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期せずして想い届ける冬日影
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外はとっくに暗くなり、私は既にネグリジェ姿でリラックスして本を読んでいたというのに、わざわざドレスに着替える羽目になってしまった。こんな時間に。
婚約者に会うとなると、メイドたちがはしゃいで楽しそうに私を着せかえ人形にする為、なんだか文句も言いづらい。
「御髪はどうしましょうか?いつも通り編んでまとめますか?」
またすぐにネグリジェに戻るというのに、わざわざ時間をかけたくない。
「そこまでしっかりしなくてもいいわ。…このままではだめなの?」
「だめです!!!」
3人のメイド達に囲まれて揃ったセリフを言われると、なかなか迫力がある。
「では簡単にハーフアップにさせて頂きますので、鏡を向いてくださいお嬢様。」
こんな時間に待たせているわけだから、そんなに着飾らなくてもいいと思うけれど。メイドの意地に関わるのかしら。
控えめな飾りの紺色のドレスに控えめなネックレスを身につけ、髪も下ろした状態なので心配していたよりは落ち着いた印象にまとまって、とりあえず一安心した。このメイドたちは放っておくと派手に着飾らせられるから。
「では、行ってくるわね。」
広い屋敷のはずなのに、道中が短く感じる。あっという間に応接室に着いてしまった。
ノックをすれば、聞き慣れた殿下の硬い声。私は使用人に自分の分のお茶も持ってくるように申し付けてから小さく息を吐き、扉を開けた。
「お待たせいたしました。」
「あ…いや、…夜分遅くに……すまない…。」
顔を赤らめる殿下はいつも以上に歯切れが悪い。昼間に何人もの挨拶をひたすら聞いていたのだろうから、疲れていて当然だ。そんな状態で、わざわざ何をしにいらっしゃったのか。
私は殿下の正面のソファに腰を下ろした。
「髪…下ろしているの、珍しい、な。」
「もう休んでいましたので。」
「わ、悪い…。」
気まずそうに視線を下げる殿下。
そんなことよりも、早く要件を仰っていただきたいのですが。
「あの、ご用件は何でしょうか?」
私がそう問えば、殿下はちらりと私を見た後、今度は視線を左右に泳がせた。相変わらずの挙動不審。
「…エルのことだが、…何か、誤解があるのなら…と思って…。」
「どういった誤解でしょうか?」
「それは………。」
もしかして、私とお兄様の仲を取り持とうとしているのかしら?仲違いの一因でもある皇太子殿下が?
「私と話すように、誰かに頼まれましたか?」
「え?」
「お父様やお兄様に。」
「い、いや!そんなことは…あ、いや、公爵は心配していたが…。」
お父様が過剰に心配しているのは分かっていた。というよりも、お父様は何もかも過剰だ。
見た目は若々しく外ではクールぶっているから貴族や民衆からも人気があるが、身内にはべたべたじとじと感情的で対応に困る。
おまけに皇太子殿下のことをとても気に入っている為、お父様の前では冷たい態度をとることができないのだ。
「エルとジェニエッタ嬢は、すごく仲が良かっただろ?…エルも、とても落ち込んでいたんだ。……………最後に会ったのは冬休み前だけど。」
要するに、お兄様の擁護をしに来たのね。
「エルは………まぁ、確かに腹黒いし…人の気持ちを考えずにズバズバ言うし、割と自分勝手なところもあるし、短気だけど…。」
悪口かしら。
「でも、……あいつの頭の中は、いつもジェニエッタ嬢でいっぱいなんだよ。」
「え?」
「あいつの卒業後の進路、聞いたか?」
進路も何も、ガンガルド家の長男なのだからお父様の後継ぎとして仕事を手伝うはずだ。
「俺の側近になってくれるって言うんだ。」
「え、お兄様がですか?」
「あぁ。それも、俺の為とかじゃないんだ。宮仕えならジェニエッタ嬢にも近い上、俺がジェニエッタ嬢をちゃんと大切にできてるか見張る為らしい…。」
殿下はため息をついて、驚異のシスコンだよ、と苦い笑いを見せた。
お兄様の卒業後の話は初耳だった。
私が結婚をしたらお兄様にもあまり会えなくなるものとばかり思っていた。それでも結婚の後押しをしているのだと悲しくなった。でも、ちゃんと私の事を考えてくれていたのだ。
そうとは知らず、お兄様の言い分を聞きもしないで一方的に突き放してしまった。
「…知りませんでした。」
私は素直にそう呟いた。お兄様に対する罪悪感がみるみる膨らむ。
「ジェニエッタ嬢は悪くない。」
顔に出ていたかしら?
