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期せずして想い届ける冬日影
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* * * * *
入学してから1週間も経つと、学校生活や寮生活にもそれなりに慣れてきた。
私とローズ、公爵令嬢が2人並んで歩くものだから、変に絡まれるどころか人があまり近寄って来ず、どこにいても悠々と過ごせた。
今日も今から談話室で、恒例の授業後のティータイムをローズと過ごす予定で、2人で寮に向かっているところだった。だが寮に戻ると何か様子がおかしかった。
談話室の前で数人固まってはこそこそと話す人たち。談話室に入ろうとしては去って行く人たち。何が起こっているのかと思い、近くにいた入学前からの顔見知りに声をかけた。
「ラミエラさん、何かあったの?」
「あ、ジェニエッタ様にローズ様。…それが、なんだか揉めているようで、談話室に入れないのです。」
談話室で揉め事とは迷惑な話だ。
ちらりと中を覗けば、男子生徒同士の揉め事らしく、1人に3人で詰め寄っている様子だった。
私は、小説で女同士のいざこざ読んだことはあったが男もやるのだな、と呑気に思っていたが、隣にいたローズは3対1なんて、なんて卑怯なの、と憤っている。
正義感の強いローズは、ずいずいと歩み始め、迷いなく揉め事の渦中へ飛び込んで行ったので、私も取り敢えずローズの後を追った。
「ちょっと、貴方たち!こんな所で騒がれたら迷惑ですわ!どこかへ移動してくださる?」
ローズが腕を組んでそう凄めば、何か言い返そうとした方を一番上背のある方が制止した。
「…お騒がせして申し訳ありません。」
いかにも上級生なのにローズに敬語を使うということは、ローズの顔を知っている上流貴族の令息なのだろう。
「でもお聞きください、ブルームン公爵令嬢。このシャンティース・リーソルロンという男、婚約者のいる私の妹に色目を使って関係をぶち壊したのです…。」
リーソルロンといえば、国境を守る伯爵家だ。伯爵自身はとても誠実で堅実だと聞いたことがあるけれど、息子には受け継がれなかったのかしら。
「そう。貴方の言い分は?」
「え?」
「片方の言い分だけで良し悪しなんて決められないでしょう?シャンティース・リーソルロン、貴方の言い分は?」
先ほどまで興味無さそうに、腕組みをした肘の上で指をぴょこぴょこと動かしていた彼が驚いたように顔を上げた。
「…言い分も何も、見に覚えがありませんねぇ。」
ローズを相手に飄々と言ってのけるのだから、ずいぶん肝が座っている。
「こいつっ…!」
3人衆の中でも一番小さい1年生の男子生徒がリーソルロンの胸ぐらを掴むと、彼は表情を変えないまま、さっと手を後ろに隠した。
無抵抗の人をローズがミスミス殴らせるわけもなく、繰り出された拳をしっかり右手で受け止める。さすが、惚れ惚れする手腕だわ。
「暴力は感心しませんわ。」
一番悔しそうに顔をしかめているこの1年生こそ、きっと上級生の妹の婚約者なのだろう。私と同じこの年で、浮気相手にまで怒りをぶつけるほど婚約者に好意を抱いているとは驚きだ。しかし、ここで揉めるのはやはりお門違い。
「そもそも、その婚約者さんのいないところでこんな話をしても、何も解決しないのでは?」
私がそう言い放つと、3人はバツが悪そうに視線を下げた。1年生がリーソルロンから手を離し、ローズも1年生の手を離した。
「…申し訳…ありませんでした。」
上級生にそんな風に頭を下げられるのは違和感があったが、とにかく3人はすごすごと談話室を出て行った。
反対に、入り口でおろおろしてた生徒たちが安心したように入室し、私とローズも端の落ち着く席に腰かけた。
「ローズ、手は大丈夫?」
「全然問題ないわ、あれくらい。仮に殴りかかったのが上級生でも、止めてやったわ。ふふ。」
「ミューズ方、助けてくれてありがとう。」
ニコニコと胡散臭い笑みを浮かべて近づいてきたのは、さっきの男、リーソルロンだ。軟派だが、礼を言う道理は持ち合わせているらしい。
「俺はシャンティース・リーソルロン。お陰で無駄な時間を短縮できた。」
「無駄な時間って…元はといえば、貴方が悪いのではないの?」
「誤解です、ローズ嬢。あ、公爵令嬢とお呼びした方がいいですか?」
白々しい。
「…同じ1年生でしょう?敬語も継承も必要ないわ。」
ローズの返答が予想通りだったのか、または満足する内容だったのか、彼の笑顔がより深くなった。
「ありがとう。では俺のことはシャンテと。」
「いいわ、シャンテ。本当のところ何があったの?」
「ハンカチを拾ってあげたんだ。」
「は?」
これには私もつい声が出てしまった。
「ルームメイトの婚約者とは知らなかったけど、ハンカチを拾ってあげたらどうやら俺に一目ぼれ?したみたい。」
私とローズは絶句した。ばかばかしいにも程がある。
「ねぇ、それ本当の話?」
訝しげに確認を取るローズに、シャンテは飄々と答えた。
「もちろん。」
そんなことより、とシャンテは続ける。
「なにかお礼をさせてよ。お茶でも入れてこようか?俺は次男坊で家に囚われず好き勝手やってるから、結構器用だよ。」
「じゃあ入れてきてちょうだい。」
ぶっきらぼうに言ったローズに文句を言うどころかニコリと笑うシャンテは、本当に詐欺師のようだった。公爵令嬢という私たちに下心を持って近づこうとしてるのは分かるが、謙虚さもなく、素直にあれこれ話すものだからガードが緩む。
シャンテがお茶を持ってくると、とても華やかな良い香りが立ち、お茶を入れることに自信を持っていたことにも頷けた。
ローズが売店で買ってきたお菓子を広げると、シャンテが俺ももーらい!、とクッキーを口に放り込んだ。なんてマナーのなってない男なの。本当に貴族?
