄様は少しも動じず答えた。
「今年だけだろう。キースも最終学年なのだから、少しは花を持たせてやってくれないか。」
「殿下の為に、自分を押し込めろと?」
「そうじゃない。ただ、一方的に避けていては、いつまでも何も解決しないだろう?」
お兄様は正論だ。
だけど、それでは私の気持ちはどうなるの?正々堂々と婚約破棄をお願いしてもだめだった。避けたり冷たくする以外、どうすれば殿下の考えが変わるというの?
「…この前の校内新聞のことは?あれもお兄様の差し金?」
「……。」
沈黙。つまり黒、そういうことなのだろう。
「シャンテを脅したの?それともシャンテの喜びそうな餌でもぶら下げた?」
「…彼は関係ないよ。」
「信じられると思いますか?!」
自分でも思った以上に語調が強くなり、お兄様も驚いたように瞳が揺れた。
今回の演奏会、確かにシャンテからはいつもの席のチケットを貰えた。しかし彼は乗馬祭で不自然にもにお兄様との接点ができ、その後にあの校内新聞の件が起こった。仕組まれたとしか思えなかった。私が避けようとしている殿下との時間を、お兄様が無理矢理作ろうとしている。いつも私の味方でいてくれたお兄様が。
「お兄様が殿下を気に入っているのは理解しているつもりです。だからと言って、私の気持ちを無視して押し付けようとするのはやめてください。」
大好きだったお兄様との間に、とてつもなく高い壁を感じる。
「押し付けようとしている訳じゃないよ。ただ、向き合う時間を作ってやって欲しいんだ。キースは…。」
「もう、私の味方には、なって貰えないのですね。」
「ジェニー、聞いて。私はいつもお前の味方だ。」
「いいえ。いいえ、もう違います。」
私の肩に置かれたお兄様の手を振り払い、私は逃げるように教室から飛び出した。
後ろで聞こえたジェニー!と呼ぶ声は追いかけてくることはなく、私は1人校舎を後にする。
私の我儘だということは重々承知している。それでもお兄様にはいつでも私を優先して欲しいと思っていた。そうしてくれると思っていた。
これじゃあ子供の嫉妬だわ。お兄様を取られたような気がしてショックを受けているなんて。それでもすぐに謝る気にはならない。これが大人になるということなら、ずっと子供でいたいわ。
私はG寮の前で大きなため息を吐いた。
気を落としたまま寮に入ると、談話室にいたローズに呼び止められた。ヘーゼ、ラミエラ、キャルにブライアとお馴染みの面々でお菓子を囲んでいる。シャンテだけは、また演奏会の練習だろう。
「ブライアがマドレーヌを焼いてくれたの。一緒に食べましょう、ジェニー?」
「…美味しそうね。」
「ふふ、お代は勉強を教えることだけれどね。」
ブライアは平民の特待生だ。わざわざ指導などしなくとも、勉強くらいできるだろうに。きっとキャルにおねだりされたのね。
私は笑顔を作ったつもりだったが、うまく笑えていなかったようだ。ローズが心配そうに覗き込んできた。
「…ジェニー?何かあったの?元気が無いわ。」
ローズの優しい眼差しに、幼稚な自分がますます嫌になる。
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「よしよし、ジェニー、どうしたの?」
「…お兄様と…喧嘩してしまったの。」
えっ?!!とその場にいた全員が声を揃えた。ローズももちろんその1人で、咄嗟に私の肩を押し返し、目を合わせる。
私は幼い頃ですらお兄様と喧嘩などしたことがなかった。ちょっとした言い合いさえもしたことがない。お兄様の言うことはいつも的を得ていたし、いつでも私を尊重してくれていた。
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