心を読まれたと思い、驚いて殿下と目を合わせると、殿下もはっとして視線を反らして頭を掻いた。
「そもそもあいつが自己完結しすぎなんだ。大事なことなんだから、ちゃんと言っておけばいいものを…。」
散々冷たくしてきた殿下にフォローされるとは。自分で自分が情けなくなる。
私はどこを見るでもなく視線を下げ、あの日のお兄様を思い出した。縋るような瞳で、”私はいつもお前の味方だ”と言ってくれた。あの時は何も信用できなくて突き放してしまったが、ちゃんと聞けば教えてくれたのだろうか。あんな顔をさせずに済んだのだろうか。
「少しは許す気になったか?」
殿下の声に視線を上げると、あまりに穏やかな表情に意表を突かれ、1度だけ、心臓が大きく鼓動した。
驚くのも仕方のないことだ。殿下のこんな表情と言えば人前に出る時に見れる程度で、他はおどおどしている印象しかない。
「許すも何も…。」
何もかも私の勘違い。
「頼む。許してやってくれ。じゃないと、俺もエルに口をきいてもらえないんだ。」
友人であるお兄様を心配しているのかと思ったら、自分の為ですか。
呆れて殿下を見つめたが、いつものように青い顔をしているところを見ると、そうとう応えているらしい。
「なぜ私たちが仲直りするまで、お兄様に会ってもらえないのですか?」
「そう言われたんだ…冬休みに入る前に…。大げさに言っているのかと思っていたが、本当に会いに来てくれないから…。」
殿下はがっくりと肩を落とした。口元は笑っているが、目はこぼれそうなほど潤っている。泣くほどショックだったのですか。
これは、もしかしなくても私が励ますべきなのかしら?
「では今日はもしかして、お兄様に会いに来たのですか?」
そうなんだ、と頷く殿下。
「あ!もちろんジェニエッタ嬢に会えたのも、う…嬉しいが…。遅い時間に押しかけてしまったから、会えないだろうと思っていたし…。」
お父様に言われて断れなかっただけですが。
「せっかく時間を作って来たのに、エルのやつ…俺がジェニエッタ嬢に好きだと言わない限り会わないと言ってきたんだ。」
「え?」
「ん?」
しばし、きょとんとした殿下と見つめ合う。
気のせいだったのかしら。今、殿下が私を好きだと言った気がしたけれど。
3数えたくらいの間で、殿下の顔が急に赤く染まった。
「いや!今のは!……待ってくれ、今のは無し!こんな風に言うつもりじゃ……!」
何が無しなのか分からないが、熱した金属のように紅潮されて大げさに慌てられると、こちらまでつられて恥ずかしくなる。
殿下は膝に顔をうずめたが、ちらりと見える耳がまだ赤い。
「…………忘れてくれ。」
小さく震えた声だったが、そう言っていたのはしっかり聞こえた。
「…………分かりました。」
私も答える。
殿下は顔を上げないし、私も何を言ったらいいか分からなくなり、沈黙が続いた。身じろぎ一つとりにくく、ただただ気恥ずかしさに耐えていると、突然殿下が立ち上がり、顔を隠しながら扉の方へ歩いて行った。背中越しにまた早口な声が聞こえる。
「今日は遅い時間にすまなかった。暖かくして休んでくれ。」
殿下はそのまま顔を見せずにそそくさと部屋を出ていき、私は漸く妙な緊迫感から解放された。
未だにドクドクと早鳴る胸を抑え、ソファから動けずにいると、心配した使用人が駆け寄ってきた。
「お嬢様、どうなさいましたか?ご気分が優れないのですか?」
気分が悪いわけではないが、動悸が鳴りやまず落ち着かない。
「…大丈夫。」
「ですが、お顔が赤いですよ。熱があるかもしれません。」
「大丈夫よ。部屋に戻るわ。」
私も殿下と同じように紅潮しているのだろうか。顔を隠したくなる気持ちが少し分かった。
婚約者に会うとなると、メイドたちがはしゃいで楽しそうに私を着せかえ人形にする為、なんだか文句も言いづらい。
「御髪はどうしましょうか?いつも通り編んでまとめますか?」