「うん、旨い!」
「食べながら喋るのは止めなさい!貴方それでも貴族なの?!」
口に出すところがローズらしいわ。
ローズは終始シャンテに注意ばかりしていたが、私はそんな光景が面白く、気づいたら笑ってしまっていた。
* * * * *
「…ふふふ。」
「ジェニー、着いたわよ。笑ってないで起きなさいな。」
ローズに肩を揺らされてふと目を開くと、馬車は既に止まっていて、窓の外は真っ暗だった。
「え?」
私が戸惑っていると、シャンテが最初に吹出して、釣られるようにラミエラも笑い出した。
「私、寝ていた?」
「えぇ。キャルは先に寮に入って行ったわよ。よっぽど疲れたのね。早く部屋に戻って休みましょう?」
ホテルを出発するとき、私たち4年生の4人組と、お兄様とキャルと殿下の3人組に分かれて馬車に乗った。それは覚えている。しかしどうやら馬車に揺られているうちに、すっかり夢を見ていたようだ。
シャンテが先に降り、ラミエラ、ローズ、私の順で馬車を降りた。荷物は御者が運んでくれる。
私はなんとなくR寮の方を眺めた。キャルがいつ降りたのかは確認していないが、お兄様と殿下はもう着いただろうか。
「ジェニー何してるの?身体が冷えちゃうから早く行こう。」
1人ぼけっとしていた私の手をシャンテが引いた。この寮に戻ってきた安心感で、少し心が落ち着いた。
また学校が始まる。
入学してから1週間も経つと、学校生活や寮生活にもそれなりに慣れてきた。
私とローズ、公爵令嬢が2人並んで歩くものだから、変に絡まれるどころか人があまり近寄って来ず、どこにいても悠々と過ごせた。
今日も今から談話室で、恒例の授業後のティータイムをローズと過ごす予定で、2人で寮に向かっているところだった。だが寮に戻ると何か様子がおかしかった。
談話室の前で数人固まってはこそこそと話す人たち。談話室に入ろうとしては去って行く人たち。何が起こっているのかと思い、近くにいた入学前からの顔見知りに声をかけた。
「ラミエラさん、何かあったの?」
「あ、ジェニエッタ様にローズ様。…それが、なんだか揉めているようで、談話室に入れないのです。」
談話室で揉め事とは迷惑な話だ。
ちらりと中を覗けば、男子生徒同士の揉め事らしく、1人に3人で詰め寄っている様子だった。
私は、小説で女同士のいざこざ読んだことはあったが男もやるのだな、と呑気に思っていたが、隣にいたローズは3対1なんて、なんて卑怯なの、と憤っている。
正義感の強いローズは、ずいずいと歩み始め、迷いなく揉め事の渦中へ飛び込んで行ったので、私も取り敢えずローズの後を追った。
「ちょっと、貴方たち!こんな所で騒がれたら迷惑ですわ!どこかへ移動してくださる?」
ローズが腕を組んでそう凄めば、何か言い返そうとした方を一番上背のある方が制止した。
「…お騒がせして申し訳ありません。」
いかにも上級生なのにローズに敬語を使うということは、ローズの顔を知っている上流貴族の令息なのだろう。
「でもお聞きください、ブルームン公爵令嬢。このシャンティース・リーソルロンという男、婚約者のいる私の妹に色目を使って関係をぶち壊したのです…。」
リーソルロンといえば、国境を守る伯爵家だ。伯爵自身はとても誠実で堅実だと聞いたことがあるけれど、息子には受け継がれなかったのかしら。
「そう。貴方の言い分は?」
「え?」
「片方の言い分だけで良し悪しなんて決められないでしょう?シャンティース・リーソルロン、貴方の言い分は?」
先ほどまで興味無さそうに、腕組みをした肘の上で指をぴょこぴょこと動かしていた彼が驚いたように顔を上げた。
「…言い分も何も、見に覚えがありませんねぇ。」
ローズを相手に飄々と言ってのけるのだから、ずいぶん肝が座っている。
「こいつっ…!」
3人衆の中でも一番小さい1年生の男子生徒がリーソルロンの胸ぐらを掴むと、彼は表情を変えないまま、さっと手を後ろに隠した。
無抵抗の人をローズがミスミス殴らせるわけもなく、繰り出された拳をしっかり右手で受け止める。さすが、惚れ惚れする手腕だわ。
「暴力は感心しませんわ。」