またすぐにネグリジェに戻るというのに、わざわざ時間をかけたくない。
「そこまでしっかりしなくてもいいわ。…このままではだめなの?」
「だめです!!!」
3人のメイド達に囲まれて揃ったセリフを言われると、なかなか迫力がある。
「では簡単にハーフアップにさせて頂きますので、鏡を向いてくださいお嬢様。」
こんな時間に待たせているわけだから、そんなに着飾らなくてもいいと思うけれど。メイドの意地に関わるのかしら。
控えめな飾りの紺色のドレスに控えめなネックレスを身につけ、髪も下ろした状態なので心配していたよりは落ち着いた印象にまとまって、とりあえず一安心した。このメイドたちは放っておくと派手に着飾らせられるから。
「では、行ってくるわね。」
広い屋敷のはずなのに、道中が短く感じる。あっという間に応接室に着いてしまった。
ノックをすれば、聞き慣れた殿下の硬い声。私は使用人に自分の分のお茶も持ってくるように申し付けてから小さく息を吐き、扉を開けた。
「お待たせいたしました。」
「あ…いや、…夜分遅くに……すまない…。」
顔を赤らめる殿下はいつも以上に歯切れが悪い。昼間に何人もの挨拶をひたすら聞いていたのだろうから、疲れていて当然だ。そんな状態で、わざわざ何をしにいらっしゃったのか。
私は殿下の正面のソファに腰を下ろした。
「髪…下ろしているの、珍しい、な。」
「もう休んでいましたので。」
「わ、悪い…。」
気まずそうに視線を下げる殿下。
そんなことよりも、早く要件を仰っていただきたいのですが。
「あの、ご用件は何でしょうか?」
私がそう問えば、殿下はちらりと私を見た後、今度は視線を左右に泳がせた。相変わらずの挙動不審。
「…エルのことだが、…何か、誤解があるのなら…と思って…。」
「どういった誤解でしょうか?」
「それは………。」
もしかして、私とお兄様の仲を取り持とうとしているのかしら?仲違いの一因でもある皇太子殿下が?
「私と話すように、誰かに頼まれましたか?」
「え?」
「お父様やお兄様に。」
「い、いや!そんなことは…あ、いや、公爵は心配していたが…。」
お父様が過剰に心配しているのは分かっていた。というよりも、お父様は何もかも過剰だ。
見た目は若々しく外ではクールぶっているから貴族や民衆からも人気があるが、身内にはべたべたじとじと感情的で対応に困る。
おまけに皇太子殿下のことをとても気に入っている為、お父様の前では冷たい態度をとることができないのだ。
「エルとジェニエッタ嬢は、すごく仲が良かっただろ?…エルも、とても落ち込んでいたんだ。……………最後に会ったのは冬休み前だけど。」
要するに、お兄様の擁護をしに来たのね。
「エルは………まぁ、確かに腹黒いし…人の気持ちを考えずにズバズバ言うし、割と自分勝手なところもあるし、短気だけど…。」
悪口かしら。
「でも、……あいつの頭の中は、いつもジェニエッタ嬢でいっぱいなんだよ。」
「え?」
「あいつの卒業後の進路、聞いたか?」
進路も何も、ガンガルド家の長男なのだからお父様の後継ぎとして仕事を手伝うはずだ。
「俺の側近になってくれるって言うんだ。」
「え、お兄様がですか?」
「あぁ。それも、俺の為とかじゃないんだ。宮仕えならジェニエッタ嬢にも近い上、俺がジェニエッタ嬢をちゃんと大切にできてるか見張る為らしい…。」
殿下はため息をついて、驚異のシスコンだよ、と苦い笑いを見せた。
お兄様の卒業後の話は初耳だった。
私が結婚をしたらお兄様にもあまり会えなくなるものとばかり思っていた。それでも結婚の後押しをしているのだと悲しくなった。でも、ちゃんと私の事を考えてくれていたのだ。
そうとは知らず、お兄様の言い分を聞きもしないで一方的に突き放してしまった。
「…知りませんでした。」
私は素直にそう呟いた。お兄様に対する罪悪感がみるみる膨らむ。
「ジェニエッタ嬢は悪くない。」
顔に出ていたかしら?