一番悔しそうに顔をしかめているこの1年生こそ、きっと上級生の妹の婚約者なのだろう。私と同じこの年で、浮気相手にまで怒りをぶつけるほど婚約者に好意を抱いているとは驚きだ。しかし、ここで揉めるのはやはりお門違い。
「そもそも、その婚約者さんのいないところでこんな話をしても、何も解決しないのでは?」
私がそう言い放つと、3人はバツが悪そうに視線を下げた。1年生がリーソルロンから手を離し、ローズも1年生の手を離した。
「…申し訳…ありませんでした。」
上級生にそんな風に頭を下げられるのは違和感があったが、とにかく3人はすごすごと談話室を出て行った。
反対に、入り口でおろおろしてた生徒たちが安心したように入室し、私とローズも端の落ち着く席に腰かけた。
「ローズ、手は大丈夫?」
「全然問題ないわ、あれくらい。仮に殴りかかったのが上級生でも、止めてやったわ。ふふ。」
「ミューズ方、助けてくれてありがとう。」
ニコニコと胡散臭い笑みを浮かべて近づいてきたのは、さっきの男、リーソルロンだ。軟派だが、礼を言う道理は持ち合わせているらしい。
「俺はシャンティース・リーソルロン。お陰で無駄な時間を短縮できた。」
「無駄な時間って…元はといえば、貴方が悪いのではないの?」
「誤解です、ローズ嬢。あ、公爵令嬢とお呼びした方がいいですか?」
白々しい。
「…同じ1年生でしょう?敬語も継承も必要ないわ。」
ローズの返答が予想通りだったのか、または満足する内容だったのか、彼の笑顔がより深くなった。
「ありがとう。では俺のことはシャンテと。」
「いいわ、シャンテ。本当のところ何があったの?」
「ハンカチを拾ってあげたんだ。」
「は?」
これには私もつい声が出てしまった。
「ルームメイトの婚約者とは知らなかったけど、ハンカチを拾ってあげたらどうやら俺に一目ぼれ?したみたい。」
私とローズは絶句した。ばかばかしいにも程がある。
「ねぇ、それ本当の話?」
訝しげに確認を取るローズに、シャンテは飄々と答えた。
「もちろん。」
そんなことより、とシャンテは続ける。
「なにかお礼をさせてよ。お茶でも入れてこようか?俺は次男坊で家に囚われず好き勝手やってるから、結構器用だよ。」
「じゃあ入れてきてちょうだい。」
ぶっきらぼうに言ったローズに文句を言うどころかニコリと笑うシャンテは、本当に詐欺師のようだった。公爵令嬢という私たちに下心を持って近づこうとしてるのは分かるが、謙虚さもなく、素直にあれこれ話すものだからガードが緩む。
シャンテがお茶を持ってくると、とても華やかな良い香りが立ち、お茶を入れることに自信を持っていたことにも頷けた。
ローズが売店で買ってきたお菓子を広げると、シャンテが俺ももーらい!、とクッキーを口に放り込んだ。なんてマナーのなってない男なの。本当に貴族?
「うん、旨い!」
「食べながら喋るのは止めなさい!貴方それでも貴族なの?!」
口に出すところがローズらしいわ。
ローズは終始シャンテに注意ばかりしていたが、私はそんな光景が面白く、気づいたら笑ってしまっていた。
* * * * *
「…ふふふ。」
「ジェニー、着いたわよ。笑ってないで起きなさいな。」
ローズに肩を揺らされてふと目を開くと、馬車は既に止まっていて、窓の外は真っ暗だった。
「え?」
私が戸惑っていると、シャンテが最初に吹出して、釣られるようにラミエラも笑い出した。
「私、寝ていた?」
「えぇ。キャルは先に寮に入って行ったわよ。よっぽど疲れたのね。早く部屋に戻って休みましょう?」
ホテルを出発するとき、私たち4年生の4人組と、お兄様とキャルと殿下の3人組に分かれて馬車に乗った。それは覚えている。しかしどうやら馬車に揺られているうちに、すっかり夢を見ていたようだ。
シャンテが先に降り、ラミエラ、ローズ、私の順で馬車を降りた。荷物は御者が運んでくれる。
私はなんとなくR寮の方を眺めた。キャルがいつ降りたのかは確認していないが、お兄様と殿下はもう着いただろうか。
「ジェニー何してるの?身体が冷えちゃうから早く行こう。」
1人ぼけっとしていた私の手をシャンテが引いた。この寮に戻ってきた安心感で、少し心が落ち着いた。
また学校が始まる。
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