心を読まれたと思い、驚いて殿下と目を合わせると、殿下もはっとして視線を反らして頭を掻いた。
「そもそもあいつが自己完結しすぎなんだ。大事なことなんだから、ちゃんと言っておけばいいものを…。」
散々冷たくしてきた殿下にフォローされるとは。自分で自分が情けなくなる。
私はどこを見るでもなく視線を下げ、あの日のお兄様を思い出した。縋るような瞳で、”私はいつもお前の味方だ”と言ってくれた。あの時は何も信用できなくて突き放してしまったが、ちゃんと聞けば教えてくれたのだろうか。あんな顔をさせずに済んだのだろうか。
「少しは許す気になったか?」
殿下の声に視線を上げると、あまりに穏やかな表情に意表を突かれ、1度だけ、心臓が大きく鼓動した。
驚くのも仕方のないことだ。殿下のこんな表情と言えば人前に出る時に見れる程度で、他はおどおどしている印象しかない。
「許すも何も…。」
何もかも私の勘違い。
「頼む。許してやってくれ。じゃないと、俺もエルに口をきいてもらえないんだ。」
友人であるお兄様を心配しているのかと思ったら、自分の為ですか。
呆れて殿下を見つめたが、いつものように青い顔をしているところを見ると、そうとう応えているらしい。
「なぜ私たちが仲直りするまで、お兄様に会ってもらえないのですか?」
「そう言われたんだ…冬休みに入る前に…。大げさに言っているのかと思っていたが、本当に会いに来てくれないから…。」
殿下はがっくりと肩を落とした。口元は笑っているが、目はこぼれそうなほど潤っている。泣くほどショックだったのですか。
これは、もしかしなくても私が励ますべきなのかしら?
「では今日はもしかして、お兄様に会いに来たのですか?」
そうなんだ、と頷く殿下。
「あ!もちろんジェニエッタ嬢に会えたのも、う…嬉しいが…。遅い時間に押しかけてしまったから、会えないだろうと思っていたし…。」
お父様に言われて断れなかっただけですが。
「せっかく時間を作って来たのに、エルのやつ…俺がジェニエッタ嬢に好きだと言わない限り会わないと言ってきたんだ。」
「え?」
「ん?」
しばし、きょとんとした殿下と見つめ合う。
気のせいだったのかしら。今、殿下が私を好きだと言った気がしたけれど。
3数えたくらいの間で、殿下の顔が急に赤く染まった。
「いや!今のは!……待ってくれ、今のは無し!こんな風に言うつもりじゃ……!」
何が無しなのか分からないが、熱した金属のように紅潮されて大げさに慌てられると、こちらまでつられて恥ずかしくなる。
殿下は膝に顔をうずめたが、ちらりと見える耳がまだ赤い。
「…………忘れてくれ。」
小さく震えた声だったが、そう言っていたのはしっかり聞こえた。
「…………分かりました。」
私も答える。
殿下は顔を上げないし、私も何を言ったらいいか分からなくなり、沈黙が続いた。身じろぎ一つとりにくく、ただただ気恥ずかしさに耐えていると、突然殿下が立ち上がり、顔を隠しながら扉の方へ歩いて行った。背中越しにまた早口な声が聞こえる。
「今日は遅い時間にすまなかった。暖かくして休んでくれ。」
殿下はそのまま顔を見せずにそそくさと部屋を出ていき、私は漸く妙な緊迫感から解放された。
未だにドクドクと早鳴る胸を抑え、ソファから動けずにいると、心配した使用人が駆け寄ってきた。
「お嬢様、どうなさいましたか?ご気分が優れないのですか?」
気分が悪いわけではないが、動悸が鳴りやまず落ち着かない。
「…大丈夫。」
「ですが、お顔が赤いですよ。熱があるかもしれません。」
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